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10.カラーコーンを作ってみよう

みなさん、こんにちは。

特別連載コラム「MODOモデリングツールの基礎」を担当している T.F です。

このコラムでは、MODOのモデリングツールにフォーカスし、様々なツールをわかりやすくご紹介しています。

今回は工事現場などに置かれているカラーコーンを作ってみたいと思います。


下絵の準備

モデリングを進めやすいよう、あらかじめ下絵(テンプレート)の画像ファイルを用意します。今回は単純なモデルなので側面の図のみを用意しました。

モデリングの作業自体は下絵を用意しなくても進めることが出来ますが、手描きのスケッチのような簡単なもので良いので、目安になるようなものを用意しましょう。作業効率がグンと上がります。

※下絵の画像ファイルは以下よりダウンロードしてご利用いただけます。

template-side.png (700×850)

用意した下絵の画像をMODOに読み込みます。

エクスプローラ、またはFinderに画像ファイルを表示させ、「template_side.png」をMODOの3Dビューポートにドラッグ&ドロップします。


ドラッグ&ドロップした画像ファイルはMODOのシーンの中で、「Backdrop Item」の画像に割り当てられます。

アイテムリストで「Backdrop Item」を選択し、プロパティの値を調整します。

プロジェクションのタイプ 正面
ピクセルサイズ 1mm
※用意した下絵の画像サイズに合わせて調整します

※「Backdrop Item」には他にも「コントラス」、「輝度」、「透明度」などのプロパティが用意されています。これらを調整してモデリングしやすい下絵の表示にします。

※MODOに読み込んだ下絵の画像がアルファチャンネルを持っている場合、その部分は透過して表示されます。


アイテムリストを見たときに、何に使用しているアイテムがわかりやすいよう「Backdrop Item」の名称を「template_side」に変更しておきます。

次は下絵にそってモデリングしやすいよう下絵のコーンの下の中央部分が原点の位置になるようにします。 3Dビューポートの表示を「正面」に変更します。

「template_front」を選択し、移動ツールを起動して下絵のコーンの下の中央部分を原点付近になるよう移動させます。

3Dビューポートの表示を「パース」にもどします。 原点付近でモデリングする際に、下絵がじゃまにならないよう下絵はZ方向に移動させておきます。 移動が終わったら移動ツールは解除してください。

モデリングの操作を行っているときにうっかり下絵を操作してしまわない様 「template_side」をロックしておきます。右クリックして表示されるコンテキストメニューから「ロック/ロック解除」を選択します。

ロックされているアイテムにはアイテムリストで鍵(かぎ)のアイコンが追加され、トランスフォームなどのプロパティの値を調整できなくなります。

※ロックを外す場合には再度アイテムを右クリックして「ロック/ロック解除」を選択します。 これで下絵の準備が完了です。


カラーコーンの製作

ここからは実際にモデルを作成します。アイテムリストでMeshアイテムを選択し、ポリゴン選択モードに変更しておきます。

カラーコーンのモデルの円錐の部分は円錐ツールで作成します。 円錐ツールボタンをクリックしてアクティブにし、3Dビューポートを2回ドラッグすると円錐を作成することができます。

※もし円錐が横に倒れるように作成された場合には、左下のツールプロパティの軸が「Y」に設定されているかどうか確認してください。


ここからは下絵を見ながら円錐の位置/サイズを調整します。 3Dビューポートを「正面」に変更し、下絵が見えやすいよう表示を「ワイヤーフレーム」に変更します。

ハンドルをドラッグして、円錐の位置やサイズを下絵に合わせます。

次に奥方向(Z方向)の位置やサイズを調整しますが、これは正面のサイズと同じなのでこのままのビューの状態でツールプロパティを使って数値で設定することが可能です。 ここでは以下のように設定します。

位置 X0mm Z0mm

サイズ Z120mm(サイズXと同じ長さ)

※この後の作業がやりやすいようサイドは24、セグメントは1にしておきます。

これで底が真円の円錐になりました。ベースとなる円錐はこれで完成ですので、円錐ツールを解除します。

円錐の上部分のとがってる部分は不要ですので、スライスツールで切れ込みを入れて削除します。 メッシュ編集タブの「スライス」ツールをクリックして起動させます。

円錐の先端を真横にスライスしたいので、スナップ機能を使います。 ちょうど高さ700mmのところにグリッドがあるので、グリッドにスナップするよう設定してスライスすればうまくいきそうです。

Altキーまたはoptionキーを押すと、「スナッピング」ボタンの表示が「オプション」となります。

その状態でクリックするとスナップの設定を行う「スナッピングポップオーバー」パネルにアクセスできます。ここでは「グリッド」チェックボックスをONにし、スナッピングをONにします。

3Dビューポートをドラッグすると、スライスツールのハンドルがグリッドにスナップするのが確認できます。 高さ700mmの位置にあるグリッドに合わせてスライスし、ツールを解除します。 スナッピングもOFFにしておきます。

