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UV を必要としないデカール機能によるメッシュ・テクスチャの投影

https://www.youtube.com/watch?v=r8vEflsd44k

モデリングを進めていくうえで形状に調整を加えていくと、UVにも調整が必要となり、設定が難しくなる場合があります。バージョン16.1からは、UVを用意することなく、メッシュに対してテクスチャやジオメトリそのものをシールのように貼り付けることができるデカール機能が搭載されています。

サンプルとなるシーンには、立方体とカーブが一つ用意されています。この立方体に対してカーブを利用してベベルをかけてみます。オペレーションリストポリゴン Polygon Bevelを追加し、ポリゴンを引っ張り出します。さらにベベルを展開し、Tool Pipe (Tool Pipeを追加)新規 ツールパイプ Content Presetを使うことで、プロファイルをもとにベベルをかけられるようになります。ベベルは登録されているプロファイルだけでなく、バージョン16.0からはシーン内にある他のアイテムをプロファイルとして利用することができますので、シーン内に用意してあるカーブを使ってベベルをかけてみましょう。ソースシーンアイテムに変更し、Sourceを追加からカーブのメッシュを指定します。この場合は変換タイプ 1D プロファイルへと変更してみると、カーブの形状に合わせてベベルが行われます。この方法の良い点は、カーブを調整することで、ベベルの形状にリアルタイムに調整を加えていくことができるという点にあります。

ではこのベベルをかけた面に対して、シールを張り付けるように、ロゴマークをマッピングしてみたいと思います。通常であれば、UVを用意して貼り付けることになるかと思いますが、後からベベルの形状は変わる可能性があります。こういった場合、UVの作成は形状が確定してからにした方が手間は少なくますが、ロゴをマッピングしたときの状態を見て形状を調整したいといった場合には不向きです。

このような場合に便利に使えるのがデカール機能です。ここでサンプルシーンの中にあるシールのようなロゴのメッシュを表示してみます。これは単一の板ポリゴンなのですが、法線マップで凹凸をつけ、さらにロゴデータを貼り付け、グラディエントテクスチャで角度によって色が変わるように設定しています。これをベベルの個所へと貼り付けてみましょう。

貼り付けたい個所の前面に来るように、ロゴメッシュを移動させます。ロゴメッシュがベベル面にぴたりと張り付いた時のデータを新しいメッシュレイヤーへと入れるように、ショートカットキーNで空のメッシュレイヤーを作っておきます。この空のメッシュレイヤーに対してオペレータ追加 編集 Decal Planarを追加してみます。そうするとデカール設定を行うパネルが出てきます。ここでいうターゲットメッシュとはシールを張り付ける先となるベベルの形状をしたメッシュ、そしてソースプラナーメッシュとは貼り付けるシールの形状となるメッシュを指定します。ぴったりと貼り付けてしまうと、メッシュが重なり合ってレンダリングエラーが起きてしまいますので、オフセットでほんの少し表面から浮かしてみます。

そうするとこの新たに作ったメッシュレイヤーの中に、ベベルの形状にぴったりと合ったジオメトリが生成され、シールのテクスチャが全て移されてるのがわかります。これがデカールの機能になります。元のシールのメッシュを非表示にしたければ、ソースメッシュ表示属性を非表示にしておくと良いでしょう。このように貼り付けられている状態で、さらにベベルの形状を調整してみたり、シールの貼り付け個所を調整することが可能です。またメッシュとして存在していますので、ここからさらにベベルなどで厚みを付けたり、複製することも可能です。

このようにプラナーデカール機能で簡単にメッシュごとシールで貼り付けたような状態を作ることができますが、メッシュを作らずとも、テクスチャの状態だけを他のマテリアルへとマッピングするという新たなテクスチャマッピングも実装されています。

このテクスチャはシールを貼られるターゲットのマテリアルに対して設定します。ベベルをかけているメッシュの該当するマテリアルに対し、レイヤー追加特殊 Surface Probe Textureを追加します。プローブターゲットサーフェイスとしてシールのメッシュを指定します。そうするとシールのメッシュに施されているテクスチャが、そのままベベルのマテリアルへと投影されるようになります。この方法はジオメトリを生成するわけではなく、ただシールのテクスチャを丸ごと別のマテリアル上へと投影する方法ですが、こちらもUVを用意することなく、シールメッシュの位置や回転・スケールを調整するだけで、ピンポイントに手軽に望むテクスチャを貼り付けることができますので、かなり便利に使えるテクスチャになっています。

2023年2月27日