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チップス:頂点マップを使用したフォールオフ

建築や建造物のパーツなどを製作する場合、ほんの少しずつパーツの一部のサイズや位置を変更したバリエーションをたくさん用意しなくてはいけないときがあるかもしれませんね。そんなときはフォールオフ機能の頂点マップを使ってみてはいかがでしょうか?

以下のページではこの頂点マップのフォールオフを使ったモデリングのチップスが掲載されています↓

http://www.pixelatedvertex.com/using-falloffs-in-archviz/

簡単に試してみましたので、ぜひ参考にしてみてください。

まずは今回はあくまでチュートリアルということで、わかりやすい形状で用意してみました。

内側の形状はベベルをかけ、あとで比較しやすいようにボタンを配置しています。この内側の形状を、ベベルの幅やボタンの形状を変えることなく、ただし配置のバランスはそのままの状態で外枠にぴったりと合わせたい場合、どのような手段を取りますか?

ベベルとベベルの間の幅を見てみると、ちょうど100mmに設定されています。外側の枠にあわせるため、この内側の形状に対して、ただ単にスケールをかけるだけだと、全体が伸びてしまい、このベベル間の幅も変わってきてしまいますね。

ベベル間の幅は141.5mmになってしまい、ボタンの形状も横に伸びてしまっています。これを避けるため、まずはウェイトマップをひとつ新規作成してください。このウェイトマップに対し、変形せずに一緒に動いてほしいポイント群にまとめて値を設定していきます。

この内側形状を外側枠に合わせたときに、上図の1/2/3/4というのがひとつのグループでバランスを崩すことなく動いてほしいですよね。ここでグループ1の頂点に対してはウェイト値1.0グループ2の頂点に対しててはウェイト0.666666(=2/3)グループ3の頂点に対してはウェイト0.3333333(=1/3)グループ4の頂点に対しウェイト0.0を設定します。つまり右から左に向かって0.0~1.0の範囲でグループ毎に等間隔のウェイト値を設定していきます。

シェーディングモードを頂点マップに切り替え、ウェイトマップがこんな分布状態で設定されていることが確認できたら、フォールオフを頂点マップに設定してください。

ここがこのチップスの一番大事なところです!フォールオフにこのウェイトマップを利用することにより、トランスフォームツールを利用したときに、この頂点マップに沿って移動してくれるようになるのです。つまりウェイト値1.0を設定したグループは移動量そのままを移動し、ウェイト値2/3を設定したグループは移動量×2/3を移動、ウェイト値1/3を設定したグループは移動量×1/3ウェイト値0.0を設定したグループは移動しない、という状態になります。ではトランスフォームツールで外枠のエッジにあわせるよう移動させてみてください。スナッピングをオンにしておくと良いですね。

すると、外枠にぴったりと合わせることができるようになりました!ベベルの間を計測してみると

一番最初に計測したときと同様、ベベルの間は100mmを保持しており、ボタンの形状にも影響を及ぼしていません。

こんな感じで等間隔にスケールしたいけれど、パーツ間の位置は変えたくない!といったシチュエーションにはウェイトマップを設定しておくと、作業がはかどるケースもあるかもしれません。とはいってもウェイト値をちくちく設定するのが面倒くさいなぁと思われる方もいらっしゃるかもしれませんね。でも大丈夫!modoの場合、値の入力フィールドでそのまま数式を使うことができますから、例えば0.666666と入力しなくても2/3と入力すれば正確な数値を指定することができ、わざわざ値を計算して入力という手間は要りません。

ウェイトマップはあまり使わないという方も、こんな使用法を試してみてはいかがですか?

 

事例紹介:ローポリの森

林や森など、大量の木を表現する場合、ポリゴン数などに悩まされることがありますよね。Luxologyのギャラリーに投稿されているこの作品では、少ないポリゴン数の木を何パターンか用意し、リプリケータを利用することで、見事に表現しています。

この作品の作者 Maximo Lucosi 氏は、自身のブログでこの作品のプロジェクトファイルを公開されていますので、樹木をどのように少ないポリゴン数で表現しているのか、またリプリケータをどのように使用しているのかなど、ぜひ参考になさってみてください。

Maximo Lucosi 氏のブログ

 

チュートリアル:プロシージャルテクスチャによるモデリング

自然に存在する岩をモデリングする場合、どのような手段を用いますか?様々なモデリングツールやスカルプトツールを駆使して、メッシュの形状をあっちにひっぱり、こっちにひっぱりして、ごつごつした形状を作り上げていくのもひとつの手ですが、もっと簡単にプロシージャルシェーダを使ってモデリングする方法があります。

今回ご紹介するチュートリアルのビデオでは、Autodesk社の3DCGアプリケーション3dsMaxを利用して解説が行われていますが、原理はそのままmodoでも応用できるようになっています:

3dsmax Environment Modeling #1 Procedural Stone from Sascha Henrichs on Vimeo.

