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コマンド範囲拡張によるリグの新しいワークフロー「リグクレイ」

https://www.youtube.com/watch?v=_Mv8nd6llHQ

Modoバージョン14.2では、コマンド範囲ジェスチャー機能を用いて、リグを自由にコントロールできる新たなワークフロー「リグクレイ」を実装いたしました。この機能により、メッシュをクリックしたりドラッグするだけで、セットアップしておいたプロパティやチャンネルの操作をビューポート上で行えるようになります。

この「リグクレイ」で使用するコマンド範囲という機能については、バージョン901から実装されていた機能ではあるのですが、今回はさらにその機能を拡張し、より実践的に使いやすくなっています。では実際にこのリグクレイのセットアップ方法を見ていきましょう。

このサンプルシーンにある顔のモデルには、三つのモーフマップが準備されています。耳のモーフと目のモーフ、そして口のモーフです。このモーフによる顔の動きを、コマンド範囲ジェスチャー機能でコントロールしていきます。まずは各モーフに対してモーフインフルエンスを設定しましょう。モーフマップを選択し、右クリックからモーフインフルエンス追加を実行します。これで各モーフマップに対応する三つのモーフインフルエンスが作成されました。リグでコントロールするのっは、これらモーフインフルエンスの強さのチャンネルとなります。

では次に、顔のモデル上のどの部分を動かすと、この強さのチャンネルを調整できるようになるのかといった範囲を指定します。まずは耳のモーフを調整していきましょう。耳を調整するには、もちろん全く関係のない個所を設定してもよいのですが、直感的に耳付近のポリゴンを動かせば耳のモーフの強さを調整できるとしたほうがわかりやすいかと思いますので、耳のポリゴンを選択しておきましょう。

この選択したポリゴンをコマンド範囲としたいので、コマンド範囲の設定を行います。スケマティックビューで追加ボタンをクリックすると、Command Regionsというカテゴリがありますので、そこからPolygon Command Regionというノードを追加します。これがコマンド範囲をコントロールするノードとなります。コマンド範囲を設定したい元となるメッシュレイヤー、今回の場合はこのメッシュをPolygon Command Regionジオメトリへと接続します。次に顔のメッシュを選択し、ポリゴンモードへと切り替えると耳のポリゴンが選択された状態になっているかと思いますので、この状態でセットアップパレット > コントロールのタブにあるポリゴンを追加ボタンをクリックします。これで選択ポリゴンがコマンド範囲として認識されるようになりました。わかりやすいようにプロパティタブでを赤色へと変えておきます。コマンド範囲として定義されたポリゴンは赤色で表示されるようになりました。

ここまではまだポリゴンによるコマンド範囲を定義しただけです。この赤い耳の部分をドラッグすると、耳のモーフの強さの値を調節したいので、次にマウスをドラッグするというマウスのジェスチャー(動き)を登録します。このジェスチャーは同じくCommand Regionsカテゴリの中にあるCommand Region Gestureというノードで定義します。このノードに対して、先ほど設定したコマンド範囲Polygon Command Regionノードを接続すると、設定した耳のコマンド範囲に対して、ジェスチャーのプロパティで設定した動作を行うことで、このノードのチャンネル出力で設定するチャンネルをコントロールするという形になります。プロパティを見てみると、ジェスチャーを行うマウスのボタンモードがありますので、左ボタンで水平方向にドラッグしたときにアクションを起こすように設定します。今回コントロールするのは耳のモーフの強さですので、耳のモーフインフルエンスの強さの値をスケマティックビューへと追加し、Command Region Gestureノードのチャンネルを、モーフインフルエンスノードの強さへと接続します。

これで接続は完了しましたので、あとはセットアップパレットのコントロールタブにあるコマンド範囲ボタンをクリックし、コマンド範囲を有効にすると、耳のポリゴンを水平方向にドラッグするだけで、モーフによる耳の動きを調整できるようになります。

この手法はどのチャンネルに対しても適用可能ですので、トランスフォームの値を修正したり、またはマテリアルを調整していくことも可能になります。

2021年1月27日