月別アーカイブ: 2012年4月

チップス:レンダーブーリアン

modo 601で搭載された新機能の中でも、ひときわ目を惹くのがこのレンダーブーリアンの機能!上手に使いこなせば、こんなに便利な機能もありません。今回はこのレンダーブーリアンの機能をご紹介します。

とはいえ、設定はいたって簡単。まずはサンプルモデルとして顔のモデルを読み込んでみます:

この頭部をレンダーブーリアン機能を使って、すぱっと切りとります。アイテムツリーアイテム追加にあるボリュームカテゴリからRender Booleanを選択します:

これが切り取る元となるアイテムですので、頭部の上ぐらいに配置してみます:

するとこんな感じでスパッと断面が見えるようになりました。いたって簡単ですね!ただこの断面、あまりに殺風景ですので、今度は断面にマテリアルをつけられるようにしましょう。アイテムツリーから追加されたRender Booleanアイテムを選択し、右クリックからアイテムマスクの作成を選択してください:

するとシェーダーツリーにはRender Booleanというマテリアルグループができ、その中にマテリアルが設定されるようになりますので、ここで自由に断面のマテリアルを設定できるようになります。もちろん通常のマテリアルの設定と同じですので、透過度を100%に設定することも可能です。透過度を100%に設定すると断面は見えなくなり、切り取られた内部が見られるようになります。これもこれで面白い表現ですね。

さてここではもう一歩進めて、この頭部のモデルの中に、脳のモデルを仕込んで見ましょう。こんな感じです:

この状態でもう一度レンダリングをしてみると、脳のモデルも頭部のモデルと同様、切り取られてしまいます:

頭部のモデルは切り取り、脳のモデルは切り取らずにそのままの形状を保ちたい場合には、マテリアルでの設定が必要となります。シェーダツリーから脳のモデルのマテリアルを選択し、マテリアル(透過)タブのクリッピングカテゴリにあるサーフェイスクリッピング有効オフにします:

これで人体説明のCG映像のように、実際の形状に手を加えることなく、外側をクリッピングしながら内側を表す映像が簡単に作れるようにます:

設定も簡単で自由度の高いレンダーブーリアン機能、是非お試しください!

ちなみに今回使用したこの脳のモデル、Zygote社の人体モデルを使用しています。Zygote社の人体モデルは様々なパーツが用意されており、モデルだけでなくテクスチャも付属しています。(株)ディストーム社のオンラインストアで取り扱い中ですので、ご興味のある方はお問い合わせくださいませ。

 

チップス:ファーの流れのコントロール

ファーの機能を使ってヘアを作りたい!と思ったときに、難しいのが流れのコントロールですよね。

このファーの流れのコントロール方法を解説しているビデオが公開されています↓

ビデオの作者はSES/SES2SLIKPADといったキット類をリリースしている9b studiosのYazan氏。あわせてコンテンツも公開されていますので、ビデオを見ながら自分で実際に操作することも可能です。modoだと、ファーの流れをスカルプトやペイントツールと同じように、ブラシで整えていくことができるので直感的に整えていくことができますね。

お気に入りのキャラクタに、どんどんがっつりファーを生やしてみてください!

 

チップス:真球の作り方

今回は、以前フォーラムで見かけたすごく簡単な真球の作り方をご紹介します。ご存知の方もたくさんいらっしゃるかもしれませんね。

そもそも真球を作るにはプリミティブの球ツールを使えばよい!のですが、この場合、三角ポリゴンと四角ポリゴンとが同居してしまい、三角ポリゴンのところに微妙な歪みが生じたりしてしまいます:

このような場合には、できることならすべて四角ポリゴンで球を構成したいですよね。ということでパッチ球(形状メニュー > 単位プリミティブ > パッチ球)を作ってみましょう。ですが、このパッチ球の輪郭をよく観察してみると、形状が真球ではないようです:

このパッチ球を真球へと修正してくれる便利な機能が、背景コンストレイント。具体的な手順をご紹介しましょう:

