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メッシュオペレーション・デフォーマ評価のパフォーマンス向上

https://www.youtube.com/watch?v=W5lD4VVmBKw

Modoバージョン15.1では、メッシュオペレーションやデフォーメーションなどに対するパフォーマンスを向上するため、いくつかの大きな改善が施されています。

まずはスムージング処理に対するオプションです。ビューポート上で選択や表示に関するパフォーマンスにおいて、表示するメッシュに対するスムージングの処理を省略することで、そのパフォーマンスを上げることができます。

サンプルシーンには、シーンの中に面タイプのポリゴンを持つ四角形ボールを数多く配置しています。システムメニュー > 初期設定を確認してみると、デフォルトのカテゴリの中にメッシュデータ評価が新たに追加され、その中に操作中のスムージングを保留アニメーション再生中のスムージングを計算という二つのオプションが用意されています。

通常、マテリアルに対してスムージングの設定が行われていれば、ビューポート上ではこの面ポリゴンに対しスムージングの処理がかけられており、移動ツールなどでこのメッシュを動かしても、リアルタイムでこのスムージングの処理が行われます。これを操作中のスムージングを保留オプションをオンにすることで、インタラクティブに操作している間はスムージングの処理をかけないようにすることができます。同様に、アニメーション再生時のスムージング処理のオンオフもオプションで切り替えることができます。

また、各メッシュに対して個別に設定を行うことも可能です。メッシュタブにはスムージングのドロップダウンがあり、常にスムージング処理を行うのか、変形つまりデフォーマでは無効にするのか、常に無効状態にするのかを指定することができます。

さらにスムージングの処理だけでなく、パフォーマンスを上げるための設定が組み込まれています。例えば、このサンプルシーンでは人型のキャラクタに対してスケルトンが組み込まれており、キャラクタに動きを付けることができるようになっていますが、メッシュが高解像度の場合、そのデフォーメーションの処理に時間がかかる場合があります。こういった場合に備えて、デフォーメーション時のメッシュの設定が、メッシュタブに用意されています。

保留される評価のドロップダウンでは、評価つまりデフォーメーションや操作の処理を保留する際のタイミングを指定することができます。デフォルトでは初期設定パネルでの設定にそのまま従い、なしでは処理を保留することはありません。カスタムに設定し、スケルトンを動かしてみると、スケルトンを動かしている間はデフォーメーションは一切行われず評価処理は保留され、マウスを放したタイミング、つまり操作が確定した段階ではじめてメッシュが変形するようになります。これは作業中のみ保留するのか、アニメーションの再生中も保留するのかを指定することができます。常時を選択すると、常に処理は保留することになりますので、他のオプションに変えるまでデフォーメーションは行われません。

ただ、こうすると確かに軽くはなり反応もよくなりますが、作業するうえでの操作感には欠けてきてしまいます。そこでこの操作をより低解像度のメッシュを代わりに使用することで、より使用感をよくすることができます。このサンプルシーンには、このキャラクタのメッシュの低解像度版が用意されており、スケルトンに対しても全く同じ設定が行われています。このとき、高解像度のメッシュに対し、代理メッシュから低解像度のメッシュを指定し、スケルトンを動かしてみると、インタラクティブに操作しているときには低解像度のメッシュが評価され、マウスを放して操作が確定した段階で高解像度のメッシュにデフォーメーションが行われるようになります。これにより、操作感をそこなうことなく、操作のパフォーマンスを上げることができるようになっています。

さらに15.1では同様にメッシュオペレーションに対しても、評価を保留することで、パフォーマンスを上げる試みがなされています。メッシュオペレーションでボックスを作り、さらにポリゴンベベル、エッジベベルと重ねて操作してみましょう。ボックスのセグメント数を大きくしていくと、その分ポリゴンベベル・エッジベベルの処理が重くなっていきます。

ここでメッシュオペレーションリストを見てみると、オペレータ追加の右隣に二つのアイコンが新たに追加されています。右側のアイコンはメッシュオペレーションの評価を保留するアイコンです。このため、例えばオムニホール機能を利用して、ビューポートをドラッグすることでセグメント数を変えていても、ドラッグしている最中は処理が反映されることなく、マウスを放した段階で処理が確定し、初めてオペレーションが実行されることになります。

左側のアイコンは、評価を保留するのではなく、一時停止するアイコンです。一時停止してしまえば、どんなにプロパティの値を変更させようと、マウスをドラッグしたりリリースしたとしても、もう一度一時停止アイコンをクリックするまで、処理が行われることはありません。

メッシュオペレーションの場合、うっかりマウスを大きく動かしすぎて、プロパティの値を想定以上に大きな値へと変更してしまったために、演算負荷が高すぎて反応しなくなる、戻ってこなくなる場合もあります。そういった場合に備えて、評価の保留または一時停止のモードを切り替えて使うようにすると、スムーズな処理が可能になるかと思います。

2021年8月3日