プロシージャルモデリングとリグを組み合わせた門扉の作成 ~ウォークスルー編~
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プロシージャルモデリングとリグを組み合わせた門扉の作成 ~モデリング編~
プロシージャルモデリングとリグを組み合わせた門扉の作成 ~リギング編~
プロシージャルモデリングとリグを組合わせた門扉を作成してきましたが、最後にウォークスルーのアニメーションを簡単に作成できるよう、カメラが門扉に近づいたら、自動的に桟が短くなって通り抜けられるといったリグを組んでみましょう。
まずはスケマティックビューが他のノードでいっぱいになってきましたので、少し整理しておきましょう。今回必要になるのは2回めの面を押し出すPolygon Bevelのシフトの値ですので、それ以外のノードを選択してまとめておきます。右ドラックでノードをまとめて選択したら、右クリックでバックドロップ > バックドロップを作成を実行します。これで選択しておいたノードをグループ化することができます。グループ化したら、左上の三角ボタンをクリックし、小さくしておきます。これでサークスペースが大きく使えるようになりました。
次に必要となるのが、カメラが近づいたらPolygon Bevelのシフトの値が変更するという仕組みです。何かの距離によって値が変わるという仕組みを作りたいときには、Falloff Probeというモディファイヤがとても便利に使えます。これはフォールオフで指定した範囲に基づいて値を算出するというモディファイヤです。まずは追加 > プローブ > Falloff Probeを追加します。今回はRadial Falloffで指定した範囲に従って値を変えていきたいので、アイテムリスト > アイテム追加 > フォールオフ > Radial Falloffを追加し、選択を追加ボタンでスケマティックビューへと追加しておきます。
追加したRadial FalloffはFalloff Probeのフォールオフへと追加し、さらにFalloff Probeを右クリックして、チャンネルの追加から位置XYZと出力のチャンネルをノードへと追加しておきます。このFalloff Probeの位置は、対象となるアイテムの位置となりますので、門扉の位置XYZのベクトルをそのままFalloff Probeの位置へと接続します。これでFalloff Probleの出力の値は門扉とRadial Falloffの影響範囲から算出されるようになりますので、その値をPolygon Bevelのシフトの値へと掛け合わせます。
シフトの値の接続ラインをクリックして選択状態にしたら、右クリックからチャンネルモディファイヤを追加 > 演算 > Basic Math:乗算ノードを追加し、値BにFalloff Probeの出力の値をかけ合わせます。Radial Falloffの位置を動かしてみると、門扉がRadial Falloffの範囲内に入ったら、桟が長くなる動きを自動的につけることができます。今回は効果を逆にしたいので、反転オプションをオンにしておきます。
あとは、このRadial FalloffをCameraの子アイテムに設定しましょう。Radial Falloffを選択したら、次にカメラを選択し、Ctrlキーを押しながらPのキーを押します。そうすると、Radial Falloffが自動的にCameraの位置へと移動し、親子関係が設定されるようになります。これでカメラが門扉に近づくと、自動的に門が開くようなウォークスルーが可能になります。開くタイミングは、Radial Falloffの大きさを調整してみると良いでしょう。Falloff Probeについて詳しくは「プローブフォールオフを用いたアニメーションのコントロール」をご覧ください。
またRadial Falloffの場合、カメラが通り過ぎると、その影響範囲から逃れるため、再度扉が閉まるような動きになります。これを開きっぱなしにしたいと行った場合には、Linear Falloffと組み合わせると良いでしょう。複数のフォールオフを組み合わせるには、追加 > Mesh Operations > ツールパイプ > フォールオフの中にあるBlend Falloffを使います。Radial FalloffとLinear Falloff、2つのフォールオフをBlend Falloffへと接続し、ブレンドモードを乗算にすると、2つの効果を掛け合わせることができます。この掛け合わせたフォールオフの効果をFalloff Probeのフォールオフへとつなぎ直すと、カメラが近づくと扉が開き、そのまま開いた状態を維持することができるようになります。Blend Falloffについて詳しくは「オペレーションの影響範囲を指定するフォールオフを組み合わせるには」をご覧ください。
このように、プロシージャルモデリングとリギングの組み合わせることで、単なるモデリングだけではなく、その後のアニメーションまでも含めて自由度の高い操作が可能になります。