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チップス:Splash Kitを使わない水しぶきの表現

modoで「水しぶき」と聞けばすぐさまSplash Kitを連想される方も少なくないはず。その名の通り、Splash Kitを使えば、あらゆる水しぶきやミルククラウンなどの表現を簡単に実現することができますが、Splash Kitを使わなくても、アイデア次第で美しい水の表現が可能です。

今回は、Splash Kitを使わずに水しぶきを表現するチュートリアルビデオをご紹介します:

いざ見てみると、その方法は極めて簡単!水しぶきの土台となるメッシュを作り、Blobボリュームで水滴を表現しているだけなんですね。ただし、今回の表現方法の肝となっているのは、スプラインかもしれません。このスプラインの形状にも沿ってBlobは作成されますので、あたかも水滴がしぶきとして飛んでいるかのような、そんな表現を生み出しています。

このチュートリアルで使用されているメッシュについては、Luxologyのアセットシェアからダウンロードできますので、ぜひ実際にデータを確かめてみてください!

http://www.luxology.com/asset/scenes/view.aspx?id=3934


チップス:砂糖菓子(ザラメ)のマテリアル

modoはマテリアルを工夫するだけ、自分だけの表現が可能になっていきますが、今回は「砂糖菓子」を表現するようなマテリアルの作り方をご紹介していきます。元ネタはこちら↓

http://cg.tutsplus.com/tutorials/luxology-modo/quick-tip-create-a-cool-looking-sugar-based-material-in-modo/

初心者向けにチュートリアル形式で紹介されていますので、それほど難しいものではありません。まずは、このプリセットのシーンを読み込みましょう。MODO 701では、このボールのシーンがコンテンツの中に標準で用意されています。

Contents > Samples > Presetの中にある9ballRigを読み込んでマテリアル設定の用意を整えたら、あとはチュートリアルに従うだけ。各手順の簡単な流れとしては以下の通りです。細かなパラメータの設定などは、チュートリアルページを参照してみてください。

Step1マテリアル(反射)タブから、スペキュラ量などの基本的なマテリアルを整えます。

Step2Gradient(グラディエント)レイヤーを追加して、ベースのカラーに対し微妙な陰影をつけます。

Step3:表面のちょっとした凸凹を表現するため、バンプエフェクト用にノイズレイヤーを追加します。

Step4マテリアルグループを作り、その中にマテリアルファーを追加します。

Step5:ボール表面に砂糖のザラメができるような感じに、ファーマテリアルのパラメータを調整します。

Step6:ザラメの形状を整えるため、ファーシェイプタブの中のパラメータを調整します。

Step7:ファー用に作成したマテリアルグループの中のマテリアルで、ザラメの基本的なマテリアルをマテリアル(反射)で調整します。

Step8:引き続き、ザラメの透過度などをマテリアルをマテリアル(透過)で調整します。

Step9:あとはいつでも使えるようにプリセットに登録します。まずはシェーダツリーから保存したいマテリアルグループを右クリックし、プリセットをサムネイル付きで保存し、F9でレンダリングを行います。

Step10:登録されたプリセットを右クリックし、最後のレンダリングでアイコンを置換をクリックします。

これで、まるで最初から用意されたプリセットのように、素敵なマテリアルが登録できますね。

シンプルな手順で砂糖菓子を表現できましたが、今回のチュートリアルではファーマテリアルを使っているのが一つのポイントです。ファーマテリアルはさらさらヘアやふさふさもこもこのファーなどを表現するもの、というイメージがありますが、決してそれだけではなく、今回のようにジオメトリの表面上に貼り付いているもの、または表面から発生しているものを表現することも可能です。

上記でご紹介している制作工程で調整したパラメータにさらにアレンジを加え、自分だけのマテリアルを作ってみてください!

