アドバンスト 3D ビューポートは 12.1 で大きな改良が加えられました。12.1 ではアドバンスト 3D ビューポートにおいてより複雑なマテリアル設定を直接レンダリングできるようになり、マテリアルに加えた変更をリアルタイムで確認できるようになりました。アドバンスト 3D ビューポートではグループマスクを完全にサポートするようになったため、複数のマテリアルレイヤーに対するマスク処理が行えるようになり、極めて複雑な複数レイヤーのマテリアル設定をレンダリングできるようになっています。
また、アドバンスト 3D ビューポートはグループマスクのブレンドモード、および不透明度の設定をサポートするようになったため、Modo のプレビュービューポートにおけるマテリアル描画と、アドバンスト 3D ビューポートにおけるマテリアル描画は、ほんの僅かの差で収まるようになりました。
ビデオ:Rendering AVP
Modo ではドリブンクションをサポートするようになり、単一のチャンネルを介してアクションに対してキーを設定することができます。これにより、アクションの時間を再編成したり、タイムワープの効果をつけたり、さらには複数のアクションを同じタイムライン上で操作することが可能になります。Actions (アクション) パレットに、新たに Driven Actions (ドリブンアクション) オプションが追加されています。
グラフ編集では新たにボックススケーリングツールが実装され、複数の選択キーをスケールしたり移動させることが可能なりました。
グラフ編集に新たなスロープタイプとして Smooth Flat (スムーズフラット) が追加され、キーとキーの間の補間方法が改良されています。このスロープタイプでは、キーの値が周辺のキーに近づきすぎて衝突を起こすことがないよう、接線を調整します。新たにキーを作成すると、このスロープタイプがデフォルトで設定されます。
Curve Particle Generator (カーブパーティクルジェネレータ) ツールでは、いくつかのバグ修正を行うとともに、プロパティのインターフェイスを CPG Distribute (CPG 分布) と CPG Control (CPG コントロール) という2つにタブに分けました。
さらに、以下のオプションが追加され、パーティクルで作業する際のワークフローが改善されています:
Point Mode (ポイントモード) > Exact Distance (絶対距離) – パーティクル間の距離を絶対値で設定します。カーブの端を越すと、終端のポイントは消滅します。
Particles ID Mode (パーティクル ID モード) – パーティクル ID のモードを設定することができます:Span Each Curve (各カーブの間隔) / Span All Curves (全カーブの間隔) / Random (ランダム)
Alignment Mode (整列モード) – 次のオプションの一つでパーティクルの整列のモードを設定することができます:Automatic (自動) / Curve Direction (カーブ方向) / Mesh Normal (メッシュ法線) / Mesh Direction (メッシュ方向) / None (なし)
Reverse Axis (軸の反転) – 指定した Forward Axis (前方軸) に基づいて、パーティクルの方向を反転します。
Radial Position Jitter (放射位置ジッター) – 各パーティクルの位置に対してランダムなバリエーションを設定します。この値を使用すると、パーティクルの放射に対して不均等具合を設定することができます。
Rotation Jitter (回転ジッター) – カーブに沿ったパーティクルの回転をランダム化します。
Scale Jitter (スケールジッター) – カーブに沿ったパーティクルのスケールをランダム化します。
ビデオ:Curve Particle Generator Update
Curve Rebuild (カーブリビルド) ツールには新たに Exact Distance (絶対距離) オプションが追加され、カーブに沿ったパーティクル間を絶対距離で設定できるようになりました。
Edges to Curves (エッジをカーブへ) ツールは複数のカーブをサポートするようになりました。
ビデオ:Edges To Curves MeshOp Update
グラディエントの Value (値) / Color (色) のオプションをプリセットとして保存可能になったことで、他のプロジェクトで使用したり、他者と共有できるようになりました。プリセットは プリセットブラウザ > Assets > Envelops ディレクトリへと保存されます。いったん保存したら、Preset Browser (プリセットブラウザ) から Graph Editor (グラフ編集) や Gradient Editor (グラディエント編集) 上へとアセットをドラッグアンドドロップするだけで、シーンへ適用できます。
Vertex Normal Toolkit (頂点法線ツールキット) のインターフェイスは Modo 12.1 で大きく変更されました。頂点法線の扱い方が完全に変更されています。12.1 からは、ジオメトリを変形したり編集するとその修正が保存され、法線マップを作り直すことなく、自動的に Modo のネイティブなスムージングがアップデートされます。この新しいツールパレットでは、ハードエッジ、ソフトエッジをすばやく選択することができ、異なるタイプのジオメトリを選択肢、その選択部分を適用することができます。
