MODO 11.1 における新機能
Alembic 入出力、ストリーミング、ベイクに関する改良
Alembic ストリーミングの改良点
Alembic ストリーミングデフォーマおよび Alemvic ストリーミングメッシュを使用しているジオメトリをストリームできるようになりました。
Alembic 読み込みオプションダイアログにはポリメッシュストリーミングオプションメニューが追加され、カレントシーンに対してジオメトリアイテムとデフォームを読み込むことができるようになりました。これにより、MODO やその他デジタルコンテンツ制作ソフトウェアから出力された非常に大規模なアニメーション設定が施されている Alembic 形式のファイルをレイアウトし、レンダリングできるようになりました。さらに、パーティクル、シミュレーションメッシュ、カーブ、複数 UV セット、メッシュのコンポーネント、マテリアルも MODO へと読み込めるようになっています。
Alembic 書き出しに関する改良
Almbic 出力機能にも、Alembic ストリーミングを実装するなど、より良いワークフローを実現するべく様々な改良が施されました。大量のキーフレームや深い階層構造、リプリケータなどが設定されたシーンを出力する時点におけるパフォーマンスは劇的に改良されました。
Alembic 入出力オプションには、アイテム名称内に固有接尾辞を含むオプションが追加されたことにより、アイテム名称における接尾辞を無視することがなくなり、Alembic ファイルの入出力および修正を通して、命名規則を維持できるようになります。強制的にアイテム名称を英数字のみに変更オプションも追加され、出力するアイテム名称を英数字にフィルタリングすることで、Katana や Nuke との互換性が取れるようになっています。
アドバンスト 3D ビューポート拡張
アドバンスト 3D ビューポート
アドバンストビューポートに対しては、フレームレートの速度向上のため、パフォーマンスに関する改良が施されています。
初期設定の OpenGL 表示設定には、AVP はマテリアルテクスチャ領域を許可オプションが追加されました。このオプションを有効にすると、3D ビューポートがデータをテクスチャ内部に保存するのか、通常のバッファに保存するのかを確定します。
さらに、パフォーマンス向上のため以下の 3D ビューポートプロパティが追加されました:
- シャドー CSM – シャドーバッファプロジェクションの数を設定することで、カスケードシャドーマップシステムが光源に対して使用され、曲面のサーフェイス上に対するカーブ状の影を演出できるようになります。
- シャドーサイズ – 深度が影を投影するときに使用されるテクスチャ解像度を設定します。以下のオプションが利用可能です:低、中、高。デフォルトでは、このオプションは高に設定されています。
- シャドーフィルター – シャドーがフィルターされるかどうかを設定します。デフォルトでは、このオプションは有効になっています。
- マテリアル – シーン内で使用されるシェーダツリーマテリアルを優先します。この設定は多数の異なる種類のマテリアルをレンダリングするときに、アドバンストビューポートでのレンダリングのパフォーマンスを向上させます。これらオプションは Unity Material/Unreal Material 使用時に便利に使えます。
自動保存
自動保存キャンセルオプション
自動保存は時効前にキャンセルできるように、10 秒前からカウントダウンされるようになりました。カレントの 3D ビューポート内に小さなボックスが表示され、キャンセルボタンとカウントダウンが表示されます。キャンセルをクリックすると現在の自動保存はスキップされ、次回は自動保存で設定されている通常の間隔に従って起動します。
自動保存インクリメンタル
初期設定 > 自動保存オプションから自動保存の回数を設定できるようになりました。連続した自動保存では番号が付けられ、前回の自動保存ファイルを上書きすることはありません。これらのファイルバージョンはバージョン番号で表され、古い番号つけられたファイルを避けて新しくファイルが作られます。例えば、一番最近自動保存された MyFile.lxo は 1_MyFile.lxo となり、その次が 2_MyFile.lxo と付けられていきます。
さらに、自動保存では現在のプレビューレンダー状態を保存することができるようになったため、自動保存シーンを開いた時点で、はじめからレンダリングをやり直すのではなく、最後に保存されたポイントからのプログレッシブレンダー状態を取得することができます。
ダイレクトモデリング
トポロジペンにおける改良点