 

チップス:水滴

Splash Kitなどを使えば、窓や瓶についた水滴をいとも簡単に、そしてリアルに表現することができますが、実はmodo標準のプロシージャルテクスチャを用いることでも、リアルな水滴表現を可能であることを、Luxologyフォーラムで紹介されています。

http://forums.luxology.com/topic.aspx?f=32&t=73308&page=2

シェーダーツリーを見てわかるとおり、特別なキットやマテリアルは使っていません。使っているのはPebblesテクスチャです。Pebblesはmodoに標準でついてくる拡張テクスチャの一種であり、この拡張テクスチャには数多くの面白いテクスチャが用意されています。

拡張テクスチャにどんな種類のプロシージャルテクスチャが揃っているのか、それによってどのような表現が可能になるのかは、インライン・ヘルプ・システムをご覧頂くのが一番はやいでしょう。インライン・ヘルプ・システムを起動したら、ホーム >> シェーディング、ライティング、レンダリング >> シェーダツリーアイテム >> E:modo テクスチャを開いてみてください。各カテゴリ毎にサンプルの使用例が提供されています。この拡張テクスチャの面白いところは、パラメータを変化させたり、他と組み合わせることで、サンプルで提供されている表現をはるかに超えた面白い表現が可能になるという点にあります。

フォーラムでは上記の水滴のシーンファイルも公開されていますので、ぜひ実際にシーンを読み込んでみてください。シェーダーツリーから各アイテムの表示・非表示を切り替えて、どのような働きになっているのか確認してみると、理解しやすくなるかもしれません。拡張テクスチャの中にある様々なテクスチャを使って、あなただけの独自の新しい表現にぜひ挑戦してみてください!

 

チップス:テクスチャリプリケータ+パーティクルペイント

Luxologyで公開されているビデオサイトLuxologyTVには、様々なビデオが用意されていますが、今回はmodo 601で新たに追加されたテクスチャリプリケータパーティクルペイントを組み合わせたチュートリアルビデオが公開されました:

本ブログでも以前、テクスチャリプリケータの使用法について簡単にご紹介しましたが、パーティクルペイント機能と組み合わせることで、さらに手軽かつ直感的にテクスチャを構成していくことができます。ウェイトについても同様ですが、従来のスカルプト・ペイント機能と同様の操作感を保ちながら、パーティクルを配置したり、ウェイトをペイントできるという点が、modoの使いやすさにつながっています。また、これらの機能を組み合わせて構築したテクスチャを、複雑な手順を踏むことなく一枚の新たなテクスチャへとベイクするまでの流れも説明されていますので、そちらもデータ軽減などのチップスに活用できるかと思います。

まだこの機能を使ったことがないという方は、簡単に試せる機能ですので、ビデオを見ながらぜひ一度試してみてください!

 

スクリプト:ETEREA Item Custom Display Presets 101

シーン上にいくつも同じようなモデルが存在しているときに、マテリアルは変えたくないけれど、ビューポート上ではぱっと見ただけで区別がつけられるようにしたい!といったケースがありますよね。そんな場合に便利なスクリプトがLuxologyのフォーラムで公開されています。

ETEREA Item Custom Display Presets 101
http://forums.luxology.com/topic.aspx?f=119&t=70556

このスクリプトではマテリアルを変えることなく、各アイテムのワイヤーフレームの色、ソリッドの色を変更できるようになっています。早速、使い方をご紹介しましょう!

[1] インストール

まずは上記フォーラムよりスクリプトをダウンロードし、ZIPファイルを解凍します。解凍したらeterea_itemCustomDisplayというフォルダができますので、このフォルダごとmodoのユーザースクリプトフォルダの中にコピーします。modoのユーザースクリプトフォルダがわからない場合は、modoを起動しシステムメニューユーザースクリプトフォルダを開くを選択すると、スクリプトフォルダが自動的に開きます。フォルダをコピーしたら、modoを起動してください(既にmodoを起動していた場合には再起動)。

[2] キーに割り当て

この機能を便利に使えるように、キーを割り当てていきます。目指す動作としては、アイテムツリー上で選択したアイテムに対し、このスクリプトによる表示設定を行っていけるようにします。システムメニューから入力編集を選択し、キー割り当ての画面を開きます。入力編集パネルでは、以下のように設定してください:

