ビューポート上でプロシージャルテクスチャを描画するテクスチャキャッシュ機能
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Modoバージョン16.0からは、ビューポート上でのプロシージャルを含めたテクスチャの描画を可能にするテクスチャキャッシュ機能が追加されました。
この機能は、テクスチャエフェクトをベイクしてくれる機能ですが、従来のテクスチャへベイクコマンドと違います。従来のテクスチャへベイクコマンドは、レンダリングを行うことでベイク処理が行われていましたが、このテクスチャキャッシュ機能ではバックグラウンドで演算が常時行われることになります。
例えば、サンプルとしてティーポットのモデルを作成し、マテリアルを作成します。このモデルにプロシージャルのテクスチャを設定してみましょう。シェーダツリーのレイヤー追加 > テクスチャからGridを適用してみます。さらに、Noiseテクスチャも重ねてみましょう。通常であれば、プロシージャルのテクスチャはビューポート上では確認できません。どのように適用されているのかを確認するには、プレビューウィンドウを出すしかなく、ビューポート上で確認するためには、RayGLを使うかテクスチャへとベイクする必要がありました。RayGLを使っても良いのですが、RayGLの場合はプレビュー機能とビュー機能を合成していますので、レンダリングの負荷が高いシーンになると、手軽さに欠けてくる傾向があります。
バージョン16.0から追加されたテクスチャキャッシュ機能は、マテリアルグループごとにリアルタイムにテクスチャをベイクしてくれます。マテリアルグループを選択し、右クリックで選択マスクをキャッシュを選択します。そうすると、最初はモザイク状の粗い解像度ですが、徐々にテクスチャがベイクされ完成されるのがわかります。
シェーダツリーでマテリアルグループのアイコンを見てみると、アイコンの右下に印がついているのがわかります。この印がついているのは、テクスチャキャッシュがベイクされていることを表しています。このマテリアルグループ横にある+ボタンをクリックして開いてみると、マテリアルグループの名称に_、さらにそのエフェクトの名称がつけられた画像が生成されています。
ではテクスチャをさらに調整してみましょう。Noiseテクスチャを選択し、テクスチャロケータのタブからテクスチャの大きさを変えてみます。そうすると自動的にテクスチャキャッシュが更新されます。この更新されている最中は、テクスチャキャッシュ画像のアイコンは黄色に、またマテリアルグループは赤色がつき、処理が進行中であることを表します。
いったんこのベイクされている画像をクリアにしたい場合は、マテリアルグループを選択し、右クリックからテクスチャキャッシュを削除を選択します。そうすると、ベイクされていない状態へと簡単に戻ることができます。
このテクスチャキャッシュはエフェクトごとに生成されます。例えば、透過量に対してテクスチャを重ねた場合、選択マスクをキャッシュすると、透過量とディフューズの色、2つのエフェクトに対するテクスチャキャッシュ画像が自動的に生成されるようになります。
このテクスチャキャッシュ機能の優れた点として、テクスチャをマッピングしているモデル自体を修正した場合にも、自動的にキャッシュが更新されるという点にあります。例えば、このティーポットのモデルをコンポーネントモードでY軸に対してスケールを修正してみると、即座にそのテクスチャの変更具合が、キャッシュへと反映されるようになります。
さらに、Modoレイアウトで作業している場合、シーンリスト上にあるアイコンの中からテクスチャキャッシュに関するメニューがまとめてあるアイコンが表示されます、チェック模様のアイコンをクリックすると、テクスチャキャッシュのコマンドをまとめたパネルが出てきます。選択しているマテリアルグループだけでなく、シーンに存在しているすべてのマテリアルグループに対して同時にテクスチャキャッシュを生成したい場合などは、全マスクをキャッシュボタンをクリックしてください。
このようにして生成されるテクスチャキャッシュは、画像としてディスクに保存することも可能です。プロシージャルテクスチャなどは、他のアプリケーションなどへもっていく際には必ずベイクして画像として持ち出す必要がありますが、このテクスチャキャッシュ機能をつけば、ビューポートで確認できるだけでなく、キャッシュテクスチャを保存を実行することで、そのキャッシュの保存もその場で行えます。キャッシュテクスチャを保存ボタンをクリックすると、保存場所となるフォルダを指定するダイアログが出ますので、フォルダを指定すると自動的にファイルが保存されます。テクスチャをディスクへと保存した後で、シェーダツリーを確認してみると、先ほどまでのテクスチャキャッシュを表すアイコンから、通常の画像マップのテクスチャへと変化しているのがわかります。
ディスクへ保存する際の画像サイズは、テクスチャレイヤータブにあるテクスチャキャッシュ画像カテゴリの中の最終画像サイズなどで指定するようにしてください。