トポロジペンツールには、リトポロジワークフローを改良するいくつもの新しいオプションが追加されました。スムージングモードの追加、新しいフォールオフオプション、スムージングオプション、ほかにも不連続 UV を接合、頂点を保持オプションなど、様々なオプションが追加されています。
スムースツールにおける改良点
スムースツールには、エッジの境界部分とコーナー部分における頂点に沿って、スムージング位置を改良するための、境界を固定、コーナーを固定、シャープエッジを固定、またシャープ角度オプションが追加されました。これらはプロシージャルメッシュオペレーションでも同様にご使用いただけます。
スカルプトスムージングにおける改良点
メッシュスカルプティングのスムーズモードは、エッジの境界と境界ポリゴンのコーナー部分にある頂点を維持するよう改良されました。コーナーを固定オプションでは、共有点が二つ以上のコーナー頂点における頂点位置を固定します。
ループスライスにおける改良点
ループスライスツールは新規ポリゴンを選択オプションが追加されました。このオプションを有効にすると、選択ポリゴンをより確認しやすくなります。選択ポリゴンのスライスエッジに対しては、ガイドカラーが表示されます。
フォールオフウェイトツール
新たにフォールオフウェイトツールが追加されました。このツールはウェイトマップを作成し、ソフト選択フォールオフツールと同じような機能が実装されています。フォールオフウェイトツールに予定生成されたウェイトマップは、モデリングやテクスチャ、ダイナミクス、リギングなど、様々な個所で便利に使えます。
フォールオフキャッシュを変換
新たにフォールオフキャッシュを変換するツールが追加されました。このツールではエレメントフォールオフやソフト選択フォールオフで生成された内部的なフォールオフウェイトの値を、通常のウェイトマップへと変換します。内部キャッシュには前回操作されたエレメントフォールオフやソフト選択フォールオフに対するフォールオフウェイト値が保存されています。このツールはこれらツールがアクティブメッシュに対して使用されたときのみ、有効になります。
ファイル入出力
シーンサムネイルの設定、読み込み、保存
シーンアイテムプロパティには二つの新規オプション、サムネイルを設定とサムネイルを読み込みオプションが追加されました。これにより、現在のシーンを 3D ビューポートもしくはプレビュービューポート、レンダー表示からスナップショットを撮り、LXO ファイルへとサムネイル画像を埋め込みます。
シーンテンプレートの作成とプリセットブラウザからの読み込み
シーンファイル *.lxo を拡張子 .lxt へとリネームすることにより、テンプレートシーンを作成し、プリセットブラウザからそのシーンを読み込むことができます。
GL ビューポートワークフローの改良
GL テクスチャ無効と GL カラー優先
Shader アイテムには複雑なシーンを作業中に、カメラビューにおいて可読性とパフォーマンスを向上させるため、テクスチャ表示のオンオフを切り替える GL 表示オプションが追加されました。さらにマテリアルにも、GL 優先オプションが追加されました。このオプションを有効にすると、カメラビューで表示される指定されたポリゴンの色を、定義しておいた GL 色の値へと変更しますが、プレビュービューポートのレンダリング結果には一切影響を及ぼしません。この設定は、異なる色を適用したい多数のパーツで構成されている複雑なモデルで作業している場合などに役立ちます。
3D ビューポートにおける Matcap(マットキャップ)、UV テクスチャと環境
3D ビューポートにはビューポートテクスチャメニューが実装され、3D ビューポート内で表示されている環境や Matcap、UV テクスチャを素早く選択できるようになりました。UV テクスチャは UV 診断用に使用されます。これらの変更はシーンには影響を及ぼすことなく、ビューポートのみに対して変更されます。これにより、シェーダツリーに何も追加することなく、ビューポートテクスチャでシーンを素早く確認できるようになります。
プロシージャルモデリング
新規メッシュオペレーション – UV 作成オペレータ
UV 作成ツールは、3D 空間から 2D (UV) 空間へとポリゴンを投影することで、UV を生成します。基本的な操作は標準的な UV 作成ツールボックスツールと同じです。このリリースではプロシージャルモデリングプロセスを使用して、UV を作成できるようになっています。
回転体用矩形オプション
回転体ツールには、新たにへリックスジェネレータ矩形オプションが追加され、矩形に沿ってセグメントを整列できるようになりました。回転体ツールはまた、プロシージャルメッシュオペレーションでも利用できます。