コンテキスト (コンテキストなし)
編集モードビューポート
ビューポート アイテムリスト(フルモード)
ビューモード マウスとキーボード
マップされていないキーを表示オン
グローバルキーを表示オン

今回は、アイテムリスト上で表示を設定したいアイテムを選択し、Altキーを押しながら右クリックしたら、このスクリプトが起動するようにしましょう。マウスAlt-右クリックのところで(新規割り付け)をクリックし、アイテム名称を選択します。コマンドの欄にattr.formPopover {49782551304:sheet}と入力します。

これでキーの割り当ては完了!さっそく試してみましょう。アイテムツリーの中でメッシュを選択し、Altキーを押しながら右クリックしてみると、このスクリプトのGUIが出てきます。

あとはワイヤーフレームの色、ソリッドの色を指定すると、ビューポート上では指定した表示色に従ってメッシュが表示されるようになります。

メッシュにマークを付けるような感覚でお手軽に使用できますので、たくさんのメッシュの中から目当てのメッシュを一目でわかるようにしたい場合など、とっても便利なスクリプトです!

 

チップス:Poserからmodoへのワークフロー

先日ご紹介したようにBVHローダーを使用して、キャラクタ用のモーションファイルBVHをmodoへと読み込めるようになりますが、このBVHファイルを簡単にカスタマイズしながら生成できるツールとして有名なのがPoserです。

ここではPoser→modoへデータを持ってくる際のワークフローについて、今回は簡単に解説していきましょう。

まずはPoserを起動し、キャラクタに歩行アニメーションをつけます。ここではデフォルトのアンディ君に対して、歩行デザインを使用して、てってけてってけ走ってもらっています(下記画像をクリックすると、モデルがPoser内でてってけてってけ走ります)。

ここからデータを書き出していきます。書き出すデータは2種類。一つはモデルデータをColladaで、もう一つはモーションデータをBVHで書き出します。今回使用しているPoser 9日本語版では、デフォルトの状態でモデルの名称が全て日本語化されていますが、Colladaでデータを介する場合など、正しく日本語が解釈されない場合がありますので、あらかじめモデルの名称は英数字へと変えておくようにしてください。

ファイル > 書き出しよりColladaを選択します。最初にシングルフレームで出力するか、複数フレームで書き出すかを問われますので、複数フレームでの書き出しを選択してください。

後は、階層から書き出したいモデルだけにチェックマークをつけて出力します。スケールに関するオプションが出てきますが、ここはあとでmodoの中で自在にスケールを変えられますので、それほど正確に設定する必要はありません。これでモデルデータの書き出しは終了!

次はモーションデータです。同じようにファイル > 書き出しよりBVHモーションを選択します。ここもデフォルトのままで出力します。これでPoser内からの出力は完了です。簡単ですね。

次に読み込み側のmodoを起動し、さきほど出力したColladaファイルを開きます。モデルがTスタンス(Poserではこれをゼロポーズと呼びます)で出力されているのがわかりますね。前回のBVHローダーの紹介で解説したとおり、まずはこのモデルの身長を測りましょう。ビューメニュー > 寸法ツールを呼び出すと、身長が1.8736mであることがわかります。この数値、覚えておいてください。

次に、いよいよBVHローダーの登場です(まだBVHローダーをインストールされていない方は、こちらの記事で先にインストールをお済ませください)!アニメーションレイアウトからBVHタブを選択し、Heightのところに先ほど記憶しておいたモデルの身長1.8736mと入力したら、Load BVH Motionボタンをクリックし、出力したおいたBVHファイルを読み込みます。

ここまでは単にBVHファイルを読み込みスケルトンが生成されただけであり、実際のモデルデータに割り当てられていません(上図参照)。セットアップモードへと切り替えてみると、読み込まれたBVHのデータによるスケルトン階層もTスタンスを保持していることがわかります。あとは、モデルデータをこのスケルトンのTスタンスの位置へと移動させるだけ!

