ヒューマンアカデミー株式会社 CGI制作部 カレイド(KALEID.) DIRECTOR
■プロフィール
2002年から2013年まで㈱白組にてGameAsset, VideoPromotionをはじめとする各種コンテンツの3DCG製作、ディレクションを担当。
代表参加作品 : 「FFCC EoT」
VP : モーターショーなど各種展示会映像
著書 : 「2.5Dアニメーション」「やってはいけないCG制作」 他
ヒューマンアカデミー株式会社 CGI制作部 カレイド(KALEID.) DIGITAL ARTIST
■プロフィール
オンラインゲーム会社勤務後、2005年から2013年まで㈱白組にて、VideoPromotion, webPromotion をはじめとする各種コンテンツの3DCG製作を担当。
代表参加作品 : 「無限ソウルズZ」「シュヴァリエ サーガ」
和野氏:私は大学では語学(フランス語)をずっとやっていましたが、クリエイティブなことが好きだったのでヒューマンアカデミーに話を聞きに行ってこの業界に入りました。元々ゲームが好きだったので、そういうのをやってみるのもおもしろいかなと。それまでは全然CGやろうと思っていなかったんです。
高野氏:僕の場合は中学生のころに見た映画でジュラシックパークというのがあって、それがきっかけだったと思います。最初のジュラシックパークですね。ちょうどそのころゲームにも3Dが使われ始めたあたりで、漠然と3Dってなんだろうなと思っていました。高校に入ってから先生に聞いたりしたんですが、まだあまり情報はなかったですね。そこでまず18歳の6月からCG関係の会社でアルバイトを始めました。その後はそのまま就職して、ゲーム会社や遊戯系の会社、デザイン事務所などいろんな会社を点々して、最終的に白組におちつきました。白組では企業VP(ビデオプロモーション)の仕事を多くやっていました。
和野氏:高野さんは私がヒューマンアカデミーに入った時に先生やってたんですよ。
高野:Lightwave でしたね。バージョンは5ぐらいだったと思います。
和野氏:私はMaxですね。専門学校がMaxだったので。バージョンは 8か7くらいなのでもう10年くらい前です。
高野氏:今は企業VP(ビデオプロモーション)が多いですね。企業VPというのは、たとえばモーターショーのような展示会などで上映されるような動画です。
和野氏:あとは WEB 用の CM や、テレビCMの仕事をやっています。
高野氏:どちらかというと短めの動画が多いですね。展示会で流すプロジェクションマップ用の動画をやったこともあります。実際の上演は複数のプロジェクターで行われるのですが、その時は横幅10000ピクセルの動画を作らないといけなくて大変でした。
高野氏:白組の時は多かったのですが、カレイドになってからはあまりやっていないです。ちょっとしたお手伝いはしますけど、メインでは絡んでないですね。
高野氏:そうですね、月曜を除く毎日やっています。
和野氏:平日は11:00から夕方の6:00まで。土曜日は11:00から夜の9:00までですね。
高野氏:日曜日も特別セミナーを行ったりしています。この前のMODOのトレーニングもそうですね。カレイドとして制作の仕事と講師の仕事をやり始めてちょうど一年が経ち、今後はどの様にバランスをとっていこうかというところですね。
和野氏:作業を分担するときにはそれぞれのメンバーが得意な作業を行うようにしています。モデラーがモデルを作って、リグの人がセットアップをして、アニメーターがアニメをつけて、コンポジターがコンポジットするような感じです。一人で全部やることはあまりないですね。
高野氏:僕や和野はムービー系の仕事が来たらMODOを使っています。
高野氏:僕はなるべく全部の工程で使おうとしているのですが、他のスタッフと協力する場合はレンダリング周りが一番多いですね。
高野氏:そうですね、MotionBuilderです。MotionBuilderでアニメーションを付けて、mayaを仲介してAlembicでMODOに持ってきてレンダリングしています。僕がMODOを使おうと思ったきっかけなんですが、海外のスタジオが制作したmayaでアニメーションを付けて、MODOでレンダリングしている作品を見たんですよ。そのスタジオはうちみたいに短めのムービーをこなすところだったので、真似してみようかなというのが導入のきっかけでした。
和野氏:今のところそうやっていますね。
高野氏:MotionBuilderでアニメーションをやっているのでそうなります。でもそこはMODOに変えていきたい思っています。
和野氏:最初からMODOでやった方がやりやすいはずなんですよね。
高野氏:ただ、MODOでウエイトの設定をしていて合計が100%を超えることがあるのが気持ち悪いですね。スキンウエイトエディタみたいなのがあると簡単にいくのかなと思います。
和野氏:スタッフ全員がMODOを使えるわけではないのですが、納期の短い案件が多いのでMODOのレンダリング速度に頼ることが多いです。
高野氏:クライアントからのが要求が結構多いんです。「こういう質感がいい」とか、「こういう色がいい」とか。
和野氏:「こういうのをちょっと見てみたい」というリクエストが多いですね。そういうときに Max や maya でレンダリングやっていたりすると使うかどうかも分からないのに何時間もかけていられないんですよ。
高野氏:MODOはその「ちょっと見たい」に応えられるのがいいですね。極端な話ですが、ノートパソコンにいれたMODOでクライアントに絵を見せながらその場で確認できる。あとレンダリング要素をプレビューレンダリングで見れるのがすごくいいですね。
高野氏:「カラー」、「リフレクション」、「アンビエント」などで平均5チャンネルくらい出しています。そのあとのコンポジットはAfterEffects を使うことが多いです。Nuke は使いたいんですが、まだ手を付けられていません。
和野氏:Nukeはもう少し時間の余裕が出てからですかね。出来立てほやほやの会社なので今はまだ学ぶ余裕が無いです。将来的には使ってみたいです。
高野氏:レンダーアウトプットを追加するだけなのですごく簡単ですね。他のスタッフに依頼するときも、あまり操作の説明をしなくても済みますし。
高野氏:やっぱりプレビューレンダリングで要素が見れるのが大きいです。分散レンダリングではないけれど、それをおぎなうスピードがある。でもモーションブラーのあたりがむずかしいですね。何より、要素出しのレンダリングもプレビューで見れるのが、すごいなと感じています。
高野氏:バッチレンダリングです。サードパーティからも出ているようですがネイティブで実装されるといいですね。あとAlembicでのデータのやり取りがスムーズになるといいです。
MODOのアニメーションを試しているんですが、使いやすいツールだなと思います。僕はできるところはMODOで全部やっていて、リグがちょっとまだむずかしいかなぁと思いますが、全体的にトータルでバランスが取れているのでなんとか活かしたいんですけどね。あとライティングがかなり早いのでそのあたり重宝してます。パーティクルも簡単ですね。YouTubeの日本語チュートリアビデオの動画見ながらやって、5分くらいで出来ました。求めることといえば、ソフト間での行き来がもう少しスムーズになるといいですね。特にAlembicとのやりとりは強化してほしいです。
高野氏:従来の3DCGのツールだとモデリングをやって、セットアップをやって、アニメーションをやって、レンダリングするわけじゃないですか。僕は学校でCGを教えてもう10年ぐらいなるんですけど、それで感じたのがCGってレンダリングから覚えたほうがいいんですよ。そういった点で、MODOはレンダリングとモデリングが行き来できるし見ながらやれる。いろいろな機能に即座にアクセスできるところがいいなと思います。MODOはレンダリングがすぐできるから、レンダリングを確認しながらやってほしいですね。他のツールだとモデリングをやって、あれをやって、これをやってとセクションごとに区切られてしまうので伸びにくいと思います。MODOはCGの仕組みをやりながらおぼえられる、レンダリングを考えながらやれるいいツールだと思います。テクスチャーも、その場で描けたりしますし。
和野氏:全部を均等に底上げできますよね。セットアップやアニメーションが弱い他のソフトがあるんですが、それだったらMotionBuilderでやったほうがいいよね、って話になっちゃうんですよ。そうじゃなくてMODOは全部を平均的にそつなくこなせるんです。
高野氏:最初の1年目とかはMODOでやってほしいなと思います。絵を作るところに専念できるので。mayaやMaxはExcelとかWordのようなこの業界で覚えないといけないソフトなのでそれはそれとして、まずCGで絵を作りましょうというところではMODOでやってほしいですね。
北田 清延きただ きよのぶ株式会社アニマロイド |
中澤 元喜なかざわ もとき株式会社アニマロイド |
北田氏: 最初の頃はスタッフが個人でMODOを購入して使用していたのですが、そのうちだんだん使用する人数が増えたので会社として導入しました。
中澤氏:自分は最初 LightWave ユーザだったのですが、たまたま隣の席に LightWave から modo 103 に移行した人がいてすごく楽しそうに見えたんですよね。それとUV展開がすごくよかったので「教えてほしい」って言って教えていただいて、そこからですかね。
中澤氏:多分、パイメニューですね。その当時自分にとってはパイメニューを出してコマンドを起ち上げてというのがすごく新鮮でした。 あとはビューの色なんですが、当時はMayaも3ds Maxも白いCADっぽいインターフェイスだったのですが、こげ茶色のMODOのビューは堅苦しくなさそうな印象がありましたね。
北田氏:私は元々LightWaveを使っていて、アニマロイドに来て3ds Maxを使いはじめたんですけど、何をやるにしてもひと手間ふた手間多いツールなのでモデリングがどうしてもなじめませんでした。LightWave はワンキーのショートカットでどんどん作れるんですけど、それがMODOも一緒で。操作方法もほとんど一緒だったので抵抗なく移行できて使いやすかったです。
