モデリングやアニメーションを作業する際、ジオメトリの可視化は一貫した状態でカスタマイズ可能であることが重要です。Ghost (ゴースト) および Xray (X 線) ビューポートモードを使用すれば、必要な時に必要なものを確認することができ、クリエイティブなフローを遮ることがありません。このバージョンでは、Ghost (ゴースト) および Xray (X 線) モードでシーンを可視化したいといった場合に、アドバンストビューポートでもその品質を得られるようになりました。
頂点マップの可視化が可能になったことにより、パラメータの調整を重ねる必要なく、素早く確定したり編集することができるようになりました。アドバンストビューポート上でウェイトマップ、UV の歪み、頂点カラーを確認できるようになります。
複雑なシーンでは、高品質で可視化するのは大きな課題です。Modo 14.1 では、複雑なシーンや環境で作業する際によりパフォーマンスを上げるため、シェーダツリーやシェーダグループの処理が高速になるよう最適化されています。
Modo はパフォーマンスの改善に常に取り組んでいますが、このバージョン14.1では日々の作業の速度向上につながるパフォーマンスの改良が施されています。UV Relax (UV リラックス) メッシュオペレーションは Adaptive (アダプティブ) モードでマルチスレッド化されており、UV リラックス処理時に従来の 5 倍速が期待されます。Edge Remove (エッジの除去) オペレーションもまた、5~20 倍程の大幅な速度向上が図られています。
Modo 14.1 で新たに追加されたベベルの Auto Weld (自動融合) オプションを使えば、ベベル実行時にジオメトリが重なり合う心配なんて無用です。ポリゴンベベルに対するこの新しいオプションは、選択したポリゴンの境界のループを計算し、内側にインセットされた頂点が接触した段階で停止するようにしています。ダイレクトモデリングであろうとプロシージャルモデリングであろうと、Auto Weld (自動融合) は多くの Modo モデラーが称賛するパワフルなツールであることに間違いありません。
面取りを行っている際に、境界を過ぎてもなお押し出しを行いたいといった場合もあるでしょう。エッジ面取りツールにおける新たなオプション Extended Boundary (境界を拡張) はまさにそれを可能にしてくれるオプションです。外側の面の法線とエッジベクトルによって、外側方向に向かう面取りが計算されます。この新しいオプションは、プロシージャルモデリング・ダイレクトモデリング双方共にお使いいただけます。
シンプルな操作をよりスマートにすることで、モデリング処理がより高速になりました。ポリゴン作成ツールでは、二つのエッジを選択するだけで新たに矩形ポリゴンを作成できます。
フォールオフは Modo ワークフローにおいて非常にパワフルかつ柔軟性に満ちた機能ですが、バージョン14.1からはポリゴンベベルもコントロールできるようになりました。ポリゴンベベルのシフトおよびインセットに対して、お気に入りのフォールオフ機能をお使いいただけるようになります。
カーブスイープには新しいモードが実装され、メッシュの頂点がカーブに沿って押し出されるようになりました。Point (頂点) モードを活用することで、頂点はカーブへと変換され、カーブスイープを新たな用途で使えるようになります。
Unwrap and Relax (展開とリラックス) は複雑な UV 展開を素早く処理できるようにする大変パワフルなツールであり、バージョン 14.1v1 からはプロシージャルメッシュオペレーション版も利用できるようになりました。
UV Relax (リラックス) メッシュオペレーションを使って、UV をプロシージャル的に処理できるようになりました。このツールは、モデルのサーフェイスを滑らかかつ規則的に処理するスムーズツールと同じように、既存の UV マップを調整するのにつかわれます。
デノイズ処理は昨今のモデリングワークフローにおいて重要な部分を占める処理です。Modo においても 2 つのオプションが新たに追加され、現行の Nvidia OptiX デノイザーに対応するべく改良されました。
Intel の Open Image Denoise は新たな高品質デノイザーであり、ユーザーからのパラメータ入力を要求することなく、AI を使用してホスト CPU 上で画質を改良します。
AMD AI も新たな高品質デノイザーであり、AI を使用して GPU 上で画質を改良するのにつかわれます。AMD ハードウェアで最も効果を発揮します。
手軽な更新で言えば、Per Iteration Denoising (再帰的デノイズ) は mPath 再帰処理の間で画像にでノイズ処理を施すことで、ワークフロー全体の速度向上が図られています。現バージョンは Intel もしくは OptiX デノイザ使用時にのみご利用いただけます。
mPath は高品質レイトレーシングライブラリである Intel Embree を実装することで、市場にささる最新のマルチコア CPU システムの恩恵を存分に受けています。Embree は MAC も含め、CPU プラットフォーム上でより高速なレイトレーシング演算処理を可能にします。
適正な NVIDIA ハードウェア上における GPU レイトレーシングは、OptiX 7 にアップグレードされました。mPath は NVIDIA OptiX 7 により、レンダリングのレイトレーシング処理において劇的な速度向上を実現しました。
このアップデートにより、mPath はヘアやファーのレンダリングの用途に使える OptiX の線ポリゴンのレイトレーシングもサポートしました。
シンプルさを極めると、制作時における障壁は取り除かれ、作品作りにより集中できるようになります。Environment Importance Sampling (EIS) (環境インポータンスサンプリング) は mPath を用いたレンダリング時に、画像マップが環境に与えるかどうかに基づき、自動で計算されるようになりました。パラメータの調整に気を配る必要はありません。
PBR 読み込みが可能になったことで、Substance Designer なほかのアプリケーションから Modo のシェーダツリーへと PBR テクスチャをすぐに読み込めるようになりました。関連する画像もすべて手早く読み込み、ファイル名称を基に対応するエフェクトを設定します。
UV Pack (パック) や UV Fit (フィット) メッシュオペレーションは、14.1 からピクセルによる間隔サイズが設定できるようになりました。
IK と FK の切り替えは面倒なものです。平面 IK に対する新たな IK/FK 切り替え機能を使うと、あっという間に IK を FK へと合わせたり、FK を IK へと戻すことが可能になります。アニメーション時においては、IK の描画ラインと、IK もしくは FK に対するカスタムの IK ゴールとの描画をフェードさせることで、切り替えの状態を簡単に確認することができます。
インバースキネマティクス適用後に、ジョイントの調整を行う必要が出てくるケースも度々あります。Disable IK (IK を無効) は IK をセットアップした後でも、ジョイントは位置の調整を行えるようにします。フルボディと平面 IK はセットアップモードにおいて無効にすることが可能であり、どちらのタイプの IK チェーンの静止ポーズも更新することができます。
UsdModo プラグインでは、Pixar 社の Universal Scene Description のアセットを Modo へと読み込めるようになりました。ジオメトリやカーブ、ライト、カメラ、マテリアル、そしてアニメーションの読み込みがサポートされています。