選択スタックオペレーションの便利な使い方
https://www.youtube.com/watch?v=fFUQffmYfiA
このビデオではバージョン15.2で追加された選択スタックオペレーションを利用した便利な使い方をご紹介します。
このひとつ前のバージョン15.1ではメッシュオペレーションを整理してくれるスタックノードが追加されましたが、バージョン15.2ではその選択バージョンとなるような選択スタックオペレーションというのが追加されています。スタックノードの詳細については、日本語解説ビデオ「メッシュオペレーションを整理するスタックノード」をご覧ください。
まずはメッシュオペレーションでいくつか選択を重ねて行ってみましょう。メッシュオペレーションリストのオペレータ追加 > 作成 > プリミティブ > Cylinderを追加し、セグメントを12に設定します。この円柱に対してポリゴンベベルをかけてみます。オペレータ追加 > ポリゴン > Polygon Bevelを追加します。グループ化のオプションをオフにし、シフトとインセットの値を調整します。そうすると全部のポリゴンに対してベベルが適用されました。これは現段階において、ベベルの適用個所を指定していないために、全てのポリゴンに対してベベルが適用されています。
ここからベベルの適用個所を選択で指定していきます。まずはオペレーションリストのPolygon Bevelを展開し、Selection > (Selectionを追加)から新規 > 選択 > Select By Patternを追加します。これはパターンを使って、選択を行うオペレーションです。例えば、一つ飛ばしにポリゴンを選択したい場合、選択する場合はTrue,そうでない場合はFalseを指定すればよいので、True,Falseと入力します。そうすると、ポリゴンが一つ飛ばしに選択されるようになります。Trueは数字の1、Falseは0で指定しても構いません。1,0と入力することで、True,Falseと解釈されます。二つ飛ばしにしたければ、1,0,0とすればよいでしょう。
この状態で見てみると、下側にあるキャップとなるポリゴンも選択されています。キャップとなるポリゴン、すなわち頂点数が4よりも大きいポリゴンは選択しないようにしたいので、(Selectionを追加) > Selection AssembliesからSelect N-Gon Polygonsという多角形ポリゴンを選択してくれる選択用のアセンブリを追加してみます。そうすると、キャップ部分のみがベベルされましたので、反転をオンにし、さらにブレンドモードを乗算にすることで、その下にある選択個所と掛け合わせます。これで四角形ポリゴンのみが一つ飛ばしで選択されるようになりました。さらに、Yが0より上の位置にあるポリゴンのみに対してベベルをかけましょう。(Selectionを追加) > 新規 > Select By Falloffを追加し、さらにそれを展開して、フォールオフ > (フォールオフを追加) からLinear Falloffを追加します。軸をYに設定したら、長さを思いきり小さな値に設定します。そうすることで、ゆるやかに変化させるのではなく、ぱきっと変更させることができます。こちらもブレンドモードを乗算にすることで、これら三つの選択オペレーションを重ね合わせます。
このようにして、三つの選択オペレーションを重ね合わせることができましたが、これを選択スタックオペレーションを使用してひとまとめにしておくことができます。Selection > (Selectionを追加) からSelection Stackを追加します。Selection Stackを展開すると、選択というカテゴリがありますので、この中にこれまで作った三つの選択オペレーションを入れます。
Selection Stackをスケマティックビューに追加し、確認してみましょう。選択の順番がおかしなことになっていたら、このノード上でドラッグアンドドロップして順番を入れ替えることもできます。またノードの中のプラスボタンを押せば、さらに選択オペレーションを追加することもできますし、目玉マークをクリックすることでオペレーションのオンオフを切り替えることもできます。
複数の選択オペレーションをSelection Stackでひとまとめにすることで何が良いかというと、他のメッシュに対しても、同じ選択動作を簡単に設定することができるという点が挙げられます。
では別のメッシュを用意してみましょう。空のメッシュレイヤーを一つ作り、セグメントが全ての軸に対して10ぐらいに切られた立方体を一つ用意してみます。この立方体に対して、ポリゴン > Spikeを適用してみます。デフォルトの状態だとスパイク長の値を変更してみると、どのポリゴンに対してもスパイク処理が行われますが、このオペレーションをスケマティックビューへと持ってきて、先ほど作ったSelection StackをSelectionへと接続すると、同じように一つ飛ばしてY軸が0より大きい個所にあるポリゴンに対してのみSpikeが適用されるようになります。
このように、選択オペレーションは複数の選択オペレーションを一つにまとめることで、それを整理しておけるだけでなく、複数メッシュに対して同じ選択条件を適用したい場合などにも有効に使えます。