親子関係の設定と補正ボタン
https://www.youtube.com/watch?v=pbMWqYpC5tE&hd=1
今回はアイテムの親子関係と補正ボタンについて解説します。
複雑なレイアウトを組む場合、またはアニメーションを設定する場合には、アイテム同士に親子関係を設定し、階層構造を組む必要が出てくる場合があります。階層構造を組めば、レイアウトを簡単に行えたり、複雑なアニメーション設定が可能になり、表現の幅が広がります。ただ、親子関係の組み方によっては、アイテムが意図しない場所へと移動する場合もあるでしょう。今回はそれを親子関係の基本的な設定方法について解説していきます。
親子関係の設定は、アイテムリストでも行えますが、まずはセットアップレイアウトにある設定タブにあるメニューから解説していきます。
今回のサンプルでは、円柱と円錐で解説していきます。円柱は-1m、円錐は1mの場所にあります。どちらのアイテムも45度傾いています。円柱を親、円錐を子アイテムとして設定しましょう。まず子アイテムとなる円錐を設定し、それから親となる円柱を複数選択します。
ここで設定タブの中にあるペアレントボタンをクリックします。アイテムツリーを見てみると、円柱が親、円錐が子として階層が組まれているのが確認できます。しかし、子アイテムとなる円錐の場所が移動し、90度に回転しているのがわかります。
この現象が起こるのは、子アイテムの位置の値を変えないまま、親子関係が設定されたからです。プロパティでトランスフォームの値を見ていると、1mのまま、角度も45度のままになっています。親子関係を設定すると、この位置や回転は親座標における位置や回転となります。つまり親となる円柱は-1mの場所にありますが、円錐から見ると、その円柱の位置から1mの位置にあるため、全体で見ると0m、つまり原点の位置へと動いてしまうのです。
では、最初に設定した位置や回転を変えずに親子関係を変えるにはどうすればよいでしょうか?いったん親子関係を解除しましょう。ペアレント解除ボタンをクリックします。
今度は、インターフェイス上部にある補正ボタンをオンにしてみます。すると、ペアレントボタンが同位置でペアレントというボタンに切り替わりました。この状態で同位置でペアレントボタンをクリックします。
するとアイテムリスト上では先ほどと変わらない階層構造でありながら、位置や回転の関係は変わりません。円錐の位置を確認してみると、先ほどとは位置の値が変わり、回転も0度になっています。円錐の位置や回転を変えないままで親子関係を成立させるよう、トランスフォームの値が変わったためです。親子関係を設定した時点における双方の位置を変えないままで設定するのが、この補正ボタンの役割です。
ただし、アイテムリスト上でアイテムをドラッグアンドドロップすることで親子関係を設定すれば、補正ボタンがオフになっていても、位置や回転を変えずに親子関係を設定することができます。
さらにペアレントボタンの下には挿入というボタンも用意されています。この挿入ボタンは、階層構造の中に他のアイテムを挿入する場合に使用します。
例えば、球体のアイテムを円柱と円錐の階層構造の間に入れてみましょう。アイテムリストでこの作業を行おうとすると、円柱を球体の下にドラッグした後、さらに円錐を球体の下へと移動させなくてはなりません。今回のようにシンプルな階層構造であれば問題ありませんが、非常に複雑な階層構造の場合、とても厄介な作業になります。このような場合には、この挿入ボタンを使うと簡単です。
もう一度、補正ボタンをオンにしましょう。挿入ボタンもペアレントボタンと同様、同位置で挿入に変わります。球を選択し、挿入したい位置にあるアイテム、今回の場合は円錐を選択してから、挿入ボタンをクリックします。そうすると、一発で球アイテムが階層構造の中へと組み込まれました。
親子関係の設定には、アイテムツリーで簡単に設定する場合もあるでしょうし、メニューボタンを使ったほうが簡単な場合もあります。場合に応じて、使い分けてください。