MODOを導入されたきっかけをお教えください。
北田氏: 最初の頃はスタッフが個人でMODOを購入して使用していたのですが、そのうちだんだん使用する人数が増えたので会社として導入しました。
中澤氏:自分は最初 LightWave ユーザだったのですが、たまたま隣の席に LightWave から modo 103 に移行した人がいてすごく楽しそうに見えたんですよね。それとUV展開がすごくよかったので「教えてほしい」って言って教えていただいて、そこからですかね。
どの辺りが楽しそうに見えたのでしょう?
中澤氏:多分、パイメニューですね。その当時自分にとってはパイメニューを出してコマンドを起ち上げてというのがすごく新鮮でした。 あとはビューの色なんですが、当時はMayaも3ds Maxも白いCADっぽいインターフェイスだったのですが、こげ茶色のMODOのビューは堅苦しくなさそうな印象がありましたね。
北田氏:私は元々LightWaveを使っていて、アニマロイドに来て3ds Maxを使いはじめたんですけど、何をやるにしてもひと手間ふた手間多いツールなのでモデリングがどうしてもなじめませんでした。LightWave はワンキーのショートカットでどんどん作れるんですけど、それがMODOも一緒で。操作方法もほとんど一緒だったので抵抗なく移行できて使いやすかったです。
ではMODOを使われるようになってどのようなところがよくなりましたか?
中澤氏:モデリングのスピードが格段に上がりましたね。UV展開も高機能でしたし。特に選択のスピードは上がりました。MODOだとちょっと考えれば複雑な選択ができるので。たとえば曲がったチューブでもリング部分をショートカットで一括選択してローカルでスケールすれば、長さを変えずに直径を変更できたりするなど、そういう部分でのストレスは無くなりました。
全体のワークフローの中でのMODOの役割をお教えください。
中澤氏:モデリングとUV展開に使っています。あと自分はテクスチャを貼ったりしてMODOである程度質感をつけて雰囲気を出すまでやります。プリセットにいろいろHDR画像が設定された環境が入っているのでそれを使っています。ワンボタンでスタジオや室内、屋外の環境をすぐ選べるので、そこである程度雰囲気を掴んでこういう絵にしようと決めたら、FBXで3ds Maxに持っていくっていう感じですね。
MODOの他によく利用されているツール、連携して使われているツールはございますか?またはMODOのスクリプト等はご利用ですか?
中澤氏:Align(整列機能)やQuickPipeなどの昔のMODOのスクリプトを今でも使っています。Alignは今はもうMODOに標準搭載されていると思うんですけど、標準搭載されたものは場所がどこにあるか分からなくて。
北田氏:メッシュクリーンアップも昔は無かったですよね。
中澤氏:最近 Add Loop(ループ追加)という機能が本当に助かっています。例えば台形のポリゴンにループスライスでエッジを追加すると、辺の長さに応じて等分するんですけども、Add Loop(ループ追加)は「こっちの辺に平行に」ということができるんです。 Bevel(べベル)やEdge Extrude(エッジの押し出し)でも似たようなことはできるんですけど、端が壊れたりするので、Add Loop(ループ追加)で切りたいところだけ切れるというのが助かりますね。
モデルデータを他から持ってきたりすることはあるのでしょうか?
中澤氏:相当昔なんですけど、CADデータを読み込んでそれをあたりにしてモデリングしたことがあります。 でもほとんどは画像やイラストで依頼が来て、それから3Dのモデルに起こしていきます。
それではMODOへの要望がございましたらお聞かせください。
中澤氏:ペイント機能がもっと強化されたらうれしいなと思います。写真やイラストを直接転写したりするようなテクスチャリングもMODOでやっているのですが、例えばコピースタンプツールが反応しない時があるんです、すごく使いたい機能なんだけど。そういうことが多いです。あと贅沢を言ったらきりが無いんですけども、UV画面でのペイントのリアクションがズシッと重くなるので、そこを改善してほしいです。 なるべく他のソフトをまたぎたくないので、MODOでできるんだったらMODOでやりたいんですけど。
中澤氏:あとヘアのプリセットが欲しいんです、本当に。すごく細かく設定したらキレイな黒髪とかができるのかもしれませんが、自分はまだ見つけられません。こういうのをプリセットで入れてくれたらすごく嬉しいなぁと。
北田氏:どれ見てもヘアがチリチリしてますよね。つやが無くてパサパサした感じ。
中澤氏:スキンはすごくいい。項目が多くてすごく複雑ですけどね。そこまでしなくても幾つかの項目にマップをアサインするだけでもいい感じになります。
北田氏:マテリアルはどうですか?
中澤氏:マテリアルの入れ替えとかで、他のソフトだと二重に設定しないといけないところを一つでまとめられたりとか、うまく使うとさっぱりまとめられるんですよ、MODOのシェーダって。完全に理解すると最高だってみんな言う。ちなみに自分は半分くらいしか理解していませんが、それでもこの仕組みは素晴らしいと思います。
最後にこれからMODOを始められる方へのアドバイスがもしございましたらお聞かせいただければと思います。
中澤氏:The Foundry や MODO JAPAN グループにリンクされているMODOユーザの方々のWEBサイトを読めばMODOのことが大体わかります。 皆さんのWEBサイトを見ると、今まで知らなかったことがいっぱい書いてあったのですごく勉強になりました。特に「Zでいこう」というWEBサイトは勉強になりました。
※ Zで行こう!
中澤氏:いろんなソフトを触ってみてMODOが一番感覚的に作れると思います。使いこなせば一緒だとは思うんですけど、自分の個人的な感覚では
・ZBrush
・MODO
・Maya
・3ds Max
のような順番です。ただZBrushは特殊なので、モデリングソフトの中ではMODOが最も感覚的に作れるソフトであると思います。
本日は、どうもありがとうございました。