スムースメッシュオペレータにおける改良点
新しいプロシージャルスムースオペレータでは、エッジの境界とコーナーの頂点に沿って、位置をスムーズにするよう改良されました。
レンダリング
最大プログレッシブレンダー時間
プログレッシブレンダリングのオプションとして最大レンダー時間オプションが追加sれ、フレームをディスクへと保存する際のレンダリング時間を制限できるようになりました。プレビュービューポートではこのオプションはデフォルトオプション設定で有効になっており、アニメーションをレンダーオプションも有効になっています。
プレビュービューポートのスクリプト
プレビュービューポートは Modo CL を使用して、コマンドラインからスクリプトで実行することができるようになりました。プレビューを画像やシーケンス画像、動画へレンダリングするコマンドが新たにサポートされるようになりました。
プライマリレンダー出力に基づくプレビュー収束
プレビュービューポートに新たに収束オプションが追加されました。有効の場合、レンダリングが次のフレームへと移る前に、プレビューは画像が最低限の要求(つまり品質が十分)を満たしているかどうかを確認します。この値を設定することで、より高速な結果を生み出します。
プレビューフル解像度ズーム
プレビュービューポートにおけるズーム機能が改善されました。マウスの中ホイールをスクロールすることでカメラの位置に影響を及ぼすことなく、ズームすることができます。ビューはマウススクロールの間、25%、50%、200%、400%でスナップします。
Unreal ブリッジプラグイン
サーバーとクライアントプラグイン
MODO は Unreal Engine とリアルタイムに通信できるようになりました。新しい Modo ブリッジプラグインを使えば、ネットワークプロトコルを使って、Modo と Unreal の間でデータを共有することで、ゲームエンジンユーザーのためのワークフローを改善することができます。Modo と Unreal 間は LAN 上の同一マシン、複数マシンにまたがってリモート上でも接続可能です。シーンからシーン全体もしくは選択したエレメントのみを双方向でプッシュしあうことが可能であり、クライアントとサーバーの間でデータを更新することができます。メッシュジオメトリ、法線、UV、テクスチャ、マテリアル、シーン階層、ライト、それにカメラが、二つのアプリケーション間で同期をとることができます。
ユーザーチャンネル
シーン内のメッシュアイテム上へとチャンネルをドラッグアンドドロップすることで、ユーザーチャンネルへと変換することができるようになりました。
UV ツール
UV 占有率インジケータ
新たに UV 占有率の値が UV 編集画面の右下隅に表示されるようになりました。この占有率は、ジオメトリで覆われている均一な UV 空間の総量を示しています。このオプションは、ターゲットサーフェイス用に使用されるテクスチャ空間の量を最大化するときなど、ゲームワークフローにおいて便利に使えます。UV 編集ツール使用時には、この占有率は編集処理の最後で更新されます。
UV ボックストランスフォーム
UV ボックストランスフォームツールが新たに追加され、UV 空間でポリゴンのグループ周囲をすばやく移動させることができます。このツールがアクティブな間は、UV 空間の選択コンポーネント周辺に矩形のバウンディングボックスが描画され、トランスフォームのアクションが適用されます。
歪み補正
よりきれいな UV マップを生成するため、新たに歪み補正オプションが追加され、歪みを自動的に補正するようになりました。半径の値を等しくないプリミティブなどで作業するような場合に、便利に使えます。UV ポリゴンのアスペクト比と相対面積サイズは、3D のポリゴンと関連しています。このオプションは次のプリミティブに対して追加されています:立方体、円柱、カプセル、球、トーラス、楕円。
分割コマンド
新たに分割ツールが追加され、選択ジオメトリ(選択エッジ、もしくはポリゴン選択境界周辺、または頂点上)に沿って UV を分割できるようになります。UV をオフセットすることはありませんが、いったん分割したら、ポリゴンを独立して移動させることができます。
分割と縫合
分割と縫合は、よりインタラクティブなツールとなりました。このツールは半径が設定できるブラシのような役割を果たします。UV 空間において頂点上をペイントすると、頂点が分割されていきます。ブラシの半径は、開始地点からのオフセットをコントロールします。モディファイヤキーを押しながら操作すると、分割するのではなく、縫合していくようになります。
