プローブフォールオフを用いたアニメーションのコントロール
https://www.youtube.com/watch?v=qTfT56h-hr8&hd=1
今回はMODO 801で搭載されたプローブフォールオフを用いたアニメーションのコントロール方法を解説していきます。
このサンプルシーンには壁に扉がついており、さらにボールが一つ用意されています。あらかじめアニメーションが設定されており、ボールが扉をすり抜けるようなシーンになっていますが、この時点では扉は開いておらず、ボールも扉をすり抜けられるサイズではありません。これをこのボールが扉に近づくと、扉が自動的に開き、さらに扉を通り抜けられるようボールが変形し、通り抜けるときにだけパーティクルが発生するようにします。
今までも、回転やトランスフォームのデフォーマとフォールオフを組み合わせれば、フォールオフによってトランスフォームを制御することができましたが、それ以外のチャンネルについてはコントロールできませんでした。しかしこのプローブフォールオフでは、サンプルとなる位置に基づいてフォールオフで指定する影響範囲内にあれば、チャンネルの値を調整することができるようになります。
まずは、このプローブフォールオフをスケマティックビューに追加してみましょう。追加 > チャンネルモディファイヤ > プローブ > フォールオフ:プローブを追加します。次に影響範囲を指定するためのフォールオフを追加します。この場合、扉に近づくと扉が開いたり、ボールが変形させるため、扉の近くにラディアルフォールオフを配置します。追加 > フォールオフ > RadialFalloffを追加します。扉より少し大きめに半径の値を設定します。このフォールオフをプローブフォールオフへと接続します。
このプローブフォールオフは「ボールが近づく」というサンプル位置の変化によってコントロールしますので、ボールの位置をスケマティックビューへとドラッグアンドドロップし、ボールのメッシュノードの位置を、プローブノードの位置へと接続します。ではまずボールが扉、つまりラディアルのフォールオフに近づくと、ボールを変形させる設定を行います。この変形の設定はボールに予め設定されているモーフによって行います。現在、モーフの強さは0%に設定されていますが、この値を変えてみるとボールのトゲがなくなり、扉を通り抜けられるぐらいのサイズになるのがわかります。ですので、このモーフの強さをプローブノードで制御します。
モーフの強さのチャンネルをスケマティックビューへとドラッグアンドドロップします。プローブの出力をモーフの強さチャンネルへと接続します。アニメーションを再生してみると、扉に近づくと共に、モーフの強さが強くなり、扉をすり抜けられるようなサイズに変形したのがわかります。
次は、扉自身を開ける設定をしてみましょう。この扉は12枚の羽で構成されており、この羽根がZ軸に対して回転することで、扉が開きます。では12枚の羽の回転Zのチャンネルをスケマティックビューへとドラッグアンドドロップします。アイテムリストからフィルタ機能でWingという名前のアイテムを表示させ、さらにチャンネルタブから結合を表示で12個合わせた回転Zのチャンネルをスケマティックビューへと移します。
プローブの出力の値の範囲は0~1ですが、ここで回転Zの値は90度まで開かせたいので、乗算ノードを追加します。追加 > チャンネルモディファイヤ > 演算 > 基本演算:乗算ノードを追加し、プローブの出力を乗算ノードの値Aへ、乗算ノードの出力の回転Zへと接続し、乗算ノードの値Bに90度と入力します。この乗算ノードからの出力をすべての羽の回転チャンネルに対して接続します。アニメーションを再生すると、今度は扉が開くようになりました。
さらにもうひとつ、扉が開くと、パーティクルが放出されるようにしましょう。パーティクルの放出は、Curve Emitterの放射レートでコントロールします。こちらも乗算ノードを追加し、プローブの強さを300倍程度にして、放射レートへと接続します。これでシーンの完成です。
このようにプローブとサンプル位置、それにフォールオフの組み合わせで様々なチャンネルをコントロールできるようになります。