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インタビュー - MODO JAPAN GROUP 情報

総合学園ヒューマンアカデミー横浜校ゲームカレッジインタビュー

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まずヒューマンアカデミー横浜校ゲームカレッジで3DCGの授業を受講されている1年生の宮本様、大森様、2年生の西連寺様にお話しをお聞きしたいと思います。

◆1年生のお二人はMODOを触ってみていかがでしたか。

大森  私は最初3DCGが全然出来なかったんです。MAYAの講義もあるのでMAYAも触っていたのですが、個人的に MODO は画面がすっきりしていて分かりやすいような印象をうけて、やったらできちゃったみたいな感じですね。

宮本  私も最初はやっぱりインターフェイスが独特で難しいなというのはありました。タブを行ったり来たりするのが多いような気がして。でもずっとソフトを触っているとだんだん操作に慣れてタブで便利なツールがまとめられている事が分かってきた感じですね。そこからは、あまり迷わなくなりましたね。

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◆MODOの便利だと思うところや気に入っている機能があれば理由と合わせて教えていただけますか。

大森  MODOの気に入っている機能はレンダー周りの機能です。直感的に操作でき、プレビューレンダーではスペキュラやラフネスの調整をしながら最終レンダリングに近い状態のものを映してくれるので完成型をイメージしやすく、楽しいです。

西連寺  UV作成ツールが他のソフトに比べて自動で色々な形状に処理をして作ってくれるのが使いやすくていいと思っています。

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◆今の目標や今後の展望などお聞かせいただけますか

宮本  直近の話なのですが、いま受けている授業でテストの課題がありまして、まずそれを一つずつ完成させようと思っています。

私はもともと2D志望でしたが、やってみたら3Dも楽しくて。卒業までには3Dソフトもちゃんと扱えるようになって表現の幅を広げたいですね。

大森  私は背景モデラーを目指しています。ゲーム会社に背景モデラーとして就職して、ゲームのクレジットに名前が載るのが夢です。

西連寺  私は今2年生でもうすぐ就職がきまりそうな感じなので、業界で頑張っていきたいと思います。

◆皆さん、ありがとうございました。

それではここからはヒューマンアカデミー横浜校ゲームカレッジでMODOを使って3DCGを教えていらっしゃる佐伯先生にお話しをお聞きしたいと思います。

◆MODO を利用されている授業の内容、カリキュラムの流れをお教えいただけますか。

私は「ビジュアル表現基礎」という授業を担当しており、MODO の基本操作と After Effects の基本的な操作を教えています。私の方で 3DCG の基礎まで教えて、その次は別の先生が MODO を使ってもう少し踏み込んだ内容を教える、という流れになっています。

ほとんどの学生はこの授業で初めて 3DCG ソフトに触れるので、MODO を使って「3D とは何か」「材質とは」「レンダリングとは」「アニメーションとは」といった3DCG の基礎をすべて教え、最終的にアニメーション(動画)を出力するところまで行い、その後 UNITY や UnrealEngine に持って行ってゲームにしたり、 After Effects でコンポジットも行っています。

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◆MODO を選ばれた理由をお教えいただけますか。

機能面で見て MODO は他のソフトに引けを取らないと思います。とくにモデリング作業をしながらプレビューレンダリングでリアルタイムに仕上がりを確認できるのはとても効率がいいので、大きなメリットになると思います。すぐに結果を見られるというのは 3DCG ソフトをはじめて使う学生にとっては食わず嫌いが減るのでとても良いですね。

マテリアルやテクスチャ、環境などのアセットが用意されているのも良いですね。レンダリング設定のグローバルイルミネーションもデフォルトでONになっているので、少ない手順できれいなレンダリング画像を作ることができます。なので、学生たちが学ぶのにスタートがきりやすいんですよ。好きになりやすいというか、興味を持ちやすいといいますか。昔のソフトだとモデルを作っても初めは真っ黒い空間なので、その中にライトを置いたりHDRI を読み込んで環境を設定したりと、スタートをきるのに時間がかかってしまいます。

