月別アーカイブ: 2012年1月

LXP modo プリセットコンテスト:Dragon編

3ヶ月に渡って続いていたプリセットコンテストですが、とうとう今月で最後。Holiday(ホリデー)編Office(オフィス)編と続いた後の今月のお題はDragon(ドラゴン)でした。気になるプリセットは見つかりましたか?

はじめのうちはドラゴンの目を表現するプリセットが多く見受けられていたようですが、そのうちドラゴンの肌の質感を表現するプリセットもちらほらアップされているようです。ドラゴンといえば龍ですから、うろこが表現されていてほしいところですよね。二つほど、気になるプリセットが見つかったので、ドラゴンのモデルに適用してみました:

プレーンな状態のドラゴンモデルはこちら:

一つ目はコレ↓使用したプリセットはこちら → http://www.luxology.com/asset/materials/view.aspx?id=2509

 

そして二つ目↓使用したプリセットはこちら → http://www.luxology.com/asset/materials/view.aspx?id=2508

どちらもディスプレースメントの具合がいい感じにきいています。こういう置物、どこかで目にしてそうですよね。ドラゴンモデルに限らず、他で使えるかもしれません。

最後にひとつ、こんなプリセットも登録されていました↓

確かに「龍のモデルの質感」と限られているわけではありませんので、これもOKですよね。

ちなみに今回、サンプルで使用したモデルオブジェクトは、こちらからダウンロードして使っています↓

http://www.mrbluesummers.com/3572/downloads/stanford-dragon-model

ちょっと検索してみると、様々なドラゴンモデルのオブジェクトが公開されていました。気に入るモデルを探すだけでも楽しいものですね。

 

フリーの植物データ from Xfrog

前回はローポリの樹木でしたが、反対に詳細なディテールを持つ樹木が必要になるときもありますね。

そういうときにはフリーの樹木データを使ってみるという選択肢もあります。樹木データなどを取り扱うXfrog社では現在、なんと130種類ものデータを無料でダウンロードできるようになっています。様々なフォーマットでダウンロードできますが、データによってはmodoフォーマットで提供されているデータもありますので、そのまますんなりとmodoへと持ってくることが可能になっています。

今回ためしに、こちらのデータをダウンロードしてみました↓

XfrogPlants JAPAN

modoに読み込み、適当に作った地形っぽいデータの上にリプリケータでがつがつ生やして行ったのがこれ↓

生やしすぎてしまってディテールが良く見えませんね。ということで、カメラをぐぐっと近づけてみて、もう一度レンダリング↓

すると、葉っぱの一枚までモデルが作りこまれているのがよくわかります。

シーンに彩りを添えるあとひとつが足りない、または街中や建築物外観を表現するのにちょっとした樹木があれば、といったときなど、Xfrog社が提供しているデータを使ってみるのはいかがでしょうか?

 

チップス:頂点マップを使用したフォールオフ

建築や建造物のパーツなどを製作する場合、ほんの少しずつパーツの一部のサイズや位置を変更したバリエーションをたくさん用意しなくてはいけないときがあるかもしれませんね。そんなときはフォールオフ機能の頂点マップを使ってみてはいかがでしょうか?

以下のページではこの頂点マップのフォールオフを使ったモデリングのチップスが掲載されています↓

http://www.pixelatedvertex.com/using-falloffs-in-archviz/

簡単に試してみましたので、ぜひ参考にしてみてください。

まずは今回はあくまでチュートリアルということで、わかりやすい形状で用意してみました。

内側の形状はベベルをかけ、あとで比較しやすいようにボタンを配置しています。この内側の形状を、ベベルの幅やボタンの形状を変えることなく、ただし配置のバランスはそのままの状態で外枠にぴったりと合わせたい場合、どのような手段を取りますか?

