リプリケータのサイズをコントロールするには(前編)
https://www.youtube.com/watch?v=OgcOdWW63n8
今回はパーティクルマップを使って、メッシュのポイントやポリゴンを使用して配置されているリプリケータのサイズをコントロールする方法をご紹介します。
サンプルとなるシーンにはチキンが一体、それにリプリケータのポイントソースとなる細かくセグメントが切られた板状のメッシュが用意されています。まずはリプリケータを追加して、原型となるアイテムにチキンを、ポイントソースに板メッシュを指定して、板メッシュのジオメトリに沿ってチキンを配置していきます。
この状態でコンポーネントモードでチキンに対してスケールをかけるか、もしくはアイテムモードで原型のトランスフォームを使用オプションをオンにしてスケールをかければ、リプリケータのチキン一体一体にスケールをかけることはできます。ただし、例えば、この配置の前から後ろに向かって小さいチキンから大きいチキンへとサイズを変えていきたい場合、これらの方法では対応することができません。
そういった場合に使用するのが、パーティクルサイズという頂点マップです。リストタブのマップを見てみると、パーティクルマップというカテゴリがあり、新規マップでマップを作成してみると、パーティクルサイズマップとパーティクルディゾルブマップというパーティクル用の二つのマップが用意されているのが確認できます。パーティクルサイズマップはポイントソースのサイズを、パーティクルディゾルブマップはディゾルブをコントロールするための頂点マップです。
パーティクルサイズマップやディゾルブマップを設定するのに、ペイントタブに専用のペイントツールも用意されていますが、今回はより簡単に応用が利くようにウェイトマップを使い、サイズマップに転用してみます。元々ウェイトマップ用のペイントツールやコマンドはたくさん用意されているため選択肢も多いですし、作ったウェイトマップをさらに別の用途にも使いまわせるケースも出てくるでしょう。
ではまずパーティクルサイズマップを一つ作り、ウェイトマップも一つ作っておきます。フォールオフをリニアに設定し、手前から奥に向かってフォールオフを設定したら、頂点マップ > ウェイトツールでウェイトの値を100%に設定したらビューポートを一度クリックします。これで手前から奥に向かってキレイにグラデーション上にウェイトを設定することができました。
ではこのウェイトをサイズマップへと転送します。頂点マップ > 演算を選択します。このコマンドは異なるタイプの頂点マップの値を転送するためのコマンドです。今回の場合、ウェイトマップからサイズマップへと値をコピーしたいので、適用先にサイズマップを、頂点マップAにウェイトマップを指定します。そうするとビューポート上のチキンが手前から奥に向かってサイズが変わっているのがわかります。これがパーティクルサイズマップの働きになります。
ディゾルブマップの同様です。今度は、手前から奥に向かってはっきりと姿を現す感じ、つまり先ほどのサイズの値とは逆に、ディゾルブの値が100%から0%へと変化するように、演算コマンドでスケールを-100%、を-1に設定します。そうすると手前はサイズが小さいだけでなくディゾルブが非常に聞いている状態となり、奥に向かうにつれチキンのサイズが大きくなりはっきりと姿を現す感じを表現できるようになります。
このように、メッシュを使ってリプリケータを配置する場合、パーティクルサイズ用の頂点マップを使って、サイズをコントロールすることができるようになります。