MODO は後発のソフトということもあると思うのですが、複雑なフローがなく最初にポンと設定しさえすれば、画を素早く出力することができます。限られた授業の時間でポイントを押さえたい学生にとって、結果が早く出せるというのは大事ですね。

◆MODO を授業に使用されていかがですか。

機能面で MODO は MeshFusion やプロシージャルモデリング、スカルプト、オートリトポロジなどと多彩ですし、ペイント、テクスチャベイクもできる。パーティクルもシミュレーションもできる。MODOだからこれはやりづらい、表現が難しい、教えるのが難しいということがあまり無いので3DCG の標準的なカリキュラムで教えることができます。あと、UIが複雑ではないので講義を非常にスムーズに進めることができます。

◆生徒様の反応はいかがですか。

他ソフトを使っていた時に比べ、極端に使いにくいといった反応は少なくなりましたね。初めて3DCGに触れるスタートラインで、この反応はとてもうれしいです。

新しい機能や技術の説明、その操作の説明はどうしても複雑になりがちですが、MODOを使うと講師生徒共に少ないストレスで授業を進行することができ、尚且つ生徒の習得度も高められることが出来ているので、MODOを選択して良かったなと感じています。

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◆MODO の導入により、ほかにはどういったメリットがございましたか。

MODO を使っているのはゲームカレッジの授業なのですが、MODO はゲーム制作の授業にすごく向いているソフトだと思います。

ノーマルマップなどのテクスチャ要素の生成やテクスチャベイク機能、Unreal Engine や UNITY とのやり取りの機能が標準で搭載されているのがいいですね。他の 3DCG ソフトだとノーマルマップのテクスチャ作成やテクスチャベイクがここまで簡単じゃなかったり、きれいにするなら別のソフトを使わないといけなかったりします。あと作成したモデルや設定をプリセットとして保存出来るのもいいですね。

ゲームエンジンで使用する素材の制作環境として、MODOはすごく整っているような気がします。

◆MODO へのリクエストなどございましたらお教えください。

私は 3ds Max で作業することもあるので、MODO にプロシージャルモデリングの機能が付いたのはうれしいですね。考え方が 3ds Max に似ていて入りやすかったです。それでプロシージャルモデリングの機能に、もっとポリゴン編集の機能が追加されるといいなと思っています。具体的にはデフォーマを使った変形ではなく、頂点やポリゴンをダイレクトに編集し、記憶できるツールをもっとプロシージャルモデリングでサポートしてほしいです。

あと「CharacterBox」「Auto Character Setup Kit」のようなキャラクターリグの機能が標準で搭載されるとうれしいですね。扱いやすいキャラクターリグが標準で導入されれば、もっとMODOだけで完結しやすいフローを作れるかなと思います。

◆本日はインタビューにご協力いただきありがとうございました。

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六水条 剣‏氏インタビュー


◆自己紹介をお願いします。

六水条剣(ろくすいじょうつるぎ)と申します。

個人でインディーズゲームを制作しており、企画やデザイン、3Dモデルのアセットの制作からゲームシステムの構築などほぼ全般を一人でやっています。現在、関西ゲーム制作部(関ゲ部)さんに時折お邪魔しながらゲーム制作をしております。

◆ゲームを制作しようと思ったきっかけをお教えいただけますか。

興味を持ち始めたのは学生のころですね。

もともと絵を描いたりしていたので、何かを作るというのは好きだったんですよ。ゲームも好きだったので、自分で描いた絵でゲームがつくれたら楽しいだろうなという動機だったと思います。ちょうどそのころ、雑誌広告で「デジタルロケ」という国産のオーサリングソフトが載っていて、「デジタルロケを使ったらゲームがつくれる!」という情報を見て、自分で買ってそれが始まりでした。

それで、デジタルロケで「FateAxis」という格闘ゲームを作って、インターネットで公開していたんですが、100円ショップのダイソーさんから「うちのブランドで売らないか」とオファーがありまして、ブラッシュアップしたものを製品化してダイソーさんから販売しました。