ではスライスして作成された上部のとがった部分のポリゴンを削除します。

選択モードが「ポリゴン」選択モードになっていることを確認し、3Dビューポートをマウス右ボタンを押しながらドラッグして投げ縄選択機能で上部のポリゴンを囲って選択します。

※もし3Dビューポートがシェーディング表示されている場合には、マウスの中ボタンをドラッグして投げ縄選択を行ってください。シェーディング表示のようなポリゴンの面が表示される表示モードでは右ボタンのドラッグで投げ縄選択するとこちらを向いていない向こう側のポリゴンが選択されません。


Deleteキーを押して削除します。

3Dビューポートを「パース」に変更し、表示モードを「デフォルト」に変更してモデルの状態を確認します。

先ほどポリゴンを削除してできた穴を塞ぎます。エッジ選択モードで穴のふちのエッジをダブルクリックし、穴の周りのエッジを選択します。

「P」キーを押してポリゴンを作成します。

次はカラーコーンの下の四角い部分を作成します。 今回は立方体作成ツールを使ってベースのモデルを作成し、後でブリッジツールを使って円錐のパーツと一体化させます。 立方体作成ツールを起動させ、3Dビューポートを2回ドラッグして、ベースのモデルを作成します。位置やサイズは後程下絵と合わせながら数値を指定するのでここではおおよそ合っていれば結構です。

3Dビューポートを正面ビューに変更し、下絵に合わせて立方体の位置、サイズを調整します。

ツールプロパティで位置やサイズを細かく調整します。

位置 X0mm Z0mm

サイズ Z300mm(サイズXと同じ長さ)

※この後の作業がやりやすいよう以下の値も設定しておきます。

セグメント X6 Y1 X6

軸 Y


立方体ツールを解除し、3Dビューポートの表示を「パース」に変更してモデルを確認します。

今作成した立方体のモデルを元に、一番下の段も作成します。 ポリゴン選択モードで立方体の底のポリゴンをすべて選択します。

「B」キーを押してベベルツールを起動させ、赤いハンドルをドラッグして、外側にインセットさせます。

3Dビューポートを「正面」に変更し、下絵に合わせてインセットのサイズを調整します。

Shiftキーを押しながらビューポートをクリックし、一旦ベベルを確定させてから再度ベベルを行います。 下向きのハンドルをドラッグして、一番下の台に高さをもたせます。

次は円錐のパーツと四角い台のパーツをブリッジで接続しますが、その前に不要なポリゴンを削除します。 パースビューに変更し、2枚のポリゴンを選択します。

Shiftキーを押しながらGキーを押してビトウィーン選択します。

Deleteキーを押して削除します。

台の下の部分のポリゴンも不要なので、同じ手順で削除します。まず2枚のポリゴンを選択します。

Shiftキーを押しながらGキーを押してビトウィーン選択します。

Deleteキーを押して削除します。

円錐の下の部分のポリゴンが見えていますが、このポリゴンは不要なので削除します。 まずポリゴンを選択します。

Deleteキーを押して削除します。


エッジ選択モードに変更します。 円錐の下の部分のエッジをダブルクリックしてループ選択します。 台のふちのエッジをShiftキーを押しながらダブルクリックし、追加でループ選択します。

複製タブにあるブリッジツールをクリックして起動し、ビューポートをクリックします。 すると選択していたエッジをつなぐようにポリゴンメッシュが作成されます。 きれいにブリッジされたのを確認したらツールを解除します。

コーンの上部が平らのままですので、ベベルツールでカドを丸めます。 まず、カドの部分のエッジをダブルクリックしてループ選択します。

Bキーを押してベベルツールを起動させます。 ツールプロパティで丸めレベルを「2」、エッジシェイプを「丸め」に設定してハンドルをドラッグします。

モデル全体のフォルムを確認します。 パーツのつなぎ目や角(かど)の部分を滑らかにするためにサブディビジョンサーフェイスの機能を使います。

Tabキーを押して、サブディビジョンサーフェイスをONにします。 すると全体が滑らかになりますので、角(かど)の丸まり具合を調整します。角(かど)を調整するにはいくつかのやり方がありますが、今回はエッジを追加して角を立てる方法を紹介します。

エッジの状態がわかりやすいようTabキーを押してサブディビジョンサーフェイスをOFFにし、調整したいエッジをダブルクリックしてループ選択します。ループしたエッジを追加選択したい場合には、Shiftキーを押しながらダブルクリックします。

Bキーを押してベベルツールを起動させハンドルをドラッグしてエッジを追加します。このときツールプロパティでエッジシェイプを「矩形」にしておくと、選択されていたエッジはそのまま両サイドにエッジを追加することができます。この設定はサブディビジョンサーフェイスを使ったモデルを編集する際、大変有用です。

再度Tabキーを押してサブディビジョンサーフェイスをONにします。 ベベルツールでエッジを追加した部分がきれいな状態になったのが確認できました。これで完成です。

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