一度のレンダリングで複数のショットを検討するには
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MODOでシーンを構築していく工程で、いくつのものマテリアルやカメラ位置などのパターンを試してみたいときがあります。毎回調整してはレンダリングを繰り返しても良いのですが、様々なパターンを一度のレンダリングで複数出力できれば、制作時間の節約にもなりますし、手間を省くことができます。今回はMODO 601から搭載されたレンダーパスの機能を使って、一度のレンダリングで様々なパターンを出力する方法についてご紹介します。
サンプルとなるシーンには、モデルが一つ用意されています。このモデルの質感をいくつか異なるパターンで試してみましょう。まずはマテリアルのパターンを作るための入れ物となるグループを作ります。パスグループから新規ボタンをクリックし、適切な名称でグループを作ります。ここではGroup_Materialという名称にしましょう。では次にマテリアルのパターンをいくつか作りますので、その下にあるパスというところから新規ボタンをクリックし、Material_Redとパスの名前を付けましょう。
プレビューからこのモデルのボディをクリックし、シェーダツリーでマテリアルを選択したら、色を赤へと変更してみます。パスのポップアップを見てみると、ここには(none)と先ほど作成したMaterial_Redがリストされるようになりました。リストを選んで確認してみると、(none)は変更前のデフォルトの状態になっています。Material_Redでは、マテリアルの色を赤へ変えましたが、パスで変更した調整は、もともとの設定には影響を及ぼすことはないわけです。ではさらに新規ボタンをクリックし、今度はMaterial_Greenとしてマテリアルの色を緑へ、さらにMaterial_Blueというパスを作りマテリアルの色を青へと変更してみます。これでパスのポップアップを見てみると三つのパスが存在しているのがわかります。切り替えるごとに、マテリアルの色が変更されたモデルが確認できます。
では、この三つのパスを一度にレンダリングしてみましょう。レンダーメニューにあるパスをレンダーを選択します。パスグループをレンダーから、レンダリングするパスグループを選択します。今回、このマテリアルを変更したパスをまとめているグループはGroup_Materialですから、こちらを選択し、OKボタンを押します。
そうすると、パスの数分だけレンダリングが行われるようになります。レンダリングが終了し、レンダーウィンドウを見てみると、パスというポップアップがあります。こちらのポップアップを開いてみると、Group_Materialの中にあるパスがそれぞれレンダリングされているのがわかります。このようにパスをレンダーすることで、デフォルトの状態を崩すことなく、いろいろなパターンを一度にレンダリングして確認することができます。
またレンダリング比較機能を使えば、出力したパス同士の画像を比較することもできます。比較/リージョン/オプションタブの比較先を“A”スロット出力に設定し、パスを選択します。こうすることで、細かなパターンも一度にレンダリングして比較検討することができるようになります。
パスで設定した状態が気に入り、デフォルトの状態へと設定を移したい場合には、その設定を変えたチャンネル、今回の場合はマテリアルのディフューズの色になりますが、こちらのチャンネルを右クリックし、セットアップへ適用メニューをクリックします。これでパスグループを解除した通常のレンダリングを行うと、適用したパスの設定がシーンに反映されているのが確認できます。
このパスグループの各パスとして登録できる調整可能なプロパティというのは、マテリアルに限ったことではありません。モデルやカメラといったアイテムの移動だったり、カメラの切り替えだったり、テクスチャのオンオフだったり、様々なプロパティのパターンを用意することができます。正確にはパスとして用意できるプロパティは、プロパティの値のところに丸いマークが付けられている、チャンネルが用意されているプロパティということになります。
今度はカメラでテストしてみましょう。このシーンにはカメラが3台用意されており、それぞれレンダーカメラをCamera1、Camera2、Camera3で切り替えることができます。このレンダーカメラのプロパティには丸いマークが付けられており、すなわちチャンネルが用意されている、アニメーション可能なプロパティであることがわかります。では、先ほどと同様、パスグループの新規ボタンをクリックし、Group_Cameraというグループを作りましょう。
レンダーカメラをCamera1、Camera2、Camera3に設定したパスを作ってみます。パスをレンダーでレンダリングしてみると、3台分の切り替えた別々のレンダリング画像が生成されるようになりました。
今回はマテリアルの色の切り替え、レンダーカメラの切り替えといった二つのパターンで解説しましたが、このレンダーパスの機能を使えば、あらゆるチャンネルの値を切り替えるパスグループが生成できますので、ぜひ便利に活用してみてください。