バージョン16.1における細かな改修点
https://www.youtube.com/watch?v=NOTnG6N2J8I
バージョン16.1ではワークフローの効率化や利便性を考えた細かな改修がいくつも施されています。
まずはビューポートに施された改良点をご紹介します。このシーンにはエリアライトが3つ用意されていますが、ビューポートの設定によってはライトが表示されていない場合があります。シーンの中のライトの位置を確認したい場合、ビューポートのオプションパネルを出してライトを表示させることができます。オプションパネルはビューポート右上の歯車ボタンをクリックするか、ショートカットキー O キーを押します。この表示属性のタブにライト表示というオプションがあり、デフォルトではオフになっている場合がありますので、このオプションをオンにします。そうすると、シーン内のライトの位置を確認できるようになり、位置や回転といったトランスフォームを設定しやすくなります。このオプションは従来のバージョンまでも用意されていたのですが、このオプションをオンにすると、ビューポート上でライトの位置が表示されるようになるだけでなく、ライトの効果もビューポート上で影響を与えることになります。ライトの効果を確認したいという場合はいいのですが、位置を確認したいだけでライトの影響は及ぼしたくないといった場合に応じるべく、バージョン16.1からはライト表示の下にライト照射というオプションが追加されるようになりました。ライト照射をオフにすると、ライトはビューポート上で確認できるようになりますが、その影響は及ぼすことはないため、シーンの描画に対してライトの効果を演算することがなくなるため、パフォーマンスも上げることもできるようになります。
ビューポートに関しては、エッジやカーブの幅も変更できるようになりました。アクティブメッシュのタブには、エッジ厚みとカーブ厚みというプロパティが追加されており、この値を変えることでエッジやカーブの視認性を高めることができるようになっています。
次にメッシュコンストレイント機能についてです。こちらは背景にあるメッシュにコンストレイントしながらモデリングできる便利な機能なんですが、背景のメッシュ全てに対してコンストレイントが発生していました。例えば複数のアイテムがある状態で、メッシュコンストレイントをオンにし、移動ツールで動かしてみると、三つの球体全てに対してコンストレイントが行われます。これが従来までの動作であり、特定のメッシュだけにコンストレイントしたい場合は、それ以外のメッシュを非表示にする必要がありました。バージョン16.1ではメッシュコンストレイントの新たなオプションとしてターゲットアイテムというのが追加されています。これはコンストレイント先となるメッシュを指定することができますので、その他の不要なメッシュを非表示にする必要はありません。この背景にコンストレイント機能は、トポロジペンツールなど、デフォルトで組み合わせて使われるツールもあり、それらのツールでも同様にこのターゲットアイテムが指定できるようになりますので、移動ツールとの組み合わせだけでなく、他のツールでも便利に使えるようになります。
さらにインターフェイスに関して追加された機能を紹介します。現在、トランスフォームなどのプロパティで距離を示す編集フィールドで使用される単位というのは、初期設定で指定できるようになっています。システムメニュー > 初期設定 > 入力 > 単位のデフォルト単位で、この単位を指定することができ、デフォルトではメートル単位になっていますが、センチメートルやミリメートルへと変えることができます。例えばメートルの場合、メートルを基準に入力された値を解釈されるようになりますので、1と入力すれば1m、0.1と入力すれば100mmとなります。バージョン16.1からはさらに現在単位で入力というオプションが追加されており、今編集フィールドでアクティブになっている単位系に合わせるようになっています。例えば編集フィールドに100mmという値が入っている状態で 1 と入力すると、それまでは1mの解釈されていましたが、このオプションをオンにするとミリメートル単位で入力されたとみなされますので、1mmと解釈されます。これは途中で単位系を変えたい場合など、非常に使いやすい便利なオプションとなっています。