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PBR (フィジカルベースドレンダリング)の読み込み

https://www.youtube.com/watch?v=AaHMfwi8MbU

サブスタンスやほかのソフトウェアから出力されたPBR(フィジカルベースドレンダリング)用のデータをModoで利用する際、設定に若干手間がかかっていましたが、Modoバージョン14.1からはそれらデータをスムーズに読み込み・設定を行う機能が実装されています。

今回サンプルとして使用するのは、FreePBR.comで配布されている赤サンゴのデータです。こちらではUnity用、Unreal用、Blender用としてデータを配布していますが、今回Unreal用のデータをダウンロードして試してみましょう。落としてきたデータの中身を見てみると、Albedo用、height用、metalic用、normal用など、Unrealマテリアルの各種プロパティに相当する画像ファイルが含まれています。

従来であれば、これらの画像をModoへと読み込み、ひとつひとつの画像のエフェクトを、対応するUnrealマテリアルのプロパティへと変更していくのですが、このプロパティの数が多くなればなるほど、処理に時間がかかります。では14.1から実装したPBR読み込み機能を利用して、これらの読み込みと設定を行ってみましょう。

テクスチャメニューを開くと、PBRというメニューが追加されていますので、そちらからPBRを読み込みを選択します。先ほどの画像を選択し、読み込んでみます。この状態だと、ただ単に画像ファイルが一つのフォルダの中に読み込まれ、エフェクトがすべてディフューズの色になってしまっています。これは、どの画像が、どのエフェクトに紐づいているのかが設定されていないためです。これを設定するため、テクスチャ PBR 初期設定ポップオーバーを開きます。ここで画像とエフェクトとを関連付けることができます。

このパネルを見てみると、共通プリンシプルUE4UnityGLTFといったカテゴリがありますが、これらはすべてマテリアルの種類によるものです。今回、読み込んだのはUnreal用マテリアルですので、Unrealの設定を行ってみましょう。画像を見てみると、red-coral2_の後ろに、aoheightmetallicといったプロパティを表す文字が指定されています。つまりこの文字が接尾辞として含まれている画像は、そのエフェクトを表すことになります。ですので、それぞれに対応する文字を設定していきます。設定したら、エフェクトを設定で実際に読み込んでいる画像に対して設定を適用してみます。そうすると、自動的にエフェクトが変換されたのがわかるかと思います。

いったん、こうやって設定が完了すれば、次から読み込む際は自動的に読み込みと同時に設定が行われるようになります。またパネル上部にあるカテゴリでは、読み込み時における挙動も合わせて設定できますので、マテリアルを最初から作るのではなく、読み込みと同時に作成することも可能です。

すでに読み込まれている画像に対して、こちらのパネルから設定の変換を行うこともできますし、シェーダツリーから右クリックで、PBRエフェクトを設定メニューから行うことも可能です。またこのパネルの設定は、システムメニュー > 初期設定パネルのファイル入出力PBRデフォルトでも設定することが可能です。これらの設定は定義を出力でファイルへと出力することができますので、ほかの環境に移して設定することも可能です。このようにPBR読み込み機能を使えば、今まで設定が手間だった処理も一発で可能になりますので、より簡単にトライアンドエラーを繰り返すことができるようになります。

2020年8月4日