中澤氏:モデリングのスピードが格段に上がりましたね。UV展開も高機能でしたし。特に選択のスピードは上がりました。MODOだとちょっと考えれば複雑な選択ができるので。たとえば曲がったチューブでもリング部分をショートカットで一括選択してローカルでスケールすれば、長さを変えずに直径を変更できたりするなど、そういう部分でのストレスは無くなりました。
中澤氏:モデリングとUV展開に使っています。あと自分はテクスチャを貼ったりしてMODOである程度質感をつけて雰囲気を出すまでやります。プリセットにいろいろHDR画像が設定された環境が入っているのでそれを使っています。ワンボタンでスタジオや室内、屋外の環境をすぐ選べるので、そこである程度雰囲気を掴んでこういう絵にしようと決めたら、FBXで3ds Maxに持っていくっていう感じですね。
中澤氏:Align(整列機能)やQuickPipeなどの昔のMODOのスクリプトを今でも使っています。Alignは今はもうMODOに標準搭載されていると思うんですけど、標準搭載されたものは場所がどこにあるか分からなくて。
北田氏:メッシュクリーンアップも昔は無かったですよね。
中澤氏:最近 Add Loop(ループ追加)という機能が本当に助かっています。例えば台形のポリゴンにループスライスでエッジを追加すると、辺の長さに応じて等分するんですけども、Add Loop(ループ追加)は「こっちの辺に平行に」ということができるんです。 Bevel(べベル)やEdge Extrude(エッジの押し出し)でも似たようなことはできるんですけど、端が壊れたりするので、Add Loop(ループ追加)で切りたいところだけ切れるというのが助かりますね。
中澤氏:相当昔なんですけど、CADデータを読み込んでそれをあたりにしてモデリングしたことがあります。 でもほとんどは画像やイラストで依頼が来て、それから3Dのモデルに起こしていきます。
中澤氏:ペイント機能がもっと強化されたらうれしいなと思います。写真やイラストを直接転写したりするようなテクスチャリングもMODOでやっているのですが、例えばコピースタンプツールが反応しない時があるんです、すごく使いたい機能なんだけど。そういうことが多いです。あと贅沢を言ったらきりが無いんですけども、UV画面でのペイントのリアクションがズシッと重くなるので、そこを改善してほしいです。 なるべく他のソフトをまたぎたくないので、MODOでできるんだったらMODOでやりたいんですけど。
中澤氏:あとヘアのプリセットが欲しいんです、本当に。すごく細かく設定したらキレイな黒髪とかができるのかもしれませんが、自分はまだ見つけられません。こういうのをプリセットで入れてくれたらすごく嬉しいなぁと。
北田氏:どれ見てもヘアがチリチリしてますよね。つやが無くてパサパサした感じ。
中澤氏:スキンはすごくいい。項目が多くてすごく複雑ですけどね。そこまでしなくても幾つかの項目にマップをアサインするだけでもいい感じになります。
北田氏:マテリアルはどうですか?
中澤氏:マテリアルの入れ替えとかで、他のソフトだと二重に設定しないといけないところを一つでまとめられたりとか、うまく使うとさっぱりまとめられるんですよ、MODOのシェーダって。完全に理解すると最高だってみんな言う。ちなみに自分は半分くらいしか理解していませんが、それでもこの仕組みは素晴らしいと思います。
中澤氏:The Foundry や MODO JAPAN グループにリンクされているMODOユーザの方々のWEBサイトを読めばMODOのことが大体わかります。 皆さんのWEBサイトを見ると、今まで知らなかったことがいっぱい書いてあったのですごく勉強になりました。特に「Zでいこう」というWEBサイトは勉強になりました。
※ Zで行こう!
中澤氏:いろんなソフトを触ってみてMODOが一番感覚的に作れると思います。使いこなせば一緒だとは思うんですけど、自分の個人的な感覚では
・ZBrush
・MODO
・Maya
・3ds Max
のような順番です。ただZBrushは特殊なので、モデリングソフトの中ではMODOが最も感覚的に作れるソフトであると思います。
自社商品のパッケージ、カタログ、WEB用の画像を作っています。あとは商品が実際使われている様子をお客様に説明するために室内空間まで含めて全部作るときもあります。我々はBtoBビジネスも行っていますので、お客様にイメージしていただきやすい画像を作るのも我々の仕事です。
私達JVCケンウッドには「JVC」と「ケンウッド」というブランドがあります。ホームページに掲載されている全ての製品が対象なので、製品に必要な高精細なビジュアルイメージ、加えて、デザインプレゼンテーション用に簡単なアニメーションなどもMODOで作ります。
CADについてはSolidworksを使っており、他にはPhotoshop, Maxwell Renderを使っています。
我々は2008年ぐらいから、パッケージデザインにCGを使えないかというような検討をはじめ、商品のパッケージの写真をCGに置き換えるという作業を行っていました。
ちょうど社内でもパッケージデザインするときに現物が無いということが出てくるだろうと言われていたのがこの時期で、積極的に取り組んでいました。
それ以前は、「デザインをして、モデリングして、設計して、商品が完成。その後、実際の商品写真を撮影して、パッケージ化する」といったワークフローだったのですが、製品のデザインや設計の作業を3Dで行うようになると、どんどん並行して作業するようになっていったんです。
そうですね。製造業では開発リードタイムの短縮と言っており、設計が終わって金型が上がってきたときにはもう製品画像を作っています。
我々は社内のデザイン部門でCADを使い外観のデータを作っていたので、ほぼ最終に近い外観データがデザイン部門にあります。最終的には金型のデータを使ったりもしますが、デザイン部門で作ったデータで作業のあたりをつけることができたので、環境的にはやりやすかったですね。
一番最初はShadeを使ってレンダリングしていました。Shadeを使っていたのは、その当時XVLという3Dのビューワがあって、それを使ってWEB上でバーチャルシミュレーションのデザインを行っていたためです。XVLではCADのデータを読み込むことができ、さらにShadeがそのXVLのデータを読み込めたんです。それまではCADのデータをCGソフトに読み込むことができなかったのですが、そこから積極的にCADデータをCGの方に使うようになりました。
Shadeはしばらく使っていたんですが、その後Maxwell Renderを使うようになりました。Maxwell Renderはレンダリングに時間はかかるのですが、非常にきれいなフォトクオリティで仕上げることができます。これによって社内でCGを使うという流れが定着し、カラーバリエーションの検討やパッケージイメージの制作にしばらく使用していたんですが、スピードの面などについていろいろ要望があり、また新たなソフトを探すようになったんです。
ポイントとしては「CADデータが使える」「グローバルイルミネーションが使える」「演算が速い」そして「安い」というのがあったんですが、ちょうどそこにMODOがヒットしました。
当時から我々が使っているSolidWorksというCADソフトがあるんですが、SolidWorksのデータがmodoにそのまま取り込めるといった点も大きかったです。他のソフトだとそこってお金がかかるところなんですよね。いろいろ試しながら使っていたですが、modo 301, 401まではまだちょっと思っているような品質が出せませんでした。でもmodo 501ぐらいになって、テクスチャーの出方がちょっと変わったんですよ。それで「なんかイイんじゃないの」と。「良くなったんじゃないのこれ」という感じでMODOを真剣に使い始めたんですよね。そこからしばらくはMODOとMaxwell Renderを並行して使うようになって、modo 601になって半々、MODO 701では7対3くらいの割合でMODOを使っていました。今ではよほど特殊なケースでなければレンダリングにMODOを使っています。MODOの性能が良くなるにつれ、比重が大きくなっていった感じですね。
作業時間が事前に見積もれるので、段取りがつけやすいんですよね。例えば、大体これぐらいのサイズでこれぐらいのクオリティであれば、2時間かければここまでできる、というのが事前に見えてきます。スケジューリングが非常にしやすいですね。我々はいろいろな製品を並行してレンダリングすることが多いので、その時間がよめないとなかなか仕事がやりづらいんです。比較する訳じゃないですけども、Maxwell Renderの場合はどれくらいかかるかよみにくい。MODOの場合は何回かテストをしていくと、大体これぐらいのクオリティであればこれぐらいの時間でできる、というのが見えてきやすかったんですね。なので仕事をすすめていく上では、非常にやりやすかったです。
一つの案件だと一週間、長いと二週間くらいかけます。カラーバリエーションがあったりしますので。
そうですね。なぜかと言うと、思ったような色にならないんですよね。ライティングから変えないとダメなときもありますし、さらにメタリックだとライトだけじゃきれいに出ないのでいろいろ工夫します。例えば紫のメタリックを表現し、次は赤のメタリックというときには単純なマテリアルの置き換えだけではうまくいかない、というのが実情なんですよね。白や黒っていうのは、ノウハウの蓄積があるのでなんとなく分かるんですよ。ただそうじゃない有彩色のものになってくると「黄色ってやったこと無いからどうやっていいんだろう」って思ったりするんですよ。
「色が違うココの部分だけ差し替えればいいじゃない」って言われるんですけども、実はいろいろなところへ微妙に影響しているので、そういうワケにもいかない。やってる人じゃないとなかなか理解してもらえないですね。白と黒の場合でもライティングそのものが違いますし。