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◆先方から直接連絡があったのですか。

そうですね。ダイソーの営業の方からメールがきまして。「よかったらうちで出しませんか!」という感じでしたね。

「FateAxis」のあともいろいろなゲームの制作を続けていたのですが、だんだん「デジタルロケ」の表現に限界を感じ出したんです。「デジタルロケ」は今でいうゲームエンジンで、モデリングからモーション、プログラミングまでオールインワンでできるツールだったのですが、だんだん時代に合わなくなってきたんです。それで新しいツールを探していた時に知り合いから教えてもらったのがMODOだったんですよ。

◆MODOのバージョンはいくつくらいのころだったのですか。

modo 601から701のころですね。キャラクターアニメーションが搭載された時期だったと思います。

◆ゲームシステム側のソフトウェアはどうされたのですか。

最初は Unity と連携して作ろうと思っていたんですよ。でも、当時の Unity はゲームを作るのにプログラムのコードを書かないといけなかったので、他のツールを探す傍(かたわ)らでMODOでゲーム用の3Dモデルを作っていました。

◆現在は Unreal Engine で制作していらっしゃるのですか。

そうですね。2015年に Unreal Engine 4 が無料化され、作例のゲームのクオリティも非常に高く、これなら新しい表現ができるんじゃないかということで触りだしました。そのころ既に MODO で3Dモデルを作って Unreal Engine に読み込むという流れで制作をしていましたね。MODO 801、901 の頃だったと思います。

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◆MODO から Unreal Engine にモデルのデータを持っていかれる時はどのようにされていますか。

ゲームレイアウトにある「FBX出力」の機能を使っています。

基本的には、ひとつひとつデータを確認しながら Unreal Engine に送るようにしており、「Unreal Bridge」は使っていません。サイズや雰囲気を確認するための仮のモデルの場合には「Unreal Bridge」を使うこともありますが、最終的にはMODOのシーン内のアイテムを個別に「FBX出力」するという今のワークフローに落ち着きました。

ただ、2,3日でゲームを一タイトル作る Game Jam (ゲームジャム)というイベントが全国で開催されているのですが、そこではクオリティよりもスピードが重要なのでそういったケースでは「Unreal Bridge」はすごく役に立つ機能かもしれませんね。二つのモニタを並べ、それぞれUnreal Engine、MODOを表示させてチームでディスカッションし、すぐにモデルを送ったりできますし。

◆ゲームシステムの部分は Unreal Engine のブループリントで構築していらっしゃるのですか。

そうですね。基本はまったくコードを書いていません。プログラム的な知識とアルゴリズムは理解しているので、それを元にブループリントで制御するよう組み立てています。

◆MODO, Unreal Engine の他に使われていらっしゃるソフトはございますか。

Substance Painter と Substance Designer を使っています。あと Marvelous Designer も少し使っています。Substance Painter / Designer はテクスチャリングの作業、Marvelous Designer は衣装や背景をモデリングする際のラフモデルの制作に使っています。

◆3Dゲームを制作する際にいろいろな種類のモデルを作られていると思いますが、作るのが楽しいモデルはありますか。

やっぱりキャラクターですね。モデリングだけではなくてセットアップまでやらないといけないので苦労するんですが、完成してうまく動いたりしたときは楽しいですね。

でも最近は背景も好きになってきています。いろいろなパーツを先に作っておいて、それらを組み合わせて背景を作るというのは自分に合っているような気がします。

まず大まかにラフなモデルを作ってそれをパーツや要素に分解し、MODOでモデリング、そして Unreal Engine で配置するという手順でやっています。ゲームエンジンで使用する背景のモデルの制作には、例えば簡単な部屋でもある程度のクオリティが必要だと半月から一か月はかかると思うんですが、MODO と Substance Painter を連携してこの手順で制作すると数日くらいで完成しますね。

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◆他の3DCGソフトウェアとMODOを比較していかがですか?

