MODO JAPAN GROUP

導入事例 - MODO JAPAN GROUP 情報

Modo クリエイターインタビュー:Kalil Macedo

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Kalil Macedo 氏は、ハードワークに縁がないわけではありません。17歳の頃から、自分の目標を達成し夢をサポートするため、請求書と授業料を支払うのに働き続けてきました。

「この経験により、効果的で疲れを知らないプロになるための基礎を築くことができました。」と語った彼の言葉に、私たちは同意せざるを得ませんでした。現在32歳の Kalil 氏は自営業の3Dデザイナーであり、長いリストを連ねるクライアントとプロジェクトを管理することで、家族を支えています。アートディレクターとして輝かしいキャリアを積んだだけでなく、クリエイティブディレクターとして複数のプロジェクトやチームを管理してきました。

Kalil 氏はブラジル・フォルタレザで生まれ、そこで10年以上レタッチとアートディレクションの仕事に従事していました。2015年、サンパウロ・バウルへと妻カロライナとともに移り、化粧品や医療、さらには飲食料品のパッケージに至るまで、実に多彩な業界において3Dアーティスト兼デザイナーとして働いています。

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彼の作品に命を吹き込んでくれる頼れるツールがModoなのです。

他のソフトをほんの少し触った後で、Kalil 氏は友人から、それまでCGIソフトウェアを全く触ったことがない人間に対してModoがいかに他の3Dプログラムと比較して直感的であるかについて聞かされました。そこで2015年、Kalil 氏は Foundry パートナーであるR3Fのコースを受講し、Modoスキルに磨きをかけていきました。数年経った現在では、プロジェクトすべてをModoで行うようになっています。

アートディレクターとして何年間にもわたってレタッチの技術を身につけてきた Kalil 氏のお気に入りのツールの一つは、Modoのシェーダツリーです。シェーダツリーはPhotoshopと似たようなロジックを使用しているブレンドモードで、レイヤーからテクスチャの合成を行っています。これは画像編集ソフトの経験が豊富な Kalil 氏にとっては、非常に大きなメリットなのです。

「ModoとPhotoshopは、私の作業の中心を占めるソフトウェアです。この二つのプログラムを組み合わせることで、最高の経済的および職業的状態を得ることができるのです」と Kalil 氏は語ります。フリーランサーとして働く場合、ときとしてこの二つは難しい場合もあります。

フリーランスのアーティストは、特に最初の2~3のプロジェクトで財政面またプロジェクトの流れ双方を管理する方法を見つけなければなりません。Kalil 氏にとっても同様です。

嬉しいことに時間、優れたセルフプロモーション、そしていくつかの素晴らしいプロジェクトの公開により、Kalil 氏にとって自然な流れができ始めました。作業がより頻繁となってくると、彼はプロジェクトの流れをフィルター処理し、スケジュール管理について学ぶ必要があるということに思い至りました。

また、フリーランスの世界においてクライアントと良好な関係を持ち、プロジェクトを通してその関係を維持することの重要性もすぐに理解しました。

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「私の考えでは、たとえ迅速なフィードバックのためだけであったとしても、ほぼ年中無休で動ける状態でなければなりません。」さらにこうも続けます。「メールやメッセージを未送信のままにしておくなんて、もってのほかです。迅速かつ誠実なフィードバックが、遠距離にいるクライアントと信頼関係を築くための最良な方法の一つなのです。クライアントがあなたを信頼し、あなたの仕事を気に入ってくれるようであれば、将来のプロジェクトにおいてあなたを採用してくれるようになるでしょう。」

フリーランスであるということは、一般的な9時~5時で行う仕事よりも遥かに多くの仕事をこなすことになるということを Kalil 氏は理解しました。そのため彼にとって、自分がしていることを愛するということがとても大切なのです。各ステップを楽しむことがアーティストの作品をより良いものとし、さらに改良する手立てを探せるようになります。

また Kalil 氏にとって、そうであるためにModoが非常に大きな役割を担っています。

「Modoは私が今あるべき姿であるための本質となるツールです。Modoを使った3Dデザインにフォーカスをあてるようになってから、私の人生のすべてがより良い方向へ変わり始めたのです。」

Kalil 氏が彼のキャリアの中で成功するために必要とするものを提供してくれるツールがModoなのです。そのうちの一つがModoのビューポートであり、モデリングは彼が必要とする柔軟性を提供しています。ボックスモデリングのテクニックにより、Kalil 氏は異なるビューポート間を切り替え、ディテールを手早く改良していくことができるのです。

レンダリングに関していえば、Kalil 氏はModo標準のレンダラーを使用する場合がほとんどです。「私は常にできるだけ多くのテクスチャやライティングで作業するよう心がけています。こうすることで、90%程度はレンダリングの準備が整います。」

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Kalil 氏にとって、レンダリングに関する最も貴重なチップスの一つは「目でキャリブレートする」ということです。こうすることで、製品のテクスチャ内部の詳細を、より深く理解できるようになるのです。テクスチャやライトを可能な限り最適な方法で改良を試みることで、アーティストは画面上に製品をそれらしく見せることができます。さらに、ごく小さくリアルな不完全さをテクスチャとマテリアルの中に追加することが大切です。そうすることで、より自然に見えます。」

「静止画に対するもう一つの素晴らしいチップスは、7000~10000ピクセル、もしくはそれ以上の大きな解像度で作業をするということです。そうすることで、アーティストは処理中にテクスチャを損ねることなく、後処理工程において小さなディテールを補正する最適なシナリオを得ることができるのです。」

Kalil 氏は過去数年に渡っていくつかの大きなブランドと協力して作業してきたことで、彼自身、3Dデザイナーとしての強力なキャリアを築いたのだといって過言ではありません。

では、彼の秘密とは何でしょうか?

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「キャリアを築きはじめる時点において、ソフトウェアに投資するのはとても大切なことです。というのも、駆け出し時にはそうすることで物事が簡単に進むからです。」

「ただもっと重要なことは、訓練を積むことです。何かを作り、新しいツールを試し、ただひたすら経験を重ねてください。常に何かをレンダリングする必要が出てくるでしょうが、時間と無限のテスト以外、経験を積ませてくれるものなどないのです。」

「今や3D業界は巨大産業へと成長しており、それに伴い、商業プロジェクトに対する需要も高まっています。停滞することなく成長し前進していく業界に合わせ、リソースの必要性が高まるなかで、3Dデザインのキャリアを追い求めるのに業界がより近づきやすいものとなるよう願っています。」

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Modoはこの分野で先駆者的な動きを見せており、提供されている教育のおかげで、駆け出しの3Dデザイナーが雇用機会を増やすために必要となるスキルを備えることができます。

「私にとって、レイアウトインターフェイスという観点から3Dソフトウェアをよりユーザーフレンドリーなものとする流れは、Modoから始まっています。使いやすいレイアウトインターフェイスは当時、とても大きな問題だったのです。ですので、この先もずっとModoがユーザーインターフェイス、互換性の拡張、ツール、そして可能な限りユーザーフレンドリーな使用感で有り続けてほしいと願っています。」

「3Dモデリング、デザイン、そしてモックアップ用に最適なソフトウェアにあり続けられるよう、新しいツール、そしてプラットフォームの安定性ともに進化し続けることを望みます。これが、もうすでに驚異的なソフトウェアであるModoに対する、私の一番の願いなのです。」

