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「ボーダーランズ 2」(Borderlands 2)の砂埃にまみれた世界観をMODOで実現

終焉を迎えた世界を舞台に繰り広げられる大ヒットシューターゲームシリーズの世界を、MODOを使ってGearbox Software社はいかに作り上げたのか

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Gearbox Software社

© Gearbox

見栄えするキャラクター、ストーリー、そしてゲームメカニクス、ゲームにとってはどれも重要な要素ですが、これら全てを兼ね備えたゲームであってもワクワクするような世界観がなければ台無しです。Gearbox Software社のRaul Aparicio氏は、そんな重要なゲームの世界観を担当するエンバイロメント(環境)アーティストの一人です。熱心なMODOユーザーでもあるAparicio氏は、大ヒットシューティングゲーム「ボーダーランズ 2」(Borderlands 2)の環境アセットを作り上げるのに完璧な3Dモデリングおよびアニメーションツールとして、MODOを採用しました。

この最高に熱いゲームシリーズの登場は遡ること14年前、Valve Software社製「ハーフライフ」(Half-Life)の追加コンテンツをリリースしたことから始まりました。その頃、テキサスを拠点とするGearbox Software社のベテラン5人組は「トニーホーク プロ スケーター3」(Tony Hawk Pro Skater 3)/「ブラザー イン アームズ」(Brothers in Arms)/「サンバDEアミーゴ」(Samba de Amigo)等、様々なゲーム開発経験を経て技術力に磨きをかけていました。そんな渦中に生まれてきた「ボーダーランズ」(Borderlands)シリーズは、彼らが手がけた最も有名なタイトルの一つとなったのです。

Gearbox Software社に参加する2年前、Aparicio氏は「レイジ」(RAGE)/「ドゥーム 4」(DOOM 4)といった有名タイトルを制作したid Software社で働いていました。それらのタイトル制作にMODOを使用していたのはもちろんのこと、彼個人のアート作品にもやはりMODOは欠かせないツールでありました。「ボーダーランズ 2」(Borderlands 2)本編、さらにダウンロードコンテンツの制作パイプラインにおいても、まさにMODOが幅広く活躍してくれたようです。

「「ボーダーランズ」(Borderlands)のコンテンツ制作には、それほど厳しい縛りはありませんでした。ただし世界観に合いさえすれば、という条件付きではありましたが。」とAparicio氏が述べているように、世界の終焉を迎え荒廃した世界観にぴったりとはまるセルシェーディングルックのアセット制作は、思いのほか苦労を強いられたとのこと。全てのテクスチャは手描きなうえ、まとめ上げる際には多くの決まり事に従わなければならなかったためです。その中にあっても、ディフューズテクスチャをゼロから構築するという作業は、「ボーダーランズ 2」(Borderlands 2)制作過程において、Aparicio氏が一番楽しめた部分だったそうです。「表現をうまく引き出せた時は、最高に見栄えするものになりました。それもすべてはディフューズから生まれているのです。昔から変わりませんね!」

MODOで中世の世界観を再現

大量に描かれた廃棄物、荒廃した建造物、かつては健全に機能していただろう社会秩序、これらの背景が存在しなかったとしたら、このミュータントと殺戮に満ちた「ボーダーランズ 2」(Borderlands 2)の世界観は全く違ったものになっていたはずです。Aparicio氏によると、特にモジュラー構造のハードサーフェースアセット、地形、環境も含めたテクスチャの制作に、また全てではないにせよ、シーン内で目を惹く大き目の地形オブジェクトの制作にも、MODOを活用したとのことです。

ゲームコンテンツ制作において必要不可欠な作業となるUVの展開には、通常多くの時間が費やされてしまいます。大変な労力を強いられるプロセスですが、この点においてもAparicio氏はMODOの機能を褒めたたえています。「MODOはカスタマイズを加えることで、よりしっくりと手に馴染むツールになりますね。それにほんの少しマクロを組む勉強をすれば、より強力なツールとして更なるレベルへと導いてくれます。MODOのテクスチャベイクも最高に使い易いですし、マクロを組んで一発で多くのテクスチャをベイクできるようにしていました。」

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「ニーズに合わせてカスタマイズが可能であるという点でも、MODOを素晴らしいツールです。例えばマクロを組むといったシンプルな機能を学ぶだけでも、非常に役に立ちます。」

ここで、最近リリースされたダウンロードコンテンツ「Tiny Tina’s Assault on Dragon Keep」でのコンテンツ制作におけるMODO機能を利用した活用法の実例をご紹介しましょう。このアドオンコンテンツ自体はちょっと風変りなファンタジーをテーマとしたロールプレイング風のコンテンツであり、Aparicio氏はこのプロジェクトで古跡モデルの制作を担当することになりました。古跡モデルにはそれぞれ汚れのないキレイなバージョン、そしてダメージを受け所々崩れてしまっているバージョンという、二つのモデルデザインが求められました。これを実現するのに、MODOのUVスリップ機能を用いることで、大量のアセットに対し効率良く処理をかけることができたのです。

「Photoshopの内部でテクスチャをまとめるためのパターンを生成するのに、MODOの物理演算機能を活用しました。物理演算でシミュレーションさせることで、まずは残骸モデルの破片群をある程度配置したら手動で調整し、法線マップへと焼き込んでPhotoshopで作業を行いました。」

時間短縮に有効

ダウンロードコンテンツとして制作された「Tiny Tina’s Assault on Dragon Keep」ですが、このボリュームをトップクラスまで仕上げるのに3ヶ月間という、決して十分とは言えないタイトなスケジュールが設定されていました。膨大な量のコンテンツをスケジュール期間内で仕上げなければならない、という重圧と向き合いながらの大変厳しいプロジェクトであったものの、Aparicio氏はMODOがあったからこそ乗り切ることができたと語っています。

「MODOは今までの仕事のやり方を、もう一度検討しなおす時間を与えてくれました。そして何日間かかけて、UVやテクスチャのベイク、そして最適化用に全く新しいコマンドセット、ツールプリセットを構築するに至りました。」

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プロジェクト終盤でほとんど完成に近い状態であっても、アセットの最適化やマクロの作成に時間を費やしたそうです。そうすることで、例えばUNREALからオブジェクトを読み込んだり、回転させたり、リネームしたり、さらには衝突判定用の格子に名称を割り当てるといった、プロジェクトにこだわらず多岐にわたって広く使える多数のルーチンを自動化することができました。

「どんなソフトウェアにも強みを活かせる部分があると考えています。」とAparicio氏は語った上で、さらにマクロ機能やリトロポロジ、さらにUV編集機能は、MODOの数ある機能の中でも大変な強みを発揮してくれたようです。

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Tina's Assault on Dragon Keep

「私達は限界を超えられるよう、常にチャレンジしています……ファンが目を凝らして注目している面白いプロジェクトが、まだまだ私達を待っていますから。」

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