MODOはモデリングやアニメーション、UV展開のようないろいろなツールがレイアウト、パレットで分かりやすく分類されていて使いやすいですね。タブですぐに切り替えもできますし。今日はモデリングをやろう、今日はUV展開をやろうといった作業の切り分けもできていいと思います。

あとカテゴリーが違っても操作が共通しているのもいいですね。3Dモデルに対しての作業とUVマップに対して行う作業は、選択やトランスフォームなどの編集を同じオペレーションで行うことができます。こういうことをしたいときに、このツールが使えるんじゃないかという流れを頭の中でつくりやすい。なのでサッと作業ができる、結果的に早く作れる、というのがありますね。これは他のツールではあまり感じなかったことです。

◆今後MODOに期待する機能、要望がありましたらお聞かせください。

モデリングに関しては一通りの機能がそろっていて使いやすいんですが、テクスチャの機能、アニメーションの機能を強化してほしいです。

まずテクスチャについてですが、今ゲームなどで使用するモデルは複数の画像をマッピングする必要があるので、それらをまとめて作ったり出力したりできるといいですね。

Substance Painter や Substance Designer だと一回の工程でベースマップ、ノーマルマップ、ハイトマップなどが全て作れるんですよ。その作業スピードを考えるとどうしても Substance Painter や Substance Designer を使うことになるので、そういった作業もMODOで出来るといいなと思います。

あとアニメーションについては細かい話になるんですが、IKで制御されているスケルトンの角度等が簡単に取得できるといいですね。現状でもノードを組んで取得したり、コントローラを追加すれば制御できるんですが、IKがONのときでもFKのようにポーズを設定できるといいなと思います。

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◆これからMODOを導入される方に、一言アドバイスをお願いします。

ゲームに限らず何かを作るときには必ずトライ&エラーで作業を進めることになります。そのトライ&エラーの数をどれだけこなせるかが、成長する近道だと思うんです。MODOだとトライ&エラーの繰り返しがすごく簡単にできて、モデルの作成と修正/調整を短時間に行うことができます。イメージした作業工程に沿って手を動かせばモデリングを進めることができますし、ゲームエンジンとの連携も良いので作ったモデルをすぐに確認できる、それが簡単にできる、そこが一番の魅力だと思っています。ちょっと作ってみたいなとか、やってみたいなという人には是非トライしてほしいです。

あと公式サイトに色々な「Tips」が上がっているのが便利ですね。最近のソフトにはいろんな機能があるんですが、なかなか全てを覚えるのが難しいので、ああいうサイトでピンポイントに、しかも日本語で丁寧に解説してくれる情報が得られるので大変助かります。

◆今後のご予定、展望を教えていただけますか。

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Unreal Engine でいろいろなゲームを制作していきたいと思っています。

今ちょうどインディーズゲームが脚光を浴びており、いろいろな企業がゲームの制作者と提携してゲームをリリースしていたりするので、そこに提供できるような作品を作っていきたいなと思っています。ちょうど今年の11月にある「デジゲー博」というイベントに向けてひとつタイトルを作っているところでして、今このタイトルを制作しているワークフローが確立できれば次回作はもっとスピードアップして作れるかなと思っています。

◆本日はインタビューにご協力いただきありがとうございました。


株式会社スタジオ・ビーム 広瀬 明氏インタビュー

◆スタジオビーム様のお仕事をご紹介いただけますでしょうか。

弊社では印刷組版とデザイン・企画等の業務を中心におこなっています。

その中で、カタログや広告などに掲載する商品画像を3DCGで作成/提供し、使用していただいております。

以前は商品の発売前にその商品のモックアップを実際に作成し、スタジオで撮影して商品画像を作っていましたが、現在は3DCGで商品画像を作っています。

また、一般の消費者の方の目に触れない棚割りシステム用の画像も作成しています。

メーカー様、販売店様が店頭での商品の陳列を検討する際にはいろいろな方向から見た商品画像が必要になるので、カタログ用の画像の作成と並行してそちらの作業も行っています。商品のモデルを3Dで作っているとカメラアングルを変更してレンダリングすれば対応できるので便利ですね。