Kalil 氏の作品は こちら でご覧いただけます。


NukeとMODOを活用してリアリティ溢れる戦場の雰囲気を描き出すことに成功した映画「The Monuments Men」の舞台裏

ここでの事例となる「The Monuments Men」は実話を元に制作された、第二次世界大戦中のドイツを舞台に繰り広げられるストーリーです。歴史的背景、瓦礫の山となった街並みや広大なエリアを描き出すのに、MODOとNUKEが大いに貢献しました。

Cinesiteで制作に携わったThomas Dyg氏曰く、「 この映画では何マイルにも及び破壊されたジーゲンの街のディテールを描く必要があり、それは今までのものとスケールが比べ物にならない程の規模でした。歴史的な流れを汲み、シリアスな雰囲気を映し出す「The Monuments Men」で要求されたのは現実味あるフォトリアリスティックな背景制作であり、ストーリーに馴染む雰囲気が重要視され、この点においてMODOとNUKE は非常に優れた良い働きをしてくれました。」とのことです。

© Columbia Pictures 2014. Images courtesy of Cinesite.
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「MODOで一番気に入ったのが、インタラクティブなレンダリングとリプリケータ機能ですね。実際、クライアントと共にインタラクティブなセッションを設けることで、より効果的でクリエイティブなアプローチを選択することができ、それが大きな成果につながったと思います。」

MODOによる風景の破損

「この作品では主人公が戦場の前線に近づくにつれて、破壊された情景が途端に多くなっていきます。目の前に広がる壊滅的なジーゲンとアーヘンの街を作り出すのですが、ここでのライブショットとのマッチングは特にチャレンジングなものでした。広大なスケールの背景に散らばる、恐らく気付かれもしないような残骸や破片をハンドリングするのは、それまでの経験の中でもかつてないほど貴重なものになりました。カメラも大きく動きますし、見渡す限り瓦礫だらけというシーンなのです。

破壊されつくされたジーゲンのショットにおいては建物、瓦礫、焼け焦げた木々等々、膨大なモデルを配置する必要があるのですが、このような作業にMODOが大いに活躍してくれました。カメラの動きも上から下へと大きく動く、難しいショットです。

また主人公2人が英国に降り立った際の飛行場の制作にもMODOが使われています。飛行機やトラック、クルマ、世界大戦中の雰囲気を作り出すのに一役買っているのです。」

  • © Columbia Pictures 2014
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© Columbia Pictures 2014. Images courtesy of Cinesite.

“MODOは私達の背景作成へのクリエイティブなアプローチにぴったりなツールです。コントロールされたやり方で、繰り返しアセットを作り出すことが非常に簡単になりました。NUKEと連動させることで、有効なツールセットとワークフローを提供してくれています。”

NUKEでルックを決め打ち

「背景の制作では多数のパスをハンドリングする必要があり、プリコンポジットの段階からNUKEに頼る部分が多くありました。直感的に調整できるようにデザインされているため、単なるパスの調整というだけではなく、映画の雰囲気に沿ったエッセンスを盛り込むことができ、大変クリエイティブなプロセスを行うことができました。

MODOから出力するプリコンポジット用の初期レンダリングはラフなものですが、NUKEで作業を進めるうちに、パスに対して様々な調整を行い、全体を馴染ませることができます。こうすることで最終的に良い方向へと導いてくれるのです。」

  • © Columbia Pictures 2014
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© Columbia Pictures 2014. Images courtesy of Cinesite.

時代を先取るツール

「今ではMODOとNUKEは背景制作チームに、アセットのレイアウトそしてレンダリングという点において、欠かせないツールになりました、機能的にはもちろんのこと、ユーザーにとってフレンドリーで直感的に操作できるという点で大変優れているからです。また、MODOは私達が考えるクリエイティブな背景制作アプローチに丁度良くフィットしています。例えば何か他のアプローチは無いか?と考えた時にも、何かしら応えてくれるのが良いですね。NUKEとの連携という面では、ワークフローもツールセットとしても、1つのパッケージのようなものですね。

他のツールに加え、テクスチャ作成チームでは3DペイントツールとしてMARIを用いる機会も多いです。今回の事例の「The Monuments Men」では使われていませんが、Cinesiteの作品の多くでMARIが採用されています。」


優れたスピードとコストパフォーマンスでプロダクトパッケージのビジュアル化を実現

つい最近まで、パッケージのビジュアライゼーションや広告コンセプトはとても高価で、いくつもの処理工程を重ね、手間がかかるものでした。ラベルデザインは実際に印刷してはモックアップへと貼り付けて、フォトグラファーがそれを撮影した後、レタッチャーへと送られて、加工修正が施されます。これらの工程も、デザインが変わってしまえば全て最初からやり直しとなり、かけた時間と費用が全て無駄になってしまっていました。

しかし、これらの手法はMODOの3Dレンダリングパワーで変わりつつあります。スキルを持ったスペシャリストであれば、パッケージデザインや広告キャンペーンがどのように表現されるのかを事前にクライアントに伝えることができるようになったのです。MODOを使えば、説得力の高いモックアップを速く、そして簡単に作れるようになり、ラベルやデザインの突然の変更やトレンドにも即座に対応し、デザインや広告を長期に渡ってプロダクトに浸透させることが可能となりました。

業界のプロフェッショナルの間では、MODOが可能にするクライアントへのトータルコントロールが大変役に立っていると評判です。パッケージや広告をレンダリングするのが高速であるであるだけでなく、さらにいくつものバリエーションを提供することも可能であり、誰もがハッピーになれるからです。

「高品質な製品画像、パッケージ画像を作り上げる仕事をするという観点から、他の3Dソフトウェアをチェックすることも多いのですが、今まで MODOがベストであり続けています。」

 

MODOであれば高品質をより高速に

Gene Dupont氏がCGに携わってから20年以上が経ちますが、その内の14年については パッケージデザイン会社向けの3Dイメージ制作を専門に手掛けていました。MODOを使い始めた2007年から、変わらずMODOを使用してイメージを制作し続けている彼は、MODOについてこう述べています。「高品質な製品画像、パッケージ画像を作り上げる仕事をするという観点から、他の3Dソフトウェアをチェックすることも多いのですが、今まで MODOがベストであり続けています。」

彼自身、印刷業界でのバックグラウンドを持っていたため、デザイナーから受け取るAdobeイラストレータファイルのハンドリングにも慣れていました。MODOで効率良くファイルを取り扱えるようにするための事前準備にも、何の問題もありません。最終イメージを完成させるまでの手順をなるべく削減し、自動化させることで、より多くの時間をMODOとPhotoshopのマスターデータへ割くことが可能になりました。細部に渡るまでクオリティを追求することができるようになったという訳です。

Dupont氏はネスレ、ピュリナ、それからブルーダイアモンドグロワーズ社向けにアイスクリームのケースやミルクボトル、ナッツやペットフード缶のレンダリ ングイメージをMODOを使って制作しています。特に、まだ世に出ていないパッケージ候補をレンダリングするのに、そのスピードが非常に重要視されるとのことです。

「MODOの中にバーチャルフォトスタジオを構築することで、細かな調整が可能になり、イメージを即座にアップデートできるようになりました。このスピードとクオ リティは、今までの写真撮影では到底実現できません。プロダクションパイプラインにおいて、高品質なイメージを大量の作り出してくれます。クライアントの要望でラベルを変更する必要が生じても、即座に対応可能です。ジオメトリやUVを調整し、ディレクタやクライアントの望むものをすぐに提供することができるのです。」

