リグを階層ごと鏡面コピーするには

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今回は様々な設定を組んだリグを階層ごと鏡面コピーする方法について解説します。

このサンプルシーンには、左足側のリグが組まれています。インバースキネマティクスとアップベクトル(上方ベクトル)が組み込まれていますので、ゴールアイテムを動かしたり、上方ベクトル用のアイテムを動かすことで、細かくキャラクタの動きを制御することができます。このリグの組み方については、日本語解説ビデオ「フルボディIKに対する上方ベクトル(アップベクター)の適用方法」で詳しく解説しておりますので、そちらをご覧ください。

このリグ全体を鏡面コピーし、右側にも同じようなリグを作りたいとします。アイテムリストを見てみると、Rootの中にゴールアイテムを含め、すべてのアイテムが揃えてあるようですので、このRootを階層ごと鏡面コピーすればよさそうです。階層ごと鏡面コピーを行うには、セットアップツールバーのセットアップタブ ＞ 鏡面カテゴリの中にあるメニューを使います。

鏡面カテゴリの中にある上の三つのアイコンが、XYZ軸に対して階層ごと鏡面コピーを行い、下の三つのアイコンが単純な鏡面コピーです。今回の場合、X軸に対して階層ごと鏡面コピーを行いたいので、まずはセットアップモードへと入り、Rootアイテムを選択したら、X軸に鏡面コピーを行ってみます。

そうすると、階層ごとコピーされてはいますが、リグがおかしな具合になっています。この鏡面コピーというのは、階層下にあるすべてのアイテムに対して鏡面コピーを行ってくれますが、モディファイヤやゴールアイテム、上方ベクトルの設定などは行ってくれません。このため、それらに関する設定が外れてしまっているために、リグがおかしな感じなっています。これを修正していきましょう。

まずはゴールアイテムを設定しなおします。ゴールアイテムを設定したいスケルトンを選択し、コピーされた右足用のゴールアイテムを選択したら、インバースキネマティクスタブ ＞ ゴール割り当てをクリックします。これで正しくゴールアイテムが設定されるようになりました。あとは上方ベクトルの再設定です。このリグではゴールアイテムが回転すると、足全体が回転するように、足のリグの一番上にロケータを仕込んでおり、ロケータがゴールアイテムの向きに沿うように、方向コンストレイントが設定されています。ですので、鏡面コピーした階層直下にあるロケータを選択したら、次にゴールアイテムを選択し、コンストレイントのタブから方向コンストレイントを適用します。

その後、上方ベクトルをコントロールするひざの前側にあるロケータアイテムを選択し、上方ベクトルを割り当てをクリックします。これで外れていた設定をすべて再設定することができました。セットアップモードを抜けて確認すると、左右とも同じように正しく動作することが確認できます。

このように階層の鏡面コピーでは、階層化のアイテムをすべてコピーし、ミラーリングはしてくれますが、モディファイヤなどの設定については解除されてしまうので、それらの設定だけは後から再割り当てを行うということを覚えておいてください。