10.2で改良されたMeshFusionの使い方
https://www.youtube.com/watch?v=cumPmQbMCQQ
MODO 10.2からはMeshFusionのインターフェイスが大きく変わりました。根本的な機能といった意味では変わりはないのですが、インターフェイス上でのMeshFusion機能の組み方が変わっていますので、そちらをご紹介します。
従来までのMeshFusionはツリーモデルとスケマティックFusionモデルの二つのタイプに分かれていましたが、10.2からはスケマティックモデルのみとなります。ただしスケマティックモデルではありますが、スケマティックでノードを組んでメッシュを組み合わせる必要はありません。ベースはスケマティックモデルではありますが、インターフェイス上のボタンやプロパティの値を変更することで、設定を組んでいくことができるようになっています。
MeshFusionに関するツールはモデルパレットのFusionタブにまとめられていますが、10.1以前のものとはかなり違っています。まずはQbitジオメトリから組み合わせる三つのメッシュ、円柱と円錐、それにカプセルを用意しましょう。ビューポートが見やすいように、ビューのスタイルをモデル Fusionへと切り替えておきます。
Fusionサブタブを見て見ると、メッシュロールという言葉あります。MODO 10.2のMeshFusionでは組み合わせるメッシュに対して役割を明確に表現します。組み合わせて足し合わせるメッシュのことをプライマリ、それに対して切り取る側のメッシュをトリムという言葉で表現します。トリムには2種類あり、プライマリのメッシュを削り取るトリムのことを減算トリム、プライマリと掛け合わせて重なっている部分だけを取り出すのが積算トリムです。
まずはこのQbicメッシュの円柱をプライマリに設定しましょう。円柱を選択し、プライマリへと適用します。さらに円錐に対しても同様にプライマリを適用します。すると自動的にこの二つのメッシュは組み合わされるようになります。次にカプセルのメッシュを選択し、こちらに減算トリムを適用してみます。するとカプセルはワイヤーフレーム状態になりましたが、円柱は切り取られていません。これはトリムの場合、メッシュに対して役割を割り振っただけであり、実際にトリム処理を行っていないからです。円柱とカプセル二つを一緒に選択し、トリムボタンをクリックします。これで円柱がカプセルでくり抜かれるようになりました。
このトリム処理を解除したいときには、トリム解除ボタンをクリックするとトリムをかける前の状態へと戻ります。またプライマリからトリムへと変更したり、減算トリムから積算トリムへと変更するなど、メッシュロール自身のタイプを変更したり、メッシュロールも取り外して通常のメッシュへと戻すことも可能になっています。
メッシュロールのを設定し、同時にトリム処理を行うには、プライマリのメッシュを選択し、メッシュロール設定&適用カテゴリの中にあるトリムボタンをクリックすれば、メッシュロールの設定とトリム処理とが同時に行われるようになります。
この三つのメッシュを一つにまとめて、一つのトリム用メッシュとするためには、複合トリムとします。三つを選択し複合トリムボタンをクリックします。これで一つにまとめられました。アイテムリストを見て見るとロケータの中にコンパクトにまとめられたのがわかります。複合トリムの中のメッシュアイテムを選択すると、複合トリム全体が選択され、通常の一つのメッシュのように移動や回転・スケールといったトランスフォームをかけることができるようになります。
この複合トリムの中にさらにトリム処理を重ねるなどの処理を行いたい場合には、いったん複合トリムからFusionアイテムへと戻して処理を行います。さらに複合トリムへと戻したい場合には、一番右側のボタンで複合トリムへと復帰させます。
ここまで全てパレットの中のボタンを元に作業してきましたが、冒頭でも紹介したとおり、ベースはスケマティックモデルですので、スケマティックFusionのワークスペースで作業することも可能です。スケマティックでの作業に慣れている方は、従来通りこちらで作業を進めていくことも可能になっています。
さて10.1まではMeshFusionでFusion Itemを作ると自動的にストリップが表示されるようになっていましたが、10.2からは明示的に表に出す必要があります。ストリップを編集したい場合にはまず、ストリップアイテムを更新ボタンをクリックします。そうするとストリップが選択できるようになりますので、ストリップを選択すると、ストリップ編集用のパレットが開きます。各ストリップに対して編集を行うこともできますし、あるストリップに対した編集を他のすべてのストリップに適用したい場合には伝播ボタンをクリックすると、全てのストリップに対して自動的に適用させることが可能です。
あとは従来通り、Fusion Itemからメッシュを複製し変換、もしくはメッシュアイテムへ変換ボタンをクリックすると、編集しているFusion Itemがメッシュアイテムへと変換されるようになります。
このように、10.2からはMeshFusionの組み方が従来までと大きく変わりましたが、さらに、10.2からはMeshFusionの作業効率化を図るため、Fusion Itemに新しいオプションも追加されました。従来まではMeshFusionで組み合わせているメッシュをマウスでトランスフォームさせると、マウスの動作に従ってリアルタイムに形状の変更というのが反映されていました。これは視覚的に非常にわかりやすいものではありますが、重い形状を取り扱う場合、パフォーマンスが低下する恐れもありました。10.2からはFusion Itemのプロパティとして遅延更新というオプションが用意されており、このオプションをオンにすると、マウスを動かし放した時点で処理が確定したとみなされ、その時点で更新が反映されるようになります。これにより非常に操作性が軽くなっています。