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メッシュ表面に散らばるアイテムの複製を個別に指定するには

https://www.youtube.com/watch?v=SImv1Gsfim4

Modo 14.2から実装されたパーティクルアイテムマップによって、リプリケータを使用したアイテム複製時において、アイテムの指定を行えるようになりましたが、サーフェイスパーティクルジェネレータを指定したメッシュ表面上に散らばるアイテムの複製では、少しトリックが必要です。今回はその指定方法について解説していきます。パーティクルアイテムマップについては、ビデオ「パーティクルアイテムマップによる複製時におけるアイテムの指定」をご覧ください。

例えば、サンプルシーンには球体が一つ用意されてありますが、ここに1~5のテキストを球体の表面に散らばして配置してみましょう。そういった表現を行いたい場合、メッシュの表面に点群を作るため、アイテム追加からパーティクル Surface Particle Generatorを追加します。ソースサーフェイスに球体を指定することで、球体の表面に点群を作ることができます。この点群を使用してリプリケータでテキストを配置してみましょう。

アイテム追加からリプリケータを追加し、スケマティックビューへと追加したら、5つのテキストのメッシュをリプリケータのプロトタイプに、そして先ほど作成したSurface Particle Generatorをパーティクルソースへと接続します。大きさの調整を行うには、テキストのメッシュそのものの大きさをコンポーネントモードで編集してもよいですが、もっと簡単なのはリプリケータのプロパティから原型のトランスフォームを使用オプションをオンにし、テキストのメッシュをアイテムモードでスケールをかけると良いでしょう。こうすることで、ジオメトリ自体には修正を加えることなく、トランスフォームによって大きさや位置を後から何度でも調整をかけることができますし、アニメーションも可能になります。

このようにSurface Particle Generatorを使い、リプリケータでアイテムを複製した場合、直接パーティクルアイテムマップを使用することはできません。なぜならSurface Particle Generatorはジオメトリの実体を持ったアイテムではないので、マップを作成することができないからです。ですので、まずはいったんこのSurface Particle Generatorをジオメトリを持つアイテムへと変換しましょう。

Surface Particle Generatorを選択し、アイテム リプリケータ パーティクルジェネレータのフリーズを実行します。そうすると、この点群が単なるポイントへと変更されました。これで頂点マップを作製できるようになりましたので、パーティクルアイテムマップを作成します。リストタブ > パーティクルマップ (新規マップ) からパーティクルアイテムマップを作成します。これでリプリケータを表示してみると、パーティクルアイテムマップを初期値1で作成しましたので、値1に相当するテキストで複製されるようになったのがわかります。

うまくいったように思えますが、実はこの状態でもまだパーティクルアイテムマップを編集することはできません。ユーティリティのパネルを開いて、直接パーティクルアイテムマップの値を編集してみましょう。値を直接入力してみても、値を修正することができません。これはこの頂点が頂点のみとして存在しており、ポリゴンに属していないために編集することができないのです。ですので、頂点をすべて選択したら、ショートカットキーpでポリゴンを作成してしまいます。ぐちゃぐちゃなポリゴンとなりますが、あくまでポリゴンに属するという属性が欲しいだけのためなので、気にする必要はありません。もう一度パーティクルアイテムマップの値を指定すると、今度は修正が反映されたのが確認できます。メッシュタブのレンダーはいいえに指定し、作成したポリゴンがレンダリングされないようにしておきましょう。

これでパーティクルアイテムマップを設定できるようになりました。ただひとつずつ、このポイントに対してアイテムマップを設定していくのは大変です。特にランダムに値を設定したい場合には、まず不可能になります。そういった場合には、まずウェイトマップを作成し、そのウェイトの値を頂点マップの転送ツールを使用して、パーティクルアイテムマップへとコピーするようにします。

ウェイトマップを使うのは、ウェイトマップ用のペイントツールなど、ウェイトを設定するためのツールが元から揃っているためです。ではウェイトマップを一つ作成したら、お好きなツールでウェイトを設定してみてください。ウェイトのペイントツールを使うのもよいでしょうし、例えばフォールオフからノイズフォールオフを指定し、頂点マップ > ウェイトツールを起動し、ウェイトの値を100%、スケールの値を100%などに設定してみると、ランダムなウェイト値が設定されるようになります。

このようにして設定したウェイトマップを、パーティクルアイテムマップへと転送します。頂点マップ > 演算を起動し、適用先にパーティクルアイテムマップ、頂点マップAに作成したウェイトマップを指定しOKボタンをクリックすると、ウェイトの値がそのままパーティクルアイテムマップへと指定することができます。

この方法の利点は、複製させるアイテムを自由に指定できるという点です。完全にランダムで良ければ、Surface Particle Generatorを使用するままで構わないのですが、例えばこのポイントにあるアイテムは必ず1のテキストが良いというのであれば、マップの値を編集することで配置したいアイテムを指定することができますし、ウェイトマップを編集することで配置の散らばり具合をコントロールできるようになります。

2020年12月22日