あとMODOを使っていて良かった点というと、ビデオカメラがいい例なんですが、ビデオカメラって黒一色っていうのが多いんですが、黒の中でいろいろな材質の違いというのを表現しなければいけないんです。結構むずかしいんですよ、それって。でもMODOだと、基本のマテリアルやバンプマップなどの設定でいろいろ調整できます。同じ黒でも、微妙にちがうニュアンスを持たすことができるんですよね。それがやっぱりリアリティにつながります。
してはいますが、ビデオカメラのときは本当に少しだけでしたね。リフレクション、スペキュラー、アンビエントオクルージョンを出力してPhotoshop形式でデータを保存し、調整しているだけです。直接何かを描いたりということはしていないですね。基本的に私が担当する製品では、後で何か描き込んだりはしないです。映り込みの合成や、背景は描き込んだりしますけども、ほとんどそのままですね。描き込んでしまうとそこで嘘っぽくなってしまうので。製品によっては「もっと描き込んでください」という依頼もあります。私はそこは担当していないのですが。
CADユーザの方って、必ずしもPhotoshopが達者というわけではないと思うんですよね。でも、MODOだけでこの辺までできる、時間と習熟度があればCADデータを取り込んでこの辺までの品質をアウトプットすることができる、というのが一番のメリットと思うんですよね。結果を求めるために、多くのソフトを覚えなきゃいけないというのがないんです。
MODOのグラフエディターで反射の色を調整しています。カメラはレンズが命なので、広告写真では一番レタッチをしているところらしいです。先ほど、一部まだMaxwell Renderを使っていると言っていたのは、この部分なんですよね。この製品はMODOで描いてますが、一応保険としてMaxwell Renderでも描きました。光が回っていく感じであるとか、コーティングされたガラスの感じというのはMaxwell Renderが強いので。それで、そのときに驚いたんですがMaxwell Renderのプラグインを使うとMODOのカメラをそのまま書き出せて、Maxwell Renderの中で同じ画角で描けるんですよね。違うソフトでレンダリングをするときには、カメラの設定を合わせるのは大変なんですよ。それがスムーズにいけるので、特定の部分だけレンダリングさせて合成するというのができる。それも今まではできなかったことなので、助かってますね。
それはもちろんありますが、部品を置き換えるようなイメージなので全然苦にならないですね。あとよっぽどのことが無い限り、UVマッピングはしてないですね。この手のモデルは、UVマップしなくてもある程度のところまでいけてしまうんです。なので新たな部品を読み込んでマテリアルを設定してレンダリングしても、そのまま置き換えがきくんですよ。すごいんです。これできないですよ、他のソフトじゃ。
これはThe Foundryのフォーラムでフランス人の方が似たようなマテリアルを公開していらっしゃったのを見つけて、試しにやってみたんです。そしたらいい感じになったんで、参考にさせていただきました。実際の製品の木目部分のパーツは、積層された木の板をろくろのように削っているので、普通のマッピングじゃ駄目なんですよ。UVでも結構難しいところがあってどうしようかなぁ、と思っていたところに、そういういい情報をたまたま発見することができました。
はい。基本的に僕は一日一回はフォーラムを見るようにしています。何かないかなと。すると必ず答えがあるんですよね。あのフォーラムは本当にいいですよ。英語なんてGoogleで翻訳すれば、ある程度のことは分かるので、みんな見てほしいですね。
9bスタジオのMODOキットは買ってます。2~3種類ありますよね、プロダクト用のキット。それを編集して自分の所にストックしています。あれでいろいろ設定の方法を勉強することもできますし。
MODOって一本で何でもできちゃうのがやっぱり魅力なんですね。他のソフトではいろんなプラグインを入れないと自分の思っていることができなかったりすると聞いたりします。MODOはそれだけで大概のことができる。ただ、サードパーティに頼らなくても大概のことができるんだけれども、The Foundryと合併してからは、わりとサードパーティ製のプログラムをいれないといけなくなって、コストがかかってきたように思います。そうなると、お金もっているユーザじゃないと思っている表現ができなくなるじゃないかなと。それってMODOが元々持っている良さを消しち ゃっているんじゃないかなって気がしているので、できればサードパーティに頼らないでMODO一本で全部まかない続けてもらえると、ユーザとしてはありがたいですね。
MODO JAPAN さんのサイトもそうですが、ユーザーのみなさんがいろんなノウハウを公開しているサイトがたくさんあるんですね。それを見ていくと大概の問題が解決できる。MODOを導入するときに、「書籍があまり無い」「どうやって覚えていくのか分からない」「スクールも無い」、そういった理由で敬遠されているかたもいらっしゃると思います。でも実はユーザーの皆さんがそういう情報を公開していて、スクールだとか教本だとか、そんなの必要無いぐらいWEBに情報が充実してるんですね。ですので、躊躇無く使っていただいて、分からない所は検索すれば、答えがいっぱい載っています。そういうのを積み重ねていけば必ずいい物ができると思っています。それぐらいユーザーの幅が広いんですよね、このソフトは。限られたスペシャリストが使っているツールではないので、本当に初歩的なことからテクニカルなことまで、ありとあらゆる情報が載っているんですよ。だから心配しないでまず使ってみてください。
それと、ユーザーギャラリーがあるじゃないですか。そこにはきれいな作品がいっぱい出てるんですよ。そういうのを見ると、使いこなせるようになればそこまでいける、こういうのを描けるんだ、というのがわかるんですよ。それが励みになると思うので、どんどんトライ&エラーを繰り返して習熟度を上げて、みんなでレベルアップしていければなと思います。
弊社には、アジアン家具の販売、店舗のデザインやコーディネイトを行っている部署もありまして、始めはそこで手描きでパースを描いていましたが、よりパースの数が求められる現在の建築部署に異動となり手描きでは追いつかない状況になると思ったのがきっかけです。それで色々ソフトを検討している内に他のソフトよりもプレビュー機能が進んでいるmodoを見つけて、このソフトであればスタッフ間でのイメージの共有がしやすいとな感じたのでmodoを導入しました。
401だったと思います。
ウェブです。あとは話も聞いてみたくて販売店さんにも行きました。そこで、いろいろなソフトを紹介していただいた中でmodoもあったんです。置いてあったカタログなどで作品を見てグローバルイルミネーションの綺麗さに驚きました。あとはレンダリングスピードとモデリングが評判が良かったのと、価格の面でも他のソフトよりコストがかからないということもあり、modoに決めました。
CGパース、家具や内装、建材デザイン検討に活用しています。デザイナーとのやり取りでmodoのプレビューはかなり活躍していて、色やサイズ等の検討には欠かせないですね。
テレビ台やソファ、テーブル、チェストなど様々です。弊社では家具を作っているファクトリーが海外にありまして、現地で職人さんたちに作って頂いています。今までは図面を送りオーダーしていましたが、modoでフォトリアルなイメージを出せば、凝った形のものでも職人さんに作って頂けるんです。
弊社はリゾートホテルで扱われている様な質感の高い素材を、一般の住宅の建材や家具などに取り込みたいという想いがあるのですが、そういった素材は既製品ではなかなか存在していないので、自社オリジナルで作っています。それらのデザイン検討にmodoを導入することで、複雑な形状でも職人の方への発注がスムーズに行える様になりましたね。
PhotoshopとIllustratorですね。Photoshopは、レンダリング画像へのレタッチや、テクスチャを作る際に使っています。Illustratorは初め、かっちりした模様などを表現したいときに使っていましたが、習得していく内にmodoでもできる様になっていったので、今は使う頻度は少ないです。ほぼPhotoshopとmodoで済ませてます。
あと、今はSubstanceに興味があって試しています。modoのプロシージャルにはない、Substanceのスロープ機能というのに興味があります。例えば、ビルの壁面にタイルが貼ってあるような場合、CGで表現しようとすると平らにきれいに貼れるんですが、スロープ機能を使うと一個一個の法線にばらつきを与えられるので、スペキュラにランダムな表情が与えられるんです。従来だとmodoのプロシージャルでランダムにできる機能を使って疑似的に表現していたんですが、表現的にはSubstanceのスロープの方にかなり興味があって練習中です。
また、Substanceにはパーティクルによるペイント機能が搭載されたようなので、家具にエイジング処理を行うときなど、ちょっとした味をつけたり質感を表現するのが楽にできるようになるんじゃないかと思っています。
そうですね。質感がある家具やオブジェなどに使います。塗装が剥げているような表現などは質感が2種類必要になるので、オクルージョンをマスクとして利用して2種類の質感をミックスしています。
ビューポート内のテクスチャ表示やOpenGL表示時でのマテリアルの再現性が向上して欲しいです。プロセスやプロシージャルテクスチャなど反映されない物もありますが、できればOpenGLの段階でテクスチャが正確に表現できていると良いと思います。プレビューやRayGLで確認すれば済む事ではありますが、テクスチャ表示の精度が上がればテクスチャの位置やサイズ合わせや色の判断など、ビューポート内でモデリングしながら済ませられるので助かります。
ライト関係では、リプリケータで管理できると良いですね。ポイントデータを配置したい箇所にぽんぽんと置いて、そこにライトをリプリケータで配置できると、移動や配列、変更が簡単になりますので、手間を減らすことができると思います。あと、エリアライトが可視化できる様にポイントライトも可視化できると嬉しいです。例えばランプシェードの中の電球が生地から透けて見えてくる様な表現がしたい時に、リアルに電球を作り込むほどでもない場合が多いので、可視化できるとモデリングせずに簡易的に済ませられるので助かります。