わかりやすいように、modoのlxoファイルで再現したサンプルファイルが公開されていますので、そちらをダウンロードしてmodoで開いてみてください:

サンプルlxoファイル

modo上で開いてみると、元々の形状は単なる球状のプリミティブなのに、プロシージャルテクスチャCellularをディスプレースメントとして適用することで、形状自体を大きく変化させています。シェーダツリーの岩のマテリアルのすぐ上に設定されているCellularテクスチャを選択し、テクスチャロケータタブからテクスチャの位置やサイズの値を変えてみてください:

すると、岩の形状が微妙に変わっていくのがわかりますね。このように大まかな形状自体をプロシージャルテクスチャでモデリングすることで、パラメータを変えるだけで、いくつものランダムな形状の岩をそれほど手間をかけることなく生み出していくことができます。

このチュートリアル、SES1SES2PADといった様々なキットを開発している9bStudios社Twitterで紹介されていた技であり、サンプルモデルも9bStudios社が提供してくれています。このような有益な情報を流してくれるのは、ユーザーにとって本当に助かりますね。

 

チュートリアル:キャンディケイン

クリスマスによく見かけるお菓子キャンディケイン(赤と白のストライプでステッキ状のお菓子)、今回はこのキャンディケインをmodoで簡単に製作できるチュートリアルビデオをご紹介します。

本当に簡単ですね!円柱を作った後に使ったツールといえば、軸スライススケールベベルツイストベンドぐらいでしょうか。モデルの形状やマテリアルを理解し、どうやって組み立てればよいのかを考えることができるようになったら、順序だてて最短距離でモデリングできるようになるのかもしれませんね。

とっても簡単で短いチュートリアルですので、初心者の方でも問題なくモデリングできます。ぜひトライしてみてください。

 

チュートリアル:道路の作り方

今回ご紹介するチュートリアルは、道路の作り方です。シンプルなようで、簡単・キレイに作れるチップスを紹介しています↓

このチュートリアルはモーションパスを表示させるプラグインを作ったMatt Cox氏により公開されています。

作り方の流れとしては

ペンツールでコーナーとなる箇所をきちんと出せるようにオフセットインセットと同じ値に設定する

道路の交差部分がきちんと重なるよう、ペンツールのスナッピング形状モードにし、ポリゴンの中心にスナッピングする

重なり合った箇所のポリゴンを削除し、ポイントを平均に融合ツールで重ね合わせ、新たにポリゴンを貼りなおす

ループスライスで対称モードにし、道路両脇に対してスライスを入れていく

スライスされた両脇のポリゴンを選択し、ベベルツールで押し出す

交差部分の頂点に対しベベルツールで丸みをつける

となります。少ないメッシュ数で簡単に道路を作れるこのチップス、他のモデリングにも応用が利きそうですね。

 

モーションパスの表示:Motion Paths

前回パスアニメーションのチュートリアルについてご紹介しましたが、modoにはもちろんキーフレームアニメーション機能も実装されています。

ただ、modo上でアニメーションをつける際、アニメーションの軌跡が表示されずに、設定しにくいと感じられることもあるかもしれません。パスアニメーションの場合は、パスの元となるカーブはもともとジオメトリですのでビュー上に表示されますが、キーフレームアニメーションはそういうわけにはいかないため、そのフレームあたりでどの値を動いていたのかなどを直感的に把握するのが難しいケースもあるでしょう。

そのようなときには、Matt Cox氏製作のMotion Pathsというスクリプトがお勧めです:

このスクリプトは、文字通りモーションパスを表示させるためのスクリプトになっており、フリーで配布されています↓

Matt Cox 氏製作のスクリプト:Motion Paths

インストールはいたって簡単!

modoを起動し、システムメニューユーザースクリプトフォルダを開くから、ユーザー用のスクリプトフォルダを開きます。ここにダウンロードし解凍した2個のスクリプトを配置するだけ。

あとはモーションパスを表示したいアイテムを選択し、システムメニュー実行から @mc_lxCreateMotionPath.py というコマンドを入力してください。同じく表示をオフにする場合も簡単で、同じようにシステムメニュー実行から @mc_lxRemoveMotionPath.py というコマンドを入力するだけです。

表示されるモーションパスには、アニメーションの軌跡だけでなく、パス上にフレームも表示されるため、どのタイミングで、どこに位置しているのかを理解することができるという点でも便利に使えそうですね。

さらに、いちいちコマンドを入力するのが面倒くさい!という方は、キーボードショートカットキーを割り当ててみると良いかもしれません。たとえば、パスを表示するための @mc_lxCreateMotionPath.py コマンドをあるひとつのキーに、パスを非表示するための @mc_lxRemoveMotionPath.py コマンドをまた別のキーに割り当てれば、コマンドを入力することなく、キーを押すだけで表示・非表示を切り替えられるようになります。キーボードショートカットの割り当てはシステムメニュー入力編集から行えますので、ぜひ併用してみてください!

 

グラディエントエディタのデモンストレーション動画

マテリアルでグラディエントを利用すると、わざわざUVを設定し、画像を用意しなくても、多岐にわたる様々な効果を簡単に設定することができますが、イマイチ使い方が良くわからないといった方は、Yazan氏が行ったセミナー内容を参考にしてみてはいかがでしょうか?

