CGパースの作成、家具や内装デザインの検討など住宅の様々な分野にmodoを活用されている比嘉 親吾氏にお話を伺いました。
弊社には、アジアン家具の販売、店舗のデザインやコーディネイトを行っている部署もありまして、始めはそこで手描きでパースを描いていましたが、よりパースの数が求められる現在の建築部署に異動となり手描きでは追いつかない状況になると思ったのがきっかけです。それで色々ソフトを検討している内に他のソフトよりもプレビュー機能が進んでいるmodoを見つけて、このソフトであればスタッフ間でのイメージの共有がしやすいとな感じたのでmodoを導入しました。
401だったと思います。
ウェブです。あとは話も聞いてみたくて販売店さんにも行きました。そこで、いろいろなソフトを紹介していただいた中でmodoもあったんです。置いてあったカタログなどで作品を見てグローバルイルミネーションの綺麗さに驚きました。あとはレンダリングスピードとモデリングが評判が良かったのと、価格の面でも他のソフトよりコストがかからないということもあり、modoに決めました。
CGパース、家具や内装、建材デザイン検討に活用しています。デザイナーとのやり取りでmodoのプレビューはかなり活躍していて、色やサイズ等の検討には欠かせないですね。
テレビ台やソファ、テーブル、チェストなど様々です。弊社では家具を作っているファクトリーが海外にありまして、現地で職人さんたちに作って頂いています。今までは図面を送りオーダーしていましたが、modoでフォトリアルなイメージを出せば、凝った形のものでも職人さんに作って頂けるんです。
弊社はリゾートホテルで扱われている様な質感の高い素材を、一般の住宅の建材や家具などに取り込みたいという想いがあるのですが、そういった素材は既製品ではなかなか存在していないので、自社オリジナルで作っています。それらのデザイン検討にmodoを導入することで、複雑な形状でも職人の方への発注がスムーズに行える様になりましたね。
PhotoshopとIllustratorですね。Photoshopは、レンダリング画像へのレタッチや、テクスチャを作る際に使っています。Illustratorは初め、かっちりした模様などを表現したいときに使っていましたが、習得していく内にmodoでもできる様になっていったので、今は使う頻度は少ないです。ほぼPhotoshopとmodoで済ませてます。
あと、今はSubstanceに興味があって試しています。modoのプロシージャルにはない、Substanceのスロープ機能というのに興味があります。例えば、ビルの壁面にタイルが貼ってあるような場合、CGで表現しようとすると平らにきれいに貼れるんですが、スロープ機能を使うと一個一個の法線にばらつきを与えられるので、スペキュラにランダムな表情が与えられるんです。従来だとmodoのプロシージャルでランダムにできる機能を使って疑似的に表現していたんですが、表現的にはSubstanceのスロープの方にかなり興味があって練習中です。
また、Substanceにはパーティクルによるペイント機能が搭載されたようなので、家具にエイジング処理を行うときなど、ちょっとした味をつけたり質感を表現するのが楽にできるようになるんじゃないかと思っています。
そうですね。質感がある家具やオブジェなどに使います。塗装が剥げているような表現などは質感が2種類必要になるので、オクルージョンをマスクとして利用して2種類の質感をミックスしています。
ビューポート内のテクスチャ表示やOpenGL表示時でのマテリアルの再現性が向上して欲しいです。プロセスやプロシージャルテクスチャなど反映されない物もありますが、できればOpenGLの段階でテクスチャが正確に表現できていると良いと思います。プレビューやRayGLで確認すれば済む事ではありますが、テクスチャ表示の精度が上がればテクスチャの位置やサイズ合わせや色の判断など、ビューポート内でモデリングしながら済ませられるので助かります。
ライト関係では、リプリケータで管理できると良いですね。ポイントデータを配置したい箇所にぽんぽんと置いて、そこにライトをリプリケータで配置できると、移動や配列、変更が簡単になりますので、手間を減らすことができると思います。あと、エリアライトが可視化できる様にポイントライトも可視化できると嬉しいです。例えばランプシェードの中の電球が生地から透けて見えてくる様な表現がしたい時に、リアルに電球を作り込むほどでもない場合が多いので、可視化できるとモデリングせずに簡易的に済ませられるので助かります。
レンダリングでは、レンダーリージョンを一つだけでなく複数指定できるといいなと思います。現在の矩形による指定の仕方だと必要のない個所もレンダリングすることになるので、矩形を複数配置できれば、効率よくレンダリング範囲を指定できると思います。
あとはポリゴンの面積を求められたら面白いですね。
直接デザインに関係はありませんが、壁紙やフローリングの価格を見積もる時に面積を知る必要があるので便利だと思います。特殊な形状だったり複雑な形をした住宅の場合、ざっくりモデリングした段階で積算スタッフから見せて欲しいと要望があったりもします。立体で見れると簡単に形状の把握ができ、見積もる際の見落としが少なくなるようですね。その時に面積も求められるといいね、という話が出たんです。
他には、エッジの交点にもスナップする機能がほしいです。DXFなどの図面データを元にモデリングしていくんですが、設計者によって図面の書き方が様々なので、スナップさせたい場所に頂点がない場合もあります。そういう場合にエッジの交点にもスナップすれば解決する事も多いのであれば便利な機能だなと思います。
スタッフそれぞれですが、VectorWorksやJWCADです。自分が図面データ貰う時はDXF形式にして頂いています。PDFで渡されることもありますが、その場合は一度Illustratorで読み込んでDXFで書き出すか、ver8形式で出力しています。ただ、DXFで書き出すときに曲線が書き出せないことが多いので、そんな時にはIllustratorのver8で出力しています。
modoにはモデリング、マテリアル設定、アニメーション、レンダリングといった各セクションに一貫した操作性や概念があり直感的に扱えるので、初めての方でもストレスが少なく扱える様な設計になっていると思います。自分もmodoが初めての3Dソフトだったので、3D初心者の方にもお勧めできるソフトだと思います。