「今までの2Dツールでは実現しえなかったことを、MODOが可能にしてくれました。新たな境地を開いてくれたMODOと、使い勝手の良いインターフェースにも感謝したいと思います。これで仕事が楽しくなりました。」

フリーランスとしてパッケージデザインに関わるTomasz Lechociński氏は2009年からMODOを使い始め、それ以降MODOが新たな世界を開いてくれたと言います。「今までの2Dツールでは実現しえなかったことを、MODOが可能にしてくれました。新たな境地を開いてくれたMODOと、使い勝手の良いインターフェースにも感謝したいと思います。これで仕事が楽しくなりました。」。氏が関わるMODOでのビジュアライゼーションは小売向けのパッケージ、棚に飾られるポップ、スタンドのようなマーケティング用のアイテムであり、ネスレや3Mといったメーカーが彼のクライアントです。

「製品の3Dモデルを作る理由は、いつでも異なるカメラアングルでレンダリングが可能だったり、マテリアルやグラフィックデザインを試せるという点にあります。フォトグラファーからの写真に縛られることなく、自由に表現できることも大きいですね。クライアントは長期間に渡り マーケットで露出されている製品をリフレッシュしたいと考えていることが多く、既存のファイルを加工すればクライアントからの修正要望にも即座に応じることができるのです。」

Lechociński 氏によれば、あまりにMODOが快適であるがために、スケッチ工程を飛ばしていきなり3Dから始めてしまうこともあるそうです。特にモデリングやUVツールが大変優れているため、仕事には欠かすことのできないソフトウェアとなっているとのことです。「パッケージを制作するにあたり、最も優れていると感じるのがMODOのレンダープレビューウィンドウの能力です。マテリアル、グラフィックス、どのような変更を加えようと即座に反映さ れるのが、とても素晴らしいと感じています。最終レンダリング調整の手前の段階で何度もテストを繰り返すのではなく、モデリングをしている段階から常に状態を把握できるのですから。」

プレビューレンダラーの他にも、稼動部分を持つパッケージングに対するクライアントのニーズを満たすために欠かせないのがリギングのツールです。 オブジェクトの異なる状態を再現するのにモーフマップを用いており、箱の折りたたみを表現するのにスケルトンツールを用いています。このようなツールを利用することで、最終段階まで幅広いコントロール性を得ることが可能になったとのこと。

「レンダリング時間を最小限にしながら高解像度のイメージを出力するためには、様々な工夫が必要とされます。その点、MODOのレンダラーは驚くほど高速であり、さらにプレビューレンダラーを利用できるという大きなメリットがあります。」

 

MODOでは押し売りなど必要なし

広告業界における製品ビジュアライゼーションのより具体的な利点を挙げるとすれば、それは未だ存在しない製品だとしても、広告をデザインすることが可能であるという点です。手間もコストもかかるモックアップを作り撮影するよりも、Act Two-Um社のParry氏のように、クライアントと一緒にリリースプランを話し合いながら、キャンペーンのデザインを検討するようなことも可能となるのです。こうしておくことで製品の誕生とキャンペーン開始までの期間を最短にすることが可能になります。

Act Two-Um社は超一流企業であるVodafone、P&G、DirecTV、Renaultなど、名の知れた多くのクライアントも多く抱えており、フットボールの スター選手を描いた広告や、無数の鏡に映りこむスポーツカー等、大変手の込んだ3Dレンダリングが目を惹きます。Parry氏はジェネラリストとして多くのタスクを遂行する中、超高解像度イメージの作成はもちろんのこと、他のほとんどの作業もMODOで済ませてしまうとのことです。

「レンダリング時間を最小限にしながら高解像度のイメージを出力するためには、様々な工夫が必要とされます。 」他にはないMODOのレンダリングスピードが彼が作り出す素晴らしいイメージの助けになっているのです。「その点、MODOのレンダラーは驚くほど高速であり、さらにプレビューレンダラーを利用できるという大きなメリットがあります。フィードバックが高速なため、シェーダやマテリアルを作るのにも大変役立っています。MODOに付いてくる標準のマテリアルプリセットとインハウスで作成したプリセットを組み合わせて利用しているのですが、シェーディングプロセスから初見のレンダリングまでが非常に短時間で済みます。」

「速くて直感的、そして何より楽しい!このツールには何ができて何ができない、なんて限界を感じることはありません。使う人自身のイマジネーション次第で、いくらでも可能性が広がります。」

スウェーデンに拠点を置くValentin&Byhr社でアートディレクターを務めるPeter Eriksson氏が気に入っているのが、MODOのコミュニティです。ソフトウェアで分からないことがあれば、オフィシャルフォーラムを覘くと解決できることも多いそうです。MODOの機能でお気に入りなのが、やはりプレビューレンダラー、そして何よりもHDR Light Studioプラグイン抜きでは仕事ができないほど、その機能に惚れ込んでいるそうです。

Eriksson氏によれば、広告向けコンテンツ制作において、スピードと柔軟性こそが3Dでプロダクトをモデリングする最大のメリットであると 言います。特にデザインフェーズではそれがどのように映るのか、例えばキャップが青やシルバーだった場合を検討してみる必要が生じます。そのような時に3D空間内にスタジオさえ用意してあれば、コストがかかる実物のライトセットアップで撮影するのに比べ、格段に早く検証することができるのです。もしもクライアントが実物を手にとってみたい、ということであればValentin&Byhr社ではモデルを3Dプリントすることにしているそうです。

このようにパッケージデザインや広告向けコンテンツにおいて、3Dでレンダリングすることには実用的なメリットが大きいことは疑いようもありません。現実のスタジオでの撮影の難しさ、その障壁をMODOが軽減し、さらにデザイナーのクリエイティブな部分を引き出し、質が高く、目を惹くコンテンツを作り出すことを可能にしているのです。

「速くて直感的、そして何より楽しい!このツールには何ができて何ができない、なんて限界を感じることはありません。使う人自身のイマジネーション次第で、いくらでも可能性が広がります。」

 


写真、イラスト、そしてMODOを活用したCGI

写真、イラスト、そしてCGIの融合というデジタルアートに対して、情熱を傾けられているMike Campau Digital Imagery社のMike Campau氏は、この業界で15年以上もの経験と実績をお持ちのアーティストです。

シボレー、プロレス団体WWE、バドワイザー、フォード、ペプシ、ESPN、ソニーといった高級ブランド、さらにはTim Allen、Kid Rock、Mike Tyson、Roger Daltrey、Dave Grohl、Tracy Morgan、Zac Brownなど著名人のプロジェクトに関わっています。

  • © Mike Campau
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© Mike Campau

あなたの作風(スタイル)はどのように分類されるものかを教えていただけますか?

