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みなさん、こんにちは。
特別連載コラム「MODOレンダリング基礎編」を担当している K.D です。
今回はサーフェイスの表示/非表示をコントロールするエフェクトを紹介したいと思います。
「ステンシル」エフェクトを使用すると、画像テクスチャの白い部分のサーフェイスを消し去ることができます。
効果が分かりやすいよう単純なモデルに対して白黒の画像をテクスチャに指定し、「ステンシル」エフェクトの効果を見てみましょう。
四角いポリゴンメッシュのマテリアルグループに先ほどの画像テクスチャを設定した状態です。現在のエフェクトの設定は「ディフューズの色」です。
画像テクスチャのエフェクトを「スペシャルエフェクト」の「ステンシル」に変更します。画像テクスチャの白い部分にあたるサーフェイスを消し去ることができました。
※表示されているサーフェイスには「Material」で指定されているディフューズの色(白い色)が反映されています。
透過の情報(アルファチャンネル)を持った画像に対して「RGBA」エフェクトを指定すると、画像の透過の情報を元にサーフェイスを消し去ることができます。
背景が透過処理されているPNGフォーマットの画像ファイルを使用して、「RGBA」エフェクトの効果を確認してみます。
四角いポリゴンメッシュのマテリアルグループに先ほどの画像テクスチャを設定した状態です。現在のエフェクトの設定は「ディフューズの色」です。
画像テクスチャのエフェクトを「スペシャルエフェクト」の「RGBA」に変更しました。透過部分が消し去られてイラスト部分のサーフェイスのみ表示されるようになりました。
「ディゾルブ」エフェクトは「ステンシル」エフェクトと同じように画像テクスチャの黒い部分を不透明にして白い部分が完全に消し去ることができますが、中間色(グレー)の部分を半透明にすることができます。
「ディゾルブ」エフェクトは画像テクスチャにアンチエリアスがかかっているようなケースで使用するとよいでしょう。
分かりやすい例を紹介します。たとえばビルボード(書き割り)のような添景用のモデルをローポリゴンで作るときは、カラー用の画像と切り抜き用の画像を組み合わせます。
切り抜きのテクスチャに「ステンシル」エフェクトを使用した場合です。半透明を表現することが出来ないので、葉のディテールが荒く見えてしまいます。
切り抜きのテクスチャに「ディゾルブ」エフェクトを使用した場合です。解像度の低いテクスチャでも半透明の効果によってそれらしいディテールを表現することができます。
それぞれのエフェクトの効果を正しく把握して、用途に合わせて適切なものを使うようにしましょう。
「透過量」エフェクトはサーフェイスがどれだけ透けて見えるかをコントロールします。「透過量」エフェクトの効果はこれまでに紹介したエフェクトと似ていますが、スペキュラや反射など相加的な効果を消去しません。ガラス等のような材質を設定したいときに使用するとよいでしょう。
水玉模様のテクスチャに対して「透過量」エフェクトを指定してみます。
水玉の背景は透明になっていますが、スペキュラが反映していることによってセロハンのような透明な材質を表現しています。
今回紹介した「エフェクト」(ステンシル・RGBA・ディゾルブ・透過量)は画像の形態や質感等、用途に合せて使い分けるとよいかと思います。
それではまた!
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