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バージョン15.0におけるMeshFusionの改良

https://www.youtube.com/watch?v=5HB5ldM3VSM

サブディビジョンメッシュのリアルタイムブーリアン処理を行うMeshFusion機能には、バージョンを重ねるごとに様々な機能が搭載され、大変多機能なツールセットとなっていましたが、それゆえにインターフェイスも多岐にわたり、操作が複雑になってきている面がありました。

Modoバージョン15.0では、MeshFusionの操作性をより高めるために、MeshFusionのインターフェイスおよび機能に大きな改変が加えられています。

まずMeshFusionのツールやコマンドが集約されているFusionタブを見てみると、Fusion 仕様プリセットというボタンが設けられています。これは従来まではQbicジオメトリというボタンをクリックするとプリセットが表示されていたのですが、バージョン15.0ではFusion 仕様プリセットという名称に変更され、タブの上のほうに移動しています。これですぐにプリセットにアクセスできるようになっています。

またFusion Itemを作成するための新規Fusionボタンですが、従来まではボタンをクリックすると、いったんオプションパネルが出てから選択メッシュで新規FusionボタンをクリックすることでFusion Itemが作成されていましたが、15.0では新規Fusionボタンを一回クリックするだけで、直接Fusion Itemが生成されるようになります。従来通りにオプションパネルを表示させたい場合には、Altキーを押しながら新規Fusionボタンをクリックするようにしてください。

バージョン15.0では、その下に新たに「自動選択」「ソースを選択」「アトリビュートを編集」という三つのモードが追加されています。

デフォルトでは「自動選択」というモードがオンになっていますが、これは何を行うかというと、例えば今、アイテムリストを見てみると、組み合わせ元となるソースのメッシュが二つ選択されています。これをFusion Itemを選択すると、ソースメッシュは自動的に非表示になるように設定されています。これにより、いちいちソースメッシュの表示を切り替えることなく、組み合わせの状態のみを確認できるようになっています。以前のバージョンの挙動と合わせたいようであれば、自動選択モードはオフにしておいてください。

またソースメッシュを選択したい場合、ソースを選択モードをオンにしておくと、アイテムリストからソースメッシュを選択するのではなく、ビューポート上でその部分をクリックするだけで、ソースメッシュを選択することができます。これもわざわざアイテムリストでの操作を行う必要がなくなりますので、操作の無駄を省くことができます。

アトリビュートを編集モードはストリップに使います。ストリップを選択する場合、アイテムリストから選択することもできますが、このモードをオンにし、ビューポート上から交差部分をクリックすると、ストリップを選択できるようになります。

ストリップを選択した場合、従来のバージョンではストリップ用のパレットが出てきていましたが、15.0では最低限のプロパティがチャンネルホール機能でビューポート上で編集できるようになり、その他のプロパティは右側のプロパティパネルに表示されるようになっています。

またこのストリップの表示自体も15.0では一目で認識できるよう、傾斜具合がわかりやすい反射の質感で表示されるようになっています。

動作的な違いでいうと、メッシュの減算、交差といったオペレーションを行う際、それまでのバージョンでは、メッシュロールを適用した時点ですぐに適用されていましたが、バージョン15.0ではあくまでメッシュロールを適用しただけで、実際の演算、トリムが行われるわけではありません。

明示的に組み合わせたいメッシュを選択してから、トリムボタンをクリックすることで、トリムの処理が行われるようになっています。

なぜこのような挙動になっているかというと、従来のバージョンのように自動的にトリムが行われてしまうと、メッシュの掘り込みや抜き出しを行う組み合わせのメッシュを特定したい場合、いっかいトリムした後で、トリムを解除してから、もう一度トリムをやり直すというフローが必要になります。このため、バージョン15ではあらかじめ、こういった組み合わせの指定を最初から行うよう、メッシュロールを指定した時点ではトリムを自動的に行わないようになっていますので、注意するようにしてください。

バージョン15.0からは組み合わせるメッシュのサブディビジョンを、レベル0で組み合わせることも可能になりました。これにより、サブディビジョンをかけていない状態のメッシュの形状でもブーリアン処理が可能になり、より低解像度での処理が可能になっています。

さらにバージョン15からは、組み合わせるメッシュのエッジウェイトも考慮されるようになりました。デフォルトの状態ではエッジウェイトは考慮されませんが、Fusion Itemを選択し、出力メッシュエッジウェイトオプションをオン、さらにエッジウェイトタイプから高精度エッジウェイトを指定することで、エッジウェイトを考慮した組み合わせが可能になっています。

このように、バージョン15.0ではMeshFusionをより効率的に使えるようにするよう、インターフェイスの改善や機能の改良など、多くの改善が施されています。

2021年5月6日