ファイル参照システムの活用法
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MODO 801における重要な機能の一つとして、ファイル参照機能があります。この機能はMODO 701でも実装されていましたが、MODO 801ではさらに強固なシステムへと生まれ変わりました。
まずはこのサンプルシーンを見てみましょう。このシーンには中央にモデルが一つ用意されています。このモデルの上をキャラクタが走るというシーンを作ってみます。一人で全てを制作している場合には、このシーンの中に作りこんでいけばよいかもしれませんが、キャラクタが走るという動きに関して別の作業者が作りこみを行う場合もあるでしょう。そのような場合に、ファイル参照の機能が有効です。
まずはラフな状態でキャラクタが走るシーンを作ってもらい、それを読み込んでみます。ラフな状態のシーンでは、ただ単にキャラクタがパス上を走っているというだけのシーンです。これをサンプルシーンの中に読み込んでみます。ファイルメニューから参照を読み込みを使用して、先ほどのラフなシーンを読み込み保存します。とりあえずキャラクタが動く場所や速度、といったものは、読み込んだラフなシーンによって参照できますので、それに合わせて他のメッシュやマテリアルなどの作りこみ作業を進めることができます。
その作業と同時に、キャラクタを作るというシーンを担当している作業者は、さらにリアルな動きとなるように作りこみを続けることができます。すると参照を読み込んだシーンでは、自動的に作りこんだシーンへと更新されるようになります。
このようにファイル参照機能を使うことで、作りこむ対象をそれぞれの作業者に割り振ることができるようになりますので、効率よく制作を行えるようになります。またこのMODO 801のファイル参照機能は、参照で読み込んだシーンに対しどの程度コントロールを行えるのか、というのを細かく設定できるようになっているのが特徴です。
現在読み込んでいる参照上で右クリックしコンテキストメニューを出すと、参照というメニューが用意されています。一番上にある参照上書きを編集を見てみると、チャンネル/名称/構造/削除/選択に関する上書き、つまりこのシーン内で読み込んだ参照シーンを編集可能にするかどうかという設定が行えるようになります。例えば、チャンネルの上書きのポップアップを見てみると、常に許可/常に禁止/アイテム上書き設定が許可の場合のみ/アイテム上書き設定が禁止の場合以外という4種類のオプションが用意されています。
常に許可に設定してみると、読み込んだシーンのトランスフォームや様々なプロパティが全て編集可能になります。逆に常に禁止に設定してみると、読み込んだシーンは編集できない状態になります。アイテム上書き設定が許可の場合のみという設定にしてみると、一見どのアイテムも編集できないような状態に見えますが、特定のアイテムだけを編集可能にすることができます。例えば、編集可能にしたいアイテムを選択し、コンテキストメニューの参照からアイテム毎の上書きを編集メニューを開きます。開いたパネルは先ほどの編集パネルと同じように見えますが、先ほどのパネルが読み込んだシーン全てのアイテムに対しての設定だったのに対し、こちらは特定のアイテムに関する設定になっています。ここからチャンネル編集を許可にしてみると、参照シーンの他のアイテムは先ほどと同様、編集不可の状態にもかかわらず、特定のアイテムだけは編集可能な状態になっているのがわかります。また、アイテム上書き設定が禁止の場合以外というオプションにすると、禁止設定をしているアイテム以外は、すべて編集可能になります。
このように、どこまでを編集可能にするのか、または編集不可にするのかといった設定を、細かく設定し管理していくことができますので、複数の作業者と共にチームで制作を行うような場合には、欠かせない機能となるでしょう。