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◆MODOを利用されるきっかけを教えていただけますか。

以前は Shade を使用していたのですが、マッピングに苦労していて何枚ものテクスチャーを切り貼りして対応していた時期がありまして、そこで当時興味のあったMODOでやってみようかなと思いました。

MODOのポリゴンモデリング、UVマップ、グローバルイルミネーションといった機能にも興味がありましたね。MODOのグローバルイルミネーションのレンダリングは設定を詰める前の段階でもきれいな画像が出来上がるのがよかったです。

あと機能面と価格のバランスも魅力的でした。

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◆MODOのどういった機能を便利にお使いいただいていますか?

我々の仕事では、テクスチャーに使用する画像ファイルは商品のパッケージやラベルの印刷データをそのまま使用しています。ですので箱の展開図やラベルに合わせてモデルのUVマップを編集することになるのですが、MODOのUV編集はポリゴンモデリングのツールと同じように使用でき、非常に柔軟に利用することができて良いですね。

パッケージやラベルはゆがみの無いきれいな状態にマッピングする必要があり、MODOだと細かい調整ができてうまく貼りこむことができます。

あと、シェーダーツリーのレイヤー構造も気に入ってます。パッケージのラベルは透明で光沢の強いフィルムの上に不透明なマットのインクで印刷を指定されるなど、異なる質感を活かしたデザインも多く、印刷の版分けが強く意識してデザインされています。MODOのシェーダーツリーはグループやレイヤーマスクを使って実際の版分けと同じようなレイヤー構造でラベルを表現することが可能で、シェーダーツリーで版の表示をON/OFFできるようにしていれば確認も簡単です。

それとレンダーパスの機能も直観的に使用できて便利ですね。レンダーパスは多方向の画像を作成する時にアングルを登録して使用しており、この機能がなかった以前のバージョンではアニメーション機能を代わりに使っていました。

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◆MODOのワークフローについて

我々は様々な形の商品を取り扱っていますがブランドごとに同じデザインが施されており、ブランドの色味、品質の統一ということを優先させた結果、できるだけシンプルなシーンをつくるというところにたどり着きました。

現在はライトアイテムは使用せず、イメージベースドライティングだけでレンダリングしています。

※透過物の商品にはバックライトを使用しています。

取り扱う点数が多いので、個別のライトやPhotoshopでの後処理を含むワークフローにすると作業量が膨らんでしまうので、なるべくMODOのレンダリングだけで完結するようにしています。

ほぼ後処理無しでもMODOのレンダリングは綺麗にでてくれるので助かっています。

プレビューレンダリングではライトや反射板の位置変更も確認も素早くできますし、シェーダーツリーではシーン全体を一時的に白一色にしたり鏡面一色にしたい場合でもON/OFFで簡単に切り替えが行えますので、よりハイライトを入れたい場所、シャドウを落としたい場所が調整しやすいです。

試行錯誤もまだまだありますが、とりあえずは現在のワークフローに落ち着いています。

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◆MODOの他に利用されているソフトウェアはございますか?

まだ学習中ですが、V-Ray for MODO、ZBrush、Substance Painter なども触っています。個人的にトレンドな手法も触っておきたいという理由ですが表現の幅は広がりそうです。

V-Ray for MODO はサブサーフェイス、透明なモデルの表現がきれいに出るので気に入ってます。

MODOとの連携も問題無く活かせるのも良いですね。

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◆今後MODOに期待する機能、要望がありましたらお聞かせください。

現在は簡単なスクリプトで対応しているのですが、バッチレンダリングの機能を標準で搭載して欲しいですね。

基本的に1つの商品は1つのファイルになるよう管理しており、それのバリエーション違いで数十点のレンダリングを短納期で行わないといけないのです。

一つのシーンを長い時間をかけてレンダリングするというのではなく、レンダリング時間の短いファイルを多数レンダリングする場合には、バッチレンダリングの機能は必須ですね。