レンダリングでは、レンダーリージョンを一つだけでなく複数指定できるといいなと思います。現在の矩形による指定の仕方だと必要のない個所もレンダリングすることになるので、矩形を複数配置できれば、効率よくレンダリング範囲を指定できると思います。
あとはポリゴンの面積を求められたら面白いですね。
直接デザインに関係はありませんが、壁紙やフローリングの価格を見積もる時に面積を知る必要があるので便利だと思います。特殊な形状だったり複雑な形をした住宅の場合、ざっくりモデリングした段階で積算スタッフから見せて欲しいと要望があったりもします。立体で見れると簡単に形状の把握ができ、見積もる際の見落としが少なくなるようですね。その時に面積も求められるといいね、という話が出たんです。
他には、エッジの交点にもスナップする機能がほしいです。DXFなどの図面データを元にモデリングしていくんですが、設計者によって図面の書き方が様々なので、スナップさせたい場所に頂点がない場合もあります。そういう場合にエッジの交点にもスナップすれば解決する事も多いのであれば便利な機能だなと思います。
スタッフそれぞれですが、VectorWorksやJWCADです。自分が図面データ貰う時はDXF形式にして頂いています。PDFで渡されることもありますが、その場合は一度Illustratorで読み込んでDXFで書き出すか、ver8形式で出力しています。ただ、DXFで書き出すときに曲線が書き出せないことが多いので、そんな時にはIllustratorのver8で出力しています。
modoにはモデリング、マテリアル設定、アニメーション、レンダリングといった各セクションに一貫した操作性や概念があり直感的に扱えるので、初めての方でもストレスが少なく扱える様な設計になっていると思います。自分もmodoが初めての3Dソフトだったので、3D初心者の方にもお勧めできるソフトだと思います。
アニメーションの勉強をしに母国(ペルー)を飛び出し、日本へと留学した後、映像制作プロダクションIKIF+へと就職。現在はフリーランスとして、様々な映像作品の制作に携わりつつ、大学でも教鞭をとる。
ちょうど今年(2013年)の11月頭ぐらいまで劇場版アニメ「ベヨネッタ ブラッディフェイト」の作品にCG監督として携わっていました。基本的に、私はフリーランスとして単発のお仕事を受けたりしていますが、ほぼIKIF+さんの準レギュラーみたいな立場としても働いております。その他にも、大学で先生をやってたりします。
東京造形大学で週に一回、「デジタルアニメーション基礎演習」というアニメーション専攻の一年生向けの授業を担当して、アニメーション作品を制作する際にに必要な基礎的なデジタル技術を教えています。この授業はもう一つ別の「アニメーション原理」という授業と連動しています。「アニメーション原理」は手書きで作画したり、動画を書いたりという授業なのですが、この授業で作った素材を「デジタルアニメーション基礎演習」の授業でパソコンに取り入れて彩色したり、合成したり、「アニメーション原理」でアナログでやった事(例えば、人の歩きの作が)を、「デジタルアニメーション基礎演習」の方でデジタルのツールでやってみたり(例えば、Photoshopでパーツ分けした棒人間にAfterEffectsでアニメーションをつける)しています。
1年通してこなした課題を全部まとめたDVDを作ります。最初はスキルを磨いていくための単発作品から始め、最後には短めの個人作品みたいなものを作る、というところまでです。2年生になると、より本格的な作品作りに入りますので、そのために最低限知っておくべき知識、ベースを教えているという感じですね。
いいえ、はじめは2004年あたりに東京工芸大学の学科助手を務めました。当時は授業を担当しているわけではなく、いろんな先生方の助手だったり、学科運営といった裏方のお仕事をしていました。その後、2010年からアミューズメントメディア総合学院で教え始め、2011年からは造形大でも講師として授業を担当するようになりました。
実は今教えている学校とすごく深い関わりがありまして、最初に私が日本に留学したのが造形大だったんです。アニメーションの総合的な勉強をしに来日し、夏休みの期間だけIKIF+さんでお手伝いさせてもらうことになって、3Dって面白いんだなっていうことに気が付きました。それまでは3DCGなんてできるわけがない、というか、そういう可能性すら知らなかったんです。母国(ペルー)の方では、当時はあまりアニメーションが盛んではなく、プロダクションもほぼ皆無でしたし、アニメーションの教育を受けられるところもありませんでした。留学してみて初めて、アニメーションという世界はとても広く、いろんなタイプのアニメーションがあるんだということを知り、本当に初心者といった状態からスタートしました。その1年間の留学期間を終え、そのままIKIF+さんに就職しました。
そういうわけではなかったです。アニメーションをどうやって作るのかを全く知りませんでしたから、それを勉強するために来日したわけなんですが、いずれは母国へ帰って勉強した経験を生かせれば面白いかなと思っていたんです。でも1年留学してみて、私は何も知らないんだということが分かったんですね。実際に作品を作らないと、母国へ何を持って帰るの?というふうに感じていた時に、ちょうど運よくIKIF+の社長の木船さんから「うちに来ていいよ」と言っていただけたので、そのまま就職することになりました。いろんなタイミングが良かったということ、また木船さんみたいに懐の深いワールドワイドな方と出会えたこともあり、IKIF+でお世話になることになりました。
はい。母国の大学ではグラフィックデザインを勉強していて、その当時、少しだけ3Dをかじったことはあったんですが、本格的に触り始めたのは就職してからですね。当時は3DCGの発展性というか、使い道が良くわからなかったんですが、日本に来ていろんなアニメーションの現場を見るなど貴重な体験をして、こういう仕事も楽しそうだな、と思ったのがきっかけでした。
働き始めてすぐに、IKIF+のスタッフとして参加したのが「スチームボーイ」のプロジェクトです。既にIKIF+のチームが出向でスタジオ内に常駐して作業されていたので、その先輩たちのお手伝いをしながらいろいろと教えてもらいました。「スチームボーイ」の時は、原画撮影からモデリング、アニメーション、テクスチャ、コンポジットまでやるというスタイルでした。当時はそれが当たり前だと思っていたんですけど、次にお手伝いした「イノセンス」の現場で、普通は撮影は撮影、CGはCGという風に分かれているものだということを後から知りました。
いいえ。「スチームボーイ」の時は同時並行で「戦闘妖精雪風」をやっていましたし(当時は内緒でやっていたんですが)、「イノセンス」の時には「ドラえもん」劇場版のオープニングも作業していて、2〜3作品やるのは当たり前だと思っていました。これも後から、必ずしも当たり前ではないということを知ったんですが。
昨年末にお話をいただいて、当初は私が一人でも受けられる作業量でしたのでお引き受けして、自宅で作業していました。「ベヨネッタ」は元がゲームですので、アニメ化する際に作り直さなきゃいけない部分があったんですね。具体的には、ベヨネッタが銃を持って敵と戦うのですが、その銃のモデリングやテクスチャ設定といった辺りから作業していたんですが、そのうち銃だけでなく、ベヨネッタと敵対する中ボスクラスの天使も3Dでやりたいといったような話になり、依頼内容が膨らんできて相当な作業量が見えてきたので、IKIF+さんとも相談して今年の4月からチームとして作業させていただくことになりました。
CG監督は別の会社さんが担当されるはずだったんですが、事情によってできなくなり、CGのディレクションも全部あわせてお願いされることになりました。今回の「ベヨネッタ」を手がけたゴンゾさんが以前に制作された特典映像のお仕事でご一緒させていただいたご縁もありまして、その時の作品ではCGは少なかったんですが評価していただけたようで、今回はCG監督を任せられました(プロデューサーさんの上手い口車に乗ってしまっただけかも知れませんが)。
一番コアな部分を作業したのは私を含めて大体4名です。関わった人数は、追い込みの時期に手伝ってくれたIKIF+のスタッフと、部分的に外注を頼んだフリーの方と、アルバイトを含めると、大体15人ぐらいでしょうか。
「ベヨネッタ」作品全体は1273カットあるんですが、そのうち何らかの形でCGが関わったカットが151カットあります。その中の37カットは作画さん用のガイドとなるカットですので、レンダリングまでフルでCGが関わっているのは114カットですね。
全然違いました。今まではチームの中で大きな部分を担当することもありましたけど、その時には自分の担当さえ納期までにクリアすればよかったんですが、監督になると誰に何をお願いするのか、それぞれの作業者の能力と作業スピードとかを戦略的に考えなきゃいけないんですよね。作業の進行状況を見て、確認して、指示を出すという立場になるので。
また小さなチームですので、各作業者が抱えている作業量も多めなんですが、無理しすぎないように効率よく働いてもらうにはどうしたらいいのかとか考えました。作業者にベストを尽くしてほしいというのは、どこのスタジオでも考えられることだと思うんですけど、私は可能な限り、作業者を大事にしていきたいと考えているし、会社にいる時間=作業者の力量ではなく、スキルが高ければ早く作業も終わると思っています。家に帰ってお布団の中でゆっくり休んでリフレッシュしてきてもらった方が、圧倒的に作業効率がいいです。それでも無理をかけさせたところはあったと思うんですが。
プライベートなことですが、子育てしながらでしたので、保育園のお迎えとか、子供が体調崩して病院に行くとか、いろんな方に迷惑をかけながらやってましたね。今年の春にチームを組んで作業に入ったと同時に、子供も保育園に入ったので、ある程度の時間は確保できるようになったとはいえ、体力的にはしんどいところもありました。今回の作品は劇場版だったので長めのスパンで作業できましたが、テレビシリーズだったら難しかったかもしれないです。そういった面との兼ね合いというか、バランスを取るのが、今回大きな課題でもありました。