ベベルとベベルの間の幅を見てみると、ちょうど100mmに設定されています。外側の枠にあわせるため、この内側の形状に対して、ただ単にスケールをかけるだけだと、全体が伸びてしまい、このベベル間の幅も変わってきてしまいますね。

ベベル間の幅は141.5mmになってしまい、ボタンの形状も横に伸びてしまっています。これを避けるため、まずはウェイトマップをひとつ新規作成してください。このウェイトマップに対し、変形せずに一緒に動いてほしいポイント群にまとめて値を設定していきます。

この内側形状を外側枠に合わせたときに、上図の1/2/3/4というのがひとつのグループでバランスを崩すことなく動いてほしいですよね。ここでグループ1の頂点に対してはウェイト値1.0グループ2の頂点に対しててはウェイト0.666666(=2/3)グループ3の頂点に対してはウェイト0.3333333(=1/3)グループ4の頂点に対しウェイト0.0を設定します。つまり右から左に向かって0.0~1.0の範囲でグループ毎に等間隔のウェイト値を設定していきます。

シェーディングモードを頂点マップに切り替え、ウェイトマップがこんな分布状態で設定されていることが確認できたら、フォールオフを頂点マップに設定してください。

ここがこのチップスの一番大事なところです!フォールオフにこのウェイトマップを利用することにより、トランスフォームツールを利用したときに、この頂点マップに沿って移動してくれるようになるのです。つまりウェイト値1.0を設定したグループは移動量そのままを移動し、ウェイト値2/3を設定したグループは移動量×2/3を移動、ウェイト値1/3を設定したグループは移動量×1/3ウェイト値0.0を設定したグループは移動しない、という状態になります。ではトランスフォームツールで外枠のエッジにあわせるよう移動させてみてください。スナッピングをオンにしておくと良いですね。

すると、外枠にぴったりと合わせることができるようになりました!ベベルの間を計測してみると

一番最初に計測したときと同様、ベベルの間は100mmを保持しており、ボタンの形状にも影響を及ぼしていません。

こんな感じで等間隔にスケールしたいけれど、パーツ間の位置は変えたくない!といったシチュエーションにはウェイトマップを設定しておくと、作業がはかどるケースもあるかもしれません。とはいってもウェイト値をちくちく設定するのが面倒くさいなぁと思われる方もいらっしゃるかもしれませんね。でも大丈夫!modoの場合、値の入力フィールドでそのまま数式を使うことができますから、例えば0.666666と入力しなくても2/3と入力すれば正確な数値を指定することができ、わざわざ値を計算して入力という手間は要りません。

ウェイトマップはあまり使わないという方も、こんな使用法を試してみてはいかがですか?

 

事例紹介:ローポリの森

林や森など、大量の木を表現する場合、ポリゴン数などに悩まされることがありますよね。Luxologyのギャラリーに投稿されているこの作品では、少ないポリゴン数の木を何パターンか用意し、リプリケータを利用することで、見事に表現しています。

この作品の作者 Maximo Lucosi 氏は、自身のブログでこの作品のプロジェクトファイルを公開されていますので、樹木をどのように少ないポリゴン数で表現しているのか、またリプリケータをどのように使用しているのかなど、ぜひ参考になさってみてください。

Maximo Lucosi 氏のブログ

 

チュートリアル:プロシージャルテクスチャによるモデリング

自然に存在する岩をモデリングする場合、どのような手段を用いますか?様々なモデリングツールやスカルプトツールを駆使して、メッシュの形状をあっちにひっぱり、こっちにひっぱりして、ごつごつした形状を作り上げていくのもひとつの手ですが、もっと簡単にプロシージャルシェーダを使ってモデリングする方法があります。

今回ご紹介するチュートリアルのビデオでは、Autodesk社の3DCGアプリケーション3dsMaxを利用して解説が行われていますが、原理はそのままmodoでも応用できるようになっています:

3dsmax Environment Modeling #1 Procedural Stone from Sascha Henrichs on Vimeo.

わかりやすいように、modoのlxoファイルで再現したサンプルファイルが公開されていますので、そちらをダウンロードしてmodoで開いてみてください:

サンプルlxoファイル

modo上で開いてみると、元々の形状は単なる球状のプリミティブなのに、プロシージャルテクスチャCellularをディスプレースメントとして適用することで、形状自体を大きく変化させています。シェーダツリーの岩のマテリアルのすぐ上に設定されているCellularテクスチャを選択し、テクスチャロケータタブからテクスチャの位置やサイズの値を変えてみてください:

すると、岩の形状が微妙に変わっていくのがわかりますね。このように大まかな形状自体をプロシージャルテクスチャでモデリングすることで、パラメータを変えるだけで、いくつものランダムな形状の岩をそれほど手間をかけることなく生み出していくことができます。