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◆これからMODOを導入される方に、一言アドバイスをお願いします。

MODOはデザイナーの方にも非常に強力なツールではないでしょうか。モデリングも作成したい形状にたどり着きやすいです。

マテリアルのシェーダツリーもPhotoshopのようなと教えてもらえると早く理解できました。アイテムマスク等も利用していくとこちらも非常に柔軟なんですよね。

個人的には物理ベースのマテリアル、ゲームエンジンなど新しい機能もバージョンアップで取り入れてくれていますし、V-Ray, CharacterBox 等の形で機能が追加されるのも非常に楽しみです。

昔はWEBで検索しても英語版のビデオしかなくて動画を見ながらクリックしているアイコンの位置を目で追いかけながら学習していましたが、今はMODO JAPAN さんの公式動画もすごく充実しているので、覚えやすいのではないかと思います。過去の動画も良く拝見しています。

◆本日はインタビューにご協力いただきありがとうございました。


株式会社モワノー 瀬邉 尚貴氏インタビュー

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瀬邉 尚貴

せべ なおたか

株式会社モワノー 代表取締役

プロフィール
1976年生まれ。愛知県在住
2013年に株式会社モワノーを設立
MODO・ZBrush・3D-coatなど多様な3Dソフトを使用してモデリングを行う
美少女フィギュア・可動フィギュア・プラモデルデータなど数多く手掛ける



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株式会社モワノー WEBサイト

◆それでは初めに株式会社モワノー様のお仕事をご紹介いただけますか。

弊社では主にデジタル造形でフィギュアの原型を制作しています。納品の形態は依頼されるメーカー様によって異なり、データで納品するときもあれば、3Dプリンタで出力したものを納品する場合もあります。着色したモデルを納めるときもありますね。


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◆着色モデルを納品される場合もあるんですね。3Dプリンタの機能で着色していらっしゃるのですか。

実際に手で着色しています。3Dプリンタで出力した原型をレジンで複製して塗装します。業界でいうデコマス(デコレーションマスター。展示等に使用する見本モデル。)の状態です。

弊社は、3Dデータの製作から量産までの一連の流れの中で、お客様のニーズに合わせた形式での納品に対応しています。


◆最近、デジタル造形のお仕事は増えてきているのですか。

そうですね。いままで手で造形をされてたところが、デジタルに移行されるケースは多いと思います。

◆モデリングのお仕事の場合、元になる資料はデザイン画になるのですか。

はい。このポーズで、キャラクターを作ってほしいというイラストですね。それを元に3Dのソフトでモデリングしています。

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●一宮市 マスコットキャラクター いちみん

◆MODOはどういったところでご利用いただいているのでしょう。

主に固いモデルをポリゴンモデリングする際に使用しています。

◆固いモデルといいますと。

武器やメカですね。かっちりしたモデルを作るときにMODOを使っています。うちでは、モデリングにZBrushも使っていて、モデルによってZBrushとMODOを使い分けています。ボクセル形式でモデリングするときに 3D-Coat を使うこともあります。

MODO というソフトは造形に適しているという印象があります。特にメカのようなモデルは作りやすいと思います。建築物もMODOで作っています。

あと、CADのデータを扱う時にMODOのプラグインを使っています。

◆CADのデータを扱われるときもあるのですね。

はい。玩具メーカーさんからのお仕事の場合にはSTLフォーマットのポリゴンデータで納品するケースが多いのですが、うちではプラモデルのCADデータをお預かりするときもあって、そういう場合には MODOのプラグイン ( ※PowerTranslators ) を使って読み込んでいます。

あと読み込みだけではなく、CADデータで納品するときもあり、MODOのプラグイン ( ※Power SubD-NURBS ) を使ってSTEP形式で書き出しをしています。MODO のサブディビジョンサーフェイスを使ってモデリングした有機的な滑らかなモデルが、きれいに軽く変換できるのはいいですね。