モデリングはmodoとLightWave、UV展開はmodo、リギング、アニメーションからレンダリングまではLightWaveで行っています。
スタッフによってなんですが、私の場合、モデリングとUV展開はやっぱりmodoですね。modoじゃないと前には進めなくて無理です。UV展開の後、テクスチャを描いていくんですが、3Dペイントでガイドになるようなものをラフに描いた後で、Photoshop上でテクスチャを描いていきます。
そうです。UV展開を広げた状態で見ても、そのつながりというのは確認しづらいですよね。特に、3Dのことはあまり詳しくないスタッフにテクスチャをお願いするときなどは、参考図としてこういう感じで描いてくれという指示を、ぱぱっと描いちゃうんです。
例えば、顔のテクスチャだと、展開した時に顔のUVの輪郭がどこにつながっているかとか、凹凸具合だったりというのはわかりにくいですし、ここら辺は鼻の下だから少し暗めにとか、そういったことが3Dペイントですぐに描けるのが大きいですね。
実は列車のカットを少し、試してみていたんです。パスコンストレイント機能が使えるから。ただ、レンダリングをLightWaveのほうで行っていたので、アニメーションをベイクした状態でFBXで出力して、LightWaveへと持っていこうとしたんですが、カメラの設定があまりうまく渡らなくて、今回は断念しました。
シェーダツリーのビューの状態がちょっと使いづらいですね。マテリアル数が少なければ問題ないんですが、もっと複雑なキャラクターを扱うシーンの場合、マテリアル数が膨大になるので、ノードみたいにマテリアル間の関連がすぐにわかるようなインターフェイスが望ましいです。
視覚的に理解したい派なので、今のシェーダツリーだと少し扱いにくいかな。
それにスケマティックビューが欲しいです。
やはり視覚的にものを選択したり操作したいので、アイテムリストがスケマティックビューに切り替えれると嬉しいですね。
あと、きっちり分業しているわけではないので、セットアップとアニメーションとレンダリングでタブを分けなくていいとか、モデルのタブでもタイムラインが欲しいとかでしょうか。ただ、そこら辺は自分の作業のやり方を整理していけばカスタマイズしていけばいけるんじゃないかと思っているので、そんなに重要ってわけじゃないです。
私が学生さんによく言うのは、「一日で全部を覚えようとしないでいい」ということですね。
ソフトって機能がたくさんあるし、使い始めは混乱してしまうんだけど、全部いっぺんに覚えられないことにフラストレーションが溜まり、何かが作れる前に挫折してしまうという事がありうるからです。CGのソフトは絵を作るためのツールなので、そのツールに慣れるまでは何回も繰り返し使わないと身につかないものです。筆で上手く字が書けるようになるのも、何回も繰り返し練習が必要ですよね?それと同じです。とにかく、面倒くさがらないで欲しいです。一度やっただけで満足しないで、何度も繰り返して覚えていって欲しいですね。
あと、一回設定したキーフレームを消す勇気を持つこと!3Dだと簡単にキーフレームを付けられる、ポーズを付けられるんですが、いったんこんな感じだろうなってポーズを付けても、だんだん作業が混乱してくると、余計なキーフレームがあるために、アニメーションがきれいにつながらないということがよくあるんです。一回設定したものを壊したくないという気持ちはわかるんだけど、いったん全部捨ててやり直せばもっとうまくいくことがたくさんあるので、ゼロから繰り返してやってみるといいと思います。
それと、楽しみは自分で見つけるべきことだと思っています。3Dを学んでいる学生さんだったら課題が、または働き始めた新人さんだったら最初に与えられたタスクが面白いか面白くないかというのは本人次第ですので、自分で面白くなるようにするといいんじゃないかな?
最後にやっぱり体調管理!これはとっても大事です。
弊社は印刷を母体とした会社なのですが、私はCGのセクションに所属しており、印刷、CM、テレビ番組、ゲーム、映画、展示映像などのCGを制作しています。最近ではオリジナルの映像作品をプラネタリウムや4D王(*1)に提供しています。
建築系だと博物館に展示してある復元物や、昔の宮大工の建造物も制作しています。それとエンターテイメント分野で培ったノウハウを活かして3Dプリンターのモデルデータの制作と出力も行なっています。
あと弊社でCGチームが発足した当初(1996年頃)は大学の研究室と一緒に3DCGでリアルな人体モデルを作るというプロジェクトをやっていました。ですので人体モデルも得意としています。
元々弊社のモデリングチームはLightwave3Dを使用していましたが、ワークフローの最終行程で「3ds Max」や「Maya」にデータを渡す必要があり、サブディビジョンの丸みやUVなどのデータの互換性をいろいろ検証した結果、スムーズにやり取りが出来るMODOへ移行しました。MODOは個人的にβ版から使っていて、UVやペイントなどは201のときから重宝しています。
ソフト間での受け渡しもルール決めが出来、業務内での無駄な制作時間が減り、スケジュールなども組みやすくなりました。
プロジェクト全体のスケジュールの中で、モデリングの期間は非常に短く設定されます。そういったスピードを求められるモデリングにおいて、手続きを踏まなくて使えるというのがすごく使いやすくて。他のソフトだとカーソルを動かさないといけないんですよ。ザザッと作っていきたいのに、コマンドを入れ替えたりとか。履歴が残るのはいいんですけど、目的のものを作るっていうプロセスではそれは結構無駄な時間だと思います。
あとソフトの操作を覚えるときのハードルが他のソフトより低いところですね。ある程度の操作を覚えれば、結構なところまで造れてしまうのでは。
そうそう、あと3Dプリンタで出力するモデルデータの制作にMODOがかなり重宝しています。CADなどのソフトであればちゃんと計算されて面が塞がったデータの作成が可能ですが、3DCGソフトは主に最終媒体が映像や印刷物なので、制作したデータを3D出力しようとすると、いろいろな不具合が出てきます。しかし、MODOであれば情報タブで特定の数値をゼロになるように修正したり、ツールを活用することでエラーの無い出力用モデルデータを制作する事が可能です。
MODOはカッチリしたものも作れますし、CADでは制作が難しい有機的な形状を制作することも出来ます。出力も「FBX」「STL」をサポートしていますし、いろいろな方式の造型機へのデータの受け渡しも基本、問題はないようです。
弊社の環境に依存しているかもしれませんが、701は出た当初スカルプトのレスポンスが重くなったような気がしましたのでまだあまり使っていません。最近出たSP2から使い始めたところです。
安定性ですね。うちの環境に依存しているかもしれませんが、画面の切り替えや保存している途中にエラーが起きることがあります。
あとスカルプト関連で、ボクセルが出来たり細分化のブラシがあると非常に助かります。モデルの体積も計算が出来るといいですね。3Dプリント用のモデルを制作するような用途にニーズがあると思います。3Dプリンターの「出力用のモデルデータ」で本当に欲しいものはネットには存在しません。基本、作らないといけないところが問題になっています。プリンタ本体を買ってはみたけれど、出力したいものが無い、データの作り方が判らないという人がすごく多いらしいです。そんな中、いろんなものが作りやすくて精度も出せてホビーユースからプロ仕様まで使えるツールとして僕はMODOに期待しています。
昔と違って今はチュートリアルやTips等の情報がネットにあふれているので、そういうのを見ながらどんどんいろいろなものを作ってもらえれば思います。ポリゴンモデルってポイントと面の組み合わせだから移動すれば完成系になるんですよ。でも、それを出来ないって言う人が結構多い。自分で出来る事の線引きをするのではなく、どんどんいろんなものを作ってもらえるといいですね。MODOはモノを作るというプロセスを短いアプローチでカタチに出来る、触れば触るだけ結果が出るソフトだと思います。
3DCGの作品は画像、映像として画面の中で見るか、印刷して見るかしかなかったんですが、これからは3Dプリンタで出力して手に取れる時代になってくると思うんです。そういう楽しみ方は今後もっとハードル下がってすぐに一般レベルに広まるでしょう。いろんな種類のものが作れれば、その分ものづくりの感動を味わうことが出来ると思います。
大学で絵画を専攻した後、レタッチャーとして就職。その後、広告画像に3DCGを取り入れることで、表現力の幅を広げ、様々な作品を生み出す。Luxologyのギャラリーにも作品を投稿。
小さい頃から絵が好きで、大学では絵画を専攻していました。
ずっと絵に関係する仕事でと考えていたのですが、デジタル技術の方にも興味があり、レタッチと3DCGを扱う会社に就職しました。当時はレタッチのみの担当で主に広告写真やカタログ画像のレタッチをしていました。次第に3DCGの画像のレタッチもやることが多くなりましたが、3Dの担当者に修正指示を出しているうちに、自分でも操作を覚えればある程度できるかなという感触はありました。
はい。ほぼPhotoshop一本で行っていました。ただ、レタッチの技術というのは、ある程度のレベルまで行くと頭打ちになってしまうというか、Photoshopだけの技術でやれることというのは限られていて、あとは周辺技術との組み合わせであったり、いかに工夫するかというところや、物の見せ方をどのようにすればより美しく見せられるかといったクリエイティビティの勝負になってきます。表現の幅を広めるために、周辺の技術を取り込もうとカメラを買って撮影の勉強をしたり、3DCGの勉強を始めたという感じでした。
本格的にアプリケーションを自宅に買って始めたのは2年前、震災で仕事にまとまった空きができたので、modo 501を購入し、自宅のMacProで始めました。
