今回はイベント会場のビジュアライゼーションにMODOを活用しておいでの株式会社シミズオクト イベント・スペース開発部 の宮山然氏にお話しをおうかがいしました。
株式会社シミズオクト 第2営業本部
イベント・スペース開発部 デザイン課
弊社はコンサート、スポーツ、展示会など様々なイベントの設営に携わっている会社です。ひとつのイベントにおいて企画から、デザイン、施工、運営、イベント後の清掃まですべてを行っています。
私が所属するイベント・スペース開発部デザイン課では、主に、展示会、販売促進イベント、発表会、表彰式などのイベントでのデザインを行なっており、実際の会場のデザインをパースや図面に描いてプレゼンテーションします。イベント会場は大型展示会場以外にも、野外、ホテル、劇場など、場所や大きさは様々です。
当社は施工会社なので、デザイン、設計、グラフィックにいたるまですべてトータルで担っています。当社の特徴的なところは、営業から来た仕事をまずデザインして、その後、当社の工場で最後の工程まで完結しているところです。工場は近くにあるので、打合せや進捗を見に工場まで足を運ぶこともあります。
デザイン課なので主に各々でデザインをしていますが、必要に応じてパースを描いたり、CADソフトを使って図面を描くこともあります。デザイン課ではグラフィック専門と設計専門以外は、全員がMODOを使っています。
まず、提案のためのパースを制作するのに使用しています。その他に当社ではオリジナル商品の開発も行っているのですが、その商品の動作シミュレーションの作成にも使っています。あとは造形のための、NCルータ用のデータ制作も行ないますし、印刷用のグラフィックデータもMODOで制作します。
例えば以前、什器(じゅうき)デザインの依頼を頂いたときは、什器(じゅうき)のデザインを行い、提案が通ったのでそのデータをそのまま工場へ送りました。図面を描きながら3Dも描いているので、すぐに工場に渡すことができます。
MODOからDXF形式で書き出して送っています。工場ではCADソフトに読み込んで、寸法を見て作業してくれます。デザインを見た上で、色々質問が来るので、細かいディテールに関するやり取りをして、作業を進めてもらいます。例えば艶のイメージも、工場のほうでこうすると良いという提案をくれるので、そのまま形になるのがいいですね。
入社した時は、会社はVecterWorksでパースを描いていました。しばらく使用していたのですが、3Dモデリングに限界が来てしまい、何か良いソフトはないか探していました。仕事上、レンダリングスピードとモデリングのしやすさという点で絞って探したところ、MODOが出てきました。
少し触ってみたら意外と描ける印象だったので、上司に相談して導入してもらうことになりました。それで上手くいったので、1台が2台になり3台になりと(導入数が)増えていきました。
ちょうど映画「第9地区」の宇宙船をMODOで製作されたという話を耳にしたのも、きっかけの一つです。あれが描けるのであれば、何でも描けるソフトだなと思いました。環境がMacなので、それも選んだ理由の一つです。
よく使うのはUVの貼り付けとステンシルとバンプです。あと絶対スケールは無くてはなりません。
モデリングはベベル、ブリッジ、ループスライスツールで何でも描けます。
様々ですが、CADで描いた平面の図面をベースにMODOで立体に立ち上げる人も居ますし、僕はMODOで立ち上げてから平面に落とし込みます。見た目から決めるのが簡単なので、空間の中でこねてから図面に逆に落とします。
PhotoshopとIllustratorは使います。最近はUnrealEngineに手を出していまして、静止画だけではなく動画も始めています。この先、静止画だけではなく、どんどん動画になってくるのではないかと考えて、取り入れ始めました。
UnrealEngineとのやり取りには、MODOのUnrealブリッジを使っています。
UnrealEngineは別部署で使っている人が居て、UnityかUnrealEngineどちらかだという話になり、どちらも触ってみましたが、MODOから持ってくるのがUnrealEngineの方が楽でしたし、やはりUnrealEngineはレンダリングが綺麗なので、UnrealEngineで良いかなと思っています。
はるか昔にStrata 3Dは少し触ったことがあります。3DCGソフトを探しているときにフリーのソフトを触ったりもしましたが、今は他は使っていないです。
レンズフレアの機能を作って欲しいです。いまはPhotoshopでの後処理でつけています。最近はLightroomで調整をすることもありますね。
フレア以外はPhotoshopで調整することなくそのままいけることもあります。
MODOはすごく使いやすいソフトで、いじっていると簡単にいい感じのものが出来ます。入り口が簡単でクオリティ高いものが出来るので、ついのめりこんでいくうちに、詰めれば詰める程、さらに良いものが出来ていくのが面白いです。後輩に教えるときも、入り口がすごく簡単で、ある程度のところまですぐにいけるのが良い点です。