今回は3DCGを使ったイラストレーションの世界で活躍されながら、大学で非常勤講師も務められているCGイラストレーターの八代 とものり氏にお話を伺いました。
CGイラストレーター
3DCGを用いて独自のタッチでイラストレーション、映像、デジタルコンテンツ分野で活動中。名古屋造形大学 非常勤講師も務める。
フリーランスでイラストをメインに3DCGを制作しています。またそれ以外にも既存のキャラクターを映像用に3Dに起こす仕事もしています。2016年からは名古屋造形大学の非常勤講師として、3DCGの授業も担当しています。
はい。私の授業ではモデリングをメインにやっています。キャラクターや建物を作ったり、3DCGの基礎的なところを教えています。
そうです。当時はPainterを使っていたので、書籍も出されていた吉井宏さんのブログをよく拝見していて、そこで色々と3D作品を目にして自分も3Dをやってみたくなって、最初はZBrushから3Dの世界に入りました。2004年頃ですね。
2005年ぐらいですかね。ZBrush以外にもう少し表現の幅を広げたいというのがありまして、モデリングソフトを探していました。MODO以外にもHexagon(ヘキサゴン)などもあったんですが、使ってみて検討していくうちに、日本代理店があるMODOを選びました。やはりサポートなどが必要になってくるので。当時はまだMODO 10xでしたね。
現在、MODOとZBrushとを併用して使っているんですが、ZBrushでベースメッシュを作り軽量化したものを、MODOに読み込んでリトポロジ機能を使って面を貼りなおして最終的な形状にしています。リトポロジ機能が結構使いやすいです。
キャラクターモデルはそうですね。あと使う機能としては、キャラクターの表情を微調整するのに、メッシュスカルプトの機能を使っています。
そうですね。MODOでレンダリングしSurface IDなどを書き出してから、Photohopで色などの微調整を行います。
ありがとうございます。制作中は可愛くなれと念じながら作っています。パズル誌などは競合誌も多いので、少しでも可愛くしたいなと思って。
キャラクターの肌などは、サブサーフェイススキャッタリング(SSS)を使って、温かい感じになるようにしています。SSSを使わないと、輪郭のところが影でくすんだ色合いになってしまうのが嫌なので。パズル誌のようなイラストの場合は、3D感バリバリというより2.5Dぐらいの柔らかいタッチに仕上げています。
キャラクターはTポーズの状態でモデリングしています。その後にスケルトンを入れてポーズを作りますが、2Dのラフイメージよりポーズが縮こまって見えてしまう時は、スケルトンは使わずマニピュレータで直接変形させてポーズを作っています。後から修正ができるようにモーフマップを併用して使ったりもします。
そうです。ベースメッシュ以外はMODOで作業して仕上げています。
良い点はリアルタイムプレビューですね。他のソフトにも実装されていますが、MODOの場合はプレビュー画面に直接触れて、カメラ操作ができるというのが直観的でいいなぁと思いますね。あとマテリアルのプリセットも高品質なものがそろっていますので、試行錯誤する手間が省けるのが良いです。
要望としては、たまにCADデータを扱うお仕事のお問い合わせも頂くので、IGESなどのCADデータを標準で読み込めると有り難いですね。重いデータでも軽快に扱えれるようになれば、ストレスなく作業できるなと感じます。他には各マテリアルのプレビューが見れると、何のマテリアルなのかが視覚的にわかりますよね。プリセットに保存するまででもないんだけれど、探すのがちょっと大変な時とかがあるので。
趣味の個人制作ですが、アニメーション作品も作っています。15秒のショートムービーですが、メイキング的な映像もあるんです。
大学ではアニメーションコースなので、実製作でも短編アニメーションに取り組んでいきたいなと思っています。
はい。できればCharacterBox(キャラクターボックス)みたいな機能が、あれほど高機能ではなく簡易版でも良いので実装されるといいですね。
MODOはまだまだ情報が少ないのですが、YoutubeにアップされているMODO JAPAN GROUPさんの動画を見れば、無料ですぐに始めやすい環境なので、興味を持たれた方はぜひ体験版に触れてみてほしいですね。
そうですね。3Dは覚えることがたくさんあるので、とりあえず自分のやりたいことを絞って、例えばそれがモデリングであればモデリングに絞って学習していくといいんじゃないかと思います。モーショングラフィックスだったらモーショングラフィックスを真っ先にやって、そこからモデリングだったり他のことへと広げていけばいいと思います。