Modo 501 & The Gradient Editor with Yazan Malkosh from Geoff Swartz on Vimeo.

こちらの動画はmodoのユーザーグループミーティングにおいて、グラディエントエディタについて解説しているセミナー動画となっており、後半部分は実際の聴講者の方々との質疑応答も行われています。講師を務めているYazan氏は、自身のスタジオ’9b studios‘を運営している長年にわたるmodoユーザーであり、PAD(プロダクトと自動車デザインキット)SES 1(スタジオ環境セット 1)SLIK(スタジオ内の精密な照明と反射のmodo専用セットアップ)といったマテリアル系のキットをいくつも出しているプロのクリエイターです。

英語で解説されてはいますが、実際のインターフェイスの操作画面を動画で確認できるのはとても便利ですね。少しずつ、このブログでもちょっとしたチップスを日本語でご紹介できるようにしていこうと思います。

 

ライティング解説ビデオ

modoに限らず、さらに言えば3DCGに限らず、カメラで何かを映し出すときにはライティングが非常に大事になってきますよね。このライティングの設定について、細かく解説されているビデオがフォーラムに掲載されています↓

http://forums.luxology.com/discussion/topic.aspx?id=28292

modo 401で解説されていますが、modo 501でももちろん問題なく同じ内容が適用できます。スタジオでパッケージを撮影するとき等のようなライティングを、キット類を使わず、スタジオ背景の作成からキーライト・フィルライト・リムライトの設定までを含めて細かく説明されていますので、どなたでもお試しいただける内容になっています。

この解説ビデオを作成されたChris Morrisさんが制作された作品はこちら↓

Chris Morris氏のプロフィールはこちら
http://www.luxology.com/community/profile.aspx?name=Chris_Morris

それでもなかなか自分では思ったような環境を作り出せない、作り出すための時間が足りない、またはスタジオ環境におけるライティングをさらに極めたい!という方は、スタジオ環境を簡単に再現できるSES1キット、現実世界のスタジオ撮影をほぼ忠実に再現しているSLIKなど、キット類も充実しておりますので、そちらもお試しください!

 

ワイヤーフレームレンダリング:mm_WFRender

以前、便利プラグインとしてカメラ用のプラグインsl_customresをご紹介しましたが、今回はワイヤーフレームレンダリングを行ってくれるプラグイン mm_WFRender をご紹介します。

このプラグインも、Luxology社のフォーラムにて公開・配布されていたプラグインです↓

http://forums.luxology.com/discussion/topic.aspx?id=51935
http://www.modonize.com/Scripts/159.aspx

まずはこちらでスクリプトをダウンロードしたら、modoを起動し、システムメニューからユーザーコンフィグフォルダを開くメニューを選択します。

そうすると、お使いのマシン上にあるmodoのユーザーコンフィグのフォルダが開きますので、その中にフォルダを作成してください。名称は何でも構わないのですが、ここではmm_WFRenderをいう名称をつけましょう。フォルダを作成したら、そのフォルダの中に先ほどダウンロードしたファイルに含まれている二つのファイル(index.cfgmm_WireFrame.py)をコピーしてください。これでインストールは完了です!あとはmodoを再起動するだけ。

modoを再起動すると、レンダーメニューの一番下にSet up wireframe renderというメニューが新たに追加されています。これがワイヤーフレームレンダリング用のメニューになります。

では、実際にレンダリングしてみることにしましょう。せっかくのワイヤーフレームレンダリングですから、カッコいいメッシュモデルで試してみよう!ということで、今回はLuxology社のアセットシェアから銃のメッシュをお借りすることにしました。modo上にデフォルトで読み込んだ状態は、このような感じです:

あとは先ほどのメニューを適用するだけなのですが、このスクリプトの使用する際にひとつだけ注意点があります。それは、このメニューを適用する前に必ずシーンを保存しておくこと!ワイヤーフレームレンダリングを実現するために、このスクリプトではメッシュをスタティックメッシュへと変更したうえで処理を行うため、いったん処理を適用すると元に戻れなくなってしまいます。なので、ここはいったんシーンを保存してから、メニューSet up wireframe renderを適用してください。するとアイテムツリー上でメッシュの種類が変更されたのが確認できますね:

ではこの状態でレンダリングしてみましょう。

これでワイヤーフレームレンダリングのできあがりです!精密なモデルであればあるほど、より違った趣が出てきて面白そうですね。

 

便利なショートカット表

modo 501を触り始めたばかりであれば、なかなかショートカットを覚えられないという悩みをお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんね。

Luxologyフォーラムでは、独自にショートカット表を製作しては公開してくれている有志のユーザーさんがいらっしゃいます。例えばこちら↓

http://forums.luxology.com/discussion/topic.aspx?id=57407

ここではPDFが配布されていますので、印刷して机の上にでも立てかけてみると良いかもしれません。もっと精巧なショートカット表であれば、こちらにも公開されています↓

http://forums.luxology.com/discussion/topic.aspx?id=51961

こちらではオリジナルのIllustratorファイルも公開されていますので、日本語用にカスタマイズして使うのもお薦めです!