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海外導入事例
MODO image by Maurison Borba

MODOでデザインされた映画が国境を越える

Boxel Studio社 MODOをメインに据えたワークフローで長編アニメーション映画「El Americano」を完成へと導く

Case Studies image by Boxel Studio
Boxel Studio

文化や国境をも越えて可愛らしい鳥達の心温まる冒険を描く「El Americano」、この映画はメキシコ生まれの映像プロダクションBoxel Studio社を、VFX業界で一躍名の知れたスタジオへと変貌させることになりました。Boxel Studioにとって初チャレンジとなったこの長編アニメーション映画、その制作の裏側では全編を通してMODOが使われ、3Dのキャラクター達に命を吹き込んで行ったのです。

Boxel Studioはハリウッドから南に約2時間、丁度アメリカとの国境沿いにあるティファナ(メキシコ)にスタジオを構え、未だ成長段階にあるメキシコ映画産業において頭角を現してきたスタジオです。メキシコではCGIアニメーション、放送、そしてVFXプロダクションに至るまで、確固たる地位を築くことができたスタジオは未だ数えるほどしかない、という現状ではあるものの、この国の映画産業には明るい兆しが見える、とBoxel Studioの設立者であり、社長のAndres Reyes Botello氏は述べています。

「まだこれらのスタジオは数少ないながらも、良い仕事を重ねてきています。特にこの数年間は、アニメーションやコマーシャルに関わってきたスタジオは急速に力をつけてきており、全体からみれば、メキシコにおけるこの産業自体が大きな可能性を秘めていると言えます。」

Botello氏は2008年、多岐に渡る制作ソリューションを提供する会社としてBoxel Studio社を立ち上げました。写真やイラストレーションから、3Dデザイン、モーショングラフィックスに至るまで、デザインに関する数多くの経験を活かし、2011年にアニメ映画のプロダクションとして 活動の場を広げました。Boxel Studioでは以前からデザインツールとしてMODOを多用してきており、長編アニメーションに取り組むとなった場合も、MODOを使い続けることに迷いは無かったようです。

Botello氏はティファナ都市改革会議というイベントでゲストスピーカーとして講演した際、「El Americano」のディレクターと出会いました。
実はこの時点では「El Americano」は2Dの映画作品として企画されていたそうで、彼から2Dアニメスタジオにおける近況を聞き、また3DCGによる制作にも興味を抱いているということを打ち明けられたそうです。その出会いを機に彼らは急接近し、3DCGを用いてのキャラクターや背景制作、アニメーションやライティング、レンダリングに至るまでのテストに取り掛かることになりました。

MODOで魅力ある表現を可能に

「El Americano」は悪者集団からサーカス一座を救うため、困難が待ち受ける冒険の旅へと出発した若いオウム、Cuco(クコ)の活躍を描くカラフルで活気に満ち溢れた長編アニメーション映画です。クコは希望を胸にハリウッドで活躍するスーパーヒーロー"El Americano"に助けを求め旅に出るのですが・・・。この物語で描かれる大胆に、そしてかわいらしく振舞うキャラクター達に命を吹き込んでいるのが、The Foundryの3Dアニメーションツール群なのです。

Boxel StudioのBotello氏によると、MODOはこのフィルム制作におけるほぼ全ての行程で使われていたとのこと。高速で使い易く、さらに多様性に富んでいるMODOは、制作における中核だったと言えるでしょう。また、強力な画像操作機能を持つNUKEも、最終レンダリングのパス合成ツールとして用いています。キャラクターアニメーション、背景モデリング、リグ、ライティングなど、MODOはどんなことでも軽々と実現して見せてくれました。

特に、Botello氏のチーム内ではパイプラインを構築する際のスピード、他プラットフォームとの互換性の高さという点において、アニメータからの評価が大変高かったようです。また、MODOが提供しているモデリング、レンダリング機能も効率性が高く、レンダリングノードが無制限であるという仕様も大きなメリットでした。

Case Studies image by Boxel Studio
Boxel Studio

「MODOはパワフルなテクノロジツールであり、アーティストは快適な作業環境を手に入れることができました。コスト面、生産性、品質、そのどれをとっても90分のアニメーション映画、しかも3D対応のプロジェクトをわずか8か月間で仕上げることなど、MODO以外のツールで達成できたとはとても思えません。」

各フェーズで力を発揮するMODO

「製作開始早々、多くの建物が立ち並ぶチョルーラやプエブラといったメキシコの都市を再現する必要があったのですが、MODOのリプリケート機能が早速役に立ってくれました。他のツールであれば、時間ばかり消費してしまうであろう工程を、思いのほか速く簡単な作業で達成することができたのです。もちろん他の機能も大いに役に立ったことは明らかです。何と言っても、個性的な鳥のキャラクタ達を作り上げることができたのですから。」

「キャラクタの場合、まず基本となるリグをレイアウトに組み込み、それからディレクターがアニメーションの方向性を決められるよう、アニメーションのテストを行いました。今回の制作では、この処理工程が非常に重要だったのです。というのも、レイアウトの段階でそれぞれのキャラクタが各ショットを実現するのに必要とされるコントロールの量を把握していたからです。」

「El Americano」ではショット毎をベースとしてチーム内で制作を分担したため、各シーンで整合性を保つためのマテリアル、環境、背景用のオブジェクト、ライトリグに至るまで、様々なオブジェクトのライブラリ化が必要だったのですが、ここでもMODOのプリセットシステムが大いに役立ってくれました。

「MODOのレンダリングエンジンは、レンダリング時間と画質をコントロールする主要な調整項目が分かれているため、結果的に可能な限りベストな画質を、ベストなパフォーマンスで実現できるのです。作品に求められる見栄えによって、細かな微調整が可能だったので、すごく助かりました。」

  • El Americano
  • El Americano
  • El Americano

© Boxel Studio

「またキャラクタ制作においても、MODOは大変優れたツールであることを証明してみせました。キャラクターはあらかじめMODOでモデリングされていたため、ベースとなるリグをそのまま組み込み、ポーズツールでモデルの機能性を簡単に検証することができました。」

本編制作とその裏方たち

「El Americano」はBoxel Studioにとって初の長編映画作品ですが、そういった用途以外のMODOの多様性についても熟知しています。スタジオではMODOに対して、そのデザイン性およびコンサルティングサービスといった側面を求めています。子供の遊園地の広告のためにカラフルな2D作品を3D画像へと変換するといったプロジェクトから、特別政府高官用の装甲車デザインのデモンストレーションまで、その内容は多岐にわたっています。それらプロジェクトを実現できるMODOの機能性に加え、Botello氏はソフトウェアを取り囲むコミュニティ環境にも高い価値を見出しています。

「The Foundryの製品の導入にあたり、私達は単にソフトウェアを購入したのではなく、その技術に投資することで全面的なバックアップを得たのだ、とすぐに実感することができました。」Botello氏はこうも続けます。「製品と同様、MODOを取り巻くコミュニティも素晴らしいものです。フォーラムでは互いに助け合い、The Foundryのスタッフも最高のサポートを提供してくれるのですから。」

2014年早々「El Americano」上映が開始されますが、Boxel Studioでは既に次の映画プロジェクトの製作準備段階に入っていることでしょう。Botello氏によればMODOを中心に据えたパイプラインは、彼らのデザインプロジェクト、そして映画プロジェクトにおいて、これからも重要な役割を担い続けて行くことになるとのことです。

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