本チュートリアルではSketchTone Materialをご紹介します。このマテリアルを適用しようとすると、最初にスケッチマップと呼ばれる画像を指定しなくてはいけません。このため、SketchTone Materialの効果を存分に発揮するためには「スケッチマップとは何か」「スケッチマップが表現にどのような影響を及ぼすのか」を、あらかじめ十分に理解する必要があります。
ではまずスケッチマップについてみていきましょう。ドキュメントでも解説されているとおり、スケッチマップとは「複数の不透明度をもつストロークを組み合わせた画像」であり、このスケッチマップを利用して網掛け処理を行うことになります。とはいえ、それだけだと直感的に理解しづらいですので、原理を理解するために非常に簡単な例をご紹介します。
今回、スケッチマップの原理をご紹介するため、このような簡単な画像を用意しました。
この画像では、不透明度100%(=0%の黒)でアルファベットAを、不透明度75%(=25%の黒)でアルファベットBを、不透明度50%(=50%の黒=黒と白のちょうど中間色)でアルファベットCを書いています(※画像のダウンロードはこちらから → 画像のダウンロード。ただし同じような簡単な画像をご自分でご用意いただいても構いません)。
ではmodoに移り、シンプルなボールをひとつ作ってみましょう。どんな大きさでもかまいません。シェーダタブに移り、レイヤー追加 > NPR Materials > SketchTone Materialを選択します。一番最初にスケッチマップを指定する必要がありますので、modoの中でまだこの画像を読み込んでいない場合には、クリップの追加 > (画像の読み込み)で画像を選択してください。
すると上記図のように、モデル上にアルファベットが貼り付けられるようになりますが、場所によって、Aの文字だけ、AとBの文字だけ、AとBとC全ての文字が描画されている箇所があるのが確認できます。これは元々のシェーディングによる明暗に従って、明るい場所はスケッチマップの中の不透明度が高い(=色が濃い/黒が強い)模様を拾い、暗くなるに従って、不透明度が低い(=色が薄い/黒が弱い)模様を拾い上げて、モデル上に展開しています。
文字が大きすぎてわかりにくいようであれば、Tilesの値を32程度まで上げて確認してみてください。
この例ではあくまで原理を説明するために、スケッチマップの模様をわかりやすくしているため実用的とはいえません。
より実用的なサンプルとして、不透明度100%/75%/50%/25%の4色で単純な網掛け模様を構成している下記の画像を用意しました(ダウンロードはこちらから → 下記画像のダウンロード)。
modoで新たにシーンを開き、今度はコンテンツ > Mesh > Food > Apple01を開いたら、シェーダツリーに移り、レイヤー追加 > NPR Materials > SketchTone Materialを適用します。上記画像を指定してください。
シェーディングの明暗に従い、網掛け模様の複雑さが変化しているのがわかりますね。より細かな網掛け模様にするため、Tilesの値を48に変更します。
さらに、Colorを濃い緑色に変更し、Shadow Amountの値を100%にします。このShadow Amountの量はモデル自身の影をモデル上に落とす割合を設定します。この値を100%を設定することで、モデル上に影を落とし、表現にアクセントを加えることができる場合があります。
このように、SketchTone Materialではスケッチマップを自分で用意することで、シェーディングの明暗によりマッピングされる模様を自分でコントロールすることができるという特性を持っています。
最後にスケッチマップの作り方をわかりやすく説明している動画をご紹介します
様々なスケッチマップを作って、自分だけの表現を追及してみてください。
NPR(ノンフォトリアリスティックレンダリング)キット 製品紹介ページ
NPRキットの使い方については、他のチュートリアルページもどうぞご覧下さい
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