今回はゲーム制作の授業にMODOを利用しておいでのヒューマンアカデミー横浜校様にお話しをおうかがいしました。
まずヒューマンアカデミー横浜校ゲームカレッジで3DCGの授業を受講されている1年生の宮本様、大森様、2年生の西連寺様にお話しをお聞きしたいと思います。
大森 私は最初3DCGが全然出来なかったんです。MAYAの講義もあるのでMAYAも触っていたのですが、個人的に MODO は画面がすっきりしていて分かりやすいような印象をうけて、やったらできちゃったみたいな感じですね。
宮本 私も最初はやっぱりインターフェイスが独特で難しいなというのはありました。タブを行ったり来たりするのが多いような気がして。でもずっとソフトを触っているとだんだん操作に慣れてタブで便利なツールがまとめられている事が分かってきた感じですね。そこからは、あまり迷わなくなりましたね。
大森 MODOの気に入っている機能はレンダー周りの機能です。直感的に操作でき、プレビューレンダーではスペキュラやラフネスの調整をしながら最終レンダリングに近い状態のものを映してくれるので完成型をイメージしやすく、楽しいです。
西連寺 UV作成ツールが他のソフトに比べて自動で色々な形状に処理をして作ってくれるのが使いやすくていいと思っています。
宮本 直近の話なのですが、いま受けている授業でテストの課題がありまして、まずそれを一つずつ完成させようと思っています。
私はもともと2D志望でしたが、やってみたら3Dも楽しくて。卒業までには3Dソフトもちゃんと扱えるようになって表現の幅を広げたいですね。
大森 私は背景モデラーを目指しています。ゲーム会社に背景モデラーとして就職して、ゲームのクレジットに名前が載るのが夢です。
西連寺 私は今2年生でもうすぐ就職がきまりそうな感じなので、業界で頑張っていきたいと思います。
それではここからはヒューマンアカデミー横浜校ゲームカレッジでMODOを使って3DCGを教えていらっしゃる佐伯先生にお話しをお聞きしたいと思います。
私は「ビジュアル表現基礎」という授業を担当しており、MODO の基本操作と After Effects の基本的な操作を教えています。私の方で 3DCG の基礎まで教えて、その次は別の先生が MODO を使ってもう少し踏み込んだ内容を教える、という流れになっています。
ほとんどの学生はこの授業で初めて 3DCG ソフトに触れるので、MODO を使って「3D とは何か」「材質とは」「レンダリングとは」「アニメーションとは」といった3DCG の基礎をすべて教え、最終的にアニメーション(動画)を出力するところまで行い、その後 UNITY や UnrealEngine に持って行ってゲームにしたり、 After Effects でコンポジットも行っています。
機能面で見て MODO は他のソフトに引けを取らないと思います。とくにモデリング作業をしながらプレビューレンダリングでリアルタイムに仕上がりを確認できるのはとても効率がいいので、大きなメリットになると思います。すぐに結果を見られるというのは 3DCG ソフトをはじめて使う学生にとっては食わず嫌いが減るのでとても良いですね。
マテリアルやテクスチャ、環境などのアセットが用意されているのも良いですね。レンダリング設定のグローバルイルミネーションもデフォルトでONになっているので、少ない手順できれいなレンダリング画像を作ることができます。なので、学生たちが学ぶのにスタートがきりやすいんですよ。好きになりやすいというか、興味を持ちやすいといいますか。昔のソフトだとモデルを作っても初めは真っ黒い空間なので、その中にライトを置いたりHDRI を読み込んで環境を設定したりと、スタートをきるのに時間がかかってしまいます。
MODO は後発のソフトということもあると思うのですが、複雑なフローがなく最初にポンと設定しさえすれば、画を素早く出力することができます。限られた授業の時間でポイントを押さえたい学生にとって、結果が早く出せるというのは大事ですね。
機能面で MODO は MeshFusion やプロシージャルモデリング、スカルプト、オートリトポロジなどと多彩ですし、ペイント、テクスチャベイクもできる。パーティクルもシミュレーションもできる。MODOだからこれはやりづらい、表現が難しい、教えるのが難しいということがあまり無いので3DCG の標準的なカリキュラムで教えることができます。あと、UIが複雑ではないので講義を非常にスムーズに進めることができます。
他ソフトを使っていた時に比べ、極端に使いにくいといった反応は少なくなりましたね。初めて3DCGに触れるスタートラインで、この反応はとてもうれしいです。
新しい機能や技術の説明、その操作の説明はどうしても複雑になりがちですが、MODOを使うと講師生徒共に少ないストレスで授業を進行することができ、尚且つ生徒の習得度も高められることが出来ているので、MODOを選択して良かったなと感じています。
MODO を使っているのはゲームカレッジの授業なのですが、MODO はゲーム制作の授業にすごく向いているソフトだと思います。
ノーマルマップなどのテクスチャ要素の生成やテクスチャベイク機能、Unreal Engine や UNITY とのやり取りの機能が標準で搭載されているのがいいですね。他の 3DCG ソフトだとノーマルマップのテクスチャ作成やテクスチャベイクがここまで簡単じゃなかったり、きれいにするなら別のソフトを使わないといけなかったりします。あと作成したモデルや設定をプリセットとして保存出来るのもいいですね。
ゲームエンジンで使用する素材の制作環境として、MODOはすごく整っているような気がします。
私は 3ds Max で作業することもあるので、MODO にプロシージャルモデリングの機能が付いたのはうれしいですね。考え方が 3ds Max に似ていて入りやすかったです。それでプロシージャルモデリングの機能に、もっとポリゴン編集の機能が追加されるといいなと思っています。具体的にはデフォーマを使った変形ではなく、頂点やポリゴンをダイレクトに編集し、記憶できるツールをもっとプロシージャルモデリングでサポートしてほしいです。
あと「CharacterBox」「Auto Character Setup Kit」のようなキャラクターリグの機能が標準で搭載されるとうれしいですね。扱いやすいキャラクターリグが標準で導入されれば、もっとMODOだけで完結しやすいフローを作れるかなと思います。