MODO は世界有数の素晴らしいレンダラーを備えており、極めて美しい静止画やアニメーションを製作したり、HDRIファイルからの情報を全てゲームエンジン用テクスチャへとベイキングすることが可能です。Luxology社のレンダラーは最終レンダリングエンジン用、また最適化されたプレビューレンダラー用、双方に対して提供されています、プレビューレンダラーはモデリングやペイント処理、またアイテムプロパティの変更に対し、即座に反応して更新されます。驚くほど優秀なレンダラーであり、速度と品質のバランスは他に類を見ないほどです。また、ネットワークレンダリングに対してもライセンスされています。
MODOレンダラーは、巨大なフレームサイズに数兆のポリゴンを配したシーンのレンダリングを、高速に行える性能を備えています。2万x 2万ピクセルといった印刷用の高解像度のシーンであっても、使用しているワークステーションのCPU(コア)を最大限に活用してレンダリングすることができます。またレンダリング内部においては、最大限の精度と品質に対する計算処理を通して、ハイダイナミックレンジ輝度単位を使用する高速なレイトレース機能をご提供しています。さらにマルチコアシステムに完全対応しているため、プロセッサが追加されるにつれ、ほぼ比例的な速度向上を図ることが可能です。非常によく練られた厳密なコードと、鍵となる幾つもの計算方式(例えばマイクロポリゴンテッセレーション分割)を軽減させる独自のフロントエンドを組み合わせることで、メモリ消費、速度、画質のバランスを細かく調整できるようになっています。
MODOのプレビューレンダラーは、シーンのレンダリング結果を常にビュー上に表示するため、作業中のモデリング、ライティング、マテリアルなどの効果をすぐさま画面上で確認することができます。シーンに対して何も変更が行われていなければ、最終画質へと高めながらレンダリングを進めていきます。このプレビューレンダラーを利用することで、作業の進め方は根本から変わっていきます。本来、プロジェクトのモデルやライティング、マテリアルに変更を加えた場合、その都度、幾度となくテストレンダリングを行わなければなりませんでしたが、このプレビューレンダラーを活用すれば、全ての変更状況が自動的に更新され、最終レンダリング結果にどのような影響が生じるかを画面上で即座に確認することができるのです。また、プレビューレンダラーは設定に変更を加える度に、その変更によってどのような効果がもたされるのかを確認できるため、MODOの各パラメータの働きについて学ぶことができます。
MODO プレビューレンダラーの概要
最終の色出力に加え、MODOのレンダラーでは幅広い種類のレンダリング出力を個別に生成することができます。この機能により、画像マップの中に30を超える出力結果(ジオメトリの法線、ディフューズ、ディフューズシェーディング、アンビエントオクルージョンなど)をベイクすることも可能です。アルファ一定オプションは、合成作業用のマスク素材を簡単に生成します。またより効率的な作業を行うために、レイヤー階層のPSDファイル、レイヤー階層のOpenEXR、さらには一連のPNGファイルといった幅広い出力画像フォーマットをサポートしています。作成したレンダリング結果はレンダービューにサムネイルとして保管されるため、後から何度でも繰り返しアクセスすることが可能ですし、A/B比較を活用すれば、同時に二枚の画像を並べてその差を比較するといった作業も行うことができます。また、レンダーパスシステムを使うと、レンダリング操作の標準パートとして、あらかじめて名前をつけて保存しておいたレンダリング設定(例:”draft”や”sunset”など)を適用することができます。
MODOには大域照明(グローバルイルミネーション)および物理学に基づくシェーディングモデルが搭載されているだけでなく、異方性ブラーリフレクション、コースティクス、分光、屈折のぼかし、サブサーフェイススキャッタリングといった高度な光学現象を表現することが可能です。また任意の位置における自然科学ベースの太陽や空を正確にシミュレートするだけでなく、IES規格に準拠した測光ライトもサポートしており、さらにライトにはボリューメトリックオプションがサポートされています。ライトリンクを使えばシーン内のどの部分においても適切なライト量を引き出すことができ、プリセットには標準照明リグが多数用意されています。
MODOでは、サブサーフェイススキャッタリングの深度をコントロールすることが可能です。耳や鼻、また蝋やチーズといった素材の半透明な部分をレンダリングする際に、より効果を発揮します。
MODOのレンダラーは、ポリゴン数が兆単位という膨大なデータであってもレンダリングする能力を備えています。レンダリング時においてマイクロポリゴンテッセレーション分割を行うことで、皮膚やテラコッタの陶器、細かく破砕された地形といった表現により真実味を帯びさせることができます。また、MODOのリプリケータ機能を使えば、小石や木、フジツボ、刺(とげ)といったほとんど無制限のジオメトリ(または、膨大な画像)のレンダリングが可能になることで、さらに表現に深みや細部を加えることができます。