新たに実装された Smoothing Groups Manager (スムージンググループマネージャー) を使用すると、複雑なモデルを操作している時に、ポリゴンへスムージンググループを簡単に設定できるようになります。
マテリアルアイテムには以下のウェイトオプションが追加されました:
Normal Method (法線メソッド) – 次のオプションを使用してジオメトリの面法線を生成する方法を指定します:Default (デフォルト) / Newells
Sum Coplanar Polygon Areas (同一平面ポリゴン面積の総計) – 隣接する同一平面ポリゴンの面積の総計です。
Weight by Polygon Angle (ポリゴン角度によるウェイト) – 頂点においてより大きな角度を形成するポリゴンに影響を及ぼします。
Crease by Smoothing Angle (スムージング角度による折り目) – マテリアルのスムージング角度によりメッシュの折り目のシェーディングを切り替えます。
Smoothing Groups (スムージングループ) – スムージンググループの取り扱い方法を以下のオプションから選択します:Off (オフ) / Crease (折り目) / Force (強制)
Crease by Hard Edges (ハードエッジによる折り目) – ハードエッジによってメッシュのスムージングの分割を切り替えます。
Modo 12で追加された Fusion サーフェイスストリップ機能に、さらなるオプションが追加されました。Fusion Item 用の 新たなオプション Strips Polys Only (ストリップポリゴンのみ) を使えば、ストリップジオメトリのみを評価し、生成します。サーフェイスメッシュが生成されることはありません。このオプションを有効にすると。メモリ使用量を減らすことができます。
さらに、2つにオプションが追加され、サーフェイスストリップ機能で生成されるトポロジをよりコントロールできるようになります。
Absolute Quad Length (ストリップ矩形絶対長) – Strip Lengh Abs (ストリップ絶地長) と連動し、ストリップ内における各ポリゴンの長さを定義することができます。必要に応じて、各ストリップアイテム単位での長さが優先されます。
Perpendicular Recovery (垂直リカバリ) – ストリップ交差エッジが交差近傍の垂直位置へと戻る速さをコントロールします。これにより、MeshFusion サーフェイスストリップが作成するトポロジをよくコントロールできるようになります。このオプションを指定することにより、Fusion モデリングの後にダイレクトモデリングもしくはプロシージャルモデリングで、よりクリーンなジオメトリで操作できるようになります。
ビデオ:MeshFusion Surface Strips Update
プロシージャル用として新たに Select Connected (連結を選択) メッシュオペレーションが追加され、ポリゴン、頂点、もしくはエッジ選択に連結しているジオメトリをすばやく選択できるようになりました。このメッシュオペレーションでは、Select By Index (インデックスで選択) などのようなそれより前の選択手法を用いて、全ての頂点、エッジ、ポリゴンを計算します。
ビデオ:Select Connected Selection Operation
プロシージャル用に Convert (変換) メッシュオペレーションが追加され、指定したタイプ(ポリゴン、エッジ、もしくは頂点)から他のコンポーネントタイプへとコンポーネントの選択を変換します。このオペレーションは、Mesh Operations list (stack) (メッシュオペレーションリストスタック) 内の最後にあるプロシージャルメッシュオペレータにより使用されます。オリジナルのソース選択はそのままで、新しい選択が追加されます。
ビデオ:Convert Selection Selection Operation
Edge Slide (エッジスライド) ツールのプロシージャルモデリング版が追加されました。Edge Slide (エッジスライド) メッシュオペレータは選択しているメッシュエレメントを連結エッジに沿って移動します。
このツールには2つのメインとなるモード Radial (放射状) モードと Linear (リニア) モードが用意されており、選択のスタイルや用途に合わせて使用することができます。
Edge Split (エッジ分割) ツールのプロシージャル版が追加されました。このツールはエッジセットを選択すると、2 つ以上の複数のメッシュへと分割することができます。Gap (間隔) の距離値を変更すると、インタラクティブに更新されます。
新たにプロシージャル用の Select Loop (ループ選択) ツールが追加されました。Mesh Operations list (メッシュオペレーションリスト) でその前に行った選択オペレーションに基づいて頂点、エッジ、もしくはポリゴンのループ選択を行います。
ビデオ:Select Loop Selection Operation