CADデータが扱えるというのは重要です。

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◆それでは、MODOへの要望をお聞かせいただけますか。

そうですね。パーツの分割の機能がもっと強くなるといいですね。ブーリアンを使うとどうしても余計なところに頂点が入ったりすることがあるので、もっときれいにパーツ分けができるといいと思います。3D Coatを使って、ボクセルに変換して分割することもできるんですが、データが重くなったり、エッジがだれてしまったりするので、ポリゴンでモデリングしたものはポリゴンの状態で分割したいのです。

あと、重いデータを扱うときのパフォーマンスが上がるといいですね。僕らのような造形の仕事では重たいデータを扱う時があるんですけど、読み込みに時間がかかったり、途中で落ちたりすることがたまにあるんです。その辺を強化してほしいです。

それと、MODOを学習できる環境がもっとあるといいなと思います。本やムービーは見てるんですけど、どうしても理解できないところがあったりするんです。たとえば、シューズを作るMODOのビデオがあるじゃないですか。あれ、なかなか難しいんですよ。自分で勉強しろよって話なんですけど、もっとMODOを学習できる場が身近にあるといいなと思います。

実はMODOのCADの変換機能も愛知のユーザさんに教えてもらったんですよ。愛知でもセミナーやトレーニングをもっと開催して欲しいですね。

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●国営木曽三川公園 ツインアーチ138

◆これからMODOを使われるみなさんへ一言いただけますでしょうか。

僕らの仕事はアニメーションやレンダリングの機能を使わないほんとにモノづくりの仕事で、立体にした時の美しさを求めることに特化しています。

クライアントさんからのクオリティの要求は厳しいですが、僕らはその要望に応えて、その次は版元さんの要望に応えないといけない。そしてその先にはユーザさんがいてそこにも応えないといけない。

MODOはそういったいろんなモノづくりに対応できるソフトだと思います。

あっ、あとワンフェスは毎年出ていますので、会場にお越しの際には是非ブースへお立ち寄りください。

◆本日はインタビューにご協力いただきありがとうございました。


CGイラストレーター 八代 とものり氏インタビュー

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八代 とものり

やしろ とものり

CGイラストレーター

3DCGを用いて独自のタッチでイラストレーション、映像、デジタルコンテンツ分野で活動中。名古屋造形大学 非常勤講師も務める。

http://www.yashirosan.com

◆では初めに八代様のお仕事の内容を教えてください。

フリーランスでイラストをメインに3DCGを制作しています。またそれ以外にも既存のキャラクターを映像用に3Dに起こす仕事もしています。2016年からは名古屋造形大学の非常勤講師として、3DCGの授業も担当しています。

◆先生業もなさっているんですね?

はい。私の授業ではモデリングをメインにやっています。キャラクターや建物を作ったり、3DCGの基礎的なところを教えています。

◆元々は2Dのイラストを制作されていたんでしょうか?

そうです。当時はPainterを使っていたので、書籍も出されていた吉井宏さんのブログをよく拝見していて、そこで色々と3D作品を目にして自分も3Dをやってみたくなって、最初はZBrushから3Dの世界に入りました。2004年頃ですね。

◆ZBrushを使われていて、どの段階で3DCGに移行されたんですか?

2005年ぐらいですかね。ZBrush以外にもう少し表現の幅を広げたいというのがありまして、モデリングソフトを探していました。MODO以外にもHexagon(ヘキサゴン)などもあったんですが、使ってみて検討していくうちに、日本代理店があるMODOを選びました。やはりサポートなどが必要になってくるので。当時はまだMODO 10xでしたね。

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◆MODOの中の機能をいろいろお使い頂いていると思いますが、主にどんな機能を便利に使っていらっしゃいますか?