PoserからモデルデータとそのBVHを出力する場合、他よりとびきり優れている点は、このスケルトン(BVH)とモデルのTスタンスが完全一致しているという点にあります。BVHでは階層のルートに当たるHipスケルトンが原点へと設定されているため、どうしてもモデルデータをスケルトンに合わせ移動させる必要はありますが、各スケルトンを細かく位置調整する必要はありません。あくまで全体の位置を合わせるだけでOK。これはスゴク楽ですね。

位置を調整したら、スケルトンとモデルを選択した状態で、デフォーマタブからバインドボタンをクリック!セットアップモードを抜け出し再生してみると、Poserで設定した動きが、そのままmodo上でも再現されるようになります(下記画像をクリックすると、モデルがmodo内でてってけてってけ走ります)。

ここでPoser→modoへとデータを出力する際の注意点を挙げておきます:

[1] インバースキネマティクス機能をオフに

Poserではインバースキネマティクスの設定がオンになっている場合があります。この状態でうまく歩行アニメーションが作れたとしても、BVHにはPoser内のインバースキネマティクスの影響は反映されません。このため、Poserではインバースキネマティクスの影響をオフにした状態で、適切に動くようなアニメーションを設定するようにしてください。

[2] バインド後の修正

Poserからのデータに限ったことではありませんが、今回のような骸骨君ではなく、リアルなキャラクタに対してスケルトンをバインドする場合、自動で設定されたウェイトが必ずしも最適なものであるとは限りません。特に関節部分などは、その動きによって肩や腕などの膨らみ具合が意図しないものへとなってしまう場合があります。この場合には、ウェイトのペイントツールを使って、スケルトンからの影響を受ける範囲などを微調整するようにしてください。このウェイトのペイントツールの使い方に関しては、トレーニングビデオSpotlight 601で紹介されていますので、ぜひそちらをご覧下さい。

どうでしょうか?いとも簡単に様々な歩行アニメーションを設計できるツールPoser。興味をもたれましたか?参考までに今回作成したPoserのプロジェクトファイル、出力したColladaファイルBVHファイル、そしてmodoで読み込んでファイルを公開いたしますので、Poserをお持ちの方は、ぜひ一度このフローをお試しください!

 

スクリプト:セーフエリア表示用スクリプト

テレビで放映される映像を制作される方なら、必ず意識しなければならないポイントの一つとして、セーフエリアがあります。

テレビの世界では制作した映像の解像度そのままが画面いっぱいに表示されるわけではありません。このため、テレビで放映される映像を意識する場合、ロゴやタイトルなど必要となる大事な情報は、必ずセーフエリアと呼ばれる領域内にキレイにおさまるような絵作りをする必要があるのですが、このセーフエリアを表示してくれるスクリプトが公開されています↓

スクリプト:fs_SafeCam

このスクリプトでは、アクションセーフエリア(画面90%)とタイトルセーフエリア(画面80%)が表示されるようになっています。これがあれば、タイトルCGを制作する場合でも、後調整を考えることなく、安全なタイトルの位置やロゴアニメーションを作ることができますね。使い方に関する解説ビデオも掲載されていますので、セットアップは簡単です。

また、このスクリプトも先日解説したlpkファイル形式で配布されていますので、ご自分でファイルを解凍し適切なフォルダに配置するといった手間はかかりません。こちらの記事を参考にインストールしお試しください。

 

iPad用プレビュー閲覧アプリLuxPreview

LuxologyからAppStoreを通じて無償で配布されているアプリケーションLuxPreviewをご存知ですか?