[1] パッチ球を前景レイヤー、球ツールで作った球を背景レイヤーに設定します。

[2] パッチ球を背景の球よりも少し大きくなるよう、スケールをかけます。

[3] スナッピング機能をオンにし、コンストレイントモード背景に、背景にコンストレイント > 形状コンストレイントベクトルに設定します。

[4] スケールツールで背景の球にぴったり合うまでスケールをかけます。

これだけで、ポリゴンの構成はパッチ球でありながら、形状を真球にすることができるんですね:

この背景コンストレイント機能は、あらゆる場面で非常に役に立つモードですので、ぜひともご活用ください!

 

チュートリアル:車のモデリング

実世界にあるモデルを3DCGの世界へと再現しようとする場合、写真やスケッチをトレースしながらモデリングしていくことがありますが、そのお手本となるような車のモデリングのチュートリアルビデオが公開されています↓

このチュートリアルビデオ、実に20本ものシリーズものとなっています。写真やスケッチといった画像をもとにモデリングしていくのですが、それらの画像を背景に設置するところから、モデリング時におけるキーボードショートカットやツールの使い方の紹介、さらには写真を見ながらあらかじめあるべきジオメトリ(ポリゴン)の流れについてまで解説を加えています。

車だけに限らず、滑らかなラインを持つモデルを作る際のチップスとしても大変参考になるビデオです!

 

CGWORLD 5月号 「モデリング実践」

今月のCGWORLD 5月号では、modo 601を活用した「モデリング実践」の記事が掲載されています。今回はキャラクタ作成の手順とアプローチをご紹介いただいています!

記事を書いてくださっているのは、トランジスタスタジオの秋元氏。昨年・一昨年の3DCG AWARDSにて最優秀賞をとられたamazarashiのPV製作にも携わったクリエイターの方です:

今回もキャラクタを製作する際のモデリングのポイントがおさえられていて、大変役に立つ記事になっています。

完成モデルを見てみると、これからアニメーションを設定されることを意識したモデリング、特に肘や膝といった可動部分のジオメトリの構成がとてもキレイなのがよくわかりますね。また個人的に特に好きだったのが、この大き目のシャツのだぶつき具合!スカルプトツールを利用して、皺やだぶつきを表現されているそうですが、modoでのスカルプトツールはZBrushのようなディテールを詰めるためのスカルプトではなく、モデリングツールとして有効に活用されているパターンも多いようです。

modo 601からはキャラクタアニメーションやポージングが行えるようなツールが多数搭載されています。今まで静物モノしか手を出したことがないという方も、ぜひこのモデリング記事を参考にしながら、キャラクタアニメーションに挑戦してみてください。

 

第11回 modo userGroup OSAKA勉強会レポート

先日(4/7)、modo UserGroup Osaka様主催で開催されましたmodo user group 勉強会に参加してきましたので、レポートいたします。

勉強会の会場、クレオ大阪中央の研修室はとてもきれいで、中、小規模の勉強会、セミナーにはぴったりなスペースでした。

勉強会前半はmodoの開発に参加している田崎氏よりmodo 601 の概要、新機能についてご紹介いただきました。実演を交えながらのKeyNoteによるプレゼンテーションはかなりのボリュームがあり、modo 601の新機能の多さを実感させられました。
後半はヒビコーディネーション日比氏より、実際の現場での利用を想定したmodo 601の新機能の効果的な使用方法についてのご紹介でした。「かどの丸め」や「エリアライト」を使った例は、すぐに応用可能な内容でした。

懇親会にもお邪魔させていただき、様々な職種の皆様とお話ができて大変勉強になりました。
modo UserGroup Osakaの皆様、ありがとうございました。また次回よろしくお願いいたします。

会場のクレオ大阪中央です。とてもきれいな施設でした↓

田崎氏によるmodo 601 の新機能紹介です↓

懇親会(2次会)の様子です↓

 

チップス:テクスチャリプリケータとサーフェイスパーティクルジェネレータ

modo 601では様々なカテゴリに対して新しい機能が追加されていますが、今回はその中でも大変便利に使えるテクスチャリプリケータ(Texture Replicator)サーフェイスパーティクルジェネレータ(Surface Particle Generator)の組み合わせについてご紹介します。

テクスチャリプリケータ(Texture Replicator)はテクスチャをリプリケータのように配置していく機能、サーフェイスパーティクルジェネレータ(Surface Particle Generator)はパーティクルをサーフェイスの表面に沿って配置する機能です。この二つを組み合わせるとどのような表現が可能になるでしょうか?