現在、MODOとZBrushとを併用して使っているんですが、ZBrushでベースメッシュを作り軽量化したものを、MODOに読み込んでリトポロジ機能を使って面を貼りなおして最終的な形状にしています。リトポロジ機能が結構使いやすいです。

◆では一番最初の土台作りはZBrushで行われているんですね。

キャラクターモデルはそうですね。あと使う機能としては、キャラクターの表情を微調整するのに、メッシュスカルプトの機能を使っています。

◆なるほど。レンダリングまでMODOで行われるんですか?

そうですね。MODOでレンダリングしSurface IDなどを書き出してから、Photohopで色などの微調整を行います。

◆作品を拝見すると、キャラクターがすごく可愛らしいですよね。

ありがとうございます。制作中は可愛くなれと念じながら作っています。パズル誌などは競合誌も多いので、少しでも可愛くしたいなと思って。

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◆とても温かくて柔らかい感じのキャラクターに仕上がっていますね。

キャラクターの肌などは、サブサーフェイススキャッタリング(SSS)を使って、温かい感じになるようにしています。SSSを使わないと、輪郭のところが影でくすんだ色合いになってしまうのが嫌なので。パズル誌のようなイラストの場合は、3D感バリバリというより2.5Dぐらいの柔らかいタッチに仕上げています。

◆キャラクターのポージングなどは、ポーズをとった状態でモデリングされているんですか?

キャラクターはTポーズの状態でモデリングしています。その後にスケルトンを入れてポーズを作りますが、2Dのラフイメージよりポーズが縮こまって見えてしまう時は、スケルトンは使わずマニピュレータで直接変形させてポーズを作っています。後から修正ができるようにモーフマップを併用して使ったりもします。

◆では全般的に、リトポ含めてモデリングした後、材質をつけて、レンダリングするという感じなんですね。

そうです。ベースメッシュ以外はMODOで作業して仕上げています。

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◆他の3DCGソフトも使われているかと思うのですが、他と比較して良い点や要望等があれば教えてください。

良い点はリアルタイムプレビューですね。他のソフトにも実装されていますが、MODOの場合はプレビュー画面に直接触れて、カメラ操作ができるというのが直観的でいいなぁと思いますね。あとマテリアルのプリセットも高品質なものがそろっていますので、試行錯誤する手間が省けるのが良いです。

要望としては、たまにCADデータを扱うお仕事のお問い合わせも頂くので、IGESなどのCADデータを標準で読み込めると有り難いですね。重いデータでも軽快に扱えれるようになれば、ストレスなく作業できるなと感じます。他には各マテリアルのプレビューが見れると、何のマテリアルなのかが視覚的にわかりますよね。プリセットに保存するまででもないんだけれど、探すのがちょっと大変な時とかがあるので。

◆なるほど。将来的にはリグを組んだり、アニメーションをつけてみたいなど思われますか?

趣味の個人制作ですが、アニメーション作品も作っています。15秒のショートムービーですが、メイキング的な映像もあるんです。

大学ではアニメーションコースなので、実製作でも短編アニメーションに取り組んでいきたいなと思っています。

◆楽しみにしています!

はい。できればCharacterBox(キャラクターボックス)みたいな機能が、あれほど高機能ではなく簡易版でも良いので実装されるといいですね。

◆では最後にこれからMODOを導入される方にメッセージなどはございますでしょうか?

MODOはまだまだ情報が少ないのですが、YoutubeにアップされているMODO JAPAN GROUPさんの動画を見れば、無料ですぐに始めやすい環境なので、興味を持たれた方はぜひ体験版に触れてみてほしいですね。

◆講師という立場から、これから3DCGを学んでいこうという方には何かございますか?

そうですね。3Dは覚えることがたくさんあるので、とりあえず自分のやりたいことを絞って、例えばそれがモデリングであればモデリングに絞って学習していくといいんじゃないかと思います。モーショングラフィックスだったらモーショングラフィックスを真っ先にやって、そこからモデリングだったり他のことへと広げていけばいいと思います。

◆本日はインタビューにお答えくださりありがとうございました。

 


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