国内初となるLuxologyの公認ユーザーグループである「modoユーザーグループOSAKA」。今回はその「modoユーザーグループOSAKA」の中心として活動を担っている柳村氏にお話を伺いました。
学生時代にゲームの世界から3DCGの世界へと足を踏み入れ、現在は建築パースなど、ビジュアライゼーションの業務に携わる。
私はもともとゲームのプログラミングに興味がありまして、ゲームコースのある専門学校のCG科に通ったんです。ただ私が通った専門学校は、基本的にはデザイナーの学校だったので、専攻がなんであれ、入学当初から半年間は一通りCG科のすべてのコースの内容を学ぶんです。そこで3DCGに出会いまして、ゲームよりもCGの方に興味を惹かれ、途中からCGコースへと変更したんです。それがCGをはじめたきっかけですね。
初めて触った3DCGソフトは、その専門学校に導入されていたLightWave 3Dです。LightWave 5.6の時代でした。
卒業後は、印刷屋さんに就職しました。そこでは毎日、チラシの版下や画像の切抜き・色味調整などの作業を行っていましたね。学生時代に3DCGを勉強したときにはPhotoshopやIllustratorなども触っていましたから、そのあたりのスキルはありました。ですが、自分にはCGをやっていきたいという気持ちが強かったです。
そんなこともあり、身内に設計事務所の先生がいましたので、建築について本格的に勉強して建築パースをはじめとした、ビジュアライゼーションの世界へと転向しました。また印刷屋さんで働くことでDTPのスキルも上がり、3DCGでも応用がききますので、その経験は有利になりました。
ゲームから印刷業界、そして建築業界という紆余曲折がありまして、今に至っています。
modoを使い始めてしばらくは、他のソフト(LightWave 3D)とも併用して使っていたのですが、残念なことに使っていたソフトに対して将来性が見出せなくなっていたことなどがきっかけで、modoに移行することにしました。modoのほうに将来性を感じていましたし、建築パースという自分の仕事のスタイルとしては、アニメーション機能を外してもさほど支障が無かったということもありました。
それまで使っていたソフトが、ポリゴンモデラーとしては一番優れていると思っていたのですが、modoはさらにその上を行くソフトでした。modo 101のときにはレンダラーが搭載されていなかったため、完全に移行することはできなかったのですが、201以降はすべての作業をmodo一本で行っています。
今年の初めあたりから公開し始めました。私はずぼらな性分なので、面倒な処理をスクリプトで行っていたのですが、それを皆さんにも使ってもらえれば、ということで公開しています。
以前、ウェブ関連で掲示板等にオリジナルの機能を実装するのに、Perlを使用してCGIスクリプトを書いていた時期もありましたし、もともとVisualBasicでプログラムを書いていたりして、アルゴリズムを考えるのが楽しいんです。アルゴリズムを考えるという点では言語は関係ありませんし、modoのスクリプトはPerlが使えますので、すんなり入ることができました。
なんといっても軽快さです。
501から搭載されている、ピクサーサブディビジョンサーフェイスもいいのですが、modoオリジナルのサブディビジョンサーフェイスは非常に軽くて扱いやすいので、501でも重宝しています。自分の中では、マルチレゾリューションを使うときはPixar-SDS、それ以外はオリジナルのSDSと使い分けています。
それから、モデリングするにあたって、どうやって形を作り上げていけばよいのか?という過程における悩みが少なくなりました。他のソフトウェアと比べてmodoは直感的ですし、なによりほとんどのツールが調整しながらの適応が可能であるため、ユーザー側に調整の幅が与えられることにより、試行錯誤の回数がかなり減ります。
他にはマニピュレータやアクションセンター・軸、ワークプレーンなども良い機能なのですが、スナップ機能が特に素晴らしいです。建築物などの正確なオブジェクトを構成する場合、このスナップ機能が強力なので、かなり有利です。このおかげで、私の中ではmodoは3DCGモデラーとCADの中間ぐらいに位置している感覚がありますね。
はい。モデリングからレンダリングまで、一連の作業をmodo一本で行っています。modoはレンダラーとして癖がまったく無いとは言いませんが、品質と速さのバランスという点ではちょうど良いと思います。
特にシェーダーツリーという概念がすごく柔軟ですので、マテリアル・パート・セレクションセットの組み合わせによって、他のアプリケーションでは不可能なマテリアルの管理が可能となります。
また、局所局所でレンダリングの設定を細かくつめていけば、大幅にレンダリング時間を削減することも可能です。
モデリングに関しては、現状ほぼ成熟しているように感じているので、特に追加を期待する機能というのは正直あまりないんです。
ただ要望として言えば、ポリゴンモデラーなので仕方ないのですが、NURBSモデルが扱えたら、もっと便利だろうなとは思います。プロダクト系の形状を作る際には、有利になる場合もありますので。
あとは今後のアニメーション機能やエフェクト系の機能が追加されればと、期待しています。今、一番望む機能はレンズフレアが使えるようにして欲しいです。
特にアドバイスというわけではないのですが、今まで他のポリゴンモデラーで作業されてきたある程度のモデリングスキルをお持ちの方であれば、modoを使うことで作業スピードは倍近くになるんじゃないでしょうか。現に私がそうでしたから。modoは最強のポリゴンモデラーだと思いますよ。
また、これからmodoを勉強されるという方には、是非ユーザーグループを活用していただきたいと思います。ユーザーグループの中にはmodoをバリバリ使われているコアなユーザーさんもいらっしゃいますし、ブログなどに書き込んでいただければ、誰かが返事を書いてくれます。どんどん利用してください。