OctaneRender:ライトの設定とライトパスの出力方法
https://www.youtube.com/watch?v=_XZNruEAPnQ
今回はOctaneにおけるライトの設定とライトパスの出力方法について解説します。
サンプルとなるシーンには床の上に球体がひとつ配置されており、二つのエリアライトと一つのポイントライトが用意されています。Modoで設定したライティングは基本的にそのままOctaneでも使えますが、使えるライトには限りがあります。今回のようにエリアライトやポイントライト、さらにメッシュライト、フォトメトリックライト、ポータルライトなどが使えます。ディレクショナルライトも一部機能において使用することはできますが、基本的には使用しない方向で考えた方が良いかと思います。このサンプルシーンで使っているのはエリアライトとポイントライトですので、そのままOctaneでも使うことができます
Octaneプレビューで確認してみると、Modoプレビューで見るのと同じように表示されているのがわかります。各ライトのプロパティを見てみると、Modoのライトのプロパティの下にOctane Lightの項目が追加されているのがわかります。Distribution (配分)の値を調整することで、ライトの強さを調整することができます。またVisible on Diffuse (ディフューズで可視)をオフにすると床に対してディフューズの影響がなくなりますし、Visible on Specular (スペキュラで可視)をオフにすると、球体への映り込みに影響が出るのがわかります。Double Sided (両面)をオンにすると、エリアライトの表と裏、どちらからもライトが放射されるようになります。このようにModoで作成したライトを利用しつつ、Octaneでの設定を行うことができます。
このように設定したライトに関して、指定したライトのパスというのを出力することができます。ライトパスのIDもプロパティから指定することができます。今回のサンプルモデルでは赤いライトのライトパスのIDを1、緑のエリアライトのIDを2、ポイントライトのIDを3に設定しておきます。
ではレンダーパスの設定を行ってみましょう。レンダーパスの詳しい設定方法については、日本語解説ビデオ「OctaneRender:レンダーパス・AOVの出力方法」のほうで解説しておりますので、そちらもぜひご覧ください。まずスケマティックビューで新たなワークスペースを作り、カーネルの設定パネルからRender AOV Groupをスケマティックビューへと持ってきてノードを作成します。Render AOV Group (Render AOV グループ)を選択した状態で、New Render AOV (新規 Render AOV) > Render AOV Group (Render AOV グループ)ノードを追加します。これでパスを出力できる準備が整いました。
ライトパスを出力するには、AOV 1を選択した状態でNew Render AOV (新規 Render AOV) > Light AOV (ライト AOV)を追加します。IDにはID 1を設定しておきます。同様にAOV 2にライトパスのID 2、AOV 3にライトパスのID 3を接続してみます。パスのドロップダウンを確認してみると、Light ID 1~3が追加されており、それぞれ三つのライトのパスが出力されているのがわかります。このようにライト毎に個別に出力を行うことで、後からライトの強さを編集ソフトなどで調整することも可能になるかと思います。
またこれらのライトに関しては、メッシュに変換することでテクスチャを設定することも可能です。例えばエリアライトを選択し、プロパティからCreate Octane Emitter (Octane エミッターを生成)ボタンをクリックしてみます。アイテムリストを見てみると、ライトの階層の下に、新たにメッシュが作成されており、シェーダツリーではそのメッシュに対するマテリアルグループが生成されているのがわかります。
ビューポートで確認してみると、この新たに生成されたメッシュは、エリアライトにぴったりと同じ大きさで生成されていますが、通常のメッシュと同じなので、自由に移動したりスケールをかけることができます。
またスケマティックビューで確認してみると、Texture Emission (テクスチャ放射)というノードでライト放射用のテクスチャが設定できるようになっています。デフォルトではライトで設定した色がRGB Color (RGB 色)ノードで指定されていますが、自由に色を変えることもできますし、新たなテクスチャを指定することもできます。
このようにOctaneでは、元々Modoで設定していたライトを使用してライティングを行うことが可能ですし、そこからさらにライトのパスを出力したり、メッシュへと変換して放射元をテクスチャ指定することも可能になっています。