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フルボディIKに対する上方ベクトル(アップベクター)の適用方法


https://www.youtube.com/watch?v=VlT-cEvCj8E

今回はフルボディIKを組んだキャラクタリグに対して、上方ベクトル(アップベクター)を組み込む方法を解説します。

肘や膝など、IKが組み込まれた箇所において、そのひねり方向をコントロールするのが上方ベクトル(アップベクター)です。例えば、このサンプルでIKを組込んでみましょう。IKの詳しい組み込み方については、ビデオ「インバースキネマティクスの基本的な設定方法」をご覧ください。

サンプルとなるシーンには、かんたんにリグが組まれています。わかりやすいように、片方の足のリグは非表示にしておきます。セットアップモードでIKを組込んだら、ゴールを動かしてみます。ゴールを動かすことによって、膝が屈伸しますが、膝が向かう方向をコントロールすることはできません。この膝をコントロールするために、セットアップモードに入り、上方ベクトルを組み込みましょう。

まずはロケータを2つ作ります。わかりやすいように表示を変えておきます。ロケータの一つは足の階層の一番上へと来るように配置し、親子関係を設定します。もう一つのロケータは膝の位置へと合わせた後、その前方へと移動させておきます。

次に足の階層の上のロケータとゴールに対して、モディファイヤタブにある方向コンストレイントを設定します。リグの方向がおかしくなりますが、これはそのままで大丈夫です。方向コンストレイントで結びつけたアイテムの間には直線が描画されます。次に膝前方にあるロケータを選択し、上方ベクトルの適用ボタンをクリックします。これで上方ベクトルの設定完了です。上方ベクトルの設定時に大事なのは、方向コンストレイントの直線と、上方ベクトルのアイテムの間で作られる三角形がリグの方向を決定づけます。

ではセットアップモードを抜け、ゴールを動かし、上方ベクトルを左右に動かしてみましょう。するとロケータの動きに従って膝が回転するのがわかります。

ただし、この状態ではゴールアイテムの位置と上方ベクトルのアイテムの位置が連動しませんし、また足首以降が回転しません。

これを解消するため、セットアップモードへといったん戻り、上方ベクトルのロケータをゴールアイテムの子アイテムに設定します。これでわざわざ上方ベクトルのアイテムを動かさなくても、ゴールアイテムの位置を動かし、またゴールアイテム自身を回転させることで、その子アイテムである上方ベクトルも回転し、それに合わせて膝と足首も動くようになります。

このようにして設定が完了しますが、今回このようにスケルトンとそれに連動するリグとを設定すると、キャラクタ自身の位置を動かしたい場合、つまりルートスケルトンを動かすと、ゴールアイテムなどがその場にとどまるために、キレイに動作させることができません。このような場合にはキャラクタ自身を動かすためのマスターとなるロケータを作成します。マスターとなるロケータの下に、スケルトンの階層と連動するリグ用のロケータをすべてまとめておけば、マスターを動かすだけで、全てを併せて動かすことが出来るようになります。

2016年9月21日