今回は株式会社 意匠計画でパースの制作にMODOを活用しておいでの海老澤拓也氏にお話をお聞きしました。
当社のクライアントはデザイナーさんがメインのBtoBのビジネスになります。建築の内観・外観パースについて、デザイナーさんが設計されたものを、資料をいただいて完成予想図を描くのが主軸になっています。
デザイナーさんがどうしても資料を用意できないときなどは、写真資料を参考にしたデザインを提案するというところまで含めて行っております。また、VRやモーションモンタージュなどの新しい取り組みも始めています。
当社には4~5人で編成されるCGの制作のチームが5つあり、そのほかにレタッチを行うPhotoshopチーム、手描きチームがあります。CG制作の1チームがMODOを使っています。
分業するかどうかという点で言うと、当社は1人の担当が1から10まで、つまり営業から制作まで行うという方針でして、1人が打ち合わせに行って、社内でマネージャーとスケジュールを組んで、後は自分で作業するという感じです。
後からショッピングモールのお洋服屋さんの商品を入れ込むようなレタッチを行う際は、そこで初めてレタッチチームと分業をして作業します。
基本は短い納期でコンパクトな物件が多いので、出来るだけデータを振り分けやすいようなワークフローにしています。
はい。フィニッシュはV-Ray for MODO or MAXでレンダリングしています。
マシンはレタッチチームは一人1台、3DCGチームは一人2台でどれもWindowsです。当社はMacは2台ありますが基本的に皆Windowsですね。
Photoshopで最終調整をしてます。光の調整や植栽をいれるだけというのは担当者が自分でやってしまいますが、商品入れであったり人がたくさん入る絵はレタッチチームにお願いします。
画像サイズは350dpiのA3サイズを想定して4500pixで行っています。当社は出力サービスもやっているんですが、たまにA2で出力するケースがあるんです。4500pixでレンダリングしておけばA2も耐えれるかなという感じです。
色々と試してみて、Shadeのレスポンスを保ったまま、よりパフォーマンスをあげられるソフトを探した結果がMODOでした。
いままでずっとShadeを使っていたのですが、Shadeはかなりレスポンスが良いソフトで、納期が短い案件にも対応できるということで、スピードとレスポンスが競合他社との差別化を図れた部分だったのですが、モデリングのパフォーマンス面で気になるところが出てきまして、Shadeのレスポンスを保ったまま、よりパフォーマンスをあげられるソフトを探し始めました。
それで、秋葉原でのV-Ray for MODO のプレビューイベントに参加させていただきました。
MODOを使えないのに参加したのですが、実際にMODOを使ってらっしゃる方のお話も聞いて、「これじゃないか!?」と思ってMODOのことを会社で話したらとりあえずやってみなよということになりました。MODOがスピードとクオリティを両立させたソフトなのではないだろうかと思ったんです。
比べてみて、3ds MAXはmental rayを使っていたのでその感じと違いは明らかに分かって、CINEMA 4Dとは悩んだんですけど、MODOはV-rayが出れば3ds MAXのV-rayとの差は無くなっていくんじゃないだろうかというところで、MODOにしました。
使ってみてかなりポリゴンモデリングがしやすいです。
MODOでいいなと思うところは、アクションセンター、フォールオフ、あとプロファイルも便利ですね。プロファイルで面材等を登録してやることで効率がだいぶ良くなっています。
Shade、3ds MAX、CINEMA 4D、Unityなどです。
ひとりで複数のソフトを使うのではなくて、MODOチームはMODOのみ、3ds MAXチームは3ds MAXのみという使い方です。
ソフト間のデータのやり取りは、主にOBJ形式でホワイトモデルにして受け渡ししています。完成形までいったものを別のソフトで出力することは無いんですけれども、たとえば家具など他のソフトで作った単品データをOBJ形式で書き出してインポートして使う感じです。
是非やってみたいのですがまだ試せていません。MODOチームとUnityチームは隣同士なので、そこの連携もこれからやっていければと考えています。
モデリングがしやすいです。また、ビューポート・UIが見やすいです。他のチームからもビューポートが綺麗ってよく言われます。それはモデリングをする上でのモチベーションになりますし、あとシェーダーツリーがレイヤー構造になっていてON/OFFの切り替えがしやすいのはすごく使い勝手が良くて効率的だと思います。
3つあります。
1つめはバッチレンダーです。レンダーパスというのを半年前くらいに気づきまして、レンダーパスでひとつのシーンで複数のカメラをレンダリングできるのを知ってそれは本当に助かったんですけど、複数のシーンを自動で開いてレンダリングする機能があると良いなと思ってます。
2つめはレンダー出力で、オブジェクトIDがほしいです。いまはレタッチのためにサーフェイスIDとトランスペアレントアマウントとシェーディングノーマルとジオメトリックノーマルを使っているんですが、たとえば椅子だったら椅子で一色になってレタッチのときマスクに使いやすいようなものがあると良いです。
最後は、寸法ツールが便利でよく使うのですが、その数値のフォントの大きさがメッシュとかぶると見づらくて寄ってもフォントサイズが変わらないので、何か変更設定が出来ればよいなと思います。定規ツールも同じです。
建築の畑しか知らないんですけど、レスポンスを常に求められる業界にはMODOはおすすめです。
さっき言ったことと重複するんですけど、作り終わった後にやっぱり天井を変えるとか、ここだけ無くすとか、そういう修正は日常茶飯事にあることなんですが、MODOは面を消してまた張ったり、ベベルしてやり直してというのがすごくやりやすくて修正対応が早いソフトなので、納期が短い業界にいる方におすすめです。
毎日が納期という人には「MODOでしょ!」みたいなところがありますね。