それまでは体験版などで他のソフトを試しながら、3Dのソフトの基礎を覚えるというレベルで、少しずつ勉強していました。
いいえ。それまでにMayaや3dsMaxを覚えようと、チュートリアルを試したり、参考書を買って読んでみたりしていました。ただ、他のソフトだと何かを作ろうと思った時に「作り方を考えてから作る」といった感じが強くて馴染めませんでした。MODOの場合だと、モデリングしつつプレビューを見ながら調整を行うという「作りながら考える」ことができるソフトだと感じました。あと、インターフェイスがすごく整理されていて、馴染みやすかったんです。ソフトを極めたいわけではなく、ものを作りたいというのが基本にあり、MODOの場合はその入り口がすごくスムーズでした。インターフェイスは重要なんです。インターフェイスで引っかかるものがあると、感覚的なところでつまづきがあってりして結果的に生産性を落としてしまうので。
MODOのいいところはインターフェイスの美しさ、リアルタイムのプレビュー、モデリングのしやすさ、あとレタッチのしやすさなどがあります。レタッチは結局のところ、選択範囲を作るとかマスクを作るといったマスク処理に時間を取られることが多いんですが、MODOだとレンダーアウトプットで手間をかけずにアルファを簡単に出せるのが良いですね。
画像のレタッチ、すなわち画像の合成や、画像を加工したり描きこんだりして画像の見栄えを良くすること、いちから手作業で何かを描き出すこと、3Dで形のないものを作り出すこと、デザインすること、などです。アナログで描けるということを強みにデジタルに生かしています。
作るものによってかなり変わってきますね。ほとんどのケースでは、アートディレクターの方やデザイナーの方のラフを元に、ある程度形にできた時点でチェックだしをしてフィードバックをいただきながら、まずは基本的なイメージを詰めていきます。
次にイメージが固まったら、より美しく見せるライティングやテクスチャリングを詰めてレンダリングまでもっていきます。
ここまでが3Dの作業になるのですが、最終的にレタッチの作業まで一人でやることが多いので、2Dと3D両方やる人間の強みとして、「ここまでは3Dでやって、ここからはレタッチで」といったさじ加減を自由にできます。
3Dが苦手とする表現は2Dで、2Dで手間がかかりすぎる箇所は3Dで、という風に、頭の中で組み立てながら作業できるので効率的なんです。
テストレンダリングの段階で軽くレタッチを入れてみて、そこの線引きをしています。
最終的には3Dだけでも完成できるぐらいの仕上がりを目指して、そのあとどうしてもうまくいかないところを2Dで描きこんだり、部分を強調したり、色調を整えたりして、完成形に仕上げていきます。
そうですね。まるっきり置き換わる感じになります。その分3DCGの作り手は今までカメラマンの方や照明技師の方がやっていた、物の見せ方やライティングの知識が必要になります。
ライティングとマテリアルに特に時間をかけています。基本的には画像の見栄えというのは、HDRやエリアライトのライティング、それにマテリアルの反射で何が反射しているのか、グラデーションがどうついているのか、というのが大きいです。そこに時間をかけたいので、逆にモデリングにかける時間はなるべく削減したいと考え、モデルデータあるときにはなるべく使わせてもらって、画質や見栄えといった点に時間をかけれるようにしています。後は、レタッチにも時間をかけるようにしています。広告写真ではよくあることなんですが、ある程度、光の法則などは無視して、最終的にもうちょっとこの光を強調したいといった処理も必要となりますので。
基本的には各パーツのアウトプットとアルファ、それに反射ぐらいですね。スペキュラはそれほど使いません。スペキュラってどうしても一律にぼけていくような感じの光になってしまうので、リアルな反射を求める時には使わないんです。
メリットは物理的な制約がないことです。ありえないぐらい大きくて継ぎ目のない光源でシーンを作れること、撮影機材が必要でないこと、また、まだ製造されていない商品で広告が作れるようになったことは、広告画像にとって大きな変化だったと思います。3DCGですと、少しずつ角度を変えて何度でもショットを撮りなおすことができますし、いらないものは作らなくて良いというのがあります。
実際の撮影の場合、撮影機材や照明機材の一つ一つの取り扱い方自体が新規参入にとっての大きな障壁となっていたのですが、3DCGの場合、一度ソフトを覚えてしまえば、あとは作り手の目や技術次第ということになります。 デメリットであり、メリットでもあるのが、CGだとなんでも簡単にできると思われているところがあることでしょうか。間違いではないのですが、もちろん時間にも手間にも限度はあります。デザインも細部はこちら任せになることが多く、撮影するときよりもデザイナーさんから来るラフが固まっていなかったりします。その分、多くを任せていただけるのでやりがいはあるのですが。
アニメーションやパーティクルはほとんど勉強できていないのですが、701ではポリゴン数の多いシーンでの操作の重さが、かなり改善されたと感じています。
今までの3DCGと同じ道をたどるのではなく、MODOらしく違った切り口で簡単にできるところは簡単に、という姿勢を崩さずに作っていっていただきたいと思います。
要望としては、スカルプトでメッシュを細分化するブラシがあるといいですね。それができると、さらにMODOだけで作業ができるようになります。あとはヘルプに記述のない設定項目があるので、ヘルプが網羅的であること、またPSDのレイヤー書き出しで16ビットのレイヤー書き出しができるといいと思います。PSD書き出しではPhotoshop側が2GB以上をサポートしていないので、2GB以上も読み出せるPSB形式もMODOでサポートしてもらえるといいですね。
チュートリアルをたくさんやることでしょうか。自分も覚え始めの時に、かなり集中して何本か買ってやりました。特にレンダリングの設定周りのところとかが、わかりやすかったですね。MODOは触ったら触っただけ、結果の出るソフトだと思います。
福岡にあるゲーム会社を経た後、フリーに。その後、株式会社アニマに入社。現在に至る。
高校を卒業後、全くパソコンとは縁のないアナログな自動車関係の会社に入社したんですが、そのうちもっと絵の仕事がしたくなって、その会社を退職後、イラスト・デザイン関係の専門学校へと進みました。学校ではMacを使ってPhotoshopを触る程度だったんですが、その後、ゲーム会社へと入社し、デザインの仕事をしているうちに、徐々にCGソフトを使ってモデラーとして仕事をするようになりました。
Softimageです。まだ日本語の文献もないような時代でしたが、Windows上でSoftimageを使っていました。
そのゲーム会社には2年ほど在籍したのですが、そこを退職した後、当時福岡で映像製作をされていたMarsの重藤さんにお世話になりました。重藤さんのお弟子さんにLightWave 3Dを教えてもらいつつ、仕事を回していただいていました。そのうちに某CGコンテストに応募し、入賞したのですが、その応募作品が審査員である元アニマの笹原さんの目に留まり、声をかけていただいてアニマに入社いたしました。アニマに入社してから約7年ほどになります。
アニマに入社してから半年ほど経った頃に、同僚から薦められました。modoのバージョンが302の頃だったと思います。当時、LightWave 3Dを触っていたのですが、操作系はほとんど違和感がなく、LightWave+便利な機能がたくさん揃ってるという感じでしたので、徐々にmodoへと移行していきました。
まず、作業平面やアクションセンターなど、他のソフトと比べてモデリング時に軸の方向を自由に設定できるところが一番助かっています。特にメカを作る場合などに、この機能はとても重要になってきますので。
あとはRayGLでレンダリングの最終結果の雰囲気を見つつ、リアルタイムでモデリングできるのが良いですね。ライトを移動させ、表面の雰囲気を確認する場合にも使っています。
他には、自分がモデリングする場合、粘土みたいにソフトドラッグをメインに使ってモデリングしていくんですが、他のソフトよりも直感的にモデリングできるように感じます。
またUV展開ツールは他のソフトを使う中では、一番良いなと思います。アニマの中でも、モデリングは他のソフトだけど、UV編集はmodoで行うクリエイターも結構いるんです。
トポロジペンの機能がお気に入りです。リトポロジを行うというよりも、ポイントやエッジを動かしたいときに、面の雰囲気を変えずに、リトポロジペンでちょっとした修正を行うことができます。601では専用のタブができたので、メニューが集約されていて使いやすくなりました。
あと、フィギュア原型の仕事でスケルトンとウェイト、ポーズツールを使いました。今後もフィギュア関連の仕事が来た場合には、modoで全て行っていく予定です。
そうですね。アニマに入ってからは完全にモデラーとして仕事をしています。modoでモデリングを完結させ、質感とセットアップ関連は3ds Maxで行っています。ジャンルはメカからクリーチャー、その他アニメのキャラクタも好きなので、キャラクタと名のつくもの全般を担当しています。
作り方として、最初は映像用のモデリングとそれほど違いはありません。最初にざっくりとしたパーツの分割部分、例えば肩の服のラインなどで分割するといった指示を頂くので、その点を意識しながら、映像用のモデリングと同様、キャラの設定に合わせてTスタンスでシルエットを作ります。この段階で一度クライアント様に見ていただき、手足の長さなどの大きな修正を行います。その後、「この画像のポーズをつけて欲しい」といった指示に従って、ポーズ付けの作業に入ります。
ポーズを付けていくと、モデルのバランスを修正する必要が出てくるので、腕の角度、腰の曲がり具合などのポージングを行いつつ、脚のひねりといったモデルの修正を同時進行で行い、詰めていきます。