新たにプロシージャル用の Polygon Merge (ポリゴン結合) ツールが追加されました。このツールは連結選択しているポリゴンを取得し、一つのポリゴンへと結合します。また Select by Previous Selection (前回の選択で選択) オペレーションにこのツールを適用することもできます。
新たにプロシージャル用の Unify Polygons (ポリゴン単一化) ツールが追加されました。このツールは全く同じ空間に存在し、同じ頂点を共有している2つのポリゴンがある場合に、この2つのポリゴンを一つのポリゴンへと単一化します。
新たにプロシージャル用の Push (プッシュ) ツールが追加されました。このツールは選択したアイテムの法線に沿って、選択したジオメトリを移動します。
ビデオ:Push MeshOp
新たにプロシージャル用の Surface Constraint (サーフェイスコンストレイント) ツールが追加されました。このツールは Mesh Constraint Background (背景メッシュコンストレイント) オプションに基づいています。このツールを使えば、シーンの中のジオメトリを他のジオメトリの一部へとコンストレイントさせることができます。
ビデオ:Surface Constraint MeshOp Closest Option
ビデオ:Surface Constraint MeshOp Directional Option
ビデオ:Surface Constraint MeshOp Half Ray Option
ワークフローを改良するため、レイアウト作業中において、いつでも Render Display (レンダー表示) ビューポートにアクセスできるよう、新たにボタンを追加しました。
2D カメラ回転に対応するため、カメラアイテムに Film Roll (フィルムロール) オプションが追加されました。アニメーション再生時に、3D ビューポートでこの結果を確認することができます。
リプリケータアイテムに Use Polygon with Connectivity (連結ポリゴンを使用) オプションが追加されました。このオプションは各ポリゴンに対してレプリカを生成し、各ポリゴンの中心にポリゴンの法線方向の向きに配置します。このモードはポイント順ではなく、ポリゴンの連結方法を考慮します。さらに、近接の連結している四角ポリゴンに対するパーティクル軸の X および Z 方向に沿います。
ビデオ:Replicator Connectivity Option
新たにプロシージャルモデリング版の Symmetrize (対称化) ツールが追加されました。このツールはメッシュの半分を削除し、もう片方の半分を鏡面コピーします。
テクスチャロケータには新たに Front Culling (正面カリング) オプションが追加され、カメラから直接可視状態にあるジオメトリの部分のマップのみをマップするテクスチャシャドーを作成することができます。
ビデオ:Texture Locator Front Culling
このリリースで修正が加えられたインターフェイスの変更点については、以下のビデオをご覧ください:
ビデオ:Beta Layout
UV Pack (パック) 機能には新しいアルゴリズムが実装され、UV パック処理が高速化され、UV マップの占有率も高くなりました。新しいアルゴリズムでは凹型の UV 島の形状をパッキングする場合に、より最適化が施されています。
このリリースから、UV Pack (パック) ツールに対して新しいオプションがいくつか追加されています:
Gap by Pixel (間隔(ピクセル値)) – 画像ピクセル単位による間隔の値を設定します。これにより、UV 島と UV 境界との間の距離を正確にコントロールできるようになります。
Polygon Tag (ポリゴンタグ) – Material (マテリアル)、Part (パート)、Smoothing Group (スムージンググループ)、もしくは Selection Set (選択セット) による選択を行うことで、ポリゴンタグタイプにより UV 島を個別の UDIM 空間へとグループ化します。
Background Constraint (背景にコンストレイント) – UV 島を利用可能な空の空間へとパックします。背景の UV に合わせてスケールします。
Pack UVs to New Map (UV を新規マップへパック) – オリジナルの UV マップはそのままで、それぞれの UV マップが各指定したポリゴンタグタイプに基づいて作成されます。
ビデオ:Pack UVs Background Constraint
Modo VR は Modo 12.1v1 へと統合され、新たに VR レイアウトが実装されました。このレイアウトで、VR における レイアウトやアノテーション、再生、レビューなどのの一人称操作を Modo の中で行うことができます。Modo VR は Modo のアドバンストビューポートテクノロジーにより構築されており、VR ヘッドセットを用いて現実世界のスケールやパースの状態でモデルを確認することができます。Modo を介して VR で直接コンテンツを確認することができれば、アプリケーションを切り替える必要がなくなり、作業時間の劇的な短縮が望める他、また全体の没入感や、オブジェクトのスケールやパース感とアーティストとのつながりが大幅に改良されます。