バージョン15.2で拡張されたModoプリセット機能
https://www.youtube.com/watch?v=l4VpQXuyHEo
Modoバージョン15.2ではプリセット機能に大きな拡張が加えられています。
バージョン15.1までは、例えばメッシュのプリセットを保存する際、そのプリセットにはあくまでメッシュの情報が保存されており、そのメッシュのマテリアルに適用されている画像ファイル等は、画像ファイルのパスが保存されているだけで、プリセット自体に画像のデータが埋め込まれているわけではありませんでした。これがバージョン15.2では、この画像ファイルも含めてパッケージ化した状態で、プリセットを保存することができるようになっています。
サンプルとしてティーポットを作ってみます。マテリアルを作成し、標準コンテンツの中からUVの画像を適用してみましょう。従来だとこの状態でプリセットを保存すると、画像は張られた状態で保存はされますが、画像そのものを保存するわけではないので、例えば他のマシンに持っていった場合に、同じ場所にマッピングした画像が存在しなければ、画像が欠けた状態で読み込まれることになります。
バージョン15.2以降では、アイテムリストでプリセットとして保存したいメッシュを選択し、右クリックでコンテキストメニューを出し、プリセット > メッシュアセンブリプリセットとして保存を実行してみます。そうするとプリセットを保存するためのパネルが表示されますので、パッケージを作成オプションをオンにしておきます。プリセットを他の作業者やスタッフへと渡すことを考え、バージョンやメッセージなども設定することができます。このように設定したら、プリセットを保存ボタンをクリックし、保存したい場所を設定します。
プリセットパネルで確認してみると、保存したプリセットが表示されるようになります。プリセットを選択し、右クリックからフォルダを開くでプリセットが保存されているフォルダを開きます。そうすると先ほど保存したプリセットが見れます。このプリセットは拡張子がlpkmとなっています。従来のメッシュのプリセットは拡張子がlxlでした。この拡張子lpkmをもつプリセットの実体はZIP圧縮されたファイルです。ですので、拡張子をZIPへと変更し、中身を確認してみます。中を見てみると、lxlという従来通りのメッシュプリセット、それにそのメッシュにマッピングされていた画像が中に入っているのがわかります。つまりメッシュ自身とマッピングされた画像をすべてひとまとめにパッケージ化した状態で保存されていることになります。
では拡張子をもとのlpkmと戻します。貼り付けた画像をクリップマップから選択し、右クリックで画像を含むフォルダを開くを選択します。フォルダを開いたら、一時的に画像ファイルの名称を変えておきます。これでプリセットを読み込んだ時に、元のマッピングされた画像のパスを見て画像を読み込むようであれば、名称を変更したことで画像はそのパスには存在しておらず、エラーが発生するはずです。
シーンをすべて閉じ、先ほど保存したプリセットを読み込んでみましょう。そうすると、エラーは何も発生せず、正しく読み込まれるようになりました。つまりプリセットファイルの中に含まれていた画像が、読み込まれたということになります。
こうして関連する設定された他のアイテムを一緒に保存する機能により、リグもひとまとめにして保存することが可能です。例えば、サンプルとなるシーンでは、ロケータをY軸方向に動かすと、トーラスのメッシュが回転するようなリグが組まれています。ではこのトーラスをメッシュプリセットとして保存してみます。アイテムリストから選択して右クリックからプリセット > 汎用アセンブリプリセットとして保存をクリックします。そのまま「はい」を押して、プリセットを作成します。
シーンを閉じ、改めて保存したプリセットを開いてみます。そうするとリグの中で使用していたロケータを含めて、仕組み全体が読み込まれるのがわかります。これはメッシュプリセット保存時に、設定部分が全てアセンブリとして組み込まれているからです。スケマティックビューで確認してみると、PresetAssemblyといったものが読み込まれており、このリグがそのまま読み込まれているのがわかります。15.2から改良されたプリセット機能では、設定をアセンブリ化してプリセットとして保存されますので、リグをそのまま丸ごとプリセット化したり、後から関連している設定をアセンブリで確認することなどが可能になっています。
タイプによって独立したプリセットととして保存できるだけでなく、関連したアイテムをすべてパッケージ化することで、設定したそのままを丸ごとプリセットとして保存できますので、複数スタッフによるチームでの作業や、複数のマシンでの作業が多い場合などには、大変便利に使える機能となっています。