まずはデフォルトで用意されているモデルを読み込んで、さらに桜の画像を貼り付けてみます。デフォルトではUVに対して画像が貼り付けられてしまいますが、ここでテクスチャロケータタブを開くと、一番下にテクスチャリプリケータというパラメータが用意されています。通常のリプリケート機能と同様、何をソースとするのかを指定しなくてはいけませんので、ここではいったんこのモデルメッシュを指定しておき、あとは適当に値を設定してみます↓

すると、モデルの頂点に対してテクスチャがリプリケートされているのがわかります↓

ただ、これだとモデルに対して満遍なく花びらがリプリケートされているわけではありません。ここでサーフェイスパーティクルジェネレータの登場です!アイテムツリータブのアイテム追加パーティクル Surface Particle Generatorを追加します↓

ソースサーフェイスにモデルを選択すると、このモデルのサーフェイスに対して満遍なくパーティクルが発生するようになります↓

サーフェイス上にある黄色いポイント一つ一つがパーティクルです。ぴったりとサーフェイス上に発生しているのがわかりますね。次に、シェーダツリーから先ほどのテクスチャロケータを選択し、テクスチャリプリケータパーティクルソースをこのSurface Particle Generatorへと変更します。すると桜はこんな感じに散らばるようになります↓

さらに今回はもう一工夫!様々な色合いの桜の花びらを散らしてみたいので、色違いの画像をいくつか用意し、画像タブに読み込んでおきます。画像タブに読み込んだらグループタブから新規グループを作成します。Group_Sakuraという名称にし、このグループの中に桜の画像だけをまとめるようにします↓

あとはシェーダツリーから画像を選択し、テクスチャレイヤー 画像ポップアップからGroup_Sakuraを選択します。こうするだけで、グループの中にまとめておいた画像がランダムにリプリケートされるようになります。他にもお好きなようにパラメータを調整したり、バンプなどのほかのチャンネルも重ね合わせていくことができます↓

なんとなく使い方は理解できましたでしょうか?

テクスチャリプリケータのプロパティに用意されているフォールオフなどを調整すれば、リプリケートされるテクスチャ間の継ぎ目がきれいになじみますので、岩石や地面など、自然なテクスチャを用意したいときなどにはお手軽で大変便利です。

こちら機能の使い方、Luxology社のフォーラムでユーザーさんが公開されていたムービーファイルを元にしています:

http://www.mutant-pixel.com/Luxology/TextureRep.mp4

ぜひこちらも参考にしてみてください。

 

第11回 modo userGroup OSAKA勉強会開催のお知らせ

来る04/07(土)modoユーザーグループOSAKA様主催による第11回勉強会が主催されます。

「第11回modo勉強会」
日時: 4/7(土)13:30~17:00
会場: 大阪市男女共同参画センター 中央館(通称:クレオ大阪中央)3F・ 研修室1
大阪市天王寺区上汐(うえしお)5-6-25  Tel 06-6770-7200
http://www.creo-osaka.or.jp/chuou/index.html

今回の勉強会では、日比隆志氏によるmodo 601新機能による実践テクニックのほか、modo開発者の一人である田崎氏を招いての新機能プレゼンテーションも行われるそうです。

自身のウェブサイトにてmodo 601の新機能を詳細に解説してくれている田崎氏による新機能デモンストレーションをじかに聞けるチャンスです!可能な方はぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか?詳しくはこちらまで↓

modo user group OSAKA ウェブサイト