このチュートリアル、SES1SES2PADといった様々なキットを開発している9bStudios社Twitterで紹介されていた技であり、サンプルモデルも9bStudios社が提供してくれています。このような有益な情報を流してくれるのは、ユーザーにとって本当に助かりますね。

 

事例紹介:ショートフィルム「RUIN」

国内でも大阪東京と盛んになりつつあるユーザーグループですが、米LAにもmodoのユーザーグループが存在しています。

01/16に行われたLAのユーザーグループでは、modoを使用して製作されているショートフィルム「Ruin」のメイキングが紹介されたようです:

「Ruin」のティザートレイラーはこちら↓

modoとLightWaveを使用して作られているようですね。完成作品を見られるようになるのが楽しみです。

また、このLAユーザーグループではこの他にも、“リプリケータ”スーツのデザインをお披露目したそうです:

面白いですね!ユーザーグループのステキなところは、いろんなユーザーさんが持ち寄る作品を発表しあい情報交換ができるという点にあるかと思います。ぜひ日本でも、幅広いジャンルの様々な作品に出会えると良いですね!

 

アーティスト紹介:Martin Mayer氏

modoを使い、静止画ギャラリーに投稿されるアーティストが多い中で、動画ギャラリーにも投稿されているのがMartin Mayer氏

また、Martin氏のサイトでは、2010年のデモリールも公開されています。

ライティングが美しい映像ですね。アニメーションはMaya、コンポジット(合成)にFusionを使用されているそうですが、映像を作る際の一連のワークフローの中にmodoが組み込まれていることで、作業効率が図られているのかもしれません。

Martin氏のサイトでは他にもいくつも映像作品が紹介されていますので、ぜひご覧ください↓

Martin Mayer氏のサイト

 

modo 501 サービスパック6 日本語版公開開始!

お待たせいたしました!本日よりmodo 501 SP6(サービスパック6)日本語版の公開を開始いたしましたので、イーフロンティア マイページよりダウンロードの上、インストールをお願いいたします。

大変わかりにくくて本当に申し訳ありませんが、マイページにログインしたら、Windows版をお使いの方はDL1のリンクから、Macintosh版をお使いの方はDL3のリンクからアプリケーションをダウンロードしてください。DL1~DL5があらわすダウンロードリンクの中身については、以下のページに記載しておりますので、ご参照くださいませ。

modo 501 ダウンロードリンクについて

また、SP6における主な変更点は、こちらをご覧ください。様々なバグフィックスなどが行われております。ぜひご利用くださいませ。

 

事例紹介:合成生物学の世界を可視化

International Genetically Engineered Machine competition (iGEM)と呼ばれる合成生物学の大会において、modoを利用して可視化を行ったコーネル大学の学生グループが“Best Manufacturing Project(最優秀製造プロジェクト)”を受賞しました。

可視化のツールとしてmodoを選択した理由として、以下の理由を挙げています↓

「modo は直感的かつ自然なやりかたで、アニメーションを製作し、3D空間におけるモデリングやアニメーションの一般的なワークフローを理解することができました。ソフトウェアを学び、ある程度の品質のアニメーションを製作するのに、一月反程度しかかかりませんでした。ウィスコンシン大学は私たちのことを”iGEMのPixar”だといっています。以前はMayaを使用していたのですが、Mayaでここまでのタスクを達成できたかどうかは疑問ですね。」

大学や研究機関の研究室では、研究結果を視覚的に表現するために可視化という手段がとられることが一般的ですが、そういった用途としてもmodoが選ばれるようになってきているんですね。

 

CGWORLD 2月号「ストーブ(後編)」

先月の前編に引き続き、今回のCGWORLD 2月号の記事はストーブ(後編)です。

前回の1月号でかなり外観が出来上がっていたので後編ではどこを詰めていくのかな?と思っていたら、ぱかっと蓋が開いて内側を作りこんでいるんですね。ある程度の規則性を持ったモデルであるため、配列や複製ツールを駆使して、各パーツが規則的にきっちり配置されていて気持ちいいつくりになっています。ご興味のある方は、ぜひご一読ください!