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背景の写真にカメラのパースを合わせるには

https://www.youtube.com/watch?v=Eo-H7fAreqY

MODO 902からは背景の写真に対してカメラのパースを合わせるパースマッチング機能が搭載されました。この機能により、写真と3DCGのモデルとの合成が、簡単に行えるようになります。

パースマッチングの機能はカメラの機能として用意されています。アイテムリストからカメラを選択し、プロパティを見てみると、新しいカテゴリが用意されています。パースマッチングの場合にはまず写真を背景として読み込む必要がありますので、背景画像カテゴリで背景に配置する画像を設定します。

視点をカメラビューに切り替えてみると、読み込んだ背景画像が表示されているのが確認できます。このデフォルトの状態ではオリジナルの画像と比較して、少し横に広がって見えます。これはシーンの解像度に画像をあわせてスケールが自動的にかかっているためです。シーンの解像度に合わせるのではなく、背景画像の解像度にシーンを合わせるには、画像から解像度を設定をクリックします。これにより、レンダー解像度が無効になり、画像の幅と高さがレンダリングの幅と高さに設定されます。今回使用する画像は若干暗めですので、作業しやすいように、あらかじめ画像のカラースペースをリニアへと変更し、わかりやすくしておきます。

ではここから実際にマッチングの作業を行っていきましょう。パースマッチを行うと、カメラの位置や回転が自動的にその画像内のパースへと合うように設定されるようになります。現在、新規シーンですので、カメラの位置や回転はデフォルトの状態になっています。

パースマッチングの作業を行うにはまず、背景へ一致ボタンをクリックします。これによりマッチング用のツールが起動することになります。パースマッチを行うには、二つの軸に対し、それぞれ二本のラインを定義していきます。

プロパティにある軸1/軸2にはXとZが設定されていますので、まず軸1つまりX軸を定義する二本のハンドルを定義します。ビューポート上をクリックすると、赤いハンドルが引かれますので、X軸つまり横向きの方向に一本定義します。画像の中にある梁を目安に設定しましょう。ハンドルは両端に丸いマークが付けられていますが、この丸いマークの上で右クリックを押すと、その部分だけ拡大表示されますので、正確に両端の位置を指定することが可能です。同様にもう一本、X軸を定義するハンドルを設定します。

次に、軸2つまりZ軸を定義する二本のハンドルを定義します。Z軸は奥行きを示すものですので、手前から奥へと向かうハンドルを二本設定します。今度はビューポートをクリックすると青いハンドルで表示されますが、設定方法はX軸の時と同様です。

これで合計4本のハンドルが設定されました。ではこの状態でパースマッチからカメラを設定ボタンをクリックします。そうすると、カメラの回転角度がパースに合わせて設定され、さらにカメラが自由に動かないようにロックがかけられているのがわかります。このロックはコンテキストメニューのロック解除から、解除を外して自由に設定することも可能です。

このようにパースがかかった状態だと、例えばメッシュを作成しX軸やZ軸に対して移動させると、先ほど画像で設定したX軸やZ軸に合わせて移動するようになるのがわかります。

このマッチング用のハンドルは、何度でも修正することが可能です。この状態でもう一度背景へ一致ボタンをクリックすると、ハンドル定義の操作を続行することができます。ここまでは4本のハンドルを定義しましたが、オプションとしてY軸に対するハンドルも定義することが可能です。このY軸のハンドルを定義する際、画像の中におけるハンドルの長さを定義すると、さらに実際のパースに合わせたカメラ位置を設定してくれるようになります。

例えば、今回の画像ではY軸を定義するのに柱を使用しますが、この柱の長さはおよそ3Mぐらいだと考え、長さに3Mと入力しパースマッチからカメラを設定ボタンをクリックします。そうすると、カメラのトランスフォームを見てみると、先ほどは回転角度だけが変更されていましたが、今回は移動の値も変更されているのがわかります。

この状態で作業平面をパースマッチへボタンをクリックすると、このパースに対して作業平面が設定されることになります。ではここで建物の梁に当たる部分にメッシュを作成してみましょう。ボックスツールを起動し、Z軸に対してメッシュを作ってみると、画像内のZ軸に合わせてボックスが生成されるようになり、さらに柱の長さとして指定した値を元として、ボックスのサイズも設定されるようになります。

もちろん、パースに合わせて既存のメッシュを配置することもできます。標準コンテンツのHumanフォルダにあるSimpleGuyをZ軸に移動させてみると、奥から手前へとスムーズに移動するようになります。またBasicフォルダからShadowCatcherを追加すると、簡単に影を追加することができますので、よりリアルな合成を簡単に行えるようになります。

2015年12月11日