まぶたの開閉をデフォーマで行うには
https://www.youtube.com/watch?v=NE-rkKpQA6o
今回はデフォーマを利用して、まぶたの開閉を表現する方法をご紹介します。
サンプルとなるシーンにはわかりやすいように眼球を一つ用意しています。この眼球のモデルは、コンテンツのインストーラには含まれていませんが、プリセットのクラウドアセットの機能を利用してダウンロードしてきたファイルになります。クラウドアセット機能の詳細につきましては、ビデオ『プリセットブラウザからのアセットシェアの利用法』および『クラウドアセットを含むプリセットブラウザの改良点』をご覧ください。
ではまず、この眼球を包み込む球体を作ります。空のメッシュレイヤーを選択し、形状メニュー > 単位プリミティブ > 現在のメッシュに > パッチ球を作成します。コンポーネントモードで、眼球を包むぐらいにスケールをかけたら、ショートカットキーDで細分化します。
まだこの球体は閉じた状態にありますので、目を開けるように、エッジを分割します。エッジモードで分割するエッジを選択したら、エッジサブタブ > 分割を実行します。これでエッジは重なっているものの、結合されていない状態になります。
まぶたの上側と下側をそれぞれコントロールして開けるようにするため、その影響範囲となるウェイトを作成します。横から見るため、左面ビューへと切り替え、ビューポートスタイルを頂点マップへと切り替えます。リストタブのウェイトマップ > (新規マップ)で初期値をオフにして、ウェイトマップを一つ作成します。まぶたを開けるほうがデフォーマの影響を強く受けるようなウェイトを作ります。
フォールオフからリニアを選択し、頂点マップメニュー > ウェイトツールを起動します。ビューポートをクリックし、フォールオフの自動サイズをZに設定し、ウェイトマップを設定します。ウェイトが完成したら、今度はこれを上瞼用、下瞼用に分割します。ウェイトマップをコピーし複製したら、それぞれ必要となりポリゴン部分を選択し、リストタブ上で右クリックし消去を選択します。これで選択ポリゴンに対するウェイト値が除去されることになります。
準備が整いましたので、ここからデフォーマを設定していきます。セットアップモードに入り、メッシュを選択した状態で、セットアップパレットのデフォーマサブタブにあるトランスフォームボタンをクリックします。トランスフォームの汎用インフルエンスで上瞼用のウェイトマップを選択し、対応するトランスフォームエフェクタをTransform Effector – Upなどとわかりやすいようにリネームしておきます。下瞼についても同様の処理を行います。Transform Effectorの位置が原点になるよう設定したら、セットアップモードを抜けます。
それぞれのTransform Effectorを回転させてみると、上瞼、下瞼が回転して開いていくのが確認できます。それぞれ60度ずつぐらい開いた状態にしておきます。でフォームの設定ができたら、今度は瞼の開閉をフォールオフで行えるように設定していきます。
この2つのトランスフォームデフォーマがフォールオフに対して同等に影響を受けるようにするよう、正規化フォルダに収めるようにします。デフォーマリストのタブを開き、2つのトランスフォームデフォーマを選択したら、右クリックで正規化を実行します。Normalizing Folderにトランスフォーマがまとめられましたので、さらに右クリックから優先追加 > フォールオフ > Radial Falloffを追加します。このフォールオフによって、デフォーマの影響具合をコントロールできるようになります。フォールオフを動かすと、開閉を確認することができます。
MODOではこの状態からさらに、瞼のジオメトリ自体に対してモデリングを重ねていくことが可能になっています。現在はペラペラの厚みのない瞼になっていますが、これに対しても厚みをつけたり、さらに処理を重ねても、ウェイトの情報はそのまま受け継がれるため、瞼の開閉の動作には影響がありません。動かす仕組みを作った後でも、モデリングを重ねていくことができます。
今回は瞼をサンプルとして使用しましたが、瞼に限らず、有機的な形状に対して非常に効果的な動きを作り出すことができます。