プロシージャルモデリングに対するリグクレイの適用法
https://www.youtube.com/watch?v=byIVo30eJks
Modoバージョン15.0では、コマンド範囲によるリグの制御を行う「リグクレイ」機能が、プロシージャルモデリングとも組み合わせて使用できるようになっています。リグクレイ機能に関しては、ビデオ「コマンド範囲拡張によるリグの新しいワークフロー「リグクレイ」」で詳しく解説しておりますので、そちらをご覧ください。
まずはプロシージャルモデリングで簡単なサンプルモデルを作ってみます。オペレータ追加 > 作成 > プリミティブ > Cubeで立方体を作成し、さらにオペレータ追加 > ポリゴン > PolygonBevelをかけます。グループ化のオプションをオフにし、インセットの値を調整して、内側にポリゴンを作成します。このポリゴンベベルはインセットの値だけを調整しますので、分かりやすいようにオペレーションの名称をPolygon Bevel Insetとリネームしておきます。
では今度はこの内側にあらたに作成されたポリゴンに対してベベルをかけてみます。もう一度ベベルを追加し、グループ化のオプションをオフにし、今度はシフトの値を調整してみます。デフォルトではすべての面に対してベベルがかけられますので、Polygon Bevelを展開し、Selection > (Selectionを追加)でSelect By Previous Operationを追加したら、ソースアイテムからPolygon Bevel Inset、名称から正面を選択します。こうすることで、内側にベベルがかけられた面に対してのみ、新たなベベルをかけることができます。このポリゴンもわかりやすいように、名称をPolygon Bevel Shiftにリネームしておきます。
ここでリグクレイの機能を利用し、最初のベベルのインセット、次のベベルのシフトの具合をビューポート上の操作だけで簡単に調整できるようにします。もちろんチャンネルホールなどの機能を利用すればスライダで調整が可能ですが、さらにそういった数値すら意識することなく、形状の調整を行えるようにしてみます。
まずはこのメッシュをスケマティックビューへと追加したら、このポリゴンに対してコマンド範囲を設定しますので、追加 > Mesh Operations > ポリゴン > Command Region:Polygonを追加します。ここでこのメッシュに対するコマンド範囲というのは決定できましたが、具体的なコマンド範囲となるポリゴンを指定する必要があります。今回はこの2番目のベベルで押し出されたポリゴンを水平方向にドラッグすると、1番目のベベルのインセットの値を、垂直方向にドラッグすると2番目のベベルのシフトの値を調整するようにしたいので、まずはポリゴンモードへと切り替え、この押し出されたポリゴンを選択します。
この状態でポリゴンを指定するには、Mesh Operations > 選択 > Select By Indexを追加します。Command Region:Polygonのプロパティでは、認識しやすくなるようポリゴンの色を変更することができますので、赤色を指定しておきます。これでコマンド範囲の完成です。
次に左右にドラッグ、上下にドラッグというジェスチャーを定義したいので、Command Regions > Command Region Gestureを二つ追加し、それぞれ水平方向にドラッグ、垂直方向にドラッグのジェスチャーを定義し、Command Region:Polygonをジェスチャーノードのコマンド範囲へと接続します。
最後に、Polygon Bevel Insetのインセットのチャンネルを水平方向にドラッグのジェスチャーのチャンネルと、またPolygon Bevel Shitのシフトのチャンネルを垂直方向にドラッグのジェスチャーのチャンネルと接続します。
セットアップパレットのコマンド範囲をオンにし、マウスでなぞると赤色になるポリゴンを水平・垂直方向にドラッグしてみると、すぐにベベルの値が反映されるのが確認できます。
このようにプロシージャルモデリングとリグクレイを組み合わせると、細かな数値を意識することなく、ビューポート上のマウス操作だけでモデリング具合を調整することができますので、デザインの検討を行う場合など、チームやクライアントなど複数スタッフで作業する場合など、非常に有効なツールとなりえます。