ポーズが大体決まってきたら、ポーズの設定画に書き込まれていない足や髪の毛、後姿などについて、「髪の毛はこういう風に揺らしたい」「マントはこうたなびかせたい」「足の開きはこんな感じで」といった細かな指示が来ます。ポーズを付けてみないと、モデリングできない箇所があるんですね。Tスタンスの状態では、髪の毛をどの程度枝分かれした状態でモデリングさせるのか、マントをどのくらい波打たせるのかなどはわからないので、ポーズを付けた後にモデリングしていくことになります。また、ポーズを付けることで、「最初の設定画とは違うニュアンスでこういう感じにしたい」といった後からの指示もありました。
修正はかなり行いましたね。やっぱりポーズに関する修正依頼が多かったです。僕はモデリングまでの仕事が多く、映像系のモデリングはTスタンスで終わることがほとんどなのですが、今回はポーズ込みの造形でしたので、その点で修正が多かったです。
ポーズ付けが終了したら、データをZBrushへ読み込み、細かい服の皺や短パンのフリンジ部分などをスカルプトで作りこみました。その後、今度は3DCoatにデータを読み込んで、ボクセルでダボ穴(※)を作りました(※パーツを組み合わせるための凹凸)。ダボ穴を作るのはさすがにmodoやZBrushでは難しかったので、3DCoatを利用しました。
3DCoatでパーツを分割したら、ZBrushでポリゴンをリダクションし、リダクションしたデータをOBJで納品という流れです。
ただ、実際に立体出力してチェックしてみると、この状態だと型にならないというものもあるので、あらためて分割して送りなおすといったことはありました。
約一月半ぐらいかかりましたね。
フィギュア原型用のモデリングでは、ポーズや髪や服の流れといった、映像系ではアニメーターさんが気にする部分を考慮しながらモデリングするといった部分が違いました。映像系のモデリングではTスタンスで、スケルトンやダイナミクスでアニメーターさんが動きを付けることを念頭にモデリングしていきますが、フィギュア用では最初にこういう形にするという指示があって、その動きそのものをモデリングしていくというところが違います。
あと、フィギュアならではの制限もありました。例えば、厚みが1mm以下では立体出力ができないというでしたので、髪の毛のモデリングなどは気を使いました。
また、CGではポリゴン同士が差し込んだり、めり込んだりといったことを平気で行いますが、フィギュアは立体出力ですから、それはアウトなんです。服が何枚も重なり合っていたり、髪の毛が入り組んでいる箇所など、めり込まないように特に気をつけました。
目視ですね。ポリゴンがめり込んでいないか目で確認しながら、厚みも気にするといった感じです。今回のフィギュアではインナーの上にジャケット、さらにマントを羽織っている箇所などがあり、かなり難しかったです。なるべくmodo上で重ならないように調整をし、どうしても難しい箇所では、3DCoatのボクセルで削ったりしています。
他にも、ポーズをつけた後にもモデリングを行うので、アンシンメトリー(非対称)なモデリング作業が多かったですね。映像用のモデリングだとTスタンスでシンメトリーに作っていくんですが、途中でポーズを付けた後、足のひねり具合を変えたりしていったので、両足違う形状になっていたりします。
ダボ穴や設置面、分割作業なども、通常の映像用のモデリングでは行わない作業でした。
当然、作ったものが立体物となるというのが相当嬉しかったです。
また、映像系の仕事は必ず共同作業、チームとしての仕事となるのですが、今回は原型師として単体で名前を出していただき、自分の作品ですと言えることにビックリしました。他にもいろんな方が関わっているのに、自分だけ名前が出るのが申し訳ないくらいです。
僕はもともとプラモデルとかフィギュアが好きで、原型師の方をリスペクトしていたので、その方たちと一緒に仕事をすることができ、本当に嬉しかったです。
つながりますよ。僕はCG作るのは、基本プラモデル感覚なんです。リアルに見せるやり方というのは、CGよりもプラモデルなどのほうが明らかに歴史が古いものなので、例えば影のところにシャドーをつけて立体的に見せるなんてやり方は、何十年も前からやっていることですよね。フィギュアも肌をリアルに見せるために、ちょっと肘のところに明るい赤を乗せるなど、CGに転用できるテクニックは山のようにあります。
もとからプラモデルやフィギュアが好きで、実際に手で作って逆に思うのが、CGでは履歴を取れること、シンメトリに作っていけるところが良いですよね。これを手作業でやっている方はすごいと思います。
はい。楽しみにしているんです。このフィギュア原型の仕事はすごく楽しかったので、また是非やりたいです!
スケルトンの機能をどんどん強化していって欲しいです。フィギュアの仕事では、ポーズをいったん決めて、服の流れや関節のへこみなど形状を修正した後で、もう一度ポーズの修正を行うことが何度もありました。現状のmodoでは、バインドした後に修正の必要がない場合にはすごく便利なんですが、一部だけをバインドしなおすといった処理が難しいので、バインド機能のやり直しなど、融通がききやすくなると良いなと思います。
また、modoはもともとすごくユーザーフレンドリーなわかりやすいソフトなので、そこは変えずにいて欲しいと思います。バージョンアップするごとに機能がたくさん盛り込まれて、最終的によくわからなくなってしまうソフトも多いので。
あと、The Foundry社と合併したので、NUKEやMARIとの連携など、他のソフトにはないmodoならではの機能を期待しています。
modoで行う場合も、ZBrushで行う場合もあるんですが、modoはレイヤーを持てるので、UVの継ぎ目直しなどに結構使いますね。他にも肌の汚しとかアルファのノイズとかも揃っていますので。ですので、現状の機能にさらにMARIの良い部分などを盛り込んで強化してもらえるといいですね。
先ほども言いましたが、modoはユーザーフレンドリーなソフトで、ユーザーインターフェイスとかが整理されていて迷うことがなく学びやすいので、これから3DCGをはじめる、今までCGソフトを使ったことがないという人にこそお勧めしたいです。
またLightWaveを使っている方は、便利な機能も揃っていて違和感なく移行できるので、お勧めしやすいですね。あと機能の割りに、コストパフォーマンスがすごく高いソフトだと思います。
クリエイターを目指される方に対するアドバイスとしては、キャラクタを作る上での人体の構造やデッサンなどは、早いうちからやっておいたほうが絶対いいと思います。ツールはやっぱりツールでしかなく、ソフトを触ることはあとから勉強すれば身につくことですが、最後は自分の感性や経験が勝負になってくると思うので、そういうところを身につけてほしいなと思います。
高校卒業を期に、ものづくりへの好奇心から東京デザイナー学院でデザインの基礎を学ぶ。同学院を卒業後、株式会社トムクリエイトにて憧れのあったテレビゲームの仕事に従事。2004年12月に退社後、フリーランスとして、数多くのプロジェクトに参加する。
この業界へ進むキッカケは高校時代で、自分の世代は、小学生の時にファミコンなどが大流行した世代なんですが、自分も同じく子供の頃からTVゲームが好きでよくやっていたのですが、高校に入る頃には段々とプレイヤーから製作したいという方向に欲望が流れまして、高校で知り合った親友と夜な夜な怪しいゲームの企画書を書いたりしてました。今思うと完全にイタいですね。
そして進学の時期になり、どうしようかと思っていると彼から東京デザイナー学院のCGデザイン学科というコースのパンフレットをもらい、面白そう!と思い、そこに進むことにしました。ただ、当時のCGデザイン科ではDTPで必要とされるデッサンやデザインの基礎、2DCGや3DCGの基礎的な部分を学ぶことはできたんですが、いかんせん自分としてはゲームやエンターテインメントの企画とか映像などに憧れていたので、同学校を卒業後、DTP系の会社に就職することになるんですが、やっぱりゲーム会社をやりたいという夢が捨てきれず、わずか3ヶ月で退職してそれから約半年間、親に無理を言って実家で本格的な3DCGを独学で勉強し始めました。
はい。当時はあまりCGソフトも豊富にあるわけではなかったのですが、パソコン雑誌に載っていたLightWave 3Dが値段的にも手頃だったので、LightWave 3Dを買って独学で勉強し始めました。そこから半年間は映像を作ることに専念していたのですが、そろそろ就職しなきゃいけないということで、就職情報誌でゲーム会社を探し、その後約7年間ほどお世話になる(株)トムクリエイトに就職しました。(以下T社)
当時、T社ではプレイステーション用の新タイトルを開発している最中で、自分もCGスタッフの一員として入りました。当初はモデラーとして入ったんですが、自分で作っていたアニメーション映像を会社の人に見せたことがきっかけでLightWave 3DでCGムービーを作ることになり、会社で新たにCGムービーセクションを作り、ゲーム中に流れるCGムービーやオープニングムービーなどを任せてもらうようになりました。それ以降は退社するまでに、同タイトルのCGムービーをメインに様々な仕事をやらせて頂きました。
より幅広い映像の仕事をしてみたいと思い、T社を退社後フリーランスになり、在籍中からお世話になっていたサンライズさん関連でアニメーションのお手伝いをさせて頂いたり、その他のアートディレクターさんからTV番組の映像制作や、商品パッケージのCG製作などを手がけました。
T社を退社した時ですね。
会社では、ずっとLightwaveを使っていたので飽きていたというのもあってワークフローの見直しを行い、まず、モデリングで他に良いCGソフトは無いかなぁと思っていた時に、ある雑誌の記事でmodo102を見て、整理されたインターフェースや、SDSベースのモデリングでLightwaveとかなり近い感覚だったので、すぐ購入して使用してみました。H・R・ギーガーのエイリアンの作品集を持っていたので、まずはエイリアンをmodo102でモデリングし、Pixologic社のZBrush2.0でスカルプトを行い、PMG社のMessiahStudioでアニメーション、レンダリングをつけてテストしてみたりしていました。