私の仕事は、写真とCGIとの合成作業が大半を占めており、常に超リアルな見た目を求められる傾向にあります。そのため、クライアントから請け負った制作イメージを、私の”作風(スタイル)”へはめこむようなことはしません。その製品がどのように見え、その製品のどこを見せれば引き立つのかだけを考えて、制作するようにしています。私は、自分が携わるほとんどのプロジェクトにおいて、さまざまなテクニックを駆使するように心がけています。時にはその用途が異なる場合でも無理やり試す場合もあります。こうすることで、携わる仕事の大半がスタイルという点において共通点が見受けられたとしても、その裏側では全く違ったルックスやコンセプトを持たせることができるのです。また私は、他のアーティスト達が生み出すイメージや作品に関する情報に追い付いていくことが、非常に大切だと考えています。

CGIに関していうと、私はテクニカルオタクです。ただ、CGIの世界に何年間も携わっており、基本的な知識については十分に理解していますが、私の目的は最終的にはイメージを作ることなので、全ての動作について技術的に裏側まで深く理解するつもりはありません。私はただ技術的な要素と取り入れイメージを作りたいのですが、それによってワークフローは少し煩雑になってしまう場合もあります。それでも、制作時にテクニカルを駆使することは、私にとって実際とても役に立っています。というのも、制作において”正しい方法”というものにこだわっていないからです。私は最終結果をより重要視しています。私の制作工程はとても自由なフローであり、決まりきった公式や標準的なフォーマットに囚われて作業する必要はないと思っています。このようにテクニカルを駆使し、自由なフローにおいて試行錯誤していくうちに、想定していた結果とは異なる結果が生み出され、思いがけない良い結果をもたらすことがしばしばあるのです。

MODOの熱心なユーザーでいらっしゃいますが、なぜMODOなのでしょうか?

私は、CGIを作る際はどんな場合でもMODOを使います。写真のシーン、もしくは非常に複雑なCGIイメージへと、シンプルなオブジェクトを追加することで制作しています。これにはいくつか理由があります。ひとつは、MODOには超高速レンダリングエンジンが備わっており、常識に囚われない独創的な結果を得るのに、たいして時間がかからないことです。二つ目は、CGIにおける作業工程を変えてくれたリアルタイムプレビューウィンドウ機能です。これが私をMODOへ移行させた最大の理由とも言えます。私の場合は、レンダリングしては、モデルデータやシーンを調整し、さらにレンダリング、シーンを調整といった作業を繰り返していきます。この作業工程が、私の最も時間をかけるところです。MODOを使用することで、CPUスタイル(依存)のレンダリングエンジンにより、結果を確認しながらレイアウト作業を行うことができるのです。三つ目に、インターフェイスとその動作が制作作業にとても一致しているところが大好きです。世界中のツールの中ではPhotoshopを一番理解しているため、レイヤーベースのシステムをもったMODOは、私にとってはまさに違和感なく自然に使い始めることができました。最後に、ユーザーコミュニティの存在です。MODOを使い始めたばかりの頃、このコミュニティが私を大いに手助けしてくれました。冗談ではなく、だれもが互いに助け合おうとするこのコミュニティの”ファミリー”的な感覚は、本当に素晴らしいです。

MODOのどのようなところが好きですか?

スピードですね。そしてシンプルさ!習得が速くて、快適(レスポンスの良い)な操作感で、レンダリングも速いです。MODOを使い始めたほとんどの人が、自分のテーマに合ったいくつかのチュートリアルビデオで学習すれば、クールで素敵なアートをあっという間に作り始められるはずです。MODOは、使い始めたほとんどの人にとって複雑に思える作業をシンプルな操作で行うことができますし、上級ユーザーであれば、深く考えつくされたバックエンドとカスタマイズ機能により、さらに洗練された作業工程で制作に打ち込むことができるようになります。

最近、制作されたプロジェクトをご紹介ください。

携帯電話”Galaxy S5″の商品広告イメージ制作を何パターンか、他のアーティスト数名と一緒に携わりました。このプロジェクトでは、David Oldfield 氏(Lifeproof社の制作ディレクター)、Tim Tadder氏(フォトグラファー)、そして私を含めた3人のチームワークのおかげで成し遂げることができました。このプロジェクトは我々3名が電話会議を重ね、プロジェクトの方向性を決定し、何度もアイデアを出し合い、問題点についてはその解決方法について話し合いました。プロジェクト初期における私の役割は、この製品のブランドに合うイメージを制作することでした。どんなイメージにしていくのか、その方向性を確認するために何パターンものデザインを制作しました。その後、求める最終結果を得るための撮影素材とプロップを、Timと一緒に作り始めました。私は、なぜカメラで撮影する素材よりCGIの方が良いのかという点を把握しているので、写真素材とCGIそれぞれの良いところをうまく融合させていきました。Timから素敵なショットを受け取ると、その写真に合うCGIのバーチャルセットを作成しました。素材によっては撮影したものを使ったり、写真のライブラリを活用したり、また補足的なCGIでレンダリングした素材などを組み合わせました。そうやって最終的に、Photoshopを使って素敵なイメージへとまとめあげたのです。

The Foundryエクスペリエンスをどのように楽しんでますか?

冒頭でも言ったように、MODO大好きユーザーは誰もがThe Foundry社のチームやユーザーコミュニティのことを、まるで家族の一員のように感じています。The Foundry社のスタッフにも実際に会いましたが、みんな良い仕事をしてくれます。The Foundry社から紹介してもらったCGIアーティストは、今では私のCGIチームの重要な部分を担ってくれています。

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iOS向けゲーム「Monkey Slam」開発の裏側でMODOが大活躍

もしも関係が深いAAAクラスのゲーム会社が突然閉鎖なんてことになったら、その時いったい何ができるでしょうか?スティーブ・ウィルディング氏を始めとし、Black Rock Studioで働いていたメンバー達の答えは、いたって明快なものでした。スタジオの規模を小さくし、独立することを選んだのです。大規模AAAゲームの開発からモバイルゲーム開発へと転身、現在は新しいチームを編成し、Mad Atom GamesとしてiOS向けゲーム開発に取り組んでいます。代表作である「Monkey Slam」ではその開発のメインツールとして、MODOが大活躍しました。

2011年に起きたBlack Rock Studioの閉鎖は、結果的にウィルディング氏が新たにスタジオを立ち上げ、より面白く新しいものを作るためのきっかけに過ぎなかったようです。Black Rock Studioで良き仕事仲間だったウィルディング氏とベイラー・ナイト氏、そしてジュリアン・アダム氏がMad Atom Gamesを立ち上げたのは、閉鎖の直ぐ後でした。この3名は「Pure」や「Split/Second」といったXbox 360/PS3向けレーシングゲームの代表作を手がけた経歴もあり、新たなスタジオの起ち上げには期待が集まりました。

ウィルディング氏は「モバイル向けゲーム開発での経験を積み、とにかくシンプルで最高に楽しいゲームを作りたかったのです」と当初の目標を語ってくれました。「目標を達成すべく、モバイルゲームの大手パブリッシャーであるChillingo社へコンタクトを取り、今までのような古めかしいモバイルゲームコンテンツに旋風を巻き起こしたいとプロジェクトを投げかけたのです。ゲームのコンセプトはボスザルが仲間のサルを空中に投げつけてオブジェクトを破壊させながらフルーツを集めるといったものでしたが、このアイディアが大当たりでした。」

「Monky Slam」へGoサインが出され、Mad Atom Gamesとして初の独立タイトルの開発がスタートすることになりました。「コンソール向けのゲーム開発とは大きく違う部分がありましたし、外部のパブリッシャーと共に仕事を進めるという経験も含め、非常に多くのことを学ぶことができました。習得も早かったと思いますね。」

「小さなチームで開発を進めるということは、個々が様々なタスクをこなさなければなりません。役割を幅広くカバーし、プロジェクト進行上で発生する様々なニーズに対応することが求められます。ウィルディング氏にとってみれば、スタジオにおける第一弾タイトルでいきなり背景担当から突然ゲーム全体のアート担当になったようなものです。」
*ウィルディング氏は「Pure」や「Split/Second」でライティングを担当されていました。

