スカルプトの種類と使い分け
https://www.youtube.com/watch?v=Jjemb1vYxm8&hd=1
今回はmodoに実装されているスカルプトの種類とその使い分けについて解説していきます。
MODO 701では3種類のスカルプトが実装されています。メッシュスカルプトとイメージベースのスカルプト、それにマルチレゾリューションに対応したスカルプトです。
<メッシュスカルプト>
メッシュスカルプトとは、文字通り、メッシュを構成する頂点やエッジ、ポリゴンを直接スカルプトすることで、メッシュの形状を実際に変形させていきます。このため、モデリングツールの一つとして使用することができます。
まず実際に、メッシュスカルプトを行ってみます。スカルプトに関するツールはペイントのスカルプトツールタブにまとめられています。ここでは押し出しツールを使ってみましょう。ビューポートを右クリックしブラシのサイズを決定したら、メッシュ上を左ドラッグします。すると、メッシュの頂点自体が移動しているのが確認できます。
<イメージベースのスカルプト>
イメージベースのスカルプトは、画像ファイルにディテールをペイントすることで、詳細かつ精密なディテールを追加していきます。
イメージベースのスカルプトでは、3Dペイントと同様、まず最初にスカルプトの情報を書き込む画像ファイルを先に用意します。ユーティリティタブ か らディスプレースメントテクスチャの追加をクリックし、画像ファイルを作成します。シェーダツリーを見てみると、ディスプレースメント用の画像ファイルが リストに追加されているのがわかります。
画像を作成したら、スカルプトツールタブへと戻り、押し出しツールでペイントしてみ ます。今度はブラシのサイズをもっと小さくしてから、左ドラッグしてみると、より細かいディテールを追加できるようになります。またシェーダツ リーからディスプレースメント用の画像を非表示にすると、元のメッシュそのままの状態であるのが確認できます。
このように、イメージベースの スカルプティングは実際にジオメトリを変形させているのではなく、画像に対して操作しているため、メッシュ自体が細かいジオメトリで構成されている必要は ありません。このため、低解像度のメッシュに対して、高解像度のメッシュであるかのように、詳細を追加していくことが可能です。ただし、画像ファイルに書 き込む方式ですので、メッシュにはあらかじめUVを設定しておく必要があります。このイメージベースのスカルプトは、3Dペイントの方式と操作的にはほぼ 同じですので、そちらの解説ビデオ「モデルに3Dペイント処理を施すには」も参考にしてください。
<マルチレゾリューション対応のスカルプト>
modo 601から追加されたマルチレゾリューションに対応したスカルプトとは、PSUBのメッシュに対し、画像ファイルを使うことなく、ディテールを追加していく方法です。
実際にスカルプトを行ってみると、イメージベースのスカルプトと同様、ディテールを書き込むことができます。MODO 701から追加されたHUDでマルチレゾリューションのカレントレベルを変えてみると、レベルを変えるごとに、ディテールの粗さが変わるのがわかります。
イメージベースのスカルプティングは、マルチレゾリューションに対応したスカルプトへと変換することも可能です。その場合にはユーティリティタブからマルチレゾリューションへ変換ボタンをクリックします。これでマルチレゾリューションのスカルプトとして、処理を続行していくことが可能です。
このスカルプト方法は理想的に思えますが、前述したとおり、メッシュはPSUBである必要が有ること、他の方式よりもメモリを多く必要とすること、またmodo独自の方式ですので、他のアプリケーションに持って行く場合には、フリーズする必要があるといった制限があります。
それぞれの状況に応じて、必要な方法を選んで、スカルプト処理を行ってください。