このソフト、modoで作業中のプレビュー画面を、Wifiを通じてiPad上で閲覧することができるアプリケーションです。

実際に、このアプリを2台のiPadに導入して試してみました。結果はこちら↓

右側がホストとなるMacBook Proでmodoを起動し、シーンを読み込んでいる画面です。左側にあるiPad2台とも、modoで表示されているプレビュー画面がそのまま映し出されているのがわかりますでしょうか?modo側でカメラの視点を変えたり、マテリアルを変更し、プレビューが更新されると、即座にiPadのLuxPreview上のプレビュー画面も、その更新が反映されるような仕組みになっています。

プレゼンテーションやミーティングの場で、modoで作成しているプレビュー画面に対して反映した変更を複数人でリアルタイムに確認したい場合など、今までであればプロジェクタや大型の映像機器を通して確認していたかと思いますが、より鮮明に、より詳細に確認したい場合には、このアプリを使えば手元にあるiPad上でプレビュー画面をじっくり確認できるようになりますね。

ただしこちらで検証した結果、LuxPreviewを複数台で活用する場合、二台目以降のiPadでLuxPreviewを起動しようとするときに接続に失敗する確率が高くなることが判明していますので、リトライが何度か必要になるかもしれません。また、データ送信における負荷が高くなるため、Wifiは接続能力が高いものを使用することをオススメします。

接続方法などはとっても簡単。MacとiPadをお持ちの方は、ぜひお試しください!接続方法に関しては、modoの開発者である田崎氏のブログで詳しく解説していただいています:

Life with modo

 

スクリプト:BVHローダーの使い方

modo 601から搭載されたキャラクタアニメーションですが、自分でいちからアニメーションをつけていくのは、なかなか骨が折れる作業でもありますよね。そんなときにはBVHファイルをアサインしてみるのはいかがでしょうか?

BVHファイルとは、キャラクタアニメーション用のデータフォーマットであり、ネット上にも様々なサンプルデータが落ちています。modo 601ではデフォルトでBVHファイルを読み込むことはできないのですが、LuxologyアセットシェアにてBVHローダーが公開されており、このローダーを使えばmodoの中にBVHファイルを取り込むことが可能になっているのです。

ではmodoへとBVHファイルを読み込むための準備を行っていきましょう。modoへBVHファイルを読み込みシーンを構築するのに必要なリソースは三つ、ひとつはBVHファイルを読み込むためのスクリプト(BVHローダー)、読み込んでキャラクタに割り当てるためのBVHファイル、そしてBVHファイルを割り当てる先のキャラクタモデルです。

まず最初にBVHローダーを用意しましょう。アセットシェアにアップロードされているBVHローダーはこちら(アセットシェアからアセットをダウンロードするには、Luxologyサイトにてアカウントの登録が必要です)↓

http://www.luxology.com/asset/scripts/view.aspx?id=3423

ここからスクリプトをダウンロードします。ダウンロードファイルはZIPで圧縮されていますので、ファイルを解凍し、modoのユーザーコンフィグフォルダへと解凍したフォルダごとコピーします。modoのユーザーコンフィグフォルダの場所がわからなければ、modoを起動しシステムメニューからユーザーコンフィグフォルダを開くをクリックしてください。modo起動中にスクリプトをコピーした場合には、必ずmodoを再起動してください。modoを起動すると、アニメーションレイアウトの中にBVHというタブが新たに作られており、ここにBVHファイルを読み込むためのパラメータが収められています。

次に、キャラクタに割り当てるBVHファイルですが、今回は以下のサイトよりBVHファイルをダウンロードしてきました↓

http://www.beyondmotion.com.au/free_motion.html

今回使用するのはSlip Downという面白いアニメーションです。お好みで他のアニメーションを選んでいただいてもかまいません。

最後にBVHファイルを割り当てるためのキャラクタですが、前回のブログ記事で紹介したBlueNinjaを使用することにしましょう。プリセットからBlueNinjaをダブルクリックし、modo上へと読み込みます。これで準備は完了です。

ではまず、このBlueNinjaの全体のサイズを把握しておきます。モデルレイアウトへと移り、BlueNinjaを選択したら、ビューメニューから寸法ツールを起動します。このBlueNinjaの身長は4.6605m。意外と大きいですね。