「私自身、背景アーティストとしての経験はあるのですが、その他のタスクとは無縁でした。そのため「Monkey Slam」ではパーティクルやUI、かわいらしいキャラクタ作りなど、新しく学ばなければならないことが山積みだったのです。」

Black Rock StudioでMODOを使っていた経験が手伝ってか、ソロアーティストとして、また初のiOSデビュー作となる「Monky Slam」をカラフルに仕上げていくのは、それ程難しい役割ではなかったようです。

「UV作業が大好きというわけではありませんが、MODOでのUV作業はとても速くて楽です。それに今では多くのUV用スクリプト、特にゲームアートに特化したものを利用することもできますから、時間の節約にとても有効です。」

MODOで組み立てる

「「Monky Slam」の全ての3Dアセット制作とレンダリングに、MODOが使われてました。背景やキャラクター、プロモーション用のパーティクルスプライトアニメーション、さらにはアプリのアイコン制作にまでもです。まずはじめに2Dのコンセプトアートを準備したらチームに提示し、候補を絞って行きます。そこからMODOのスカルプティングツールでモデリングを開始し、モデルのシルエットが角度によってどう見えるのかを検証していく方法を取ることにしました。この方法を採用することで、ゲーム全体がどのような見栄えになるのか、そして早い段階でのデザイン調整が格段に楽になりました。」

「サルのキャラクターはボールのような丸い形の頭、それから小さな体、頭を基点に動き回る感じでデザインしました。ボスザルは少し難しくて幾つもデ ザインを試した結果、最終的にはヤシの葉を頭に乗せ、そこからサルが飛び跳ねるようなデザインへと落ち着きました。」

「MODOの特徴的な機能である作業平面、アクションセンター、フォールオフは、モデリングやUVタスクをスピードアップさせるのに不可欠なツールでした。UV展開作業にはいつも苦労させられていましたが、MODOでは簡単に早く済ませることができましたし、大変役に立つスクリプトやプラグインも多く、特にゲーム制作において時間の削減に大きく貢献していると感じます。」

また、MODOに搭載されているトポロジツールは、特にキャラクターデザイン、それから背景用のオブジェクト制作に大いに役立ったようです。「ゲーム上でのフレームレートを保ちつつファイルサイズを抑えるため、描画されている木々の葉に対してはアルファチャンネル付きのテクスチャを用いることなく、不透明にしています。また、よりリアルな動きを加えるのに、Unity上でウィンドシェーダを用いました。」

「このような動きは、MODOの頂点ウェイトツールでペイントすることで、どの部分に動きを与えるのかを指定することで実現しました。これと同じ方法を用いて水や海 賊船の帆も同様にうまく表現することができたのです。さらに木々の葉に対しては、頂点カラーにアンビエントオクルージョンを焼きこんで、深みを表現しています。」

「また「Monkey Slam」で用いられているAppアイコンもMODOで制作したのですが、ここでもMODOは大活躍してくれました。デザイン検討のため多くのモックアップを作る必要があったのですが、MODOでは様々なカラーバリエーションやポーズを作るのも、とても楽でした。」

  • © Mad Atom Games 2013
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© Mad Atom Games 2013

「MODOは様々な面において、特にインディーズ制作者向けに適しているツールであると感じています。直感的に動作することはもちろんですが、何よりも今までのツール環境ではあり得ないほど、コストに対するアウトプットが大変優れています。ゲーム内のアセット制作に加え、プロモーション用のコンテンツ、そしてハイエンドアートも一つのパッケージで済んでしまうのです。」

MODOとインディ系開発のマッチングは良好

もしもあなたが小さなスタジオで働いているとしたら、ワークフローを効率化し、アセット作成にかかる時間を短縮してくれるパワフルなツールを持つことが非常に大きな意味を持ってきます。ここだけの話、Mayaやその他の3Dツールを用いて開発に携わっていたウィルディング氏の知人も、今では大変なMODOファンになったそうです。

「あらゆる点において、インディ系開発にMODOは最適です。非常に直観的なソフトであるという以外に、これほどまでに価値のあるソフトウェアだとは思ってもいませんでした。ゲーム用アセットを作るためだけでなく、同じソフトウェアを使用してプロモーションやハイエンドアートまで全ての制作物を生み出せるのです。」

「MODOコミュニティにも大変助けられています。才能豊かでフレンドリーなアーティストが多く、中にはフォーラムで無償のビデオチュートリアルを投稿し、初心者が直ぐに始められるよう役立つ内容を提供してくれているアーティストもいます。」

さらにウィルディング氏はこう続けます。「MODOを使う最大の利点は、直感的な操作感覚にあるといえるでしょう。シーンをレンダリングし、マテリアルの調整段階に入った時には、標準で搭載されているプレビューレンダラーに驚かされることになるでしょう。このプレビューレンダラーのお陰で、どれ程の時間を短縮できたか 一言では言い表せないくらいです。とにかく結果が必要な時に、応えてくれるのです。レンダリングに至るまでの設定も、他の3Dアプリケーションに 比べ、確実に少ない工程で済みますね。」

これからの開発

「Monkey Slam」が成功を収めたことを受け、ウィルディング氏とそのチームは「CSR Racing」というタイトルをMacへ移植しました。また、Boss Alien and Natural Motion Gamesというゲーム会社ともタッグを組み、iOS向け「CSR Classic」の開発においても協力することができたそうです。とても楽しみながら仕事を進めることができたとのことで、今後もより一層開発におけるサポー トを提供して行くようです。

ビッグタイトルを制作していた頃を振り返りつつ、ウィルディング氏はインタビューをこう締めくくりました。「当時と今とを比べてみても、やはり現在この小さな開発チームで誰もがゼネラリストとして色々なタスクをこなし、ゲーム開発できるということは、とても素晴らしいものですね。」


パッケージデザインもMODOで簡単に

Gene Dupont氏(www.genedupont.com)はサンフランシスコを拠点としたデザインファームThompson Design Groupの一員として、パッケージや製品の3Dイラストレーションを専門に手がけるデザイナーです。

パッケージデザインを手がけるようになってから、どの位経ちますか?

GD: このパッケージングの業界でデザインを担当してから、8年ほどが経ちます。サンフランシスコにあるアカデミー・オブ・アート大学においてパートタイムでデザインを教えていたのですが、その頃からフリーランスとして印刷や3Dイラストレーションの仕事にも従事していました。

丁度フリーランスで仕事をしているときに、今働いているThompson Design Groupやそのクライアントに3Dイラストレーションでビジュアライゼーションしてはどうか、ということを提案したのです。その結果、雇われることになり、この会社で3D部門立ち上げとクライアント向けの デザインサービスを始めることになりました。今までの経験を3Dイラストレー ションに活かすことが出来る仕事ですので幸運でした。

当初はクライアント側にコンピュータで描く3Dイラストレーションの利点をなかなか理解してもらえませんでした。今まで通りのイラスト手法や写真撮影よりも何が優れているのか、もちろん3Dイラストレーションの需要が高まりつつある事など見当もつかなかったのでしょう。立ち上げたばかりの本当に小さな3D部門でしたが、マーケティングやデザイン、生産チームを巻き込むことで、その費用対効果を証明してみせることができました。

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3Dの価値は、提案段階から発揮されると言えるでしょうか?