異方性ハイライトとフレネル反射のサポートにより、カメラに対してどのような角度からであっても、現実の金属を思わせるサーフェイス、適切な反射や屈折表現を提供します。カーボンファイバーのような素材を表現するために、反射のぼかしや異方性の方向を設定するテクスチャを設定可能です。サーフェイスに対して透過吸収を設定することで、自動的にサブサーフェイス密度を考慮し、リアルなサンゴ礁やトロピカルな礁湖などを表現することができます。またサブサーフェイススキャッタリングの深度コントロールを適用することで、リアルな皮膚や蝋を表現します。
ボリューメトリックレンダリングを使うと煙や雲などを、またスキンシェーダを利用すればリアルな人間の皮膚を表現することができます。多目的に使用できるファーマテリアルでは、草からしなやかな動物の毛など、どんなファーでも表現可能です。またプロシージャルシェーディングは、セルシェーダ、ハーフトーンシェーディング、輪郭レンダリングといったノンフォトリアルなレンダリング効果をサポートします。ブロブボリュームアイテムは、べたつきや粘着性のある形状を生成します。
レンダーブーリアンを使ってシーンをレンダリングすると、メッシュや他の3D形状を利用して、モデルの一部を視覚的にくりぬいて表現することができます。この画像は、本体のモデルデータ自体に直接修正を加えたり、介在するジオメトリで隠すことなく、レンダーブーリアンを利用してレンダリング時に本体のモデル内部を表現しています。
特殊レンダリングのサポートにより、機械系や建築系デザインのビジュアライゼーションといった分野において最適な結果をもたらすようになります。レンダーブーリアンは、どんな切り口に対しても製品を切り取り、モデルの詳細な内部を表現することができます。また、カメラ視点から一定の距離までを徐々に切り取っていくような演出、言い換えると徐々に内部構造を見せていく、または隠していくといったアニメーションを生み出すことも可能です。さらには機械系のビジュアライゼーションにおいて、レンダリング時に角張ったエッジの見た目をスムーズにするといった効果を加えることができるため、エッジ部分にハイライトを加えたり、逆にすり減ったような効果を出すこともできます。モーションブラーと被写界深度のサポートにより、フォトリアリスティックな結果を生み出し、製品のプレゼンテーションをより一層引き立たせることができます。
業界標準のカメラバック、調整可能な視野、レンズのひずみ、焦点距離などが備わったリアルなカメラモデルが用意されています。ステレオスコピックレンダリングは、全てのショットに対しても完璧な視差を得られるように、画面上でのコントロールをサポートしています。カメラアイテムの球面プロジェクションタイプを活用すると、球状の環境マップを作り出すことができ、MODOで生成したパノラマHDRIを出力することも可能です。
レンダーパスでは、色彩の具合を比較するために異なるマテリアルを適用したり、ポストレンダー合成用に可視状態をアイテムごとに変更したり、映画/ビデオ/WEB/印刷といった異なる用途に応じてそれぞれ異なるピクセル解像度を適用していたりと、設定の異なるシーンを簡単、かつ自動的にレンダリングします。
MODOのレンダラーは、規則的かつノイズが発生しないアニメーションを生成するという点に特に考慮して設計されています。レンダラーは、徹底的にアニメーションをサポートするように設計されており、影やコースティックス、反射のぼかしですら、フレームからフレームへ移動しても安定した状態を保ちます。大域照明のウォークスルーモードでは、建築系のアニメーション用にノイズがなく、フレーム単位で高速化を図る手法が用いられています。またモーションブラーは、カメラおよびオブジェクト双方に対してサポートされています。MDDフォーマットを経由すれば、他の多くの3Dアプリケーションからアニメーション化されたシーケンスデータを読み込み、レンダリングすることが可能です。
MODOのレンダラーを管理するのは、シェーダツリーです。このシェーダツリーは、アイテムの見た目や環境を設定するためのユーザーインターフェイスであり、ライトやカメラがこれらのアイテムに対してどのように関わるかを設定する場所でもあります。シェーダツリーは、最終結果を生成するためにレイヤーを組み合わせるという単純なレイヤースタックの概念に基づいており、Photoshopを使用したことのある方なら、誰にでもすぐに馴染みやすいシステムです。
MODOはネットワークレンダリング用に、最大50台までのMacおよびPCワークステーションを使用することができます。ワークステーションに搭載されるコアおよびCPU数はまったく問われません。セットアップは驚くほど簡単で、ほとんどの項目が自動で設定されます。レンダークライアントにスケジュールを設定すれば、最大処理能力を発揮できるよう、ワークグループ内の名称付けられたグループ全体でシーンをレンダリングするようになります。
モデリング、UV編集、スカルプティングについては、 MODO TV のビデオチュートリアルをご参照ください。