寸法ツールをオフにし、今度はアニメーションレイアウトへと移ります。BVHタブからBVHファイルを読み込むことになるわけですが、このパラメータの中にあるHeightにキャラクタの身長を入力します。4.6605と入力したいところですが、このキャラクタ、頭がかなり長いので、短めに4mに設定しておきましょう。Load BVH Motionボタンをクリックし、先ほどダウンロードしておいたBVHファイルを指定します。

BVHが読み込まれると、シーン上でスケルトンがアニメーションしている様子が確認できるようになります。このスケルトンはキャラクタモデルとはまだバインドされていないため、モデルが連動することはありません。それではバインド処理へと進みましょう。

モデルを選択し、スケルトンも全て選択したら、セットアップモードボタンをクリックし、デフォーマタブからバインドボタンをクリックします。セットアップモードを抜け出し、アニメーションを再生してみるとどうなるでしょうか?メッシュがぐちゃぐちゃに破壊されてしまい、見られたもんじゃありません。こうなってしまう原因は、最初のセットアップにあります。

再度セットアップモードへと戻ってみましょう。セットアップモードではキャラクタモデルも変形しておらず、さらにBVHを表すスケルトンも腕を横に広げた直立の状態で表示されています。この状態のポーズをTスタンスといい、モーションキャプチャなどで取得したBVHのアニメーションデータには、初期状態を表すためのこのポーズの情報が含まれています。セットアップ時にはキャラクタモデルと、このBVHTスタンス状態とをなるべく合わせる必要があります。ビューポート上で見てみると、モデルの立ち位置、さらにスケルトンとキャラクタのメッシュの位置が合っていませんので、できるだけこのセットアップモードでキャラクタモデルの中にスケルトンが仕込まれているかのように、スケルトンを編集する必要があります。

いったんバインドを解除するため、アイテムツリーにあるNormalizing Folderを削除し、バインド時に生成されたキャラクタモデルのウェイトマップ(リストビューウェイトマップの中でロケータアイコンがついているウェイト)を全て削除します。Tスタンスのスケルトンをモデルの位置まで移動させ、腕や足、首の位置などが一致するよう、スケルトンを移動させます。指のスケルトンなど細かい動きが必要なければ、思い切って手首から先の指先のスケルトンは削除してしまってもかまいません。

ほぼモデルとスケルトンが重なるように配置できた時点で、再度バインドを行います。セットアップモードを抜け、アニメーションを再生してみると、こんな感じのアニメーションが出来上がります↓

このキャラクタは、体型が通常の人間とは異なりますので、腕が体にめり込んだり、モーションデータがぴったり重なり合わない部分もありますが、大まかにはいい感じでアサインされているようです。

ここまでざっとBVHデータをキャラクタモデルへとアサインする流れをご紹介してきました。改めて、BVHアニメーションを忠実に再現するために重要となるポイントについて、以下まとめておきます:

[1] BVHデータを読み込む前にキャラクタモデルの慎重を把握しておくこと!

今回も、最初にBVHデータを読み込むときに寸法ツールでサイズを測りましたが、大体の目安を合わせておくことが大事です。BVHを読み込んだ段階でキャラクタモデルと比較してみて、あまりに違いすぎるようであれば、もう一度サイズを指定しなおして読み込むほうが、後の修正が楽に行えますし、破綻しにくくなるでしょう。大体はBVHデータの首の部分のスケルトンと、モデルの首の部分が一致するぐらいを目安にすると、合わせやすくなります。

[2] 必要のないスケルトンは削ってしまうこと!

セットアップモードでキャラクタとBVHのTスタンスを細かく合わせていくのは、多少面倒な作業となります。今回も指先付近のスケルトンは削除してしまいましたが、再現したいアニメーションの全体像に必要ないスケルトンは削ってしまう、というのも一つの選択肢です。

[3] キャラクタモデルはできるだけTスタンスに近い形状を選ぶこと!

セットアップモードでモデルとTスタンスを合わせるとはいえ、元から相似した形状であれば、修正も少なくなりますし、再現度合いも高くなります。あまりにキャラクタの形状がTスタンスと異なるようであれば、アニメーションを忠実に再現することが難しくなりますので、ご注意ください。

[4] セットアップモードでスケルトンをできるだけキャラクタモデルに沿って配置すること!