GD: コンペティションにおいて製品コンセプトを伝える際、最新の3Dバーチャルフォトグラフとして提案できることは、私達にとって本当に有利に働いています。私が提示する3Dイラストレーションは、今までの写真撮影の工程や仕上げのコストを完全に削ったものですが、今現在クライアントはデザイン検討において四苦八苦する必要がなくなりました。これは3Dのバーチャルフォトグラフがどのような形、材質であれ、完成品のイメージをうまく伝えているからと言えるでしょう。

パッケージングは材質や造形において、ますます洗練されてきています。特に玩具向けのパッケージングでは、どのように動作するのかさえも把握できますからね。

このような状況の中、今後どのような形でパッケージング業界は進化していきそうでしょうか?

GD: 現在関わりがある食品やペットケア用品の生産を例にとってみますと、消費者にとっての利便性と安全性は、今後も注力されていく部分かと思われます。利便性の向上は、かつてプレミアムブランドが開拓してきた部分ですが、今はどのブランドにおいても採用されるようになりました。例えば、缶飲料に採用されているプルタブ、液垂れしないキャップ、それから何度も開閉できるZIPロックのようなものが挙げられます。

人間工学をベースに開発されるパッケージについても見逃せません。持ち運びが簡単であるとか、注ぎや保存しておくことが簡単に出来るといったことが、既存の製品以上に価値を生みます。これら個々の革新的要素を、広告であったり、また場合によってはデザインそのものを通じて、消費者の皆さんへのメッセージとして届けていく訳です。

今現在はインスタント食品や携帯可能な食事向けパッケージのビジュアライゼーションに携わっており、すごく楽しみながら作業しています。

デザイナーのコンピュータグラフィックスに関する知識や経験が向上するにつれ、コンセプトをデザインに反映させる力もまた向上しました。それと同時に、実はパッケージデザインも進化し続けているのです。デザイナー達はIllustratorやPhotoshopのようなツールに熟練するにつれ、印刷工程やプロジェクトの予算をも考慮するようになり、デザインの観点から何か新しい表現が可能かどうかを考えるようになります。キャンディの包み紙だったり、シリアルの箱のデザインを見てもらうと分かるのですが、10年前からロゴのデザインは大きく変化しています。ブランドとしてのアイデンティティを保ったまま、例えば立体的なデザインになっていたり、エンボスがかかっていたり、ロゴの影を落としたりといった様々な工夫が施されています。

パッケージデザインそのものに携わることもあるのですか?

GD: プロジェクトにもよりますが、ほとんどのケースではデザイン案や最終段階のデザインが送られてきますので、完成形をビジュアライジングしたり、未完成であれ製品がどのように見えるのかを伝えられるような形にします。他のプロジェクトの例で言うと、ラフスケッチやアイデアを受け取り、製品の造形に携わりながら3Dモデル化していくケースもあります。このようなプロジェクトに関わることが出来るのはすごく楽しく、また良い経験にもなります。今ではThompson Design Groupを通じて仕事を請けているクライアントの多くから、彼らが抱える製品ラインナップ全てにおける3Dのプロダクトショットを依頼されるまでになりました。以前は実際の製品を組み上げたり、フォトグラファーを手配したり、写真の加工を依頼したりと多くのステップが必要でしたが、今では3DCGのソフトウェアで明確なイメージを作ることが可能です。私の場合は、バッチを利用しMODOとPhotoshopの組み合わせで数百にも及ぶ処理も、あっという間に完了させることができるようにしています。

小売販売におけるシミュレーションも行っているとのことですが、具体的にはどのようなことでしょうか?

GD: 製品を商品棚に置いた時のインパクトや他製品との差別化は、マーケティング戦略において大変重要な部分を占めています。実際の写真におけるカメラアングルやライティングと合わせて3Dオブジェクトをレンダリングするのですが、店舗全体をモデリングして評価するよりも効果的で時間も大きく節約することができます。MODOであれば3Dオブジェクトとカメラアングルのマッチングも簡単ですし、ライティングの変更も即座にレンダリングに反映されるので、インタラクティブかつ迅速に結果が得られます。

他にはどのような所で使われる機会がありますか?

GD: 社内向けであれば、3Dイメージの使いどころとして主に、カスタムイラストレーションだったり、レイアウト用の素材となるイラストを制作することもあります。社内のデザイナー達が、手元にある写真やWEBのイラストからでは何をどう組み立ててよいかわからず困っている時などには、私が3Dで作ってしまいます。キャンディやチョコレート、ボトルや缶、何でもです。クライアント向けの場合は、印刷やマーケットリサーチ、広告、ポスター、ネット向け等、様々な用途に対応できるように高解像度、低解像度のイメージを準備しておきます。私が制作した3Dイメージが、PowerPointのイラストに採用されたこともありますよ。

最近はどのようなツール環境で制作されているのでしょうか?

GD: 主にMODO, Photoshop, Illustrator, Final Cut Studioを使っています。たまにパーティクルやアニメーションが必要な時に、Lightwaveを使うこともあります。それから過去に遡って多くのイメージを制作してきましたので、データベースの構築にも力を注いでいます。過去の資産を使うことも多いですからね。

この業界を目指している方々、またMODOを使おうとされている方々に対して、何かアドバイスをお願いできますか?

GD: 私は今までこの業界で数多くのデザイナーやアーティストと仕事をしてきましたが、どうしても3Dソフトウェアの使い方が2Dツール的になってしまい、人によっては3Dツールを学ぼうとしても抵抗を覚えてしまうこともあるようです。3Dソフトウェアには2Dツールとは異なるフィーリングやフローがあるものです。まずはそのことを踏まえてから臨んでもらえると良いのではないかと思います。


MODOでデザインされた映画が国境を越える

Case Studies image by Boxel Studio
Boxel Studio

文化や国境をも越えて可愛らしい鳥達の心温まる冒険を描く「El Americano」、この映画はメキシコ生まれの映像プロダクションBoxel Studio社を、VFX業界で一躍名の知れたスタジオへと変貌させることになりました。Boxel Studioにとって初チャレンジとなったこの長編アニメーション映画、その制作の裏側では全編を通してMODOが使われ、3Dのキャラクター達に命を吹き込んで行ったのです。

Boxel Studioはハリウッドから南に約2時間、丁度アメリカとの国境沿いにあるティファナ(メキシコ)にスタジオを構え、未だ成長段階にあるメキシコ映画産業において頭角を現してきたスタジオです。メキシコではCGIアニメーション、放送、そしてVFXプロダクションに至るまで、確固たる地位を築くことができたスタジオは未だ数えるほどしかない、という現状ではあるものの、この国の映画産業には明るい兆しが見える、とBoxel Studioの設立者であり、社長のAndres Reyes Botello氏は述べています。

「まだこれらのスタジオは数少ないながらも、良い仕事を重ねてきています。特にこの数年間は、アニメーションやコマーシャルに関わってきたスタジオは急速に力をつけてきており、全体からみれば、メキシコにおけるこの産業自体が大きな可能性を秘めていると言えます。」

Botello氏は2008年、多岐に渡る制作ソリューションを提供する会社としてBoxel Studio社を立ち上げました。写真やイラストレーションから、3Dデザイン、モーショングラフィックスに至るまで、デザインに関する数多くの経験を活かし、2011年にアニメ映画のプロダクションとして 活動の場を広げました。Boxel Studioでは以前からデザインツールとしてMODOを多用してきており、長編アニメーションに取り組むとなった場合も、MODOを使い続けることに迷いは無かったようです。

