株式会社 KORAT でさまざまなコンテンツの3DCG製作、ディレクションを担当しておいでの 高野 怜大氏に、Unity, Unreal Engineなどのゲームエンジンを用いたゲーム制作のワークフローでの「MODO」の活用スタイルをご紹介いただいております。
text by 高野 怜大
昨今のゲーム制作で使用するツールとして「ゲームエンジン」が一般的に使われるようになり、オブジェクトの配置やマテリアルの設定、ライティング、シミュレーションがゲームエンジン上で簡単にできるようになりました。
ですがゲームに登場するキャラクターのモデルや特殊な形状のオブジェクトは、ゲームエンジンとは別の「DCC(Digital Content Creation)ツール」で作る必要があります。
ここではゲーム制作の流れの中でDCCツールに「MODO」を使ったケースを紹介したいと思っています。
まずは「ゲームのキャラクター制作ワークフロー」の全体像を簡単に整理して、ゲームアセットの制作に「MODO」を使うメリットを大きく5つ紹介します。
キャラクターのアセットは関節が多く、リギングの作業は複雑になりがちです。
しかし、MODOはスケマティックビューが非常に扱いやすいので、ノードやコンストレイン、モディファイヤのコネクションを直観的に行うことができます。
スケルトンの情報とキャラクターのポリゴンメッシュのひもづけはポリゴンメッシュに設定したウェイトの情報を仲介して行われ、他のモデルで再利用することが可能です。
また、ウエイトコンテナを用いればスケマティックビューでウエイトをノードとして扱うことが可能です。
「走る」「歩く」といった個々のモーションは個別にテイク単位で管理しておけば、ゲームエンジンでそのまま利用可能です。
MODOには Unity, Unreal Engine に対応したマテリアルが用意されており、ゲームエンジン側での材質の設定に関するコストを抑えることができます。
ウエイトをグループにして管理することができるのでパーツ単位、キャラクター単位の差し替えにも柔軟に対応できます。
海外の中小の映像制作会社やゲーム制作会社でMODOを導入するところが増えているのは、ほかにはないユニークな機能が標準でついているからでもあると思います。
3DCGソフトウェアの中では、MODOはまだ歴史が浅く大規模な組織で利用するには不足している機能があるかもしれませんが、一般的なゲーム制作で利用するのに充分な機能を持っているということがこの記事から伝われば幸いです。
次回からは、具体的にゲームアセットの制作に MODO のどういった機能が有用と感じているかを細かくご紹介したいと思います。
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高野 怜大
2002年から GameAsset、VideoPromotion をはじめとする各種コンテンツの3DCG製作、ディレクションを担当。
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