セットアップモードで、スケルトンをどれだけキャラクタにきちんと配置できるかが、アニメーションを再現する一番重要なキーとなります。いろいろなビューから眺めて、できるだけキレイな形で配置できるよう調整してください。

あれやこれやと注意事項を書くと、何だか面倒くさいなぁと感じられるかもしれませんが、慣れてくるとそれほどでもありません。何より、キャラクタに好きなようにアニメーションデータをはめ込み、動いている姿を見るのはとっても楽しいものです。様々なBVHをmodoに取り込み、お気に入りのキャラクタにアニメーションをつけてみてください!

 

チップス:アセットファイルlpkの使い方

Luxologyのアセットサイトでは、メッシュやイメージ、スクリプトなど様々なカテゴリで投稿されたコンテンツをダウンロードできるようになっています。コンテンツをダウンロードしてみると拡張子がlpkになっているケースがいくつもあります。このlpkという拡張子がついたファイルの扱い方について、例を挙げてご説明していきます。

まず今回はLuxologyのアセットシェアから、このキャラクタをダウンロードしてみましょう(アセットサイトからコンテンツをダウンロードする際には、Luxologyサイトにてアカウントを作成する必要があります)↓

http://www.luxology.com/asset/meshes/view.aspx?id=1898

ダウンロードしてみると、ファイルの名称はMesh_BlueNinja.lpkになっています。このlpkファイル、実はZIP形式の圧縮ファイルなのです。試しにlpkという拡張子をzipにリネームして圧縮解凍ファイルで中をのぞいてみると、フォルダが一つにオブジェクトファイル、さらにxmlのファイルが内包されているのが確認できます。

とりあえず、いったんリネームした拡張子を、元のlpkへと戻します。ではこのlpkファイル、どうやって使えばいいかというと、いたって簡単!デスクトップ上にあるmodoアイコン上、もしくは起動中のmodoへとドラッグアンドドロップするだけで、コンテンツフォルダへと自動的に展開されるのです。ドラッグアンドドロップすると「BlueNinja mesh installtion completed.(コンテンツBlueNinjaのインストールが終了しました)」といったメッセージが現れるはずです。では、インストールされたというBlueNinjaはどこへ行ったのでしょうか?

レイアウトタブへ行き、メッシュプリセットを除いてみると、BlueNinjaが入っているのが確認できますね。

このインストール先の場所はどうやって指定されているかというと、先ほどの圧縮ファイルの中にコンテンツと一緒に入っていたxmlファイルでコントロールされています。xmlファイルを開いてみてみると、以下のような記述が行われています:

<?xml version=”1.0″ encoding=”utf-8″?>
<package version=”601″>
<asset name=”BlueNinja”>
<source target=”Meshes/BlueNinja.lxl”>BlueNinja.lxl</source>
<source target=”Images/AssetSharing/Meshes/BlueNinja/Eyes.jpg”>BlueNinja/Eyes.jpg</source>
</asset>
<message button=”Help” url=”http://www.luxology.com/asset/view.aspx?id=1898″>BlueNinja mesh installation completed.</message>
</package>

このXMLファイルに記載されている情報は、オブジェクトファイルや画像をどこにインストールするのか(target)、インストール完了時に表示されるメッセージ(message)などです。lpkファイルがmodo上で展開されたとき、ファイルを解凍すると同時に、このxmlファイルの記載内容に従ってファイルを配置し、インストール完了のメッセージを表示するというわけです。

このlpkファイルを利用すれば、アセットシェアのように他人へとデータを渡す場合にも、オブジェクトはここに、画像はここに、といったような複雑な指示をすることなく受け渡しが可能になるというメリットがあります。アセットシェアには非常に多くの有用なメッシュやイメージ、スクリプトがアップロードされていますので、ぜひいろいろなカテゴリのファイルを試してみてください。