Botello氏はティファナ都市改革会議というイベントでゲストスピーカーとして講演した際、「El Americano」のディレクターと出会いました。
実はこの時点では「El Americano」は2Dの映画作品として企画されていたそうで、彼から2Dアニメスタジオにおける近況を聞き、また3DCGによる制作にも興味を抱いているということを打ち明けられたそうです。その出会いを機に彼らは急接近し、3DCGを用いてのキャラクターや背景制作、アニメーションやライティング、レンダリングに至るまでのテストに取り掛かることになりました。

MODOで魅力ある表現を可能に

「El Americano」は悪者集団からサーカス一座を救うため、困難が待ち受ける冒険の旅へと出発した若いオウム、Cuco(クコ)の活躍を描くカラフルで活気に満ち溢れた長編アニメーション映画です。クコは希望を胸にハリウッドで活躍するスーパーヒーロー"El Americano"に助けを求め旅に出るのですが・・・。この物語で描かれる大胆に、そしてかわいらしく振舞うキャラクター達に命を吹き込んでいるのが、The Foundryの3Dアニメーションツール群なのです。

Boxel StudioのBotello氏によると、MODOはこのフィルム制作におけるほぼ全ての行程で使われていたとのこと。高速で使い易く、さらに多様性に富んでいるMODOは、制作における中核だったと言えるでしょう。また、強力な画像操作機能を持つNUKEも、最終レンダリングのパス合成ツールとして用いています。キャラクターアニメーション、背景モデリング、リグ、ライティングなど、MODOはどんなことでも軽々と実現して見せてくれました。

特に、Botello氏のチーム内ではパイプラインを構築する際のスピード、他プラットフォームとの互換性の高さという点において、アニメータからの評価が大変高かったようです。また、MODOが提供しているモデリング、レンダリング機能も効率性が高く、レンダリングノードが無制限であるという仕様も大きなメリットでした。

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Boxel Studio

「MODOはパワフルなテクノロジツールであり、アーティストは快適な作業環境を手に入れることができました。コスト面、生産性、品質、そのどれをとっても90分のアニメーション映画、しかも3D対応のプロジェクトをわずか8か月間で仕上げることなど、MODO以外のツールで達成できたとはとても思えません。」

各フェーズで力を発揮するMODO

「製作開始早々、多くの建物が立ち並ぶチョルーラやプエブラといったメキシコの都市を再現する必要があったのですが、MODOのリプリケート機能が早速役に立ってくれました。他のツールであれば、時間ばかり消費してしまうであろう工程を、思いのほか速く簡単な作業で達成することができたのです。もちろん他の機能も大いに役に立ったことは明らかです。何と言っても、個性的な鳥のキャラクタ達を作り上げることができたのですから。」

「キャラクタの場合、まず基本となるリグをレイアウトに組み込み、それからディレクターがアニメーションの方向性を決められるよう、アニメーションのテストを行いました。今回の制作では、この処理工程が非常に重要だったのです。というのも、レイアウトの段階でそれぞれのキャラクタが各ショットを実現するのに必要とされるコントロールの量を把握していたからです。」

「El Americano」ではショット毎をベースとしてチーム内で制作を分担したため、各シーンで整合性を保つためのマテリアル、環境、背景用のオブジェクト、ライトリグに至るまで、様々なオブジェクトのライブラリ化が必要だったのですが、ここでもMODOのプリセットシステムが大いに役立ってくれました。

「MODOのレンダリングエンジンは、レンダリング時間と画質をコントロールする主要な調整項目が分かれているため、結果的に可能な限りベストな画質を、ベストなパフォーマンスで実現できるのです。作品に求められる見栄えによって、細かな微調整が可能だったので、すごく助かりました。」

  • El Americano
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© Boxel Studio

「またキャラクタ制作においても、MODOは大変優れたツールであることを証明してみせました。キャラクターはあらかじめMODOでモデリングされていたため、ベースとなるリグをそのまま組み込み、ポーズツールでモデルの機能性を簡単に検証することができました。」

本編制作とその裏方たち

「El Americano」はBoxel Studioにとって初の長編映画作品ですが、そういった用途以外のMODOの多様性についても熟知しています。スタジオではMODOに対して、そのデザイン性およびコンサルティングサービスといった側面を求めています。子供の遊園地の広告のためにカラフルな2D作品を3D画像へと変換するといったプロジェクトから、特別政府高官用の装甲車デザインのデモンストレーションまで、その内容は多岐にわたっています。それらプロジェクトを実現できるMODOの機能性に加え、Botello氏はソフトウェアを取り囲むコミュニティ環境にも高い価値を見出しています。

「The Foundryの製品の導入にあたり、私達は単にソフトウェアを購入したのではなく、その技術に投資することで全面的なバックアップを得たのだ、とすぐに実感することができました。」Botello氏はこうも続けます。「製品と同様、MODOを取り巻くコミュニティも素晴らしいものです。フォーラムでは互いに助け合い、The Foundryのスタッフも最高のサポートを提供してくれるのですから。」

2014年早々「El Americano」上映が開始されますが、Boxel Studioでは既に次の映画プロジェクトの製作準備段階に入っていることでしょう。Botello氏によればMODOを中心に据えたパイプラインは、彼らのデザインプロジェクト、そして映画プロジェクトにおいて、これからも重要な役割を担い続けて行くことになるとのことです。


「ボーダーランズ 2」(Borderlands 2)の砂埃にまみれた世界観をMODOで実現

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見栄えするキャラクター、ストーリー、そしてゲームメカニクス、ゲームにとってはどれも重要な要素ですが、これら全てを兼ね備えたゲームであってもワクワクするような世界観がなければ台無しです。Gearbox Software社のRaul Aparicio氏は、そんな重要なゲームの世界観を担当するエンバイロメント(環境)アーティストの一人です。熱心なMODOユーザーでもあるAparicio氏は、大ヒットシューティングゲーム「ボーダーランズ 2」(Borderlands 2)の環境アセットを作り上げるのに完璧な3Dモデリングおよびアニメーションツールとして、MODOを採用しました。

この最高に熱いゲームシリーズの登場は遡ること14年前、Valve Software社製「ハーフライフ」(Half-Life)の追加コンテンツをリリースしたことから始まりました。その頃、テキサスを拠点とするGearbox Software社のベテラン5人組は「トニーホーク プロ スケーター3」(Tony Hawk Pro Skater 3)/「ブラザー イン アームズ」(Brothers in Arms)/「サンバDEアミーゴ」(Samba de Amigo)等、様々なゲーム開発経験を経て技術力に磨きをかけていました。そんな渦中に生まれてきた「ボーダーランズ」(Borderlands)シリーズは、彼らが手がけた最も有名なタイトルの一つとなったのです。

Gearbox Software社に参加する2年前、Aparicio氏は「レイジ」(RAGE)/「ドゥーム 4」(DOOM 4)といった有名タイトルを制作したid Software社で働いていました。それらのタイトル制作にMODOを使用していたのはもちろんのこと、彼個人のアート作品にもやはりMODOは欠かせないツールでありました。「ボーダーランズ 2」(Borderlands 2)本編、さらにダウンロードコンテンツの制作パイプラインにおいても、まさにMODOが幅広く活躍してくれたようです。

