ウェイトコンテナの便利な使い方
https://www.youtube.com/watch?v=zD66bAF9YKA
今回はMODOに搭載されているウェイトを管理するための便利なウェイトコンテナ機能について解説します。
ウェイトコンテナ機能はリグを組むときなどに便利に使われます。まずはウェイトコンテナを使わずに、トランスフォームデフォーマでメッシュを変形させてみましょう。サンプルとなるシーンには、ボックスとボールのモデルが用意されています。それぞれのメッシュにWeightという名称のウェイトマップが用意されており、このウェイトマップを元にトランスフォームデフォーマで変形させてみます。
まずはボックスを選択し、デフォーマのタブからトランスフォームデフォーマを追加し、スケマティックビューで見てみます。トランスフォームのプロパティからタイプがウェイト、ウェイトマップ名称がWeightになっていることを確認し、Transform Effectorを動かしてみます。そうすると、形状に指定されているモデルであるボックスがTransform Effectorに基づいて動くのがわかります。同じようにボールのメッシュもスケマティックビューに追加し、形状へと接続すると、同じように動くようになります。
半分だけを動かしたい場合には、リニアフォールオフを利用すると良いでしょう。追加 > MeshOperations > ツールパイプ > フォールオフの中にあるLinear Falloffを追加したら、X軸に対して非常に小さなサイズに設定して、トランスフォームのフォールオフへと接続します。こうすることで、原点を中心に半分だけを有効にすることができます。
こういったリグを組む場合、一つ弱点となるのがウェイトマップです。ウェイトマップはメッシュの頂点に属しているものなので、トランスフォームに形状に指定するのは、指定したメッシュ、指定したウェイトになってしまいます。そこでウェイトコンテナの出番です。トランスフォームに対して直接メッシュレイヤーを接続するのではなく、ウェイトの情報を登録しておくウェイトコンテナというアイテムを接続します。
デフォーマタブのウェイトコンテナからコンテナ作成で、新たなウェイトコンテナを一つ作成したら、それを形状へと接続します。接続してあったメッシュは接続を解除します。デフォームインフルエンスのタイプはウェイトではなく、ウェイトコンテナというアイテムを接続するようになりましたから、タイプをウェイトマップからメッシュ全体へと変更します。ただしこの状態だと、Transform Effectorを動かしても、何も起こりません。ウェイトコンテナには何も登録されていないからです。
ではウェイトコンテナにボックスのウェイトを登録します。ボックスの頂点を全て選択した状態で、Shiftキーを押しながらウェイトコンテナを複数選択し、頂点追加ボタンをクリックします。ウェイトコンテナの形状にボックスが接続されるようになりますが、リフレッシュのため、一度解除してもう一度接続し直してください。Transform Effectorを動かしてみると、先ほどと同じように動くようになりました。
ボックスのウェイトマップを確認してみると、新たにWeight Copntainerという名称のウェイトマップが作成されているのがわかります。これは頂点をコンテナに登録した時点で、初期値が1.0のウェイトを持つウェイトマップが自動的に作成されるのです。先ほどと全く同じ動きにしたいのであれば、ウェイトをコピーするか、新たに編集するようにしてください。
さらにボールに対しても同様に設定してみます。ボールの頂点をすべて選択し、Shiftキーを押しながらWeight Containerを複数選択したら、頂点追加で頂点を登録します。正常に動作しないようであれば、こちらもリフレッシュのためにいったん形状との接続をつなぎ直すと正しく動作するようになります。
このウェイトコンテナを使うことで、これらのリグをアセンブリ化することができます。Transform Effectorとフォールオフ、ウェイトコンテナなどを選択し、右クリックからアセンブリを作成を選択します。サブアセンブリとして作成オプションをオンの状態にして、Transformという名称を入れて、アセンブリを作成します。アセンブリ化することで、ひとまとめにすることができました。アセンブリの中を開き、Weight Containerを入力アイテムとして公開します。これでWeight Containerに頂点を登録するだけで、このアセンブリがどのメッシュに対しても使用できるようになります。
アセンブリをプリセットとして保存することで、他のシーンでも何度でも使えるようになります。Weight Containerを使用することで、特定のメッシュにとらわれることなく、ウェイトを利用した変形・リグの仕組みを保つことができるようになります。