そのうちmodoにレンダリングの機能が実装されるようになり、GIを使用してかなり高品質の画像が作れるようになったので、静止画ベースの仕事は、modoでモデリングからレンダリングまで完結できるようになりました。
そうですね。フリーになってから、いくつかの案件で印刷物やWebなどで使う商品カットのCG製作をさせて頂きました。いろんな分野の仕事をするのは、刺激があっていいですね。
多分、過去一番のアップデートですよね。とにかくアニメーションの機能強化が大きかったので、そこを重点的に使っています。今回、東京おもちゃショー用のTOYOTAさんのコンセプトカーの映像プロジェクトに関わったんですが、modo 601を使いました。
今回の映像パートの製作チームは皆、個人で活躍なされいるアーティストさんで構成されていました。デザイン/モデリング/アニメーション/オーサライズといった役割を分担し、CGスタッフは自分含め4人でそれ以外にディレクターのTGBデザインさんとイラストレーターの方のチーム構成で制作期間は約1ヵ月半ぐらいでしょうか。自分は、オーサライズなどCGパート全体の統括を担当しまして、初めて海外のレンダーファームを使ったり、ソフトウェア的な制限の対処などで苦労しましたが、最終的には、皆さんの力のお陰で良い映像になったと思います。
笑っちゃう話ですが、会場に来ていた海外の方が映像を見て、「この映像は、○○○ー(海外の超有名CGプロダクション)が作ったのか?」と質問された方がいたみたいで(笑)modoのレンダリングが、高品質なので映像の質感というか特徴によってそう感じたのかもしれません。
日本は、セルアニメーションが有名なのでこういった海外っぽい雰囲気の映像が珍しかったのかなと思います。いずれにせよ、CGクリエイターにとって、最高に嬉しい勘違いでしたね(笑)
ものすごくいっぱいあります(笑)。 とりあえずアニメーション関係の基礎的な部分の強化をしてほしいですね。シーン全体を自在に管理するツールや、ポリゴンの表示を自動で制限してリアルタイムに再生を行ったり、 音声データの読み込みや、ビューポートのオニオンスキンも欲しいですね。パーティクルなどのエフェクト系も頑張って欲しいです。
あと重要なのが、製作パイプラインの中でmodoがしっかり機能するためには、Alembicやmdd、FBX、OBJ、IGS(プラグインでサポート)など既にmodoがサポートしている汎用フォーマットの入出力の強化や、PTEXのサポートなど、他ソフトウェアとのパイプラインの関係をより堅牢なものにしていく事が重要だと思います。他のソフトウェアとの連携がさらに強固になれば、より幅広いユーザーの方がmodoを使ってくれるんじゃないかなと思います。
modoは、自分が何をしたいのかということが明確にわかっていれば、非常に使いやすいソフトだと思います。modoの場合、他のソフトウェアとは違い、左のタブから順番に進めていけばレンダリングまでいけるというレイアウトになっているので、今までCGソフトを使った事が無いデザイナーさんなどにとっても比較的とっつきやすいと思います。
洗練されたインターフェイスもいいですね。
また、クリエイターを目指される方へのアドバイスとして、自分の進む分野があると思いますが、それ以外のまったく違う分野なども覗いてみてもとても参考になる事が多かったりしますので、デザインだったり、実写だったり、いろいろ興味を持たれると良いんじゃないかと思います。CGはバーチャルな分野なので実際のカメラを持ってみるのもいいですよね。今は比較的安い値段でデジタル一眼で撮影を楽しめちゃういい時代なので、実際に自分で実写撮影してみてもとても面白いと思います。
テレビ番組「アインシュタイン」「ウゴウゴルーガ」、ゲーム「せがれいじり」などを製作。現在はETV「いないいないばあっ!」「おかあさんといっしょ」など子供向けのCGアニメーションや歌舞伎役者 市川染五郎さんとのコラボ作品を毎年制作する傍ら、ライブ活動や自主映像製作に勤しむ。
18〜19歳の頃、バンドをメインに活動していたのですが、師匠である平沢進さんのところで丁稚奉公みたいな形で手伝いをさせていただいていた折に、平沢さんからAMIGA 1000というコンピュータでCG映像が作れると教えてもらいました。面白いじゃないか!ということで自分でもAMIGA 500を購入し、曲にあわせるための映像をいろいろと作っていたんです。そうこうしているうちに、あがた森魚さんのプライベートバンドでベースを弾いていた時知り合った方が、フジテレビの「アインシュタイン」という番組でスタッフを募集しているということで、そこから仕事として映像製作を始めるようになりました。
ですので、もともとアニメが特別好きとかいうことではなく、音楽のついでにもっと面白いことができる!ということで、CG製作を始めたんです。
今はNHKの子供番組「いないいないばあっ!」の「びりびりびり」というタイトルを年に7〜8本のペースで製作したりしています。このシリーズは今年で3年目を迎えました。他は「ジラファント」という名義でライブ活動しながらCDやDVDなど製作したり、「ドジったーズ」というデジタルブックを月1回のペースで配信しています。
Deluxe Paint(デラックスペイント)ですね。あとはSculpt 3Dとか。ただ当時、Sculpt 3Dは単なる球をレンダリングするのに一晩かかるような時代でしたから、もっぱらDeluxe Paintを使ってました。
Video Toaster(ビデオトースター)が出た頃からはLightWave 3Dを使っていました。「ウゴウゴルーガ」の製作はLightWave 3Dでしたね。
modoは一番最初のバージョン(101)の時に知人に教えてもらいました。LightWaveの作業の流れとあまり変わることがなく、画面デザインも格好よかったのですが、当時はアニメーション機能が実装されていなかったので、しばらくは使っていませんでした。やっぱりLightWaveで作業したほうが速いということもありましたし、もともとそれほどフォトリアル系の高品質なCGは作らないので、だったらLightWaveのままでいいかと思っていたんです。
前バージョンのmodo 501の時ぐらいから、もうそろそろキャラクタアニメーションの機能がつくのではという噂を聞いていたので、そろそろ本格的に勉強しようかと思い、自主制作作品「ドジったーズ」を作りながら勉強していました。
スケルトン機能が実装されたこと、あとパーティクルの機能がいいですね。LightWaveでスケルトンを組む場合、モデラーとレイアウトを行き来しながら調整することになりますので、正直面倒くさいんですね。modoの場合だと、後からいくらでも変えられるし修正もきくので大変楽です。例えばロケータやリプリケータ、インスタンスなどの基本的な仕組みさえ学べば、アイテムやテクスチャ、あげくスケルトンまで同じ仕組みで扱えるんで、新たに学習する部分が少なくていいなと感じました。
modo 601を使い始めてから、実際の製作作業のワークフローはもうmodoだけで完結し、最後の仕上げをAfter Effectsで行うといった形に変わりました。
そうですね。この機能がないと、LightWaveでキャラクタアニメーションをつけて、MDDでデータを持ってくることになりますが、それでは手間がかかってしまいます。
modoの場合はスケルトンの設定方法もかなり簡単ですし、ジオメトリの中心にスケルトンを作ってくれるオプションが用意されているのもいいです。左右対称にスケルトンを書いていくこともできますし、IKの設定も簡単です。
特にレンダリング機能が気に入っています。SSS(サブサーフェイススキャッタリング)機能やGIの機能がボタン一発で手軽に使えたりするのが、とても助かります。同じ画像をLightWaveで作ろうと思ったら、すごく大変なんです。しかもmodoの場合はレンダリング速度も速いですね。
あとはユーザーインターフェイスです。機能が増え複雑になってくると、インターフェイスから想像できない機能というのが増えてくるものなんですが、modoの場合は直感的にほぼ理解できます。そういう点がとてもいいですね。
安定性ですね。あと、それほど複雑ではないシーンでも重くなってくる場合があり、リフレッシュの反応がちょっともっさりしている感じがします。
あとプリセットでスケルトンが提供されていると、すごくいいですね。がっちりスケルトンが組まれたバージョンと簡易バージョン、さらに四足バージョンなどの基本的なプリセットがあると、それを元に後は自分で調整するだけですむので、かなり便利だと思います。
僕の場合は、あまりハイレベルなCG製作を行うわけではなく、基本機能があれば十分に世界が作れますので、他にはあまり要望はないんです。やっぱりリフレッシュ速度かな?
3Dソフトの使い方や考え方の基本って、どれも同じだと思うんです。CG製作を個人レベルではじめたいのであれば、modoのように導入コストが安く維持費がかからない、その上きちんと結果までを持っていけるソフトというのはなかなかないので、オススメだと思います。会社で共同作業をするのであれば、3dsMaxやMayaといった選択肢もあるんでしょうが、個人で自分の作品を作りたいと思うのであれば、modoはメリットが大きいと思います。
あと、modoは意外としきいが低いです。僕の理解度がどの程度なのかはわかりませんが、3Dの基本さえ知っていれば、すぐに使える感じがありますね。
クリエイターを目指す方へのアドバイスとしては、パソコンやネットを使わない部分に意識を持って行くのがいいと思います。パソコンやネットの中で考えていると発想が論理的になりがちで、何かアイデア求められた時の発想が偏ってしまいますしね。
自然物や物質、生命の情報量や熱量はスゴイですから、今日は天気がいいなぁとか、このニンジン旨いなぁとか、どんな些細な事でも、身体で感じる事は人類共通で、流行に関係ない部分だと思うんで、そこを軸にすれば迷いを減らして効率上げられるんじゃないでしょうか。
それと常々意識してるのは両親や甥、姪など子供たちが見て面白がるかな?という所です。パソコンやネット、CGの事なんかまったく知らない人が観ても楽しんでもらえる部分が大事だと思います。厳しいですけどね。