「「ボーダーランズ」(Borderlands)のコンテンツ制作には、それほど厳しい縛りはありませんでした。ただし世界観に合いさえすれば、という条件付きではありましたが。」とAparicio氏が述べているように、世界の終焉を迎え荒廃した世界観にぴったりとはまるセルシェーディングルックのアセット制作は、思いのほか苦労を強いられたとのこと。全てのテクスチャは手描きなうえ、まとめ上げる際には多くの決まり事に従わなければならなかったためです。その中にあっても、ディフューズテクスチャをゼロから構築するという作業は、「ボーダーランズ 2」(Borderlands 2)制作過程において、Aparicio氏が一番楽しめた部分だったそうです。「表現をうまく引き出せた時は、最高に見栄えするものになりました。それもすべてはディフューズから生まれているのです。昔から変わりませんね!」

MODOで中世の世界観を再現

大量に描かれた廃棄物、荒廃した建造物、かつては健全に機能していただろう社会秩序、これらの背景が存在しなかったとしたら、このミュータントと殺戮に満ちた「ボーダーランズ 2」(Borderlands 2)の世界観は全く違ったものになっていたはずです。Aparicio氏によると、特にモジュラー構造のハードサーフェースアセット、地形、環境も含めたテクスチャの制作に、また全てではないにせよ、シーン内で目を惹く大き目の地形オブジェクトの制作にも、MODOを活用したとのことです。

ゲームコンテンツ制作において必要不可欠な作業となるUVの展開には、通常多くの時間が費やされてしまいます。大変な労力を強いられるプロセスですが、この点においてもAparicio氏はMODOの機能を褒めたたえています。「MODOはカスタマイズを加えることで、よりしっくりと手に馴染むツールになりますね。それにほんの少しマクロを組む勉強をすれば、より強力なツールとして更なるレベルへと導いてくれます。MODOのテクスチャベイクも最高に使い易いですし、マクロを組んで一発で多くのテクスチャをベイクできるようにしていました。」

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「ニーズに合わせてカスタマイズが可能であるという点でも、MODOを素晴らしいツールです。例えばマクロを組むといったシンプルな機能を学ぶだけでも、非常に役に立ちます。」

ここで、最近リリースされたダウンロードコンテンツ「Tiny Tina’s Assault on Dragon Keep」でのコンテンツ制作におけるMODO機能を利用した活用法の実例をご紹介しましょう。このアドオンコンテンツ自体はちょっと風変りなファンタジーをテーマとしたロールプレイング風のコンテンツであり、Aparicio氏はこのプロジェクトで古跡モデルの制作を担当することになりました。古跡モデルにはそれぞれ汚れのないキレイなバージョン、そしてダメージを受け所々崩れてしまっているバージョンという、二つのモデルデザインが求められました。これを実現するのに、MODOのUVスリップ機能を用いることで、大量のアセットに対し効率良く処理をかけることができたのです。

「Photoshopの内部でテクスチャをまとめるためのパターンを生成するのに、MODOの物理演算機能を活用しました。物理演算でシミュレーションさせることで、まずは残骸モデルの破片群をある程度配置したら手動で調整し、法線マップへと焼き込んでPhotoshopで作業を行いました。」

時間短縮に有効

ダウンロードコンテンツとして制作された「Tiny Tina’s Assault on Dragon Keep」ですが、このボリュームをトップクラスまで仕上げるのに3ヶ月間という、決して十分とは言えないタイトなスケジュールが設定されていました。膨大な量のコンテンツをスケジュール期間内で仕上げなければならない、という重圧と向き合いながらの大変厳しいプロジェクトであったものの、Aparicio氏はMODOがあったからこそ乗り切ることができたと語っています。

「MODOは今までの仕事のやり方を、もう一度検討しなおす時間を与えてくれました。そして何日間かかけて、UVやテクスチャのベイク、そして最適化用に全く新しいコマンドセット、ツールプリセットを構築するに至りました。」

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プロジェクト終盤でほとんど完成に近い状態であっても、アセットの最適化やマクロの作成に時間を費やしたそうです。そうすることで、例えばUNREALからオブジェクトを読み込んだり、回転させたり、リネームしたり、さらには衝突判定用の格子に名称を割り当てるといった、プロジェクトにこだわらず多岐にわたって広く使える多数のルーチンを自動化することができました。

「どんなソフトウェアにも強みを活かせる部分があると考えています。」とAparicio氏は語った上で、さらにマクロ機能やリトロポロジ、さらにUV編集機能は、MODOの数ある機能の中でも大変な強みを発揮してくれたようです。

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Tina's Assault on Dragon Keep

「私達は限界を超えられるよう、常にチャレンジしています……ファンが目を凝らして注目している面白いプロジェクトが、まだまだ私達を待っていますから。」


New Deal Studiosの舞台裏

LAに拠点を置くNew Deal Studiosもそのようなクリエイター集団の一つであり、ミニチュアモデルや背景セットといった実際の造形物制作において高い技術力を誇る著名なスタジオですが、映画「The Lone Ranger(邦題:ローン・レンジャー)」からCM「Vizio」などのデジタル映像作品まで、多岐にわたる作品制作のパイプラインにおいて、The Foundry社のソフトウェアソリューションを多用しています。

スーパーバイザーのジャスパー氏はこう語っています。

「(プロジェクトによるものの)New Deal Studiosでの制作チームにはおおよそ20〜50名位のスタッフが携わっており、The Foundryの製品群がスタジオのパイプラインにおける統合的な役割を果たしてくれました。

最近のプロジェクトでは、NUKEMODOHIERO、そしてMARIが大多数のデジタルワークを支えてくれました。

制作フローの中で私達はツールに対して、ほとんどカスタマイズを行うことなく作業しています。これは各ツールがデフォルトの状態で非常によく考え抜かれてデザインされており、大幅なカスタマイズやスクリプティングを行わなくても、ワークフローにぴったりとマッチしているからです。MODOのレンダリングにはその出来上がりの質感はもちろんのこと、特に膨大な数のオブジェクトが並んでいるシーンに対する高速さに感銘を受けているところです。

私達が最近手がけたVizioのCMプロジェクトでは、詳細な都市空間をモデリングし、数千もの近未来的なオブジェクトを水平線に至るまでびっちりと配置していたのですが、この大掛かりなシーンを1フレーム辺りたった2分でレンダリングすることができました。もちろん高い負荷がかかるグローバルイルミネーションを適用し、テクスチャも適用した状態でのことです。ゲームエンジン以外で、これだけの巨大な背景を高速にレンダリングできるレンダラーなど聞いたことがありません。

この高速なレンダラーが実装されているおかげで、より多くの時間を本来のデザインや創造に費やすことが可能になりました。

映画「The Lone Ranger」(邦題:ローン・レンジャー)の撮影現場

また、映画「The Lone Ranger(邦題:ローン・レンジャー)」の中にある電車がクラッシュするシーンでは、実写とCG部分とのカメラマッチング、さらには実世界の撮影現場におけるライトに対応したリアルな影を描写するのに、MODOが大活躍しました。

私達New Deal Studiosでは、自分たちの限界をさらに押し広げるため、新たなツールをどこまでワークフローへ組み込めるかを、常に課題として取り組んでいます。現在はMARIをNUKEのパイプラインに組み込んだり、制作の後工程にHIEROを組み込んでみるなどの試みを進めているところです。」


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