多種多様な仕事を抱えるクリエイターが、仕事をこなしていくうえで「正しいツールを選択する」ということは、大変重要な要素となってきます。
LAに拠点を置くNew Deal Studiosもそのようなクリエイター集団の一つであり、ミニチュアモデルや背景セットといった実際の造形物制作において高い技術力を誇る著名なスタジオですが、映画「The Lone Ranger(邦題:ローン・レンジャー)」からCM「Vizio」などのデジタル映像作品まで、多岐にわたる作品制作のパイプラインにおいて、The Foundry社のソフトウェアソリューションを多用しています。
スーパーバイザーのジャスパー氏はこう語っています。
「(プロジェクトによるものの)New Deal Studiosでの制作チームにはおおよそ20〜50名位のスタッフが携わっており、The Foundryの製品群がスタジオのパイプラインにおける統合的な役割を果たしてくれました。
最近のプロジェクトでは、NUKEやMODO、HIERO、そしてMARIが大多数のデジタルワークを支えてくれました。
制作フローの中で私達はツールに対して、ほとんどカスタマイズを行うことなく作業しています。これは各ツールがデフォルトの状態で非常によく考え抜かれてデザインされており、大幅なカスタマイズやスクリプティングを行わなくても、ワークフローにぴったりとマッチしているからです。MODOのレンダリングにはその出来上がりの質感はもちろんのこと、特に膨大な数のオブジェクトが並んでいるシーンに対する高速さに感銘を受けているところです。
私達が最近手がけたVizioのCMプロジェクトでは、詳細な都市空間をモデリングし、数千もの近未来的なオブジェクトを水平線に至るまでびっちりと配置していたのですが、この大掛かりなシーンを1フレーム辺りたった2分でレンダリングすることができました。もちろん高い負荷がかかるグローバルイルミネーションを適用し、テクスチャも適用した状態でのことです。ゲームエンジン以外で、これだけの巨大な背景を高速にレンダリングできるレンダラーなど聞いたことがありません。
この高速なレンダラーが実装されているおかげで、より多くの時間を本来のデザインや創造に費やすことが可能になりました。
また、映画「The Lone Ranger(邦題:ローン・レンジャー)」の中にある電車がクラッシュするシーンでは、実写とCG部分とのカメラマッチング、さらには実世界の撮影現場におけるライトに対応したリアルな影を描写するのに、MODOが大活躍しました。
私達New Deal Studiosでは、自分たちの限界をさらに押し広げるため、新たなツールをどこまでワークフローへ組み込めるかを、常に課題として取り組んでいます。現在はMARIをNUKEのパイプラインに組み込んだり、制作の後工程にHIEROを組み込んでみるなどの試みを進めているところです。」