モディファイヤキーを使用した UV 切り離し機能
UV 切り離しオプションの切り替えにモディファイヤキーを併用できるようになりました。このオプションでは、UV マップで選択ポリゴンを分割し、新しい位置へと配置します。Ctrl/Cmd + Shift キーを押しながらマウスをドラッグすると、一時的に切り離しモードが有効になります。
実際のスケールと単位で UV を SVG へ変換
UV を SVG へ出力する機能は、実世界における SVG 出力のサイズをコントロールできるようになりました。これは外部アプリケーションにおいて UV ベースのテクスチャを生成するテンプレートの作成に、またメッシュの UV から正確な実世界の大きさでパターンを作る必要があるパッケージや靴などの製品製作などのアプリケーションで便利に使える機能です。
UV リラックスにおける改良点
UV リラックスツールには境界オプションが追加されました。境界の UV 頂点位置をリラックスさせるのオプションがいくつも追加され、以前のバージョンにあった境界を固定およびストレートオプションと置き換わりました。
UV 重複を選択
新たに重複ポリゴンを選択ツールが追加され、UV マッピングされたポリゴンのエラーを検出しやすくなりました。このツールには三つのオプションが用意されており、交差、自己交差、反転のエラーを検出するようになっています。
テクセル密度
ゲームワークフロー改良のため、新たにテクセル密度ツールが追加されました。このツールでは、UV 島や個別のポリゴンのサイズを、実際のメートル単位に同一テクスチャピクセル数で大まかに間隔をあけるように、素早くスケールします。テクスチャ密度が一致していない状態で扱う場合などに便利です。場合によっては、UV もしくは テクスチャのサイズが異なる場合があり、アセットやシーンの他の部分と比較してディテールが密になりすぎたり、雑になりすぎたりする箇所が出てくるときがあります。テクセル密度をより均一にすることで、アセットや環境全体にわたるテクスチャのディテールレベルを標準化し保つことができるようになります。
新規デフォルト UV ビューポート設定
UV マップ上の UDIM タイルを確認するため、デフォルトビューポート設定は更新されました。UV ビューポートはデフォルトで、-1 ~ 1 ではなく、0~ 1 の空間で表示されるようになりました。UDIM タイル数表示はデフォルトで有効になりますが、0 ~ 1 空間よりも大きな空間が表示されている場合にのみ表示されるようになります。
頂点法線とベイキングにおける改良点
スムージングのポリゴン面積を使用オプション
マテリアルアイテムに対してポリゴン面積を使用オプションが新たに追加されました。このオプションを有効にすると、シェーディング問題を修正するため、頂点法線をスムーズにすることができます。Modo は頂点法線のウェイトを計算し、ポリゴン面積によりその値を平均化します。このオプションを使用することで、小さなポリゴン面に接続されている大きなポリゴン面のメッシュに対するスムージングとシェーディングが改良されています。例えば、大きな面の側面にべベルされた面があるような場合に有効です。
頂点照射ベイキングタイプと出力オプション
頂点照射ベイキングツールは、頂点シェーダベイキングへとリネームされました。今回のリリースでは、新たにベイクタイプと出力チャンネルオプションが追加されています。これらのオプションを使用すると、何をベイクするのか、またベイクの結果をどこに保存するのかをコントロールすることができます。
オブジェクト空間法線マップ
ゲームワークフローを改善するため、オブジェクト法線マップを追加し、オブジェクト空間における絶対基準におけるテクスチャ方向へとエンコードします。一般的にはスタティック、非変形オブジェクト(環境やプロップなど)に対するゲームワークフローにおいて、ゲームエンジン内での素早いレンダリングを可能にするために使用されます。
ベイク補助
アイテムには、特定のメッシュ機能をベイクするためのコンテキストメニューが追加されました。メッシュオペレーションリストのベイクコンテキストメニューから、多数のベイク用ツールが利用できるようになります。このメニューから、オクルージョンや照射、法線、ディスプレースメント、テクスチャエフェクト、頂点シェーディング、頂点曲率、Alembic ファイルへのベイクなどが提供されます。ベイクコマンドは UV 生成処理を開始し、UV をパックし、ベイクを行い(ベイクアイテムを介して)、そのベイク結果を画像へと保存して、自動的にシェーダツリーへと追加します。
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